コラム
ロックは現場で起きてるんや!〜三原流ライブ参戦記〜
三原勇希
中学生の頃モデルとしてデビューし、tvkの音楽バラエティ番組「sakusaku」のMCを三年務めたのち、日本テレビ「シューイチ」でトレンドレポーターなどのお仕事をしてきました! おしゃれと体を動かす事が大好きな、自称かなりのアクティブ女子です。ライブやダンスも大好きです☆ 出身地:大阪府 血液型:AB 星座:牡羊座 趣味:おしゃれと呼ばれる物全般・料理・散策

二十一時間目:おじいちゃんとおばあちゃんとビートルズ。〈後編:青盤〉


★前回≫二十時間目:おじいちゃんとおばあちゃんとビートルズ。〈前編:赤盤〉
 

今は亡きおじいちゃんのオーディオルームで赤盤を聴いた翌朝。
目覚めて下に降りたら、パンにサラダに目玉焼き、メロンに生ハムまで添えられた豪華な朝ご飯ができていた。「朝はパンか?ご飯か?なにがいい?サラダくらいは食べる?フルーツは何がいい?」と、質問攻めの電話に答えた昨日の朝を思い出す。おばあちゃん…ありがとう(涙)。昔話を聞きながら、自分は残り物しか食べないおばあちゃんと朝ご飯を一緒に食べました。おじいちゃんと付き合ったきっかけは、翌日にセッティングされたお見合いに「行きたないわぁ」ともらしたおばあちゃんに、「行かんでええ、明日映画でも観に行こか」とおじいちゃんが言ったそう。2人はその時初対面。その場には親戚や家族みんな居たんだって。おじいちゃん、かっこよすぎやろ~!涙

そのあと新婚旅行で起きた珍事件のエピソードを話してくれたおばあちゃんは、今までで一番可愛くてなんだかはっとした。その旅行でおじいちゃんが買ってくれた真珠がこないだ出てきたと言って見せてくれた。包み紙は黄ばんでボロボロだったけど、その中には小さくてきれいな乳白色の真珠がふたつ並んで輝いてた。その後一時間以上も、80歳と24歳のガールズトークは尽きなかった。きりのいい所で私はまた2階へ、音楽と思考の旅に出た。

 

DISC 1


 

「Strawberry Fields Forever」は音が織りなす物語のよう。しんみりゆったりした雰囲気の中で、ブラス楽器やストリングスが入ってきたり、時たま入るエキゾチックな旋律は、物語のページをめくるように雰囲気を変える。そんな豊かなサウンドの中でもやっぱりギターの音って好き。「Penny Lane」も好きだなぁ。鐘の音から始まる運動会みたいな間奏がいい。ハッピーな日常の風景、”Very Strange”、そして優しいサビの和音。「A Day In A Life」には驚いた。一日ってこんなに色んなことが起きるのか…ってくらいはちゃめちゃな楽曲構成。「Lucy In The Sky With Diamonds」に、「All You Need Is Love」と、私も知ってる名曲ぞろいでお腹いっぱいの一面。つまりお腹が減った時に聴くといいのかもしれない。

 

DISC 2


 

「Hello, Goodbye」はシンプルなのにこんなにも素敵だ。コーラスがいいし、ベースラインもいいし。最後の”Hello Hello Hello ちょっ ちょっ!”がもう、「くぅー!」って感じです。笑 「The Fool On The Hill」は、一人で森で歌ってたらいろんなものが参加してきたみたいな絵が浮かぶ。そしてメロディが美しい! 「I Am The Walrus」といい、「Magical Mystery Tour」といい、サイケデリックなこのDISC 2はものすごい曲の展開が多くて楽しい。テンション上げたい時…パーティーの飾り付け中とか、お出かけ前にメイクする時にぴったりの一枚。 最後の「Hey Jude」はやっぱりあったかくて、聴きながら誰もが自分にとっての”Jude”を思い出すような曲じゃないでしょうか。7分以上あるこの曲は、これ以降もっと長い曲が生まれるようになったきっかけをつくったパイオニアだと聞きますが、この曲を聴いているとこんなに長くなったのもわかる!と思ってしまう。「ラーララララララーラー」って、ずっと皆で歌っていたいもん。音楽のすばらしさを表している曲!

