特集

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:ossie

seven oopsが2019年11月13日(水)に5枚目のアルバム『日常』をリリースした。バンド名表記を改め、2018年に徳間ジャパンへ移籍して第2章のスタートを切ったseven oops。12曲入りの本作『日常』は、前作と打って変わってNANAEMAIKOも楽曲制作を行い「メンバー全員作詞・作曲できるバンド」の本領を発揮。さらにはD-51YASUYU、そして元メンバーのMICHIRUが手がけた楽曲も収録するなど、バンドの進化と深化を収めた渾身作と言えよう。
 
前作『songs for...』リリースからわずか1年での新譜リリースは、歩みを止めまいという彼らの力強い意志を感じる。全国を巡るアコースティックツアーの真っ只中、メンバー3人の思いを聞いた。
 

seven oops プロフィール
2004年、全員高校2年の時にNANAE(Vocal)、MAIKO(Drums)、KEITA(Bass)、MICHIRU(Guitar)の沖縄出身の4人で結成し、活動をスタートさせる。メンバーは現在も地元である沖縄在住であり、バンド名の由来はNANAEの名前を「7(ナナ)」と「エッ!!」に分け、それぞれを英語に訳した、「seven」と「oops」をつなげたもの。2011年に映画『高校デビュー』主題歌に起用された「フォーリン・ラブ」でEPICレコードジャパンよりメジャーデビューを飾り、デビュー以来、『NARUTO-ナルト-疾風伝』『君と僕。』『金田一少年の事件簿R』など数多くの人気アニメのテーマ曲を担当し、海外のアニメ音楽フェスにも出演を飾る。アニメのみならず、映画『今日、恋をはじめます』、テレビ東京系ドラマ『勇者ヨシヒコと導かれし七人』のEDテーマを務め、NANAEはtvk『saku saku』の番組MCを、MAIKOがFm yokohamaの番組レポーターを務めるなど活動の幅を広げる。地元沖縄ではオリオンビール「オリオンスタイル」CMや沖縄ローソンCM、琉信ハウジングCMに楽曲提供&出演やRBCiラジオ、FM沖縄でのレギュラー番組出演、大型イベント出演など、露出をコンスタントに行い、絶対的な知名度を誇っている。
 
2017年12月末でメンバーのMICHIRUが脱退し、2018年からスリーピースバンドのスタイルに変更。レコード会社を徳間ジャパンへと移籍し、seven oopsとしてバンド第二章のスタートを切る。2018年11月の4thアルバム『songs for...』リリースに続き、2019年11月、5thアルバム『日常』をリリース。

「自主性が増えた」2020年のseven oops
— アルバムタイトルが『日常』ということですが、最近の皆さんの日常はいかがですか?

 
NANAE:私はオフの日一人で「いきなりステーキ」に行ったりしてますね。どうしても肉を食べたくて(笑)
 
MAIKO:10月から沖縄でラジオのレギュラー(RBCiラジオ『シャキッとi』)が始まったので、ツアー中も毎週毎週沖縄に帰ってます。私の日常は(番組に出演してくれる人の)アポ取りで必死!
 

— 毎週なんでしたっけ?

 
MAIKO:月~金で帯の生放送の番組なんですが、私は木曜担当リポーターです。朝から人を捕まえて一緒にタイトルコールしてくださいってお願いするんですが、練習では上手にできてたのに本番になったら急にたどたどしくなっちゃうおばあちゃんとか(笑)
 
NANAE:緊張しちゃったんだね(笑)
 
MAIKO:そういう色んな人とのふれあいの日常が私は増えました。
 

— ツアー中は忙しいですね。他のメンバー2人は地方に残ってMAIKOさんだけ沖縄に戻ることも?

 
MAIKO:そう。2人は地方に行きっぱなしなので羨ましい。地方でいっぱい遊べるさ?
 
NANAE:そう思うさ?(首を横に振って)遊ばん!
 
