演奏

TEXT:鈴木亮介

Photo三宅伸治ウルフルケイスケの2人だけによるスペシャルなライブが2019年6月12日(水)に東京・吉祥寺MANDA-LA2にて行われた。
 
『MAGICAL CHAIN GANG TOUR 2019』と題して行われた今回の二人行脚は、5月28日(火)の岩手・盛岡公演を皮切りに全国8カ所を回り行われた。ウルフルケイスケのコラムにあったように(参照:トラベリン・ギターマン・日記 三十四旅目 : 会津 風街亭)、お気に入りの会場を紹介しあって互いのフィールドを広げようというコンセプトから、東北は盛岡、仙台、石巻、会津。愛知は名古屋、新城が選ばれた。そしてツアーファイナルを迎えたのがここ吉祥寺である。
 
店の中央に設けられたステージ。ギターとアンプが2人分、対面するように置かれ、その周囲をぐるりとほぼ360度、いすが取り囲んでいる。イメージはElvis Presleyの『’68 Comeback Special』だという。至近距離の、贅沢なステージに期待が高まる。

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午後7時半開演。二人が登場すると黄色い歓声!早速「Born To Be Wild」のあのお馴染みイントロを2人で演奏開始。「みんなでバカ騒ぎしようぜ」「一発是仕留めるぜ」日本語詞を乗せて、2人のシンプルに温かみのあるギターが会場を包み込む。熱量は徐々に徐々に高まり、1曲目が終わると早くも「サングラス外していいですか?見えない!」とウルフルケイスケ。それに三宅伸治が「俺はもうちょっと頑張ります」と応じ、笑いを誘う。
 
2人のロックスターがスタンディングで向かい合って演奏し、その周りをお客さんが取り囲むというスタイル。「最初は真正面だったんですけどね、ちょっとズラしました」(ウルフルケイスケ)、「ラブソングが歌いづらいんで(笑)」(三宅伸治)とのことだが、2人のあいだにお客さんが絶妙に溶け込み、一体感が生まれる。そんな「ロックンロールにつながれたチェイン」は伸びやかに、朗らかに、ショウを続ける。
 
「完全にキャンプファイヤーですね」「僕らが燃え上がってました」兄弟のような親友のような阿吽の固有で笑い合い、語り合い、歌い合い、弾き合う2人(とお客!)。このツアーは2人でずっとバイク移動していた設定だということで、序盤から快調に飛ばしていく。3曲目はRCサクセションの「風に吹かれて」を演奏。三宅伸治のギターソロに酔いしれる、優しい時間が終わると、「絶好調!」と互いを称え合う。

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「ツアー中にDr. Johnが亡くなったというニュースを聞いて…」ということで、急遽セットリストを変えて石田長生の日本語詞バージョンによる「IKO IKO」を披露。のっけからご機嫌なギターリフに、快活な手拍子が起こる。さらに三宅伸治が再びエレキからアコギに持ち替えて「バンバンバン」を演奏。間奏のギター2本競演も快調!絶好調!
 
三宅伸治「いやー完璧だね」、ウルフルケイスケ「絶好調なのに完璧ですか?」、三宅伸治「絶好調&完璧!」互いを称え合うと、続いてはChuck Berryメドレーを日本語詞で。「Carol」のあの陽気なギターイントロが流れると、観客も一緒にスイング!ロックンロールの神様が編み出した旋律は半世紀を経てもなお、世界中を笑顔に変える。ここ吉祥寺もそれは同じ。「チャック・ケイヤン!」、「チャック・ミヤケ!」呼び合うや否や「(チャック・○○って)筋肉質な感じですね」と自嘲し、観客の笑いを誘う。さらにChuck Berryへ捧げるオリジナル曲「チャック・ベリーと友達になった」を続ける。

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三宅伸治がブルージーな音を奏でる。ウルフルケイスケがそっと伴奏する。「まだまだ盛り上がろうぜ!」そう宣言し始まったのは、ウルフルケイスケの代表曲の一つ「ミュージック」だ。ブランケットのようにほわっと心温まるギターの旋律に包み込まれる。さらに9曲目は2003年にウルフルズの8thアルバム収録曲としてリリースされた「君にささげよう」。励ますとは寄り添うこと。力強く、ギターと歌と、手拍子と笑顔で、肩を組むように音楽を楽しむ時間が続く。
 
