特集

TEXT:鈴木亮介

ウルフルケイスケ。ミスタースマイルの異名を持つ、ギターとタイガースが大好きなロックミュージシャン。ウルフルズのギタリストとして1992年にデビューし、アルバムはミリオンセラーの大ヒット。NHK紅白歌合戦にも出演するほどの、まさに国民的トップアーティストだが、バンドとして大阪ドームや日本武道館などのビッグステージに立つ傍ら、2009年のウルフルズの一時活動休止を機に、ギター1本弾き語りでのソロ公演を始動。バンドの活動再開後も北海道から沖縄まで数十人キャパのライブハウスやカフェを巡る公演を続け、2018年2月にはソロ活動に専念するためウルフルズとしての活動を休止することを発表した。
 
ウルフルケイスケの旅のテーマは「マジカル・チェイン」=不思議(素敵)なつながり(出会い)。さながら渡り鳥のごとくギター一本背負い、いろんな場所でいろんな人といろんな音楽で一期一会の出会いを大切につながりを広げている。コロナ禍で様々な制約も生まれる中、今もなお旅を続けている。
 
本誌では2013年よりウルフルケイスケ自らその旅の模様を綴るコラム「トラベリン・ギターマン・日記」を隔月掲載している。連載は2022年2月で50回目を迎え、登場した都道府県は26に及ぶ。まずは、ここまでの”旅路”を振り返ろう。

北海道

面積は83,450平方キロメートル、東京都の実に38倍の広さを誇る、東西にも南北にも広い北海道。利尻町観光大使を務めるなどウルフルケイスケの旅路と縁も深い北海道は、本コラムでも最多の7回登場している。
 

 
アーリータイムズの野澤氏は、ウルフルケイスケとの出会いを「10月だというのに半ズボンで現れ、『ちょっと寒い』と屈託のない笑顔に爆笑した」と振り返る。ちぱしりの篠塚氏は「スターでもあるケイスケさんが、私達と気さくに明るく笑顔でお話しされる…」と驚いたという。ライブ翌日に行った中学校の芸術鑑賞会で、10代の生徒に対しても優しく励ましの言葉を掛けていて「だから老若男女みんなに好かれてるんだな」と思ったと、当時を振り返る。
 
ロックハウス・ディランでのライブはニュー・オリンズ風の「マジカル・チェインのテーマ」で始まり、意表を突くアンパンマンの主題歌からアンコールの「まいどハッピー」まで大盛り上がり。ロックハウス・ディランの伊藤氏によると「リラックスしながらもお客さんを乗せに乗せていた。打ち上げでもお客さんの席を満遍なく回り、場を盛り上げる心配りに驚いた」という。
 
山のカフェKAKURE(覚礼)の牧氏も「ケイスケさんの第一印象は”腰の低い、丁寧な方”」と話す。店の常連客が企画し実現したという公演。音楽ライブができる店内の作りではなく、音の反響などが心配だったというが、事前の打ち合わせでウルフルケイスケは「建物が全部木でできてるから、優しい音になりますね。問題ないです」と話し、店のスタッフを安心させた。コロナ禍でもあり、観客の大半はライブハウスに足を運んだ経験のない近隣の農家。口々に「プロの演奏はすごい」と感動していたという。
 
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東北・関東

よく「北は北海道から南は沖縄まで…」と言うが、東北の雪深い町でもウルフルケイスケはたくさんのライブを行っている。また、水戸や東松山、茅ヶ崎など東京近郊の町でも、その土地ならではの出会いが生まれているようだ。
 

 
Bo-JANGLESのかとうだいぞう氏によると、何といっても水戸ライブで圧巻だったのはウルフルケイスケ野澤享司ながはら元の競演だという。アンコール曲で披露されたのは「Come Together」と「まいどハッピー」。「メールで譜面のやり取りをしただけの本番、3人の異種格闘技戦のような佇まい、セッションはそれはそれは素晴らしく緊張感のあるものでした。 ケイやんのボーカルにギターが唸りジャンベがそこに絡みついてきました。これだけで今日のライブは満足、水戸だけのスペシャルな企画、大成功でした」と、かとう氏は当時を振り返る。
 