KEITA:(笑)
 
NANAE:缶詰。
 
KEITA:インドアなんで。
 
NANAE:KEITAは特に地方に行ってもホテルにこもってるタイプなんです。
 
MAIKO:もったいない!
 
KEITA:もう大丈夫かなって。
 
NANAE:遊びつくした?
 
KEITA:遊びつくしたとまでは言わないけど…観光もしたし、一人で飲み歩いたりもしたし、最近は…落ち着いてきたかな。
 
NANAE:おじいちゃんみたい(笑)
 
KEITA:ホテルでずーっと…
 
MAIKO:わかった!新曲作ってるんだ。
 
NANAE:なるほどね!
 

— seven oopsイコール「3人で楽しく飲み食いしている」というイメージがすごくあるのですが(笑)

 
NANAE:飲んでないわけではなくて(笑)
 
MAIKO:イメージ通り飲んでまして…
 
NANAE:最近は外で飲むというよりはホテルに戻って、誰かの部屋で3人でめちゃくちゃ飲むっていう…
 
MAIKO:外に行くとガヤガヤしてて、NANAEちゃんはボーカルでのどを大事にしなきゃいけないのに声を張らないといけないから、最近は飲むなら部屋飲み!こないだも焼酎のボトルを2本半開けてたり。
 
NANAE:ちょっと乾杯するつもりが気づいたら4時になってて、空のボトルが3つあって、みんなでびっくりしたね。
 

— 皆さんお酒強いんですよね。

 
NANAE:めっちゃ強いです!沖縄なんで。去年くらいからそういう”飲みニケーション”で地元の先輩のD-51のお二人と仲良くしていただいたり、BEGIN島袋優さんとも飲みに行ったりしています。そういうのもあって今回のアルバムはコラボレーションが多くなりました。
 

— そうした日常の過ごし方、考え方で「変化」を感じることってありますか?

 
KEITA:自主性が増えたと思います。まだ4人だった頃はレコード会社の方だったりプロデューサーさんだったりと一緒に仕事をしていく中で、右も左もわからない状態で大人の方々が指針を示してくれて、制作期間も長く頂いたり…その中で僕たちは自由に活動していたんですが、デビューから8年経って自分たちの自主性も増えてきたし、より僕らの日常の中での音楽の捉え方や音楽活動も変わってきたし…
 

— レコード会社の移籍で環境も変わりましたよね。

 
KEITA:制作期間を決めてアルバムを集中的に作って、どういう風にプロモーションしようか、ツアーを組もうか、ということも自分たち発信で提案して、それを叶えてくれるスタッフが周りにいて…という環境になりました。
 
MAIKO:『songs for...』くらいからKEITAプロデュース的な…プロデューサーの方はいるんですけど、そこにKEITAが肩を並べて、アレンジも自ら担当したり。確かに自主性、セルフプロデュースは増えてきましたね。
 

— 頂いた新譜の紙資料に「3人の絆がより強固となり…」と書いてあります。3人で話し合うこともいっそう増えた感じですか?

 
MAIKO:そうですね。確かに(笑)
 
NANAE:デビュー当時は4人全員が作詞作曲できるバンドって言ってきたんですけど、だんだん私とMAIKOが曲を作るのが遅くなり、『songs for...』についてはKEITAが作詞作曲してくれて…今回のアルバムは自分たちも頑張って曲を作ったので、”みんなで作り上げた”ということを強く感じています。
 

— 前回のアルバムは制作期間がとてもタイトだったと伺いましたが、今回はどうだったんですか?

 
KEITA:結構早くから作ることは決めていたんですが…気づいたら時間がなくなっていました!
 