 

DISC 3


 

アメリカンダイナーとか思い浮かぶはじまりの雰囲気。「Don’t Let Me Down」がすごく好き…。この映像なんて味がありすぎて、ビートルズって本当に歴史に残るすごいバンドだったんだなって、時代を超えて伝わってくる。目をつぶって音に揺れながら、一緒に歌い叫びたい。何もかもがこの雰囲気と音楽を作り出してるけどバックでささやかに鳴るエレピなんかもすごく好き。ブルースだったり、アメリカンだったり、「Ob-La-Di, Ob-La-Da」みたいな陽気な曲だったり。赤盤と青盤の中では一番渋い一枚だと私は思うので、渋いおじさまとかダンディな人と過ごす時にこれをかけて「おっ」と思わせたい(どんな時や)。

 

DISC 4


 

「Here Comes The Sun」という優しくすがすがしいはじまりから、もう素晴らしい。ビートルズって超キャッチーなメロディとスタンダードなリズムの所に突然3拍子を入れるのほんと多いんだなぁ。「Come Together」は「シュッ…ボボボボボボボボン」という無骨だけどキレのあるイントロからもう、男らしくてワイルドでかっこいい。この曲も間奏がたまらないけど、間奏といえば「Something」はほんときゅんきゅんする! ギターソロなんか胸が苦しい。「Let It Be」は…月並みな感想だけど本当にいい曲だなぁ…。こういう曲ができた時どんな気持ちになるんだろう。そこから「Across The Universe」、そして「The Long and Winding Road」と続く黄金のメドレー。大満足の有終の美。満足感と、”これで最後”感がすごいから、すごく充実した1日を過ごした帰りの車とか、とにかくいい気持ちで帰りたい時、いい気持ちで早く帰って欲しい時(笑) にぴったりの一枚…。

 

赤盤・青盤を聴き終えたあとの率直な感想は、「もっといろんな曲を聴きたい!もっとビートルズを知りたい!」でした。その音楽性の変遷の興味深さと、いつも変わらない素晴らしさゆえに。
このコラムを書くにあたってもビートルズのいろんな記事や動画を観ました。家にあるのに見ていなかった映画『Across The Universe』もこれを機に鑑賞。

across
アクロス・ザ・ユニバース
発売中 ¥1,410(税抜)
発売・販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

舞台は1960年代、ベトナム戦争中のアメリカ。父親を探しにアメリカからイギリスに渡ったジュードは、そこで出会ったルーシーと恋に落ちる。しかし社会の波に飲まれて、2人も引き裂かれてしまう…。

ミュージカル調で、終始サイケデリックなカラーで斬新な映像。脳内アートのような架空の世界もたくさん。全編がミュージックビデオのような映画でした。エンドロールの 「Lucy In the Sky with Diamonds」以外は、全て映画の中の色んな人がビートルズの曲を歌います。女の子が歌うビートルズもすごく良くて、私も「I Want To Hold Your Hand」を好きな人に歌いたいと思った。ゴスペル調に歌い上げる「Let It Be」のシーンはぐっとこみあげるものがありました。色んな人が色んな場面でビートルズの曲を歌うのを見て、最初は「ビートルズの曲はこうやって人々の生活に寄り添って愛されてきたのか」と思って見ていたけど、ストーリーが進むにつれて「ビートルズの曲はこういう時代や人々の葛藤の中で生まれたのか」と感じていきました。



画像提供:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(c) 2007 REVOLUTION STUDIOS DISTRIBUTION COMPANY,LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