入間の「MUSIC CAFE SO-SO」は、現在ライブ営業を行っていないということで、奇しくもコロナ禍で最後に行ったライブがウルフルケイスケのライブだったという。「MUSIC CAFE SO-SO」を経営するテンナイン株式会社の酒井氏は「とにかく一所懸命。全力でスマイルで発信するライブで、それはケイスケさんを知らない人でも引き込まれますよ。1番最後に新曲を歌ってくださったんですが、その曲が良かったのを覚えています」と当時を振り返る。
 
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東海・北陸

日本中の隅々まで旅を続けるウルフルケイスケは、日本海側でも数多くのライブを行っている。また、東海、甲信越でも数々のステージに立っており、今後公開されるコラムで新たなエピソードが紡がれることだろう。
 

 
静岡・LIVE HOUSE UHU(ウーフー)の中村氏は当初、「こんな地方の小さな店で大丈夫なんだろうか」と心配したという。様々な人との縁でつながり、公演が実現した。ウルフルケイスケのライブやその人柄について、「音楽の素晴らしさはもちろんですが、ステージに上がった瞬間の輝くようなオーラにしびれます。それなのにリハ中やライブ後は若いスタッフやお客さんに本当に気さくに接していただき、そのギャップにまたやられます」と絶賛する。
 
新潟・JAZZ FLASHでのライブは2012年10月に実現し、リクオクマガイマコトとの共演として開催された。JAZZ FLASHの佐藤氏は初顔合わせの際を振り返り、「あの笑顔で手を差し出すしぐさに昔からの友人を迎えた気持ちになり、リハーサルもライブも気持ち良くできたことを覚えています」と話す。またウルフルケイスケのライブについて「ステージ登場の時から音楽のリズムに乗り、楽しさと笑顔がお客様にすぐ伝わってくることからライブの充実度がわかります。その後はずっとノリノリで、演奏の最後にはいつもクマガイマコトくんとデュオをするのですが、観客を乗せながらウルフルケイスケ的くすぐりがあり、微笑ましいです」と語る。
 
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近畿

大阪府高槻市の出身ということもあり、当コラムでは大阪府の記事が北海道に次いで多く登場する。また、ライブハウスの多い京都や兵庫にとどまらず、奈良や和歌山の記事も多く、その一つ一つが濃厚な旅であることを伺わせる。
 

 
大阪・南堀江のknaveではROLLYとの企画ライブ「北摂GOLDBLEND」などウルフルケイスケが出演する数多くの公演が行われている。knave代表の上原氏はウルフルケイスケとの出会いを「テレビで見ているそのままの印象の優しいお方といった感じでした」と振り返る。エレキ一本のソロライブを始めて間もない時期であったこともあり、「『僕のステージ、味のあるライブじゃなくて 味だけやからね(苦笑)』とMCで常に言ってらしたことがとても印象的でした」という。
 
大阪・ハウリンバーのつる氏も「大スターかと思ってドキドキしてましたが、会ったら割とフツーの気さくな兄ちゃんでした」と話す。さらに大阪・千鳥温泉の桂氏も同様に「まったく大物ぶった感じではなくとても親しみやすい雰囲気でお話をしてくれたことが印象的でした」とその第一印象を話してくれた。とはいえ、ステージでの佇まいはスターそのもの。前述のハウリンバー・つる氏は「お客さんはウットリ見てますが、ボクはギタリストとして見てます。めっちゃ上手い!当たり前やけど」と話す。
 
京都・SOLE CAFEの村田氏は「お客様にとって、今、ここでしかない時間を楽しめる演奏をして頂いている。お客様もその特別な時間のために、何度も足を運ぶ人が多い」と、その特別さを力強く語る。奈良・ビバリーヒルズの坂口氏は「演出含めとにかくお客さん第一に考えられている”お客さんへの愛”が強い。お客さん・関係者含め巻き込み方もパワフルで、関わった方を元気にしていく!といった元気印なイメージがある」と話す。以前、店のアコースティックギターを貸したらライブ本番中にストラップが抜けてしまうというハプニングがあったそうだが、そのときウルフルケイスケはネック部分だけを持って、止めることなく演奏続行。観客もそんな姿に喜び、いっそう盛り上がったのだという。
 