MAIKO:うちなータイムかな(笑)
 
NANAE:なんだったらレコーディングは去年よりつらかったからね。
 
MAIKO:今年こそはゆっくりやろうねって言ってたはずなのに…
 
KEITA:去年末から「来年もまたアルバムが出せたらいいね」と話はしていて、今年11月頃をメドに出すことが確定したのが3月かな。サウンドコンセプトを決めて、遅くとも6月には曲が揃っていて、7~8月にはレコーディングを終えて、9月にツアーの準備…と思っていたのに、結局曲が出てこず、レコーディングを開始したのが8月に入ってからで、レコーディングが終わったのがツアーに出る3日前でしたね(笑)
 

— ハードスケジュールですね(笑)

 
KEITA:サボったとかではなくて、いい意味で妥協せずに制作にあたったからこそギリギリになっちゃったのかなというイメージですね。
 

— 今回のアルバムではみんなに曲を書いてもらおうというのは初めから決めていたんですか?

 
KEITA:僕の中では決まっていました。なのでメンバーには書いてねって言って、辞めたMICHIRUを含めた4人のLINEグループがあるんですが、その中でMICHIRUにもアルバムのサウンドコンセプトを伝えて「よかったら書いてくれない?」って送ったら「時間見つけて書いてみるよ」って返事をくれて。それで書いてくれたのが2曲目の「It’s all right」という曲です。
 

— ファンは気になっていると思いますが、これは脱退する前に作ったのか?それとも脱退後に作ったのか…

 
KEITA:曲自体は脱退するちょっと前に作ってたんだよね。
 
NANAE:辞めるって決まってからみっちー(=MICHIRU)自身は楽曲制作に積極的に取り組んでいて、脱退の直前に仮歌で歌っていた曲を今回のアルバムに収録しようってなって仕上げたんです。
 
KEITA:「アレンジ希望ある?」「任せますー」「じゃあこっちで決めちゃうね」みたいな感じで。
 
NANAE:久しぶりに4人でスタジオに入って曲のことをみんなで話し合ったのが、私たちも楽しかったし、MICHIRUもすごく楽しそうでした。
 

5thアルバム『日常』
・2019年11月13日(水)発売
<収録曲>
M01.morning
M02.It’s all right
M03.さらば
M04.横恋慕
M05.ささくれ
M06.木漏れ日
M07.くしゃくしゃのヒーロー
M08.君の声
M09.Happy Life
M10.好きな人の好きな人
M11.lonely night
M12.この島で – islander style –
 
 
— そしてアルバム4曲目「横恋慕」、6曲目「木漏れ日」はそれぞれD-51のYASUさん、YUさんが楽曲制作に携わっていますね。沖縄出身のミュージシャンとのコラボレーションも増えているようですが、今作はどのような経緯で実現したのですか?

 
MAIKO:「横恋慕」は…KEITAに「みんなちゃんと曲作るんだぞ~」って言われて作り始めたんですが、私ボキャブラリーが少ないのでメロディは作ることが出来ても歌詞が難しいなって改めて壁にぶち当たり…そんなときにD-51さんと仲良くなって。
 

— グッドタイミングですね。

 
MAIKO:D-51は作詞担当のYASUさんと作曲担当のYUさんで分担しているんですが、YASUさんに「アルバムに入れる曲を作ってるんですが歌詞がまだできなくて~」と相談したんです。「俺はマンガからインスピレーションを受けて作るよ」ってアドバイスを頂いているうちにYASUさんが「俺歌詞書きたい」って言ってくれて、ラッキー!みたいな(笑)。そこから3、4日で書いていただいたのですが、「横恋慕」なんていう言葉も知らなかったし…
 

— 「横恋慕(よこれんぼ)」ってどういう意味なんでしたっけ?

 
MAIKO:パートナーがいる人を好きになってしまうという意味です。この曲はすんなりいきました。YASUさんはすごく仕事早くて。
 
KEITA:YUさんが遅いみたいな言い方だな!
 
