二夜連続の武道館
ご無沙汰すぎて、ごめんなさい!三原勇希です。
それでも待ってていくれるBEEAST編集部のSさんに感謝です・・・!
相変わらず、ライブに、クラブに、ストリーミングに、レコードに、音楽漬けの日々を過ごしている私です。でも意外と電車の中とかはそんなに音楽聞いてないんですよ。耳に突っ込むイヤホンが、あんまり好きじゃなくって。
だから外では環境音を楽しんでいるわけですが、最近都内で電車に乗っていたら、信じられないくらい大音量でイヤホンから音漏れしている男性がいました。
「誰か音楽流してる?」と思ってあたりを見回したら音漏れで、み~んなその人に注目してました。迷惑に思っている人も少なからずいただろうけど、注意する人はおらず。
漏れてくる音楽は、おそらくB’zの最新アルバム『DINOSAUR』の曲だった気がする。
そこまではまだ良かったのだけど、次に流れてきた曲が、同じくB’zの「ultra soul」だったんです。
ちょっと、これはさすがに困りますよ。
だって、サビ終わりの「ウルトラソウル!!ハイッ!!」の「ハイッ!!」で反応せずにいられないじゃあないですか・・・!
流石に我慢したけど、私みたいにあそこで体が疼いた人は、あの車両に何人いたのだろうか。
そんなことを考えている、昨今です。笑
さて、ライブのお話・・・
先日は、ロックの聖地「日本武道館」に、ニ夜連続で足を運びました。
まずは5月11日(金)
クリープハイプ「クリープハイプのすべて」
クリープハイプは、今私が 彼らのやることなすこと、発する一言一言に いちいち心奪われて仕方ないバンド。特に言葉がすごい。
もう私が言うまでもなく周知の事実ではありますが、ボーカル・尾崎世界観さんが書く歌詞は小説のように深い。
一筋縄ではいかないダブルミーニングなど、言葉遊びは天才的で、歌を聞くだけじゃわからない、歌詞を文字で読んだ時に気づく事が必ずある。そしてそれらの多くは怒りや悲しみといったマイナスの源”苦汁”からやってくることが多い。それをあまりに正直にドラマチックに書くから、人間臭くって切なくって、胸が痛い。
これが腑に落ちたのが、尾崎さんの「世の中がなかったことにしていることを、クリープハイプは歌います」という言葉だった。
言葉がすごいのは詞だけじゃなくって、ライブのMCもすべてです。
そして演奏力がすごい。
これはライブに行くまで気づききれなかったことだけど、ギターもベースもドラムもそれぞれがタイトで本当にかっこいい。
よく「クリープハイプのファンは全員メンヘラ」だと言われるということを、ボーカルの尾崎世界観さんは愛情たっぷりに皮肉る。でももうそれだけじゃないことを、この日は感じずにいられなかった。
負の感情を昇華させてくれるだけじゃなく、とても前向きでパワフルな眩しい魅力が、今のクリープハイプにはある。もっと大きくなって行くのは間違いないと思った夜。
この日のライブ、本編のラストを飾ったのは、「栞」という曲だった。
これは大阪のラジオ局・FM802の春のキャンペーンソングとして尾崎さんが書き下ろした曲。
毎年錚々たる面々が、この大阪のラジオで期間限定でしか聞けない曲を、春の新生活の応援ソングとして書き下ろし、FM802チームと共にアレンジをし、FM802にゆかりのある様々なアーティストが歌を乗せる。
毎年背中を押してくれるような前向きな曲が多いが、今年の尾崎さんがテーマにしたのは「後悔」。そしてなぜ「栞」なのか、栞とはどういうものなのか、この曲のあらゆる場面でハッとさせられる。ボーカリスト達の個性がぶつかり合う歌も素晴らしい。
私もFM802DJの一員として、「クリープハイプのすべて」でこの曲がトリを飾る存在だったということが、嬉しかったのです。
そして翌日は
GLIM SPANKY初の日本武道館ライブ!
