演奏

TEXT & PHOTO:ヨコマキミヨ

和嶋慎治による本誌連載のコラム「浪漫派宣言」、本誌BEEAST主催のソロ弾き語りの「39LIVE」鈴木研一の定例イベント「ハードロック喫茶ナザレス」、東北最大のロックフェス「ARABAKI ROCK FEST.13」の出演、そして何と言っても5月のOZZFEST JAPAN 2013への出演を果たし話題をさらい、結成25年目にして俄然精力的な活動をみせる人間椅子
 
本誌の特集インタビュー「ROCK ATTENTION 25 ~人間椅子~」でも熱く語ってくれたように、8月7日にニューアルバム『萬燈籠』が発売され、これを記念してタワーレコード渋谷店B1F「CUTUP STUDIO」にてスペシャルライブが行われた。人間椅子の魅力が濃厚に凝縮されたイベントの模様をレポートする。

 

このイベントは、タワーレコード渋谷店・新宿店にて、事前に予約優先でアルバム『萬燈籠』を購入し、先着で配られた入場券を手にした人のみが入ることができるという貴重なもの。平日火曜日の19時からというイベントであるにもかかわらず、会場すると共にフロアは瞬く間にいっぱいになり、コアなファンで溢れた。OZZFEST JAPAN 2013の出演も影響してか、若い世代の女性ファンも多く見受けられる。
 
 

 

 

会場が暗転し、怪しげな鈴の音で始まる「此岸御詠歌」のSEが流れ始め、人間椅子のメンバー、和嶋慎治(Guitar & Vocal)、鈴木研一(Bass & Vocal)、ナカジマノブ(Drums & Vocal)が登場すると、客席からウォー!とどよめきが湧き上がる。和嶋慎治鈴木研一が順にボーカルをとり、1曲目「黒百合日記」、2曲目「地獄変」と続けて一気にスタート。アルバムタイトルの『萬燈籠』(まんどろ)とは、和嶋鈴木両名の故郷である津軽地方の方言で「まんまるの~」を表し、満月のことだという。(三重県他、関西地方などでも同じ意味で使う)そのタイトルどおり、幻想的で、おどろおどろしく奇妙な人間椅子特有の「和」の世界へと誘われる。
 
 

 

 

「『萬燈籠』お買い上げありがとうございます!」鈴木研一がオーディエンスへ向けて話し始めると、先程までの、おどろおどろしい世界とは打って変わって、笑いが起こる和やかな雰囲気に。「最近、新しいお客さんや女性のお客さんも増えて嬉しい」と、和嶋慎治鈴木研一の掛け合いも楽しく、トークの間は終始ほのぼのとした笑いに包まれる。
 
 

 

 

3曲目は和嶋慎治がボーカルをとる「衛星になった男」。壮大に広がる宇宙から、突然ブラックホールに吸い込まれたような落差の激しいイントロ。そこからさらにズドン!と奥深くヘヴィなビートをたたみかける。
 
   

   

青森市の「ねぶた」祭りの掛け声は「ラッセーラー」。一方、弘前の「ねぷた」は「ヤーヤドー」で、さらには、行きの「ヤーヤドー」に対して、帰りは「ねーぷたのもんどりこー」という掛け声で戻ってくるという、鈴木研一の詳しい説明があって、4曲目はその「ねぷた」にちなんだ曲「ねぷたのもんどりこ」。ふと見渡すと、オーディエンスも軽快なビートに合わせ、「ねーぷたのもんどりこー!」という掛け声と共に拳を振り上げ、ハネト(跳人)さながらにジャンプ!会場は祭りと化した。思わず体が跳ねて楽しくなってしまう土着ともいえるそのリズムは、日本人なら誰もが潜在的に染み着いているものなのかもしれない。
 
 

 

 

弘前といえば桜が美しいことでも有名だ。その桜の美しさと儚さを、文学的な美しい歌詞で表現した、5曲目「桜爛漫」は、和嶋慎治曰く「ちょっとだけBlack Sabbathみたい」というように、重厚なリフと和風フレーズが見事なまでに融合し、これぞ人間椅子とも言うべく、まさに圧巻。
 
 

 

 

