特集

TEXT:文鳥ヨシト PHOTO:三橋コータ

Photo国内のロックシーンの最先端を駆け抜け、輝き続けるフロンティアたちの横顔に迫るインタヴュー特集「ROCK ATTENTION」。第25回目は、本誌コラムニストを務める和嶋慎治の在籍でもおなじみ、3ピースロックバンド・人間椅子だ。メンバーは和嶋慎治(Guitar & Vocal)、鈴木研一(Bass & Vocal)、ナカジマノブ(Drums & Vocal)。和製ヘヴィメタルバンドの代表格として根強い人気を誇るが、ゴシックやプログレなど多種多様なロックが複雑に入り組んだ音楽性は単純にヘヴィメタルの枠に収まりきれないスケールを魅力とする。一方で江戸川乱歩の作品名からオマージュされたバンド名に象徴されるように、日本文学への造詣が独特の歌詞の世界を作り上げている。
 
1987年の結成から25年を超え、ますます精力的に活動し続ける人間椅子。2013年に入ってからの活躍は目覚ましいものがあった。1月には本誌BEEAST主催の和嶋慎治ソロ弾き語りの「39LIVE」、2月には鈴木研一の定例イベント「ハードロック喫茶ナザレス」、4月には東北最大のロックフェス「ARABAKI ROCK FEST.13」への出演、そしてファン誰もを驚かせたのが5月のOZZFEST JAPAN 2013に出演だ。彼らが敬愛するBlack Sabbathと同じステージに立つというバンド結成以来の快挙を成し遂げる。(記事後半で本誌撮影のステージフォトを特別公開!)
 
そんな人間椅子のベスト盤・ライヴ盤を含めて通算21枚目、オリジナルアルバムとしても17枚目となるニューアルバム『萬燈籠』が8月7日にリリースされる。このタイミングで本誌は3人へのインタヴューを実施した。

mandoro◆人間椅子 プロフィール
 
もともと高校の同級生であったギターの和嶋慎治と、ベースの鈴木研一により1987年頃結成。
 
コンセプトは、当時よくコピーしていたBLACK SABBATHなどの70年代ブリティッシュ・ハード・ロックの サウンドに、あえて日本語の歌詞を載せるというもの。バンド名は、江戸川乱歩の小説からとった。ドラマーは流動的であったが、鈴木の大学の先輩の友人であった上館徳芳(北海道出身)で固まる。 メンバー2人の出身地である津軽地方の方言を取り入れたり、津軽三味線の奏法を導入したりと、既にこの頃基本的サウンドも出来上がる。
 
1989年、TBSテレビ系列の「平成名物TVイカすバンド天国」に出演。演奏もさることながら、鈴木のネズミ男に扮した奇抜な衣装が評判を呼ぶ。翌・1990年7月、メルダックより「人間失格」でメジャー・デビューを果たす。
 
2004年6月、ドミンゴス等で活躍中のナカジマノブが、新ドラマーとして加わる。2009年、デビュー20周年にあたるこの年、1月21日に「人間椅子傑作選~20周年記念ベスト盤」をリリース。11月、15枚目にあたるオリジナルアルバム「未来浪漫派」発表。現在までにオリジナルアルバムを17枚、ベスト盤も含めて21枚をリリース。

 

—ニューアルバム『萬燈籠』をさっそく拝聴させていただきました。壮絶なアルバムに仕上がっていますね。

 
和嶋:オリジナルアルバムとしては17枚目になります。僕らぐらいのキャリアのバンドとしては多い方だと思います。
 

—前作の『此岸礼賛』が2011年のリリースです。それ以降、今作『萬燈籠』の制作までに、何かインスパイアされたことはありましたか?