きっとBEEAST読者にもファンが多いであろうGLIM SPANKY。もしくは知りさえすればきっとファンになるであろう、ロックファンの心を揺るがすGLIM SPANKY。
ボーカル松尾レミちゃんの声は、女性も男性も惚れる気怠いハスキーボイス。
ギター亀本寛貴くんのギターはどんどん音色もフレーズも多彩になって行く。この二人のバランスが最高である。
デビュー5年目で迎えたロックの聖地を、二人もファン(私含め)も、喜び噛み締めていることが通じ合う、あの空間全体が仲間であるように思える 特別な一夜だった。グリムには武道館が本当に似合っていた。
壮大なロックも、ディープなロックも、激しいのも速いのもエモーショナルなのも、オリエンタルもサイケデリックも、可愛らしいのもポップなのもフォークなのも。GLIM SPANKYの魅力は、決してブレずに 色んなロックの引き出しを見せてくれるところ。ファンを”仲間”と呼ぶボーカル松尾レミちゃんは「日本の”ロック”といわれるものに感じている”狭さ”を開拓していきたい。みんなで一緒に台風の目を大きくしていきましょう」と言ってくれた。
そしてレミちゃんが書く日本語の歌詞は、どうしてかたまらなく泣けるのである。
長野の田舎に住みながら 音楽で生きて行くことを決意し、周りに様々な言葉で反対されながらもいつかはそんな人もわかってくれる歌を歌いたい、という思いで書いたという「大人になったら」は是非一度聴いてほしい。この日は涙が止まらなかった。
この二つのライブを観てなぜか考えた事・・・
人に何を言われようと自分を貫けばいい!というメッセージはよく聞くし、そう発言してくれる人が増えてきた時代だと思う。
でもそれ以前に 自分を持つこと、自分を理解することがまず難しかったりするのだ。
そのためにはわかるまで自分ととことん向き合うしかないと思うし、苦手な事にもトライしたり続けてみるしかないし、一人の時間・・・一人に見えて”自分対自分”の遊びと戦いが、明日の自分をつくるんだろう。
このコラムも、何も思いつかなくてもちゃんとパソコンに向かってウンウン唸ってみます。笑
名曲だって、そうやって無理やり絞り出して生まれたものも沢山あるんだろうな。
気負いせず短くても更新していきたいと思うので、次回はわりとまたすぐに。
◆三原勇希 インフォメーション
-GEEKS and FREAKS-season2
・2018年06月02日(土)【東心斎橋】CONPASS
出演:HAPPY、踊foot works、TOMMY(BOY)
DJ:KiM、Banchan、YUUKI MIHARA、鞆良磨(AFRICA) Paint:透明回線
時間:OPEN 18:00 / START 18:30 料金:前売2500円(Drink代別)
スペースシャワーTV「スペシャのヨルジュウ♪」VJ レギュラー出演中
毎週水曜日22:00~23:00 スペシャアプリより生配信+スペースシャワーTVにて生放送
テレビ埼玉「フィッシング倶楽部」レギュラー出演中
毎週木曜日21:00~21:30、他全国12ネット局にて放送
FM802「INTRO-JUICE 802」 DJ
放送:毎週日曜日18時~20時
ニコニコ生放送「シネマのミカタ」MC レギュラー出演中
毎週火曜21:00~22:00生放送(※不定期出演中)
・『走るひと 3』『走るひと 4』発売中
◆三原勇希 オフィシャルブログ
http://lineblog.me/miharayuki/
【レポート】「聖澤女学院物語 ラストディーバ」
http://www.beeast69.com/report/104747
【レポート】「東京タワー Club333 Night View DJ」
http://www.beeast69.com/report/92370
【レポート】BEEAST presents 三原勇希のロック女子会vol.1
http://www.beeast69.com/report/62822
【連載】ロック社会科見学 sakusaku 4代目MC・三原勇希に突撃取材!
http://www.beeast69.com/serial/sociology/29232