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中国・四国

中国・四国地方の記事を振り返っても、人口の多い広島県ばかりでなく、島根県、鳥取県などの山陰地方や、四国も満遍なく巡っていることがわかる。そのステージもカフェから旅館、はたまた国の重要文化財に指定されている旧駅舎までバリエーションに富んでいる。
 

 
広島・OTIS!の佐伯氏は「とにかく感じるのはケイスケさんがお客様へ常に暖かく向かっておられること。それに応えてお客様も、暖かくケイスケさんに応えようとしている感じ」「ギターがうまい!たった一人で、確実に音楽を進めていく技量はやはりすごいなあ、っていつも思います」とライブを振り返る。
 
元々ウルフルズのファンで、ホールライブも観に行っていたという島根・中村旅館(お泊り処 なかむら)の中村氏。「豆粒だった存在が普通に話しかけてくれたので、頭がバグってました!当然初めてお会いした時は何を話したか覚えてません」と初めての出会いを振り返る。「飲食で例えると、配信はいつでも気軽に安定のクオリティで食べられる、お手軽レトルト。ライブは、その日にしか入らない新鮮なお刺身」と話す。
 
愛媛・スタジオOWLの高橋氏は「エレキギター1本、一人でロックする姿はシンプルでかっこいい。1曲目から魅了されます」とライブを振り返る。広島・はるのんcaféのはるの氏も、「弾き語りのシンプルさが胸にじ~んときました」とライブを振り返る。PAスタッフも「ケイスケさんの笑顔は会場のみんなをハッピーにする笑顔」と話しているという。
 
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九州・沖縄

北から巡ってきた本記事の”旅路”も終盤。九州・沖縄に関する記事を改めて読み返すと、1本1本それぞれの土地に「熱さ」や「温かさ」があって面白い。
 

 
長崎・BODY II SOULの片岡氏はウルフルケイスケとの出会いを振り返り、こう話す。「彼の周辺3メートル四方は笑顔のオーラで包まれておりました。初対面で一瞬にして心を掴む人とはこういう人なんだと思いましたね。」
 
ライブ時の客席は「テンポのいいステージングに観客は引き込まれていた様子。みなさんとにかく積極的に応援しようという感じで、聴くことに集中していた」という。
 
福岡・The Voodoo Loungeの増田氏は「テレビで見ていた通りとにかく優しくて温かい印象」と初対面の印象を振り返る。ソロライブに限らず、ウルフルズのツアーで福岡を訪れた際にも、オフィシャルではないアフターパーティーを店で開催していたところ、ウルフルケイスケがわざわざ遊びに来てくれて感激したという。
 
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ウルフルケイスケ インタビュー

本誌BEEASTではコラム連載50回突破を記念してウルフルケイスケにインタビューを実施。ギター1本ソロライブを始めたきっかけや、コロナ禍で全国を巡り、ライブを行うことに対しての思い、今後の展望などを尋ねた。
 
ukc04――隔月でご執筆頂いているコラムが2月でついに50回を迎えました!
 
ケイスケ:ありがとうございます!50回?そんなになりますか。結構みんな(他のコラム執筆者の顔ぶれも)変わってますもんね(笑)。
 
――改めて振り返ると、北から南まで満遍なく書いていただいています。ソロ活動を本格始動したのは2009年からだと思いますが、元々全国を回るとか旅をするということ自体はお好きだったんですか?
 
ケイスケ:元々すごく好きということではなく、普通でしたね(笑)。バンドでライブツアーを回るのは好きでしたが、2009年以降、自分でライブで回り出してから「こういう(全国を旅する)のは自分に合ってるな」と思うようになりました。
 
――バンドの活動休止以降、音を鳴らし続けたいという思いでソロ活動を決意されたと伺っていますが、そのときに「全国に行こう」と思い立ったのですか?
 
