連載

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7!! 「センチメートル」
TEXT:鈴木亮介

sevenoops7!!が10月21日(水)に自身11枚目となるシングル「センチメートル」をリリースした。前作「オレンジ」に引き続きMICHIRU(Guitar)が作詞・作曲を担当したバラード曲、ということ以上に、この楽曲は彼らにとって、またファンにとってとても大きな意味を持つ楽曲である。
 
2004年、高校2年生のときに、同学年である現メンバー4人で結成した7!!は、結成当初の持ち曲はわずか5曲。それを「神ファイブ」と称してライブでヘビーローテーションしていたということだが(参照:BEEAST太鼓判シリーズ第19弾アーティスト『7!!』)、その「神ファイブ」の中で音源化されていなかったのがこの「センチメートル」なのだ。
 
MICHIRUいわく、メジャーデビューに際して「早くリリースしたかった!」ということだが、アレンジが思うようにいかなかったりと試行錯誤しているうちに、タイミングを逃してしまったという。とは言え、ライブでは「未発表曲」として演奏され続けていたため、デビュー当初から応援し続けるファンなら誰もが知る人気曲に。ライブ中盤にしっとりとしたバラード曲の一つとして披露されることが多く、一服の清涼剤として存在感を示していた。
 
個人的には2013年の七夕に渋谷CLUB QUATTROで聴いたのが初めてだが、その際はアンコールでアコースティックスタイルとして披露(参照:7!!のうぷぷなツアー2013 ~ドキドキ~)。とにかく、結成からデビューまで、7!!の11年を支え続けた曲の一つだ。
 
「10代の頃はストーリー性のある楽曲作りを重視していた」というMICHIRU。実体験とも重ねながら、自分の気持ちをうまく伝えられないもどかしさ、「あと一歩、前に進めない気持ち」を表現。あと一歩近づけないもどかしさを表した「センチメートル」というタイトルはメンバーと相談の末、NANAE(Vocal)が命名した。
 
そんな「センチメートル」を今このタイミングで音源化した意味、そこに込めた思いとは。結成10周年イヤーを終えて2015年の春~夏は目立った活動が少なかったようにも思うが、秋以降どのような展望を考えているのか。リリースを控え上京中のメンバーを直撃した。
 


 
—昨年は結成10周年イヤーでツアーを年に3本も行うなどハードスケジュールだったかと思いますが、今年に入ってからここまではどのような活動でしたか?
 
KEITA:2月の「オレンジ」のリリース以降はNANAEがクラシックコンサートに出演したりアメリカでのライブ(=6月に北米最大のアニメコンベンション「A-Kon 2015」に出演)に出たり…そこからは制作期間が長かったですね。曲作ってレコーディングして…の繰り返しで。
 
MICHIRU:ここらでストックを溜めて、次の…未だ決まっていないですが、アルバムに向けて準備をしていこうかなと。
 
—そしてNANAEさんに関しては、とても忙しそうで…
 
NANAE:いえいえ(笑)
 
—tvkの人気番組「sakusaku」のMCに就任してから半年、ゲスト枠に様々なミュージシャンの方が登場しますよね。
 
NANAE:平原綾香さんは長年やってらっしゃる方なので最初は緊張したのですが、気さくに話しかけてくださり、歌に対する気持ちや、ケアなどがプロなので、話していて「本当にすごい人だな」と刺激を受けました。のどのケアについては他にもボーカリストの方と話していて「あれがいい」というのを聞いたらすぐにネットで調べたり(笑)。
 
—なるほど。同業者とのそういうコミュニケーションはいい刺激になりますね。
 
NANAE:家入レオちゃんはハチミツを常に持ち歩いているのですが、私もマヌカハニーというハチミツを常備していて、ハチミツ談義をしましたね。あと、Rihwaちゃんと共感しあったのは、レコーディングとか歌う前に唐揚げを食べるということ!「sakusaku」って音楽以外の話が多いのですが(笑)、収録の合間にそういう話ができるのは刺激になります。
 
—そうしてNANAEさんが毎週、収録で沖縄と横浜を往復する中、他のメンバーの皆さんはどのような時間を過ごしているのですか?
 