MAIKO:遅いさ!YUさんが「俺seven oopsに曲書きたい。作詞作曲両方担当して、NANAEに歌わせたい」って言ってくださったので、「いつでもウェルカムですよ、楽しみにしてます」ってお伝えしたんですが、YASUさんとは逆で、そこから1カ月経っても音沙汰なくて。結局、期限を過ぎてから「ラララ」で歌われてるメロディだけが送られてきたので「このラララって歌詞ですか?」って確認したら「歌詞はKEITAに任せた!」って(笑)。KEITAが歌詞を書くことになったんです。
 
NANAE:沖縄ならではの口約束の緩さ?
 
KEITA:日常ですねー(笑)
 
MAIKO:でもKEITAのすごいところが、KEITAって時間がたくさんあるとやらないっていうか、緊迫したときの方がいいものを生むんですよ。そして生まれたのが「木漏れ日」。歌詞の内容が、KEITAの亡くなったおばあちゃんと、大切にしていた愛犬を思って書いてるもので、歌詞を見ているだけで涙が出そうになるくらい。歌詞だけでも素晴らしいし、それに合わせていいメロディが…YUさんも期限を過ぎてから燃えるタイプなんでしょうね。
 
KEITA:俺は期限が近いと燃えるタイプだけど、YUさんは期限が過ぎたら燃えるタイプ(笑)
 
NANAE:本当はアウトよ!
 
MAIKO:でもそんなことを感じさせないくらい本当に素敵な曲が出来たと思います。実際にNANAEちゃんもレコーディングのとき泣いて歌えなかったらしくて。
 
NANAE:テイク1のみです。
 
MAIKO:テイク1はさらっと歌えたの?
 
NANAE:テイク1だけ歌えて、テイク2はもう1行目歌い終わったくらいから泣き出してしまって、そこから全く歌えなくなってしまったので、結局1テイク目だけしかなかったんですけど、でもそれが私の中でも結構気に入っていたので、それをそのまま入れてくださいってお願いして。
 

— 人の死とか別れって言葉にするのも難しいじゃないですか。だから時間がたくさんあって長い時間考えるよりも、むしろ期限が短く決まっている方が生み出せるのかもしれないですね。

 
NANAE:KEITAから「歌詞ができたよ」って送られてきたのが朝方だったんですけど、出来上がった日の朝10時くらいからレコーディングだったので、本当にギリギリのギリギリ。
 
MAIKO:「涙はたまに流していいよね」って歌詞が好き。ずっと見せない見せないって言ってたのに、なにその急な優しさ(笑)。弱さを認めるじゃないけど、いいなぁって。
 

— 普段から考えていないと浮かんでこない言葉ですよね。

 
NANAE:確かに。
 
KEITA:歌詞が朝方6時に仕上がって10時から歌入れだったので、NANAEの中でもまだかみ砕けないだろうなと思って、3、4回練習した後で「はいNANAEさん集合」って(笑)
 
MAIKO:あぁそこであの説明が入るんだ。
 
KEITA:写真見せて「私のずっとかわいがってた愛犬ですよーかわいいですねーこの歌は死別の曲でーす、NANAEさんの大切な人を想像して…はい本番行ってくださーい」って(笑)
 

— そうやって写真見せられちゃうとつらいですね!

 
NANAE:しかも犬飼ってるし私も。
 
MAIKO:犬好きにはつらいよー。
 
KEITA:それも知ってて敢えて。
 
NANAE:子犬だったらいいけど、うちのワンちゃんも10歳超えてるので、それを思うと…
 
KEITA:ボーカルの気持ちまで作り上げる名プロデューサー(笑)
 
NANAE:自分で言っちゃった!
 
MAIKO:それ周りが言うやつだからな(笑)

「過小評価しないで」ファンへの思いが詰まった楽曲
— 今回のアルバムは全体を通して「別れ」とか、「自分の好きな人には好きな人がいる」とか、うまくいかない思いを歌った曲が多い印象です。

 
KEITA:でもまぁ、うまくいかないことの方が多いですからねぇ…
 
NANAE:日常は特に。
 

— 3曲目「さらば」はNANAEさんが手がけた曲ということですが、前からあったのではなくこのアルバムに向けて作られたんですか?

