演奏

lead_kaze2

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photo洗練された”渋谷系”サウンドと親近感のあるトークが持ち味の、リサレナの2人によるガールズユニット・バニラビーンズ。昨年10月にデビュー5周年を迎え、これまでにシングル7枚、アルバム3枚をリリースしている。音楽活動はもちろんのこと、数々のユニークなプロモーションを行う“実験型アイドル”としても幅広く活動。レナはこの春からめざましテレビのレポーター「イマドキガール」も務めている。
 
60年代~70年代をコンセプトにした洗練されたビジュアルとハイセンスなサウンドが「オシャレトロ」と評され支持を広げる中、昨年12月にバックバンドを従えて自身初となるバンドスタイルでのライブ「風は吹くのか!? Vol.1」を開催。ツインドラムユニット・バンドじゃないもん!との共演を果たした。今回の「風は吹くのか!? Vol.2」が自身2度目のバンドスタイルでのパフォーマンスとなる。
 
その対バン相手に選ばれたのが、先日、インタビュー記事「BEEAST太鼓判シリーズ第19弾アーティスト」にも登場した7!!(セブンウップス)だ。7!!自身もまた、1stアルバム『ドキドキ』リリースを記念して全国のご当地アイドルと対バンツアーを敢行、この日はその第1弾「1stちゃんぷるー」としてバニラビーンズとの対バン…という位置づけになる。両者にとって特別な夜。ニコニコ生放送のカメラも入り、全世界へ生配信されるこのステージ…いったいどんな”風”が吹くのか?

Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

午後7時、MAIKO(Drums)のスティックを叩く音が静かなステージに響く。先攻・7!!の演奏スタート!「やっぱ恋はキラキラ ドキドキしちゃうな」NANAE(Vocal)の柔らかい歌声がふわっと琉球の温(ぬく)い風になって客席をなぞると、すかさず観客も手拍子!「ロフト行くぞ!」KEITA(Bass)とMICHIRU(Guitar)の音も重なって、歌詞の通り「甘い春の風」が吹く!
 
1曲目「ドキドキ」に続いて2曲目は2011年のTBS主催「夏サカス」テーマソングにもなった「愛の言葉」!心躍るイントロに観客も表情がほころぶ。「バニラビーンズ5周年記念!タイトルは…風は吹くのか?いつ吹くの?今でしょ!」MAIKOのMCも絶好調。沖縄の風を吹かせたいということで、ウチナーグチで自己紹介し、観客も「めんそーれ!!」と優しくレスポンス。さらに、先日バニラビーンズと約束した方法で「好きな食べ物を交えた自己紹介」を四者四様に披露!絶好調のまま、次もワクワク感溢れるイントロからポップな「君と私のバラード」。そして4曲目はしっとりとしたオトナなナンバー「ブランコ」をライブでは久々に披露。
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

5曲目「さよならメモリー」、6曲目「ラヴァーズ」と、NARUTO-疾風伝-のテーマソングになったパワフルな楽曲を続ける。NANAEの通る声が印象的だ。力強さに女の子っぽい透明感、さらにはMICHIRUの繊細なギターリフも加わって、いっそう楽曲の魅力が増す。
 
そして何と言っても7!!のライブの持ち味は、元気いっぱい盛り上がれること!テンポのいい「スウィート・ドライヴ」で会場は一体化、続く「弱虫さん」のイントロ前には「学園天国」の「ヘーイヘイヘイヘーイヘイ!」で見事なコール&レスポンスを決める。その勢いのまま観客が勢いよくタオルを振り回し、つむじ風が四方八方で巻き起こる!その光景に刺激を受けたメンバー4人もますます激しくプレイ!
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

まさに今、春一番が吹き乱れているといった中、最後の曲は「バイバイ」。NANAEの手に合わせて、観客も車のワイパーのようにきっちり揃えて両手を振る!まさに疾風迅雷、といった印象のまま、7!!の4人はステージを後にする。
 

◆セットリスト
M01. ドキドキ
M02. 愛の言葉
M03. 君と私のバラード
M04. ブランコ
M05. さよならメモリー
M06. ラヴァーズ
M07. スウィート・ドライヴ
M08. 弱虫さん
M09. バイバイ
 
◆7!! 公式サイト
http://7oops.com/
 
◆インフォメーション
7!!全国10ヶ所を回るワンマンツアーが決定!
「7!!のうぷぷなツアー2013~ドキドキ~」

・2013年06月20日(木)【高 松】DIME
・2013年06月22日(土)【広 島】BACK BEAT
・2013年06月23日(日)【福 岡】DRUM Be-1
・2013年06月26日(水)【新 潟】CLUB RIVERST
・2013年06月28日(金)【仙 台】darwin
・2013年06月30日(日)【札 幌】COLONY
・2013年07月04日(木)【名古屋】Electric Lady Land
・2013年07月06日(土)【梅 田】シャングリラ
・2013年07月07日(日)【渋 谷】CLUB QUATTRO
・2013年07月15日(月祝)【沖 縄】桜坂セントラル
※詳細は http://7oops.com/live.html まで!
 