ハッピーツーリストことウルフルケイスケが続いて三宅伸治とみんなを案内したのはゆったり雄壮に流れる大河のような曲「ひとつづきの夢」だ。三宅伸治のデビュー30周年トリビュートアルバム『ソングライター』で、ウルフルケイスケがリスペクトを込めて歌い演奏した一曲。今宵はサビの「ゆっくり生きるさ BABYそばにいて それだけでいい」をみんなで熱唱する。しっかりと、しっとりと、間奏のギターを聴かせ、サビの合唱で熱量はピークに。3回目のサビではギターを止めて、合唱がいっそう大きくなる。
 
「32周年…ケーヤンももう古いですよね(笑)」と三宅伸治。話題は日清パワーステーションで忌野清志郎 Little Screaming Revueウルフルズが共演したというエピソードに。「打ち上げで二人で話した記憶があって…」「覚えてないですね(笑)」と冗談めかすウルフルケイスケだが「清志郎さんや三宅さんを通じて色んな先輩と出会うことができた。感謝してます」と改めて謝辞を述べた。

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ゆったりとした時間はさらに続く。11曲目「雑踏」は三宅伸治が「梅雨時に清志郎さんと一緒に作った」という曲。三宅伸治のアコギがしとしと地面に当たる雨粒のようで、ウルフルケイスケのエレキは水たまりの雫が落ちた後の波紋のように広がる。
 
名残惜しくも終わりのときが近づく。「30年前に作った曲を…」と前置きして始まったのはゆったり三拍子のウルフルズ「いい女」。三宅伸治のブルースハープに胸の高鳴りが抑えられない!このドキドキをさらにワクワクさせるギターのイントロから、最後は「デイ・ドリーム・ビリーバー」でじんわりほっこり、本編が終了。拍手が鳴りやまない!

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熱烈なアンコールで三宅伸治ウルフルケイスケが再登場。2人の演奏が終始息ぴったりで、「揃う」とか「合う」とか、そういうことを全く意識せずに引き込まれていく。つなぎ目のない調和、その象徴とも言うべき「去年、2人のツアーのために作った」という曲「君の歌、聞きたい」がアンコール1曲目に披露される。夏の日差しを感じられる楽曲だ。手拍子で穏やかに、幸せな大合唱。
 
そのハッピーな空気のままアンコール2曲目、ウルフルズの人気曲「まいどハッピー!」へと続く。「迷ったときは?」「やる!」最高の掛け合いでオーディエンスとの一体感を再び感じると、最後はここにいる誰もが知っているあのイントロのフレーズを三宅伸治が弾く。ウルフルケイスケがジャカジャーン!と加わると、観客は総立ち!全員で、高く高く「JUMP」する!
 
「6月のライブ…蒸しますね!」最後は2人肩を組んで、お辞儀をした三宅伸治ウルフルケイスケ。音を愛する純粋な心で、大事なのは形じゃなく気持ち。ギター2本のシンプルなステージは、『’68 Comeback Special』に引けを取らない、ゴージャスでハートウォームなものとなった。

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※本記事の写真はオフィシャルフォトを掲載しています。撮影:Ayami Sakamoto

 
◆セットリスト
M01. Born To Be Wild
M02. チェイン・ギャング
M03. 風に吹かれて
M04. IKO IKO
M05. バンバンバン
M06. Chuck Berryメドレー
M07. チャック・ベリーと友達になった
M08. ミュージック
M09. 君にささげよう
M10. ひとつづきの夢
M11. 雑踏
M12. いい女
M13. デイ・ドリーム・ビリーバー
-encore-
E01. 君の歌、聞きたい
E02. まいどハッピー
E03. JUMP
 
◆三宅伸治 公式サイト
http://miyake-shinji.com/
 
◆ウルフルケイスケ 公式サイト
https://www.ulfulkeisuke.com/
 
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ウルフルケイスケコラム 連載中! 「トラベリン・ギターマン・日記」
http://www.beeast69.com/column/keisuke
【レポート】MAGICAL CHAIN ひとり SPECIAL~2014春~
http://www.beeast69.com/report/107196
【PHOTOレポ】北摂GOLDBLEND Vol.4
http://www.beeast69.com/report/89231
【連載】絆フォーエバー ~素敵にいい夜~ 第5回(ROLLY&ウルフルケイスケ)
http://www.beeast69.com/serial/kizuna/73068
 


 
 
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