 
NANAE:そうですね。久しぶりにアルバムに合わせて作ったので、今までブランクがあった分大変でした。私の曲はどうしても自分がつらかったときに書いた曲が多かったので、今回のアルバムの中にアップテンポの曲を自分の中で挑戦して入れたいと思って作りました。
 

— 挑戦の1曲なんですね。

 
NANAE:でも今までハッピーな曲をあまり作ったことがなかったので、歌詞がすごく大変でつまずいていて…何かガツンとしたテーマを設けてそれに向けて作ろうと決めたんです。
 

— この曲はどんなテーマで作ったんですか?

 
NANAE:「さらば」は”処女を卒業する女の子”をテーマに書いてみました。
 

— なるほど。メロディは明るい中、言葉を聞くとどこか影があるのが印象的です。

 
NANAE:そこは自分の素の部分がちょっと出ているかも。アップテンポの曲も頑張れば作れるんだなって自信になりました。
 
KEITA:「さよなら」でも「バイバイ」でもなく「さらば」なのがいいよね(笑)
 
NANAE:昭和生まれです、みたいな(笑)
 
KEITA:「またね」じゃなく「さらば」!
 
NANAE:さらば、私の処女!
 

— 5曲目「ささくれ」もNANAEさんが作詞・作曲を担当していますね。これはどういうテーマで作ったんですか?

 
NANAE:嫌なことがあると私はノートに書くタイプなんですが、そういった思い…何かをテーマにしたというより、この曲はそうしたフラストレーションを吐き出す場にしてしまったこところがあります。それと同時に昨年からずっと手荒れしてて、そのときのささくれがすごく痛かったんですよ。それも入れたいなと思って。「ささくれ」という言葉とうまくいかない日常。そういう日常を過去には自分が悲劇のヒロインのように思ってたこともあって、それを皮肉って書きたくて。
 

— まさにささくれのような、人からすれば些細な痛みかもしれないことが、地味に自分の中で存在感を持ちますよね。

 
NANAE:地味に痛い。そういう表現ができればなと思って。
 

— 7曲目「くしゃくしゃのヒーロー」はクレジットが作詞・作曲:seven oopsになっていますが、これはどのようにして作られた曲なんですか?

 
MAIKO:これは私が言い出しっぺです。seven oopsが初めてオリジナル曲を作った高校生の頃は、みっちーKEITAがスタジオで一緒に曲を作って、NANAEMAIKOが放課後の教室で黒板に歌詞を書いて、曲が出来上がったんです。
 

— 青春ですね!

 
MAIKO:それ以来メンバー4人で曲を作ることがなかったので、またやってみたいってずっと思っていたので今回それを提案しました。サビの歌詞とメロディは私が作って、「KEITAさんAメロ作ってください」「BメロはNANAEさんお願いします」って投げて、作りました。
 

— 面白そうですね。

 
MAIKO:初心に帰るということで。最初2人は嫌がってましたけど。
 
NANAE:いや、嫌がってはいないんですよ。アルバム制作の2か月前くらいに「こういうの作りたい」って提案ならいいんですけど、これもYUさん現象ですね(笑)
 
KEITA:レコーディングの終盤だったね。
 
NANAE:ギリギリのギリギリにやられたもんだから、こちとら自分の曲(の制作)もあるぞと。今言うんじゃねぇぞと。
 

— MAIKOさんの中ではそのアイデアはずっと温めてたんですか?

 
MAIKO:はい。ずっとやりたいなって思ってたんですがなかなかやるタイミングがなくて。
 

— で、それが出てきたのがレコーディング終盤?

 
MAIKO:えっと…そうですね。言い訳はしません!
 

— テーマを2人に伝えて。

 
MAIKO:テーマは言ったっけ?
 