ケイスケ:いや、ソロになるまでに段階があって…活動休止した当初はもう自分一人なので、バンドではなかなかやりにくかったような色んな人とのセッションを、音楽以外の人とも関わろうと思ったんです。DJやイラストレーター、ダンサーなど色んな人とコラボして…それから2年くらいした頃、知り合いにリクオくんというピアノ弾きがいて、昔から全国を回っている方なんですが、一緒に回らないかと声をかけてもらったのがきっかけですね。
 
ukc03――なるほど。リクオさんのお誘いがきっかけだったんですね。
 
ケイスケ:それまではセッションに出てもボーカルは別の人で、自分はギターを弾くのがメイン。リクオくんと回ったツアーから自分で歌うようになったんです。曲は作ってたんですけどね。自分で作った曲を自分で歌おうって決めたのはツアーを始めてからです。
 
――そうだったのですね。
 
ケイスケ:それからしばらくして東日本大震災が起きたことも大きいです。今でも続いているのですが、被災地を訪問して色んな話を聞いたり、見たりして、音楽を通じてコミュニケーションをとることが自分には向いているなと、だんだんやりながら思いましたね。
 
――ツアーに行く場所はどのようにして決めているのですか?
 
ケイスケ:最初はリクオくんが紹介してくれた場所を回って、そこから「こういう場所もあるよ」と教えてもらってつながって、活動する場所が日本全国に広がっていきました。
 
ukc05――人との関わりが原動力になっているのですね。
 
ケイスケ:元々人と話したりするのは好きで…ただ、自分一人なのも好きなんですよ。両方好き。ずーっとみんなでいると、ちょっと違うなぁと(笑)。旅は一人で行って、訪れた場所で色んな人と交わって、また次の土地へ一人で行って…となるので、ちょうど自分に合ってるんですよね。
 
――まさに寅さんですね。
 
ケイスケ:そうそう。そういうことをしだしてから『男はつらいよ』を見るようになりましたね。何となくわかるなぁって。
 
――ソロツアーを続けていく中でどのような発見がありましたか?
 
ケイスケ:やってみて気づいたことはいっぱいありますね。一番初めは被災地で「少しでもいいので楽しい気分になってもらえたら」と思って行くんですけど、最後は自分が元気をもらうんですよね。発見というか、小さなライブハウスで自分が音楽を始めた頃の気持ちを再確認しました。
 
――どのようなことが「再確認」できたのですか?
 
ukc02ケイスケ:お客さんとの距離も近いし、温度感とかですね。どっちがいいということではありませんが、バンドではメジャーの(大きい)活動が多くなっていたので、音楽をし始めた頃はこういう感じだったなぁっていうのを思い出しました。……40代中盤くらいで、自分の人生ってどうなのかなというのを振り返ってみたりするじゃないですか。自分の人生を考える良い機会になりました。それはメジャーでずっとやっていたらわからなかったことなんですよね。
 
――バンドのツアーとは特にどのようなところが違うのでしょうか。
 
ケイスケ:バンドだと、大きい街でライブをして、また次の大きな街へ行って…となりますが、自分一人だとその「大きな街」の横の横の…また横、みたいなところでやるわけですよ(笑)。小さなお店だけど、そこに音楽が好きな人が集まって、小さいコミュニティができている。「みんなこんなところで、こんなマニアックな音楽聴いてるの?」って。メジャーシーンと関係なく、自分たちの好きな音楽・聴きたい人を呼んで楽しむ場所が日本各地にいっぱいあって、こういうのも日本の音楽を支えているものの一つなのかなと。新鮮で面白かったです。ギターが弾ければどんな場所でもどういうステージでも一緒。音楽を始めた頃に思ったことに近いなと思いました。
 
――「音楽を始めた頃に思ったこと」とはどのようなことですか?
 
