コラム
ロックは現場で起きてるんや!〜三原流ライブ参戦記〜
三原勇希
中学生の頃モデルとしてデビューし、tvkの音楽バラエティ番組「sakusaku」のMCを三年務めたのち、日本テレビ「シューイチ」でトレンドレポーターなどのお仕事をしてきました! おしゃれと体を動かす事が大好きな、自称かなりのアクティブ女子です。ライブやダンスも大好きです☆ 出身地:大阪府 血液型:AB 星座:牡羊座 趣味:おしゃれと呼ばれる物全般・料理・散策

三原的フジロック体験記’16


ご無沙汰しております。三原勇希です!
こんな私の気まぐれ更新を受け入れて下さるBEEAST様に感謝です・・・!
 
更新していない間に、私も仕事も生活も 色んなことが変わりました。
中でも大きなニュースはというと、今年の4月から大阪のラジオ曲 FM802にて自分の番組を持たせて頂き、日曜夜に2時間、生放送でDJをやらせて頂いています!
夢だったラジオDJ。今は毎週試行錯誤しながら、より幅広い音楽により近くで触れ、ネタを探し、自分と向き合い…。試行錯誤しながら、刺激的で充実した日々を過ごしています。
 
そんなラジオDJとして、大事な仕事の一つが「ライブに行く」こと。
まぁライブを観るのが仕事だなんて、こんなに嬉しいことはありません。笑
特にこの季節は夏フェスだらけ!フェスの空気感を伝えるべく、ライブ音源を流したり、インタビューを試み、自分の見てきたことを言葉で伝えます。
先日は、念願の FUJI ROCK FESTIVALに行ってきました!



<初めてのフジロック>
音楽とアウトドア=私の一番好きなこと。
その二つが揃う最上級のものとも言えるフジロックですが、場所的にも金銭的にもちょっと敷居が高く、今まで行ったことがない”憧れ”でした。
しかし運良く今年は色々な条件が揃い、さらに大好きなアーティスト”The Internet”にインタビュー収録をするという仕事も兼ねて取材として行けることに!
遠足の前日も爆睡タイプの私ですら、前日はほとんど眠れませんでした(笑)。
苗場に到着し、毎年 SNSに上がってくる写真で見る、「FUJI ROCK FES 2016」の文字を掲げた入り口の門に着いた時は「フジロックに来た・・・・!」という感動がこみ上げました!もちろん記念撮影⭐︎

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その門の手前にもオシャレな見世物小屋のような、雰囲気抜群の小屋がたくさん。
フジロックで一番わくわくしたのはそんな、ステージにとどまらない会場の森全体の装飾です!
名前からしてセンスが溢れていて、ホームページでそれぞれのステージや食堂のコンセプトを見てドキドキ。それはまるでハリーポッターのホグズミードのようでした。

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まずはGREEN STAGEの後方にみんなでシートを広げ、椅子を並べ、荷物を置いて拠点を確保。そしてハイネケンで乾杯~! 満面の笑みと少しの奇声がこぼれます。笑 つまりは最高の気分!
ここからはいくつもライブを観ましたが、今回は特に思い入れのあったKOHHThe Internetにクローズアップして書きたいと思います。

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<KOHH>
私が苗場で最初に観たのは、WHITE STAGEのKOHH
KOHHは特に観たかったアーティストの一人。26歳の日本人ラッパーです。
私は中学の頃から今も日本語ラップ好きですが、誰にも似てない独特すぎるフロウと、シンプルすぎる(内容は時にハードコア)リリック、そしてそのファッショナブルさ、さらにはいつも一歩先行くアプローチ。作品を発表する度に界隈を賑わす唯一無二のラッパーです。
それは日本だけじゃない。KOHHの最新アルバム『DIRT II』はアメリカのiTunesのヒップホップチャートでベスト50位内、UKでは35位内に入った。しかも日本語詞で、である。
ネットでロンドンのライブ映像を見たら、外国人のオーディエンスがみんな日本語で歌ってる。こんな人やっぱりいない。
 
 
ステージに現れたKOHHは、アディダスの3本ラインのジャージにベージュのニット、そして黒いジャケットという出で立ち。かっ、かっこいい・・・笑
一曲目は「Die Young」。
この曲を一曲目に持ってきた時、ああフジロックだなと思った。なぜならこの曲の印象はヒップホップというよりロック。ハードでメタリックで、頭にガンガン来るトラックに、歪んだ声でシャウトするように「死んだら意味ない」とリリックを叫ぶ。
ちなみにこの一曲を聴いて、興味半分でKOHHを知らずにホワイトステージについてきた友達は「ちょっと無理だったわ」と退散(笑)。実に健全。KOHHは無難なことはしない。絶対に賛否両論あるアーティストだから。私にとってもこの一曲目は、わかっていたけど衝撃でした。
 