MICHIRU:僕らはその間、練習あるのみですね。
 
KEITA:スタジオ入って練習して、家帰って一人で作曲して、作詞して…という感じでしたね。
 
—そのあたりは、去年と変わったことはありますか?
 
KEITA:去年は1年間にツアーが3本あったので…全然違いましたね。
 
MICHIRU:その反動からか、体が動きたがっているんでしょうね。それぞれがジムに通ったり、僕はランニングを始めたり。
 
MAIKO:ジムに行ってるんですが、お菓子も食べちゃうので体重が増えていて…でも、筋肉量も増えましたよ!ジムの人にも「この期間でこんなに?」ってびっくりされました(笑)
 
—そして6月のアメリカライブについても話を伺おうと思います。「A-Kon 2015」ではどんなことが印象に残っていますか?
 
MICHIRU:エネルギーがすごかったですね。当初は、アニメソングじゃない曲もやるので大丈夫かなと心配していたんですが、彼らは知らない曲でも盛り上がってくれて。その上で(『NARUTO-ナルト-疾風伝』のオープニングテーマに起用された)「ラヴァーズ」を演奏したときの盛り上がりはすごかったですね!間奏のギターソロでも「ヒャッハー!!」って感じで(笑)
 
MAIKO:でも、ありがたいねー。日本のアニメのすごさを実感したし、うちらはいい境遇に立たされてるんだなって。チャンスをいっぱいいただいているんだなぁって思いましたね。
 
NANAE:本当にそうだよね。
 
MAIKO:ライブではその日その瞬間にしか作れない空気をすごく感じたし、現地ファンの方との交流の場もたくさんあったのですが、海を越えて7!!を知っている人がこんなにいるんだってびっくりしました。帰国後、Twitterでも未だに英語でメッセージをいただくこともあるし…ますますがんばらなきゃなって思いました。
 
—初めての土地、しかも言葉も伝わらないという中で、それでも熱量を感じたわけですね。
 
MAIKO:音楽ってすごいですよー!
 
—そうした活動を経て今回「センチメートル」が11枚目のシングルに選ばれたのは、どういった理由があるのでしょうか。
 
MICHIRU:「センチメートル」は18歳~19歳の頃、7!!を組んでから5~6番目に作った曲です。自分たちの中では大切にしていた曲で、インディーズ時代からライブでも演奏してきたし、デビューが決まってからも演奏し続けていて、僕ら自身としては「早く出したい!」というのが正直なところだったのですが…ようやくここに来て、今一番いい形で僕らが届けられる状態になったから、リリースすることができたと思っています。
 
—その「一番いい形」というのは?
 
MICHIRU:アレンジ部分がデカいのかなと思います。元々は4人で成り立つアレンジだった曲ですが、今回のリリースにあたってはピアノとストリングスが前半を引っ張っています。それは前作「オレンジ」を出したときにNANAEの声がストリングスの上に重なるとより一層際立って、歌詞が聴く人の心に届くなと気づいたので。
 
—なるほど。NANAEさんのボーカルが軸になっているわけですね。
 
MICHIRU:「センチメートル」の一番の聴きどころは歌詞だと思っているので。
 
NANAE:10代のときからずっとやってきた曲なので、10代のあどけなさとか、私の歌い方とか、今の方が成長している部分はたくさんあると思うけど、あのときの粗っぽさが逆にこの曲をキュンキュンさせると思うので、その点で今回のレコーディングは苦労しました。いかにあのときの気持ちを大事に歌えるかというのが私の課題でした。
 
—原点回帰というか、10代の頃を思い出しながらレコーディングに臨んだわけですね。さてこれから全国ツアーが始まりますね。この半年間、大きなライブがほとんどなかったということで自分自身と向き合う時間が増えて、溜まっているものも色々あると思いますが…
 
KEITA:僕は今回のツアーに向けての気合いの表れとして、新しいベースを購入したばっかりなので…
 
MAIKO:いいお値段!
 