ケイスケ:シンプルなんですよ。ただ音楽を届ける場所と、お店なり個人なり主催してくれる人と、観に来てくれるお客さんと、僕しかいない。シンプルですよね。ギターを背負って、自分で色んな荷物を持っていくというのもそうだし。自分で自分の音源やグッズなどを持って行って、いいライブをすればそれがたくさん売れて…。目に見えて、実感として目の前で全てが分かって。
 
ukc04――全体が見えますよね。
 
ケイスケ:そうそう。その代わり大きく動くことはできないですけど、リアルな感じで、シンプルな関係のままわかる、ということですかね。
 
――全国様々なステージがあって、環境もまちまちで、その土地だからこそ生まれる音楽があると思うのですが、その土地の環境やお客さんに合わせていくという感じなのでしょうか。
 
ケイスケ:合わせることはそんなにしないですね。どんな環境であっても、「あぁ今日はこういうギターアンプか…」というところでも、自分は自分のできることをちゃんとするということに集中するんです。それが合わせるということなのかもしれないですけど、あんまり考えないですね。
 
――自然体で?
 
ケイスケ:心が一番大事だと思ってるので。形じゃなくて、気持ちを入れて音楽をやる。そうしていると、大体何とかなります(笑)。音楽を楽しむ方法もいろいろあると思うんです。どれが良くてどれがだめということは全く思わないんですけど、それぞれが好きに音楽を楽しんでいる環境が僕は好きですね。フェスなど大きな会場でみんなで同じフリをしてみんなで楽しむというのも好きですけど、自分一人で小さい街を回っていると、それぞれがみんな好き好きに楽しんでいるということも多くて、それも好きですね。
 

 
――YouTubeで拝見したのですが宮城・名取の熊野那智神社のライブはそれこそ自然と一体化して、ヒグラシの鳴く中でのステージが印象的でした。
 
ukc02ケイスケ:面白いですよ。神社でのライブも。「こうせなあかん」というのがないと思ってるので。「自由でええやん」って。そこに音楽があってそれをみんなで共有できればどんな場所でもいいし、どんな環境でもいい。それと、顔が見える方が好きですね。主催してくれてる人がどんな思いを持っているのかということも含めて、観に来てくれてる人の顔が見えてみんなで音楽を共有しているのが好きですね。
 
――ステージが小さいほど、お客さんやスタッフの顔はよく見えますよね。
 
ケイスケ:地方のお祭りとかのライブだと、仕切りがすごく悪かったりするんですよ(笑)。これ大丈夫かな?と思うんですが、みんな一生懸命やってるなーというのが伝わってくる場合が多いので、それはそれでいいなって思って楽しめます。
 
――「顔が見える」という点では、コロナ禍でライブ自体も減って、お客さんの顔を見られる機会も減っていますよね。
 
ケイスケ:そうですね。
 
――旅行など、地方に行くということ自体も難しい状況が続いていますが。
 
ukc02ケイスケ:仕方ないですけどね。考えすぎてもしょうがないので、できることをしていくだけかな、と。逆にコロナ禍で、今まで経験したことのない色んなライブを経験したんですよ。アクリル板の後ろでやるとか、マイクにアクリル板が丸くついていて、そこにずっと自分の顔が映っていて「歌いにくいなー」と思ったり(笑)。ステージに出ていったらお客さんが全員フェイスシールドをしていて、ライブしている間に熱気でどんどん曇っていって見えなくなったり…これはこれで、こういう経験ができるっていうのはまた…ない方がいいですけど、面白い経験ができているのかなって思います。
 
――今しかできないことと思って、それも受け入れていく。
 
ケイスケ:受け入れて、そこで自分のできることを。どんな環境でライブすることになっても自分の音楽をする気持ちだけは変えないで、自分のできることを目いっぱいやるだけです。
 
――お客さんも含め、私たちが「気持ちを変えない」ためにはどうすればいいのでしょうか。中止、延期…が続いていく中で、心が折れてしまう人もいるのかなと思います。
 
ケイスケ:やっぱり、自分には音楽しかないなと思ってるので…というところですかね。自分には音楽やな、と。他はない。大事なものだし…自分にできることは音楽しかない。それで、どうするか。気持ちっていうか、「それしかない」っていう感じです(笑)。
 
ukc02――気持ちを持つというよりは、それしかないという前提があって、環境が変わったときにどう適応するかという…
 
ケイスケ:迷ったりぐらついたりしたときもありましたよ。でもまぁ、自分には音楽しかない。そういうところですかね。
 
――2020年頃、ライブが行えない期間が半年にも及ぶ時期がありましたが、その頃はどのように思っていましたか?
 