KOHH – ”Die Young”

「Living Legend」と続き、昔の曲を一曲だけやります、と言い「飛行機」で盛り上げる。オーディエンスの手が多く上がった。その後も曲フリのMCや、やっぱり率直すぎる壮絶なリリックに、ガツンガツンと殴られるようにライブは進む。
特に印象的だったのは「結局地元」という曲。東京都北区の王子を愛し、”結局地元(が一番)”と連呼するこの曲のパフォーマンスでは、地元の友達がたくさんステージに登場(笑)。この曲の世界観を抜群に伝えるパフォーマンス。そのステージで、年末に地元凱旋ライブをすることも発表。やはりKOHHは、想像通りのKOHHで、想像通りのカリスマ性だなと思わされるライブでした。



<フェス飯タイム!>
東京の友達にもたくさん会えたKOHHのWHITE STAGEから退き、GREEN STAGEに戻り、腹ごしらえ。「オアシス」と呼ばれるフードコートゾーン、決めきれない程豊富な”フェス飯”もフジロックの魅力。ゴンドラに乗ってたどり着くゾーンにあるピザが絶品だそうな…。
カレーをほおばりながら見たJAKE BUGGは、若いのにおっさんのような渋さと貫禄と落ち着きがあり、そして内なるロック魂がひしひしと伝わって来る。良質な音楽を昼間に聴きながらのんびりできるなんて本当に贅沢です。



The Internet LIVEとインタビュー!>
その後再びWHITE STAGEへ。
個人的に一番楽しみにしていたのはこのThe Internet
 
LAのOdd Futureというイケてるヒップホップ集団から生まれた、ネオソウル/R&B/トリップホップなバンド(ジャンル分けできない多様性)。昨年リリースした3rdアルバム『Ego Death』は、第58回グラミー賞最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞にノミネートされた。現在6人編成でボーカルは紅一点、24歳のSyd tha Kydシド・ザ・キッド)。シドと共にバンドの中核を成すのがMatt Martianマット・マーシャン)。
この6人の、フレッシュなセンスと確実なスキルが両立するメロウなサウンド。生バンドが織りなすメロウなグルーヴ。シドの気だるくセクシーな歌声と仕草。そして6人の醸し出す雰囲気。もう何もかもがクールで、リスナーにその魅力を届けたくて、私は是非ラジオの番組で彼らにインタビューしたい!とオファーをしていました。そしてなんとそれが叶うことに!
彼らが来日するのは二回目、私はライブを観るのも初めて。どんなステージになるのか、期待しかありませんでした。
 
登場には2つの驚きが。ひとつは日本語で「アガレ~~!」と言いながら登場したこと(もっとクールかと)、もうひとつは、キーボードのJameel Brunerジャミール・ブルーナーの格好がモンスターボールガウンにピカチュウTシャツだったこと(笑)。
 


The Internet – Dontcha

一曲目は2作目のアルバム収録のヒットナンバー「Dontcha」!ちょうどいいテンションの曲と、高まる感情で既に気持ちがいい。続いて最新アルバムから「Under Control」と、冒頭から人気のあるナンバーが続き、一気に観客は”アガッた”!
オーディエンスを2つに分けてコール&レスポンスしたり、全員で指を鳴らしたり、「Just Sayin’」でシンガロンしたり。オーディエンスも、きっと彼らを観るのを心待ちにしてきたのであろう人達が多く、フレンドリーな彼らと会場の一体感はとても気持ちがいいものでした。
 
彼らの楽曲は決して派手でないし、正直みんなで歌えるようなフックもないし、一聴しただけで口ずさめるような曲もない。でも、幅広い音楽性による深みと、生のバンドサウンドならではのグルーヴがある。新旧織り交ぜたセットリストはフェスとは思えないほど濃厚でした。終盤にもなると陶酔状態。夕方の苗場で聴く、終盤の「Girl」など・・・!
 
とにかくあのグルーヴと、彼らが醸し出す雰囲気を生で味わえたことは素晴らしい体験でした。
是非また日本に来て欲しい!



<インタビュー>

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陶酔のライブ直後、彼らへのインタビューをするためにバックステージへ。
 
緊張で身構えていたけど、そんな必要は全くありませんでした。マットはポケモンGOをしながら登場(笑)。今ポッポを捕まえた、と挨拶もする前に見せてくれた。そんなマットを見て無邪気に笑うシド、メンバーにも笑顔が見られてホッ!
 