KEITA:いや。サビの歌詞だけ渡されて。
 
MAIKO:私のサビの歌詞は、うっぷすファミリー(=ファンの愛称)のことを思って書いてます。ライブに来てくれる人、応援してくれる人からいただくファンレターで「自分は全然ダメだけど、seven oopsのライブを観ると元気が出ます」って書いてあったり、自分を過小評価している人が多い気がして。うちらは逆に、ライブに来てくれてる君たちにめちゃめちゃ勇気をもらってるんだぞ!て思うことが多いんです。そういう気持ちをこの曲で伝えられたらなぁって。
 
KEITA:それ俺の話じゃん!
 
MAIKO:いやいやMAIKOだってそう思って作ったんだよ!
 

— どういうことですか?

 
KEITA:8曲目の「君の声」もファンのことを思って作った曲なんですが、きっかけが家で飲みながら頂いたファンレターを読んでいたときに、こういう言葉って力になるなぁって思って…というエピソードを1つ前の取材で話したんです。
 
MAIKO:ちょっと違うじゃん!
 
KEITA:すぐ自分のものにしちゃうんだから(笑)
 

— なるほど(笑)…でも、それぞれが似たような思いをもって曲を作ってしまうくらい、seven oopsは本当にファンを大事にしているという印象がずっとあります。

 
NANAE:それは確かですね。
 
KEITA:ちなみに「君の声」は2017年くらいに書いた曲で、MICHIRUが脱退を考えているという話が上がってきた前後です。バンドが不安定な時期だったからこそ、改めてファンレターを読み直して心にグッとくるものがあったんですよね。沖縄から発信していく難しさ…僕らは沖縄を大事にしているけど、いいこともあれば難しい部分も沢山あって。本当にこれが正解だったのかなーって色々悩んでいる時期だったのかな。それがファンレターや、過去の音源やライブツアーの映像だったりを見直して「間違ってなかった」って思えて、それで書けた曲なんです。
 

— ファンからのリアクションを受け止めて、自分たちの進んできた道が間違ってなかったと肯定されたわけですね。

 
KEITA:そうですね。最後の「例えば君が立ち止まるのなら私が側にいるよ」という歌詞は、楽曲を通していつもファンの側にいたいという僕らの思いです。
 

— そしてKEITAさん作の楽曲の中でもまた1つ、不朽の名作が誕生しました。10曲目「好きな人の好きな人」は国民的ヒット曲要素が強い曲かなと思います。

 
KEITA:嬉しい!ありがとうございます。この曲はタイトルから作りました。好きな人の好きな人に向けた曲があったら面白いなと思ってこのタイトルをつけて、どういう曲なのか…アップテンポなのかミドルなのか、明るいのか暗いのか、暗いとしたらどこまで暗くするのか、歌詞の世界観、言葉の選び方…特に歌詞が苦労しました。
 
NANAE:メロディは結構早かったね。1番だけ完成していて、それをループしながら歌って練習して。
 
KEITA:この曲の歌詞は、実は6曲目「木漏れ日」を早朝に書き終えた後に書いたので…もう変なテンションになってますよね(笑)。かっこよく言ったらゾーンに入ってるので…
 
NANAE:かっこいい(笑)
 
KEITA:普通に言ったら変なテンションになってるだけなんですけど。細かいところをこだわっていて、たとえば「呼吸交えてるの?」「言葉を交わすだけ」は「交える」「交わす」、同じ漢字を使っているのにニュアンスが違うじゃないですか。そういうところも面白いなと思ったりとか。随所随所にこだわって書きました。
 

— 最初聴いたときに共感ソングだなと思いつつ、細かいところにそうした「日本語面白いなぁ」というのもあって。

 
KEITA:これは今回のアルバムの中では一番苦労した曲ですね。
 

— 簡単に作れる歌詞ではないと思いました。ある程度は実体験も混ざっているわけですか?

