演奏

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:三橋コータ

 
Photoバンド生活四半世紀、人間椅子の2014年最初の東名阪ワンマンライブ「バンド生活二十五年 ~ 猟奇の果 ~」が開催された。昨年の『萬燈籠』リリース全国ツアーが全会場大入り、特に東京は2daysともチケット完売したことを受けての追加公演のような位置づけとなるこの東名阪公演、最終日の東京は前回のO-WESTのお向かい、収容人数もステージもひとまわり大きくなったO-EASTだ。1300人の収容人数を誇る都内屈指の大型ライブハウスが、開場とともにたくさんのファンで埋め尽くされた。ただならぬ空気が流れている。
 
人間椅子 メンバー:
和嶋慎治(Guitar & Vocal)、鈴木研一(Bass & Vocal)、ナカジマノブ(Drums & Vocal)

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お馴染みのSE、そして3人が登場すると、分厚い歓声が沸き起こる。1曲目は「新調きゅらきゅきゅ節」。和嶋慎治は背後に連なるアンプにギターを近づけ、音の感触を確かめるというよりは楽しんでいるようだ。続く2曲目「爆弾行進曲」では、鈴木研一も自らの奏でる音に陶酔しているよう。2ndアルバム『桜の森の満開の下』収録のこの曲は、初めて聴くファンも多いことだろう。続く3曲目は「りんごの泪」。初期代表曲の1つだが、平成26年の今、これほどたくさんのオーディエンスの腕が挙がる光景を見られるとは、四半世紀追い続けたファンも、或いはメンバー自身も、想像していなかったのではないか。
 
「O-EAST!!」和嶋慎治が絶叫し、コール&レスポンスを巻き起こす。「『猟奇の果』にようこそ!これからたっぷり、人間椅子の猟奇、怪奇、幻想の世界を一緒に楽しみましょう」(和嶋)、「こんなに入っていただいた皆様への、人間椅子からのお年玉だと思って…」(鈴木
昨年の全国ツアーが各地満員御礼となったことへの感謝、DVD化のためのカメラが入っていること、そして今宵は新旧織り交ぜたセットリストを展開していくことが告げられる。

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4曲目以降も新旧ナンバーの融合が楽しい。「時間からの影」ではチェンソーで切り裂くようなギターリフに、ベースも呼応し5次元を表現する。ギターとベースのハーモニーは「怪人二十面相」でも続き、そして7thアルバム『頽廃芸術展』収録の「九相図のスキャット」を披露。この広い会場に向けて、高らかに叩き上げるナカジマノブ。「怪人二十面相」から「九相図のスキャット」という流れは『春のにほひは涅槃のかをり』ツアー以来約4年ぶりの披露。ちなみに九相図とは野ざらしの死体が朽ちていく様を九段階で表した仏教絵画のことだが、これほど小気味よく九相図を表現できるロックバンドは世界広しと言えど人間椅子だけ。まさに「猟奇」の世界だ。
 
「ねぷたのもんどりこ」で見せる鈴木研一のダンス!「品川心中」での和嶋慎治の落語!この辺りは、昨年のツアー参戦者は皆、その時の印象と今とを比較したことだろう。会場のスケールがぐっと大きくなり、初めて観た者も含め観客がぐっと増えた。そのことで、おどろおどろしさがいっそう増しているようだが、それでも芯のところでは全く変わらず、どろどろどろろとしている。
 
「1000人以上のお客さんの前でやるのはデビュー以来?落語を披露しちゃったけど」と語る和嶋慎治。そんな緊張さめやらぬ様子を察してか、鈴木研一が「1000人の前で落語やる人って言ったら、(立川)志の輔とか、それくらいの大御所だけだよね」と冗談を飛ばす。さらに、大阪でラジオなどに出演した際に明かした恋愛トークをMCでも披露。「恋をすると景色が変わって見えますよ。うまく行きそうだなという日の朝は世界中が輝いてみえますからね。失恋すると毎日雨じゃないかなというどんよりした日々が続きますが…」そんなピュアな気持ちを日記にしたためたというテーマの曲、「黒百合日記」へ。

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新作『萬燈籠』収録の「黒百合日記」に続き、中盤は「冥土喫茶」、「踊る一寸法師」、「相剋の家」といった大人気ナンバーを続ける。MCで鈴木研一は「(オリジナルで)17枚もアルバムを出していると、売れたものもそうでないものも、今手に入るものもそうでないものもある」と自嘲。中でも渾身の作、7thアルバム『踊る一寸法師』が絶版になっていることが残念だと話すと、オーディエンスからも同調の拍手と歓声が巻き起こる。
 