「地獄の歌をお前らにお見舞いするぜ!」勢いよく始まった6曲目、ナカジマノブがボーカルの「蜘蛛の糸」で、会場のボルテージは最高潮!その勢いのまま、ますます激しく炸裂する「人生万歳」、「新調きゅらきゅきゅ節」と2曲続けてスパークし、一旦終了。
 
 

 

 

これほど盛り上がって、そのまま終わるはずもない。アンコールは「針の山」。和嶋慎治自ら「もう普通のライブです!」と最後に言っていたように、インストアライブとは言えないほどのガッツリと中身の詰まった、濃厚なライブイベントとなった。
 


民話、妖怪の話や怪談話に出会ったとき感じる感覚、「ちょっと怖くて面白い」。そんな日本独特の感性を、思い起こさせ刺激してくれるのが人間椅子だ。世に出るきっかけとなった80年代のTV番組「イカ天」以来の、“大きなうねり”を今もまた感じていると語る彼ら。こだわり続けた「和のヘヴィメタル」は25年という月日を重ね、再び、いやそれ以上の“大きなうねり”になろうとしている。
 
このアルバム『萬燈籠』を引っ提げて、9月12日から札幌を皮切りにしたツアーが開始される。既に、渋谷、大阪、仙台はソールドアウトとなっているが、『萬燈籠』のコンセプト、「この世界というのは、実は無限の可能性に満ちたダイナミックなものなのかもしれない…」という意味を確かめるべく、現実から一歩踏み出して、人間椅子の無限に広がる和風でダークな世界をぜひ体感してほしい。
 

◆人間椅子 公式サイト
http://ningen-isu.com/
◆人間椅子 レーベルサイト
http://www.tkma.co.jp/j_pop/ningenisu/
 
◆リリース情報
人間椅子 21thアルバム 『萬燈籠』
2013年8月7日~発売中
◆人間椅子レコ発ツアー ~萬燈籠~
・2013年09月12日(木) 【札 幌】ベッシーホール
・2013年09月15日(日) 【青 森】クォーター
・2013年09月16日(月祝)【仙 台】enn2nd
・2013年09月20日(金) 【博 多】DRUM Be-1
・2013年09月21日(土) 【熊 本】DRUM Be-9 V-1
・2013年09月23日(月祝)【大 阪】ROCK TOWN
 ※SOLD OUT!!
・2013年09月24日(火) 【神 戸】チキンジョージ
・2013年09月26日(木) 【名古屋】E.L.L.
・2013年09月29日(日) 【渋 谷】O-WEST
 ※SOLD OUT!! 「おどろの日」
・2013年09月30日(月) 【渋 谷】O-WEST
 ※SOLD OUT!! 「どろろの日」
 
AOMORI ROCK FESTIVAL ’13~夏の魔物~
http://www.natsunomamono.com/
・2013年09月14日(土)
【青森】東津軽郡平内町夜越山スキー場
 
LIVE DVD 発売記念ツアー「四半世紀中」
・2013年11月03日(日)【大阪】BIGCAT
出演:筋肉少女帯 / 人間椅子

 

◆関連記事
【特集】ROCK ATTENTION 25 ~人間椅子~
http://www.beeast69.com/feature/78925
【コラム連載中!】浪漫派宣言 和嶋慎治(人間椅子)
http://www.beeast69.com/column/wajima
【レポート】ハードロック喫茶ナザレス
http://www.beeast69.com/report/80148
【特集】ARABAKI ROCK FEST.13
http://www.beeast69.com/feature/71848
【連載】39LIVE アンコール ~和嶋慎治~
http://www.beeast69.com/serial/39live/53764
【連載】39LIVE 第7回 ~和嶋慎治~
http://www.beeast69.com/serial/39live/50722
【レポート】親切丁寧サプライズ ~高円寺突貫工事~
http://www.beeast69.com/report/48854
【レポート】「夕方のヒットスタジオR&N !?」人間椅子×RockRolly
http://www.beeast69.com/report/44400
【レポート】Dos a tres caidas ! ~コンチェルト・ムーン炎の三番勝負~Vol.1
http://www.beeast69.com/report/34660
【レポート】地獄の決定打!筋肉少女帯VS人間椅子VS人間筋肉少女椅子帯
http://www.beeast69.com/report/30390


 
 
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