 
KEITA:もちろん経験したこともあるし、他の人から話を聞くこともありますよね。「好きだったのに、もう付き合ってる人がいたー」みたいな。よく聞く気がして、だからタイトルから思いついたんじゃないかな。タイトルから曲を作ったのは今回初めてです。
 

— 共感ソングって難しいのは、誰もが本当に共感するところを狙いすぎちゃうと普通になっちゃいますよね。ありきたりというか。と言って個人的な思いを入れすぎてもだめだし…

 
KEITA:そうなんですよね。そうなんですよ。実体験すぎても「わかるけどおれそこまで経験したことないわ」みたいな。ピンポイントすぎたり。
 
MAIKO:壮絶すぎちゃうとね。
 
KEITA:「あなたからもらったネックレス」にしたら「ネックレスもらったことないなー」って人は共感できないから「もらったプレゼント」にするとか。明確化させるところはさせる、させないところはさせない。
 
NANAE:ありがとうございます。勉強になります。
 
KEITA:次に生かしてください。
 
NANAE:女の人が歌う曲って幸せすぎると売れないって言いますよね。
 
MAIKO:そうなの?
 
NANAE:らしい。叶わないものの方が共感を呼ぶんだって。女の人って妬みやすいのかも。
 
MAIKO:「さくらんぼ」売れたぜ?「笑顔咲ク~♪」
 
KEITA:あれはどっちかっていうと男性の支持を集めてるよね。
 
NANAE:男の人がかわいいって思ってる女の子みたいな…
 
KEITA:で、たぶん、合コンの後のカラオケでこれを歌えばモテる!って感じで女性にも支持されてる。
 
MAIKO:へぇ。
 
NANAE:女性が聴いて共感するっていうとaikoさんみたいな。「報われないぜ」っていう曲の方が同性から支持を得るらしい。男の人はそうじゃないんですよね。
 

— 男の人…っていうか男の子ってそのまま大きくなっていきますよね。ヒーローにあこがれて…

 
NANAE:少年のまま。ハンバーグ大好きー!カレーライス大好きー!みたいな(笑)

「日常に溶け込むようなアルバムにしたい」
— 改めて、今回のアルバムを『日常』というタイトルにしたのはどうしてなんですか?

 
KEITA:タイトルを決めたのは終盤です。元々、みんなの楽曲が上がってきた段階で日常的なことを歌った楽曲が多いのかなと感じていました。たまたまMICHIRUが書いてきた曲が朝をテーマにした曲で、僕が入れたいと思っていた「lonely night」が夜をテーマにした曲なので、朝から夜の流れをアルバムで表現したら面白いなと思って、そこから日常に溶け込むようなアルバムにしたいという思いもパッと湧き上がってきたんです。1曲目「morning」で朝の家族のワチャワチャした感じから始まるアルバムにしよう、じゃあ昼をテーマにした曲がほしい、と思って「木漏れ日」を作って…自分の中でのアルバムのピースが組み上がって、タイトルを『日常』に決めました。
 
MAIKO:KEITAから『日常』にしたいけどどうかな、と提案があって、いいと思う!って返して。
 
KEITA:プロデューサーからはもっと違う言葉、造語っぽくしたらどうか?と助言をもらって、考えてみますとは言ったけど…
 
NANAE:自分の中では決まっていた?
 
KEITA:そうそう。
 

— ここまでの道のりを振り返って、やはり「ファンに救われた」部分は大きいですか?

 
NANAE:それが一番じゃないですかね。聴いてくれる人がいないと曲は生まれないと思うので。
 
MAIKO:みっちーが辞めたときには「バンドは解散せず続けてほしい」っていう声が大きかったですね。
 
NANAE:私たちも、ライブをあまりやれなかった時期は直接ファンと会えないので不安になるんですよ。ライブの意味を改めて感じました。
 

— MICHIRUさん脱退後にはアコースティックツアーも数を重ねていますが、そこで新たな発見もありましたか?