メジャーデビュー25周年の今年・2014年は、ナカジマノブ加入10周年でもある。加入以来バスドラが1つ、タムも1つ増えたというドラムセットだが、今回のツアーからシンバルも1つ増えたという。「アニキ、どんどん成長しております!」と和嶋慎治。「お陰で体重も成長してます!まだまだ発育中!青春真っただ中!」MCもいつも以上に全力なアニキ・ナカジマノブが、「蜘蛛の糸」を1300人の観客に全力で届ける。続く14曲目は初期ナンバー「天国に結ぶ恋」、軽快なメロと図太いベースの融合が絶妙で、最新作だと言われても信じ込んでしまうほど完成度が高い。
 
そして最後は「針の山」。ただひたすらにジャンプ!間奏で沸き起こる歓声もスケールアップ!人数が増えたことももちろんだが、今の人間椅子の勢いを加味して、加速度的に大きくなっているように感じる。われわれファンが、時にメンバー自身、一次方程式だと思っていた上昇線は、二次方程式の放物線だったのだ。今、物凄い角度で上昇を始めた。

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アンコールで和嶋慎治ナカジマノブは、未来に向かってロケットで羽ばたこうとする様を描いた、通称「ロケットTシャツ」を着て再登場。そして鈴木研一はもちろん、いつもの白装束。
 
和嶋くん、今日は楽しそうだな~」「いやーこんなに楽しくていいんでしょうかね?1000人のお客さんの前でワンマンですよ」「和嶋くんが楽しければ僕も楽しい。ありがとう。」「鈴木くんが楽しければ僕も楽しいよ、本当に。」「僕は2人が楽しければ、楽しい!」と最後はナカジマノブが締める。愛にあふれる3人の掛け合いに、オーディエンスもうっとり。「そんな人間椅子、25年30年35年40年45年50年55年60年と、ずっと続けていってもよろしいでしょうか?」和嶋慎治が問いかけると、改めて大歓声が起こる!「バンド活動続けたいと思います。死ぬまでやります!」
 
力強い言葉とともに、アンコールでは今宵の公演タイトルにも関わる快活なナンバー「猟奇が街にやって来る」、そして高速サーキットナンバー「地獄風景」を披露。両曲とも、ナカジマノブの叩く三三七拍子など「祭りのリズム」があり、アンコールに相応しい「血を沸き立たせる」楽曲だ。野太い掛け声が、止まない。
 
ダブルアンコールに応えて、ナカジマノブが再登場。「ダムさんって呼んでくれ~!」オーディエンスの余力を引き出すと、先日結成30年にして初の日本武道館単独公演を果たした怒髪天について触れ「人間椅子も武道館の最年長記録を狙いたい」と抱負を語り、そして残りのメンバー2人を招き入れる。鈴木研一は白装束がはだけてふんどしをちらり。と、手に額縁を持っている。日本ふんどし協会からの表彰状だ(詳細後述)。
 
まだまだ走り続ける人間椅子。われわれも死ぬまで追い続けようぞ。これから新譜の制作に入る人間椅子、夏頃には再び全国ツアーの開催が期待される。夏にまた会うその時まで…「どっとはらい」!
◆セットリスト
M01. 新調きゅらきゅきゅ節
M02. 爆弾行進曲
M03. りんごの泪
M04. 時間からの影
M05. 怪人二十面相
M06. 九相図のスキャット
M07. ねぷたのもんどりこ
M08. 品川心中
M09. 黒百合日記
M10. 冥土喫茶
M11. 踊る一寸法師
M12. 相剋の家
M13. 蜘蛛の糸
M14. 天国に結ぶ恋
M15. 針の山
-encore-
E01. 猟奇が街にやって来る
E02. 地獄風景
E03. どっとはらい
◆人間椅子 公式サイト
http://ningen-isu.com/
◆人間椅子 公式ブログ
http://ningenisu.exblog.jp/
 
◆リリース情報
人間椅子 21thアルバム 『萬燈籠』
2013年8月7日~発売中


 
◆ライブ情報
「abura derabu」
・2014年03月20日(木)【東京】TSUTAYA O-EAST
出演:人間椅子 / ZAZEN BOYS
時間: OPEN 18:00 / START 19:00

 

★人間椅子が「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013(ベストフンドシスト賞2013)」に選出!
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この日のライブ開演前、人間椅子が「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013(ベストフンドシスト賞2013)」に選出され、一般社団法人 日本ふんどし協会(http://www.japan-fundoshi.com/)から表彰を受けた。
 
「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013」は日本ふんどし協会が毎年選出しているもので、その年にふんどしの普及に貢献し、またその年活躍された著名人を対象としている。人間椅子は、メンバー全員がふんどし愛用者であり、特に鈴木研一のライブで見せるふんどし姿が話題になっていること、また25周年を迎えてますますふんどし普及に貢献することが期待されること、ファンからの推薦が最も多かったことなどが理由で見事「BEST FUNDOSHIST AWARD 2013」を受賞した。
 
自作のふんどしを愛用し続けている鈴木研一は「表彰状をいただくのは初めて。ふんどしが日常と非日常の境目になり、ふんどしを締めるとライブモードになる。スイッチを切り替えたい時に皆さんにもお勧めします」と受賞の喜びを語った。

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