ケイスケ:あの時は気分が滅入りましたね。次から次から延期、中止になって、それを告知するのが毎日続いて、告知するたびに気分が滅入っていって「どうしたらいいかなぁ」って。その頃三宅伸治さんに、落ちてるというかやる気が出ないという話をしたら、「自分もそうやねん」って言われたんです。三宅さんも同じなんだ!って。年上の、第一線で活躍するような人でさえそうなんやとわかって、「じゃあ大丈夫かな」って思ったんです。自分一人やないねんなって。やっぱり(暗い気持ちは)内に内に入っていくので…
 
――人と話したことで安心したんですね。
 
ケイスケ:みんなそう思ってるんなら、自分だけじゃないんだなって思ったら楽になりましたね。
 
ukc01――同じ場所でもコロナ後はお客さんの反応が変わりましたか?
 
ケイスケ:ライブに参加すること自体が1年ぶりという人もいて、中には感動して泣いている人もいましたね。普通にギターを弾いて普通に音楽を楽しむという、これまで普通と思っていたものが普通じゃないんだなって思って、改めて観に来てくれている人に物凄く感謝やなーって思いましたね。音楽っていいなって改めて思うし、観てくれてるっていうのはすごいことなんや!って。今までも思ってましたけど(笑)
 
――改めて音楽の良さを再認識されたんですね。2022年、2023年とこれからも音楽活動は続いていくと思いますが、どのような展望、ビジョンを考えていますか?
 
ケイスケ:配信とかも含めて色んな形態でライブをしましたが、やっぱり自分はアナログなんが好きやなって思いましたね。時代には逆行してるんですけど、逆にもっともっとアナログに、泥臭くやっていこうって思います。人間臭いっていうかね。もっともっとそうするのが自分には合ってるなって。
 
――コロナを経たからこそ、アナログの方が「音楽をやっている」という実感があるんですね。
 
ケイスケ:僕はそうですね。逆行してますね(笑)。人力が好きですね。

これまでコラムに登場した店舗からウルフルケイスケへメッセージ

 

・しゅうまいパワーで日本全国スマイル&ミュージックを届けて下さい
(アーリータイムズ 野澤尚司)
 
ケーヤンを紹介してくれたリクオさんや、ケーヤンが紹介してくれたローリーさん、そしてケーヤンの前向きに進んでいる姿に日々ものすごい勇気ををもらっています。
またあの笑顔と一緒に遊びに来てください。オベーションの弦を交換して待ってます。
(ロックハウス・ディラン 伊藤忠司)
 
・これからも一人旅で笑顔を日本中に届けてください。
(ちぱしり 篠塚成二)
 
・ミニシアターのこけら落としに出演して頂くお約束ですが、緊急事態宣言などで、裏店長が帰ってこられないので、小屋は2年前のままです(^^;;
必ず完成させるそうなので、今しばらくお待ち下さい。完成したら、是非お声掛けさせて頂きますm(_ _)m
(山のカフェKAKURE(覚礼) 牧 和惠)
 
ウルフルケイスケさんには、これからも日本の隅から隅までライブで回って
もらいたいと思っています。このストレスの溜まった国を笑顔溢れる世界に変えてほしい!
(JAZZ FLASH 佐藤茂)
 
・いつもSNSで、日々のジョギングコース等も拝見しております。港座はライブ当時と比べ、音響・照明設備を充実させました。
また是非、港座にお越し頂きますよう宜しくお願い致します。
(酒田市 港座 菅原弘徳)
 
・また懲りずに是非水戸にいらしてください。お待ちしてます。
今度納豆送ります!
(Bo-JANGLES かとうだいぞう)
 
・ご活躍は拝見させて頂いてます。これからも全力で皆んなにスマイルを送ってください。道中お気をつけて。頑張ってください。
(テンナイン株式会社(MUSIC CAFE SO-SO) 酒井道啓)
 