Photo  Photo

続いて後攻は、5周年を機にバンドスタイルでのライブ活動をスタートさせたバニラビーンズ!バックバンドは堤博明(Guitar)、玉木正太郎(Bass)、髭白健(Drums)、伊賀拓郎(Keyboard)の男性メンバー4人。そんな”バニバンド“の4人がまずは登壇し、ジャジーなイントロを奏で始める。まだか、まだか、と前のめりに観客が手拍子を送る中、満を持してレナ(Vocal)、リサ(Vocal)が登場!白黒を基調としたレトロモダンな衣装(私服)はこの日のために新調したとのこと。
 
“きのこ頭担当”レナ(Vocal)が下手、”外はね頭担当”リサ(Vocal)が上手、とそれぞれ定位置について、小気味良いギターとポップなピアノのメロディが楽しい「ベイビィ・ポータブル・ロック」からスタート。渋谷系の頂点を極めたピチカート・ ファイヴのカバーからのスタート…原曲のインパクトを知っていればなかなか手を出しにくいセレクトかなと思うが、それを彼女たちは見事に自分たちの色に変え、堂々着こなしていく。
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

間髪いれずに「サブカルガールまどか」「キラーキュイーン」と、昨年11月発売のアルバム『バニラビーンズIII』収録の2曲。ハイテンポな「サブカルガールまどか」は作詞:いしわたり淳治(ex:SUPERCAR)、作曲・編曲:大隅知宇(ex:UNDER THE COUNTER)のコンビネーションが光る一曲。ギター早弾きも織り交ぜたピアノロック・ナンバーにポップなレナリサのボーカルが融合し、満杯の観客を酔わす。
 
「北欧の風に乗ってきた」がコンセプトのバニラビーンズ。ハイセンスなライブパフォーマンスとは一転し、MCでは庶民的な「親しみやすさ」が垣間見え、そのギャップにまたドキドキ。続く4曲目「Next Step Up」はフュージョンサウンドが魅力的。軽やかなタムと高音のピアノがキラリと光る、浜辺のドライブにピッタリなナンバーだ。さらに、ピアノ和音がたまらなく心地良い「チョコミントフレーバータイム」と、アルバム『バニラビーンズIII』の曲順通りに進める。
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

レナは時にけだるい目をしたり、満面の笑みで客席を見つめたり、と表情豊かに歌う。リサは笑顔を基本としながらも時に切なく、情感たっぷりに歌い上げる。統制のとれた手の動き同様に声質も似ているようで、よく聴くとほんの少し差異があり、見る側を飽きさせない。どちらかがリードしどちらかがハモる、といった明確な役割がないのも逆に新鮮だ。
 
「生バンドで演奏をやるのは人生2回目。まだまだ物足りない所はあると思いますが…前回よりは成長したよね?リサ、どう思う?」「してるんじゃ…ないっすか?まだライブの途中だけど(笑)」生音でのライブが楽しめるようになった、と言いつつ息を切らし、観客の笑いを誘う。
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

後半はメロディックな「トキノカケラ」をアルバムバージョンで、そして制汗消臭剤のCMソングになったポップな「D&D」、さらにロックな「ノンセクション」をシングルバージョンで、と新旧織り交ぜたラインナップ。レナが考えたというこの日のセットリスト。特に「ノンセクション」は「めっちゃロックじゃん!この曲どうしてもやりたかった」と、2人のたっての希望で実現!確かに後半のこのラインナップは特に、バニラビーンズの万華鏡のような多様な世界観を見事に詰め込んでいるようだ。
 
最後は対バン相手・7!!へのオマージュも込めて「ドキドキした曲を」という紹介から、映画主題歌にもなった初期の頃の曲「恋のセオリー」で終幕。渋谷系サウンドを初体験した時の心のドキドキ、まさに「音楽に恋する」感覚を見事に呼び起こさせてくれた。バニラビーンズ、恐るべしだ。
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

アンコールの声に応えて、バニバンドとともにバニラビーンズの2人が再登場!そして、対バン相手・7!!を呼び込む。すると7!!KISSをあしらった「バニビライブTシャツ」に身を包んで登場!さらに、7!!から色鮮やかな「ウップスTシャツ」がレナリサに手渡され、2人もTシャツ姿に。2組が身も心もしっかりと融合したところで、全員でセッション!7!!が先ほどイントロ部分のみコール&レスポンスに使用した「学園天国」を、「あの続きがどうしても聴きたい!」ということでみんなで歌うことに!
 
Photo Photo

Photo Photo

Photo Photo

ガールズ4名のキラキラボーカルに、7!!男子メンバーのタンバリン、そしてバニバンドもポップに合わせて、観客も全力で叫ぶ!ストレスとか苦労とか悩みとか…色んな鬱蒼としたものを全部吹き飛ばせる、底抜けに楽しいライブ。そして、それぞれの今後さらに進化していくステージも、引き続き追い続けたい。
 

◆セットリスト
M01. ベイビィ・ポータブル・ロック
M02. サブカルガールまどか
M03. キラーキュイーン
M04. Next Step Up
M05. チョコミントフレーバータイム
M06. トキノカケラ
M07. D&D
M08. ノンセクション
M09. 恋のセオリー
-encore-
E01.学園天国
バニラビーンズ7!! セッション)
 
◆バニラビーンズ 公式サイト
http://www.flowerlabel.jp/vanillabeans/
 

 

◆インフォメーション
カジヒデキプロデュースのニューシングル発売決定! 2013年05月08日発売

 

Photo  Photo

◆関連記事
【レポート】7!!「さよならメモリー」発売記念インストアイベント inアニメイト横浜
http://www.beeast69.com/report/57508
【特集】BEEAST太鼓判シリーズ第19弾アーティスト『7!!』~延長戦~
http://www.beeast69.com/feature/58145
【特集】BEEAST太鼓判シリーズ第19弾アーティスト『7!!』
http://www.beeast69.com/feature/54965