歌詞の日本語訳も良かった。ビートルズの曲は若者の甘く苦く繊細な心を、そのままに表現していた。公式の歌詞カードでは「対訳不能」とされているという、「Come Together」の対訳は意味深で印象的です。
絶望したり、葛藤したり、憤りをおぼえたり。自分じゃどうしようもない時代の渦に巻き込まれて、そんな時に歌は生まれて、人を癒し勇気づけるんだと、音楽のすばらしさを暗に感じさせてくれました。最後の「All You Need Is Love」は涙がぽろっとこぼれた。

世界にも自分にも日々色んなことがあるけれど、「All Need Is Love」はこれからもずっと、いつ誰にでも通じるメッセージであってほしいです。
矛盾、対立、葛藤、絶望。そんな中で人はいつだって希望や癒しや愛を求めてる。
そこに歌があって、希望や癒しや愛への道をつくる。そんな映画だったように思いました。社会的な映画に普遍的だけど失いがちなメッセージがこめられていました。
 

column8

 
ビートルズにいつどんな時に出会い、何を感じ何を想って聴くのか。十人十色のビートルズがある。
私とビートルズはまだ出会ったばかりだけど、おばあちゃんやおじいちゃんの思い出という、でっかいプレゼントを持って現れてくれました。これからまたビートルズが私の人生の色々な場面に彩りを加えてくれそうです。
 

アナログレコードは便利じゃないけど、今アナログレコードを聴くことの良さはもっと別のところにある。言わずもがなだけど、ずっと大切に聴こう。そしていつか、私の子供が興味を持って聴いてくれたら最高だな。以上、夏の自由研究おわり。

 


◆三原勇希 インフォメーション

【レギュラー】
≫NEW!! 10/7(火)20:30~スタート新番組
TOKYO MX「テリー伊藤のトラブルハンター」MC出演決定

≫NEW!! 9/9(火)22:00~スタート新番組
・ゴルフネットワーク「ハル常住の99への道」出演中
http://www.golfnetwork.co.jp/guide/original/haru99/

・スペースシャワーTV「SPACE SHOWER COUNTDOWN」出演中
 放送 毎週金曜日22:00~23:00リピート
 毎週土曜日17:00~、毎週火曜日11:00~
http://www.spaceshowertv.com/program/regular/space_shower_countdown.html

・ラジオ「劇団サンバカーニバル」出演中
(FM-FUJI 毎週土曜夜20時~22時)
http://fmftp.weblogs.jp/geki3/

・テレ玉ほか「フィッシング倶楽部」出演中(不定期)
http://www.fishing-club.jp/

 
≫NEW!! ・週刊プレイボーイ 2014年9月29日号
グラビア掲載
http://wpb.shueisha.co.jp/2014/09/21/35985/

≫NEW!! ・サッカーゲームキング 2014年 11月号 カバーガールに登場

・上田ハーローFX 「三原勇希のFX COLLEGE」開講中
http://uhfx.jp/college/

・ミニストップ「ハロハロ」CM出演

・「みんなニコモだった! 三原勇希」
 7月から月刊デジタルファクトリー(http://digital-gekkan.jp)で配信中!
 撮影・魚住誠一  ロングインタビュー&撮影メイキング映像も!

KREVA 10th ANNIVERSARY ベストアルバム『KX』特典映像「KREVAのライミング予備校」出演

・資生堂HP「ワタシプラスレッスン」に登場!
http://www.shiseido.co.jp/navi/service/wl020.html

・「NEXUS SELECT」連載中
http://www.nexus-web.net/select/?cat=15



・写真専門誌「月刊カメラマン」
2013年1月号~(毎月20日発売)
魚住誠一さん連載ページに登場。

 

◆三原勇希 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yuki-de/

【レポート】「聖澤女学院物語 ラストディーバ」
http://www.beeast69.com/report/104747
【レポート】「東京タワー Club333 Night View DJ」
http://www.beeast69.com/report/92370
【レポート】BEEAST presents 三原勇希のロック女子会vol.1
http://www.beeast69.com/report/62822
【連載】ロック社会科見学 sakusaku 4代目MC・三原勇希に突撃取材!
http://www.beeast69.com/serial/sociology/29232