・こんな小さな港ですが、ウルフルケイスケさんへの歌がある限り
喜んでくれるお客さんがいる限り、存在出来たら嬉しいです。
どうぞお身体に気をつけて。またお待ちしてます!
(LIVEHOUSE UHU(ウーフー) 中村信哉)
 
ケイスケさんが常におっしゃっているように、ジャンルやスタイルは関係ないです。今後ケイスケさんがどんな形であれ楽しく音楽を続けてウルフルケイスケの音を出し続けるなら、一生応援しますから!
(JO-HOUSE 宮沢)
 
・本当にいつもライブの機会を頂きまして有難い限りです。
コロナの中、全国を御移動されるだけでも難しい環境ですが、
お身体にお気をつけて頂きまして、またお会い出来る日を楽しみにしております。
(SOLE CAFE 村田)
 
ケイスケさん
いつも楽しませて頂き、素敵な時間を有難うございます!
趣味のマラソンのように、
ご自身のスピード配分、マイペースで、しっかり大地を蹴り上げながら
ご自身が設定したゴールに向かい、走り続けて下さい!
微力ながら、沿道で応援させて頂きます。
ドリンクステーションには、「駅そば」置いておきますね笑
(CECIL 島田)
 
・まだ暫くは色々な規制の中で進んだり止まったりを繰り返さないといけないと思いますが、ファンの皆さんの心の糧になるステージをこれからも続けていってください。
またお会い出来るのを楽しみにしています!
(雲州堂 小谷)
 
・いつも自身のスタンスを変えず活動されているケイスケさん
いつまでも憧れの存在で居てください。
(knave 上原隆博)
 
・これからもずっと元気の種を多くの方に撒き続けてほしいと思います。
こういった状況だからこそ一人でも多くの方にケイスケさんのライブを生で感じ、前を向いて1歩ずつでも進んでいってほしいと願ってます!!
(ビバリーヒルズ 坂口)
 
・音楽が好きで、音楽で自分を表現できて、しかもそれを一生の仕事にできるという方は一握りの限られた人にしかできない偉業だと思っています。
体調管理に気を付けて、これからもずっと長く旅を続けて、時々スタジオにこもったりしながら私たち聞くだけの凡人を楽しませてください。
あ、それと大阪にお戻りの際はぜひ「千鳥温泉ランニングクラブ」の走行会へ一緒に走りに来てください! 日程はウルフルケイスケさんに合わせますので~!
(千鳥温泉 桂秀明)
 
・いつも、あったかな笑顔、ホットで的確なプロの演奏に持っていかれます。
少しでも、ライブの時間に貢献できますように努力させていただけたら嬉しいです、
これからもいろんな時代が来ると思いますが変わらず続けていってください。
(OTIS 佐伯雅啓)
 
・僕と同い年ということもあって親身に接して頂いておりますが、お互い、いつまでも演者であり続けましょう!そして落ち着いた時には、また、八幡浜に元気を与えに来てください!
(Cafe-bar Smoky Dragon 柴田[Batachar & みっちー])
 
・騒動が一段落したら唄いに来てください。
お体にお気をつけて。
(ハウリンバー つるけんや)
 
・はやく観光大使になってください
(中村旅館 中村)
 
・シウマイ弁当レポを楽しみにしております。ハッピーなライブまた三原でお願いします!
(はるのんcafe はるの)
 
ケイスケさんの音楽と活動は、コロナ禍においても人々を励まし勇気づけていると思います。感染に注意して、歩み続けてください。
(スタジオOWL 高橋孝雄)
 
・また福岡にて元気な笑顔をお待ちしております!
(The Voodoo Lounge 増田幸介)
 
・これからもロックンロールと笑顔を全国に届けてください!OLD TIMEも待ってます。
(OLD TIME ボビー松本)
 
・日本中が沈んでいる今だからこそ求められるのはケイスケさんの笑顔です。
(BODY II SOUL 片岡博)

 

◆ウルフルケイスケ Official Website
http://www.ulfulkeisuke.com/
◆ウルフルケイスケ Official Twitterアカウント
https://twitter.com/ulfulkeisuke
◆ウルフルケイスケ Official Facebookページ
https://www.facebook.com/uk0523

 

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