KEITA:…が、25%くらいオフになっていたので、今しかねぇなと(笑)。ツアーで初披露しようと思っているので、そこも注目してほしいですね。
 
MAIKO:最近スタジオにKEITAMICHIRUMAIKOで入ることが多くて、楽器隊の結束力がいっそう高まっています。いかに気持ち良く演奏できるか。でも練習だけではどうしても伸びないと言うか、実戦でやって分かることもあるので、11月からのツアーでは練習でつかんだ感覚をいっぱい出して、100%出し切れるようにすることと、ツアーでまた一段と個人的にもバンドでも大きくなれたらと思います!
 
NANAE:来てくれる人たちが全力で楽しんで帰ってもらえたらと思っています。新曲もたくさんやる予定なので、100%いい状態でみんなに聴かせられるように、リハの段階から気合いを入れていきたいなと…とは言っても私たちは”沖縄出身”のバンドで、今までもゆるくやってきたところもあるので、そこの部分は忘れずに今まで通りゆるーく楽しんでできる環境は崩したくないなと思います。
 
MICHIRU:もっともっとたくさんの人たちに7!!を知ってほしいと最近強く思っています。まだまだ、もっと行けるなという思いが自分の中であるので、もっと精力的に活動していきたいと思います。…まぁでも僕らにできることはいい曲を書いていいライブをするというこの2つだけなので、そこに重点を置いて、次のツアーに来てくれたお客さんに満足してもらうというのが今の目標です。
 
—普通のインタビューだとこれでおしまいだと思うのですが、もう少し掘り下げて伺いたいと思います。先ほどNANAEさんの話の中にもあったように、7!!というバンドは「これに向かって全力で走るんだ!」というガツガツする感じではないと思うのですが…
 
NANAE:そうですね。
 
—去年は「10周年」「渋谷公会堂」という明確なものがあったと思うのですが、それを経て今、11年目の7!!の方向性というか、「こういうバンドにしていきたい」という4人で共有している具体的な目標みたいなものはあるのですか?
 
KEITA:去年までは「女子高生が選ぶ○○」という、若いリスナーに向けたアプローチというところを意識して楽曲のリリースなどを行っていましたが、僕らも気づけばアラサーなので(笑)、より多くの幅広い年代の方に共感していただけるような楽曲をこれから発表していき、もっと大きいハコでやったり、より多くのお客さんに同時に聴いていただけるライブ活動を目標に活動していきたいと思います。聴いて頂けるお客さんの年代をどうやって広げていくか、というのが目標ですね。
 
—お客さんの層を広げるために、今の7!!にとって武器になるものを一つ挙げるとすると、何になりますか?
 
MICHIRU:僕はやっぱり、NANAEの声ですね。どんな人に聴いてもらってもいい声だねと言ってもらえる自信があります。
 
KEITA:「オレンジ」や「センチメートル」のようなアレンジが今後も増えてくると思います。よりNANAEの声を引き立たせる楽曲、歌詞、アレンジを研究しつつ増やしていければ。
 
—バンドで、4人で出せる音、プラスアルファですよね。ピアノやストリングスは。「オレンジ」をリリースした際にはクラシックコンサートへの出演など新たな経験もあって、お客さんの層もこれまでと違ったかと思いますが。
 
NANAE:クラシックコンサートに来てくださる方はポップスを知らない方だったり、あるいはアニメ(エンディングテーマとして起用された『四月は君の嘘』)のファンの方だったり、7!!を知らない方が多かったので、クラシックコンサートに出演したことはすごく意味があったと思います。それがきっかけで今回の「センチメートル」のカップリングではバイオリニストのNAOTOさんとコラボできました。バンドサウンドでもアコースティックでもない、ピアノとバイオリンとのコラボレーションは今までやってきたことと全く別物で。バラードでこういう表現方法もあるのか、と見つけることができて、とても勉強になりました。
 