ライブの感想を伝えると、通訳を通してはいるものの、私の目をしっかり見て頷いて、しっかり受け止めてくれる姿がとても印象的でした。シド曰く、「日本のオーディエンスの反応は2回とも素晴らしくて、世界でもベスト5に入る」という。意外な気がしたけどそれがとても嬉しかった!
マットは「日本はとても美しくて、冬も秋もっと色んな季節を見たいし、自然に触れてみたい」。ベースのPatrick Paige IIパトリック・ペイジ2世)は雪が見たいと言っていました。
 
曲作りについて聴くと、「良い意味で決まったやりかたはない。誰かがいいものを持ち込んだら、それにみんなで肉付けしていく。とてもシンプル。セッションのような形で出来上がっていくことも多い」とマット
 
フジロックで観たいアーティストは?と聞くと、BECK, James Blakeの名前が挙がり、シドは「私たちの友達のKamasi Washingtonのライブが見たいが今日中に東京に戻らなければいけない」とのこと。
また最近どんな音楽を聴いている?との質問には、真っ先に”Anderson .Paak is dope”と、マット。そして彼らのスタイルと大いにシンクロする、NYはブルックリンの若手”Phony PPLフォニー・ピープル)”の名前が挙がった。私が賛同するととても嬉しそうに”You’re Rocky! Yeahhh”と盛り上がりました。笑 音楽が言葉の壁を越えた瞬間でした。


Anderson .paak


Phony PPL

その後はメンバーそれぞれ知っている日本語を披露してくれました。中でもパトリック・ペイジ2世の「また来るから」が印象的。彼はぼーっとしているようでとても知性を感じる人でした。大阪弁の「おおきに!」を教えたけど覚えていてくれるかな(笑)
 
 
と、終始友達のようなテンションで笑いながら進んだインタビューはあっという間に終了!今回は幅広い世代のラジオリスナーに向けたインタビューでしたが、もし万が一また機会があれば音楽的なことも掘り下げて聴いてみたいものです。



<夜のフジロック>
いよいよ暗くなって、寒くなって、そんな中で芝生に座り込み全身で浴びる。
James Blakeの緻密な演奏とエモーショナルな歌声。
圧倒されて見つめたヘッドライナー、Sigur Rosの美しさ・・・。

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ホテルに行かなければならず、聴けなかったDisclosureはかなりの後悔。
そして一度ホテルに戻ったらもう出られなくて(笑)深夜のレッドマーキーやルーキーのステージを観れなかったことも後悔しました~。帰らずに力尽きるまで遊ぶべきだったかな~!

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しかし、次の朝は7時から会場周りの山をランニングする、オフィシャルイベント「フジロックラン」に参加し、仕事のため会場を後にしました。100人近く集まりました。気持ち良かった!



<行ってわかったフジロック>
こうして、私にとって初めてのフジロックは大好きな海外のバンドにインタビューできたという、最高の思い出になりました。
 
行ってわかったのは、行くまでに障害だと感じていた不便さやハードルこそが、フジロックの醍醐味であるということ。「自然と共存している非日常」だということ。気候も、ロケーションも、ステージ間の移動だってそう。不便だからこそ本能的になれる。ただライブを観に行くフェスとは違う。その空間にたどり着き、そこで過ごすという予想不可能な体験。

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そしてフジロックのスピリット。知らないアーティストでもフジロックなら観てみようと思える信頼感。どんなステージもそれぞれ違った趣がある。
 
1日だけでもその醍醐味は十分味わえました。これまで1日しかないからと断念していた自分に、1日でも行くべきだと教えてあげたかったです。でも、行きたいところが多すぎて周りきれないので、やっぱりもう1日2日あったらもっと色んな楽しみ方ができるんだろうな。来年も絶対行きたいし、来年は夜中も遊びたいし二日目も三日目もいろんなステージに行ってみたい、です!
 
やっぱりフェスは最高だ。やっぱりフジロックは素晴らしかった!
 
 


◆三原勇希 インフォメーション

【レギュラー】
・「INTRO-JUICE 802」 DJ
 放送:FM802 毎週日曜日18時~20時
http://funky802.com/service/homepage/index/1718

・スペースシャワーTV「SPACE SHOWER COUNTDOWN」
 放送:毎週金曜日22:00~23:00
 リピート:毎週土曜日17:00~、毎週火曜日11:00~
http://www.spaceshowertv.com/program/regular/space_shower_countdown.html

・テレ玉ほか「フィッシング倶楽部」
 (不定期)
http://www.fishing-club.jp/

・『走るひと 3』発売中

 

◆三原勇希 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yuki-de/

【レポート】「聖澤女学院物語 ラストディーバ」
http://www.beeast69.com/report/104747
【レポート】「東京タワー Club333 Night View DJ」
http://www.beeast69.com/report/92370
【レポート】BEEAST presents 三原勇希のロック女子会vol.1
http://www.beeast69.com/report/62822
【連載】ロック社会科見学 sakusaku 4代目MC・三原勇希に突撃取材!
http://www.beeast69.com/serial/sociology/29232