 
MAIKO:うちらは元々MCで喋る方でしたが、アコースティックツアーだと3人横並びだしお客さんと近くてリラックスした空気が流れているし、なんだったらMCを楽しみにしてくれる人も割と多かったり。今日喋りすぎたかなーって思った日にもお客さんから「楽しかったー」って言ってくれて。
 
NANAE:椅子に座ってるから疲れないし大丈夫だろうって思ってめっちゃ喋っちゃうね。
 
MAIKO:アコースティックの道も開けたと思いますし、バンドスタイルでのライブもやろうと思えばできるし、両方楽しめるようになりました。観ている人にとっても楽しめるポイントが増えていたらうれしいな。
 
NANAE:アコースティックを回って新曲をやると「次はこれをバンドバージョンで聴きたい」って言ってくださって、それに応えて次はバンドツアーをやって、また新しい曲を作ってアコースティックで披露して…といういい流れが出来てきたと思います。
 

— デビュー当初は「女子高生人気No.1バンド」なんて称号もありましたが…

 
MAIKO:あぁ、ありましたね(笑)
 

— そういう時代も経て、3人での活動もだいぶ馴染んで来ていると思いますが、お客さんのseven oops評が変わってきた感じはありますか?

 
NANAE:最近スタッフさんに言われてめっちゃしっくり来たのが「放課後の延長戦」って言われたんですよ(笑)。31歳ですけど確かに放課後の延長感はありますね。
 
MAIKO:スタッフさんからも本当に仲いいねって言われます。それがライブにもにじみ出てるのかな。
 
NANAE:今年は初プライベート旅行にも行きました。
 

— 逆にファンの世代や層が変わった感じというのはありますか?

 
MAIKO:昔中学生だった子が大学生になっていて…ファンの成長を見届けている感じはありますね。長いファンも多いですが、今でも「初めて参加した」という10代の子がいたり。あとは親子参加が多いですかね。あんまり変わらない気がします。
 
NANAE:いい意味で変わらず、幅広い世代の方がライブに来てくれるし、大人になってもずっと来てくれたりとか。男女比もそこまで差があるわけじゃないし、自分たちでいうのもおこがましいですが老若男女。
 

— ファンが離れていないということですよね。それこそ「女子高生人気No.1バンド」なんて年々移り変わっていくし、「あー昔聴いたなー懐かしいなー」ってなるのが普通だと思うんですが、離れていない。

 
MAIKO:まったく離れていないわけではないと思いますが、逆に3人になってから知ってくださった方も多いし…みんなも結婚したり子どもを育てたりと日常生活がありますから。でもまたいつか出会えるためには、まずはうちらがブレずに続けていくことかなと最近思います。
 
KEITA:年明けにバンドツアーがやれたらいいなと思っていて、早く発表できるように準備を進めています。それまでたくさんアルバムを聴きこんでいてほしいです。
 
NANAE:「やりたいと思っている」という言葉を、じゃあ私は「やります」に変えます!バンドツアーやります。来てください!
 

◆リリース情報
5thアルバム『日常』
・2019年11月13日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)TKCA-74843
通常盤(CD)TKCA-74844

<収録曲>
M01.morning
M02.It’s all right
M03.さらば
M04.横恋慕
M05.ささくれ
M06.木漏れ日
M07.くしゃくしゃのヒーロー
M08.君の声
M09.Happy Life
M10.好きな人の好きな人
M11.lonely night
M12.この島で – islander style –
◆seven oops オフィシャルサイト
http://7oops.com/
 
 
◆ライブ情報
全国バンドツアー開催決定!
・2020年02月29日(土)名古屋公演
・2020年03月01日(日)大阪公演
・2020年03月15日(日)東京公演
・2020年03月20日(金/祝)沖縄公演
※各公演の詳細は公式HP等で今後発表していきます。
 


 

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