—従来のロックやポップスのミュージシャンとの共演とはまた違った経験ですよね。
 
NANAE:そうですね。クラシックに対して今まで堅いイメージを持っていたのですが、アニメと一緒に見ることでラフな感じになったり、「ピアノ一つ、バイオリン一つでこんなに感情が伝わるし、感動するものなんだな」と思いました。ピアノとバイオリンは歌と似ている部分があって、感情を出しやすい楽器なのかなと思います。みんなの感情の高まるところが一緒になるとその日のライブはすごく熱いものになるので。
 
—「より多くの人に聴いてほしい」というと、どこか漠然とした目標になってしまうと思うのですが、その中でも今7!!にとっての武器はNANAEさんの声ということになるわけですね。
 
MICHIRU:7!!は飾らないバンドなので、僕らのライブは入って来やすいと思うんですよ。そこがゆるいけれども強みだと思っているので、どんどん気軽に入ってきてほしいですね。
 
—ライブで新曲が聴ける…というのは、1曲2曲じゃなくて、結構たくさん聴ける感じですか?
 
MICHIRU:今回ガッツリやりますよ!
 
—ここ2回、CDのリリースは「オレンジ」、「センチメートル」とスローナンバーが連続しましたが、ライブではそれ以外にも?
 
MICHIRU:アップテンポなものがそろっているので、期待していてほしいです!
 
—それは楽しみですね。ところで…ツアーがもうすぐ始まりますが、NANAEさんは「sakusaku」のMCに就任して、街で声をかけられることもいっそう増えたのでは?
 
NANAE:それが全然ないんですよ。先日横浜でミニライブをやった際にも、お客さんから私の名前は一切呼ばれず、なぜか呼ばれるのはみっちーだけで。
 
MAIKO:相変わらず男性人気がすごいよね(笑)
 
MICHIRU:そろそろオレが「sakusaku」のMC就任かな?
 

 


 
7cms◆リリース情報
「センチメートル」
初回生産限定盤 ESCL-4535~6 ¥1,667+税
通常盤 ESCL-4537 ¥1,111+税
<収録曲>
M01. センチメートル
M02. 君だけのストーリー
M03. オレンジ feat.NAOTO (Classic ver.)
M04. センチメートル (Instrumental)

<DVD 収録内容>(初回盤のみ)
「7!!のうぷぷな日SPECIAL 10th Anniversary~渋公ちゃん、ばんみかちぇー!!~」
(2014.8.17@渋谷公会堂)LIVEダイジェスト映像
封入特典:全国ツアー来場特典(B3サイズ特製カレンダーポスター)引換券
 ※引き換えは全国ツアー会場への入場時のみ
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◆ライブ情報
7!!のうぷぷなツアー2015~でーじ、ごぶさーたーあんだぎー!!~
・2015年10月31日(土)【長 崎】DRUM Be-7
・2015年11月01日(日)【福 岡】DRUM Be-1
・2015年11月03日(祝)【広 島】広島セカンド・クラッチ
・2015年11月05日(木)【香 川】高松DIME
・2015年11月08日(日)【愛 知】名古屋クラブクアトロ
・2015年11月10日(火)【石 川】金沢vanvan V4
・2015年11月14日(土)【大 阪】梅田AKASO
・2015年11月15日(日)【北海道】札幌DUCE
・2015年11月22日(日)【宮 城】仙台darwin
・2015年11月23日(祝)【宮 崎】宮崎SR BOX
・2015年11月27日(金)【沖 縄】桜坂セントラル
・2015年11月29日(日)【神奈川】KAAT神奈川芸術劇場
チケット一般発売中
オールスタンディング¥3,800(税込・ドリンク代別・入場整理番号付)
※ 11/29(日)神奈川公演のみ 全席指定¥4,200(税込)
 
◆7!! オフィシャルサイト
http://7oops.com/

 


 
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