 
Photo和嶋:前作は震災で思うところを曲にしていった感じでしたが、今回はOZZFEST(=2013年5月11日、12日@幕張メッセ。人間椅子は12日に登場)に出演したことが大きかったですね。もっと人間椅子を聴く人が増えると思いました。だったら僕たちのやることをスイッチ目一杯に入れてやりたいなと。
 

—「僕たちのやること」というのは、やはり「和ロック」というのが一貫したテーマになっているのでしょうか。

 
和嶋:「和」はかなり意識していますね。自分たちのやりたかったことは日本語でロックをやること…ロックは元々アメリカの音楽がイギリスに行って、という向こうの音楽なので、でもあれは(詩が)載せやすいんですよね。あのロックのサウンドを「日本語でやる」ということをよりいっそう強調してやりたいと思いました。元々僕と鈴木君がバンドを組んだ頃に、諸先輩たちに対して失礼な物言いにはなってしまいますが、日本のロックってちょっと物足りない部分もあるなと思ったんですよ。特に僕らがバンドをやろうと思っていた頃はビートロックが流行っていて。何かロック音楽が持っている独特の怖さやいかがわしさが足りないなと思って、その部分を僕らは日本語詞を載せて追求したいと思ったのです。
 

—なるほど。その中で影響を受けたミュージシャンを挙げると、どの辺りになるのでしょうか。

 
鈴木:僕はやはりBlack SabbathKISSを目指して…
 
和嶋:僕はそこにLed Zeppelinと、King Crimsonのちょっと難しそうな感じを入れたいかなと。
 
ナカジマ:僕はKISSとかAC/DCとか、もちろん今2人が挙げていたLed Zeppelinなんかも聴いていて…あとはRAINBOWですね。
 
Photo和嶋:2人はJourney好きなんですけど、僕はダメなんですよね(笑)その反面、僕はJohnny Winterが好きなんですけど、鈴木君は多分ダメですね。
 
鈴木:あのねぇ、ブルースの長いソロっていうのがね…和嶋君のソロはいいけど、そうじゃない人のソロはあんまり聴きたくないなぁっていう(笑)どっちかって言うとAce Frehleyくらいの、4小節~8小節くらいに収めてくれる方がいいですね。
 

—あとはやはり人間椅子というバンド名からもわかるように、文学作品の影響は強いのかなと思いますが、割と子どもの頃から文学少年のような所はあったのでしょうか?

 
和嶋:僕は元々本を読むのは好きでしたね。昔MOUNTAINボードレールの『悪の華』で曲を書いていて…そういう切り口は知的でかっこいい、って人間椅子を結成した初期の頃から思っていました。
 

—その中でも特に江戸川乱歩が好きだったということですか?

 
和嶋:というよりは、江戸川乱歩の作品でバンド名にするといい!って思ったんですよ。普通の小説を持ってきてもつまらないというか、何だかわからない言葉になってしまうし、Black Sabbathのようなバンドを日本語詞でやろうと思って、バンド名は英語にはしたくなかったのでどうしようと考えた時に、江戸川乱歩だったら気味が悪くて良いなと思って、『鏡地獄』とか色々候補に挙がりましたね。
 

—『ペテン師と空気男』も候補の一つにあった、とBEEAST読者の方からメールがありました。最終的に『人間椅子』になった決定的な理由は何だったのですか?

 
Photo和嶋:いやぁもう、直感としか言いようがないですね!
 
鈴木:4文字だからというのもあるんじゃないですか?『ペテン師と空気男』だと長すぎますよね。最近のバンドだと長い名前もありますが。
 

—さてOZZFESTの話を伺えればと思います。人間椅子出演の話はいつ頃に決まったのですか?

 
ナカジマ:実は1月の初め頃には決まっていて、「告知タイミングまで、情報が漏れない方がいいので、なんとなく言わないで下さい」ということだったので、僕らも正直にそれを守ってずっと言わなかったら…全然発表にならなくて!当初は「2月末くらいに発表になります」っていうお話だったので、それなら我慢できると思ったんですが、それが諸事情で1ヶ月のびて3月末に発表となりました。
 

—OZZFEST出演決定というのを最初に聞いた瞬間はどんなお気持ちでしたか?

 
ナカジマ:電話がかかってきて、「オズフェストが5/11と5/12に日本で開催されるのご存知ですか?」ってまず言われたんですよ。で、「そりゃもちろん知ってますよ、行くつもりですよ」ぐらいなことを言ったら「すみません、オズフェストの出演依頼なんですけど」って言われて、「え?」って本当にびっくりしましたね。それで電話を切って、2人に連絡する前に、声上げて「やったー!」って言ってしまいましたね。つい。
 
和嶋:ノブ君から電話がきて、びっくりしましたけどね。信じられなかったです。その日その後用事があってスクーターで都内を走る用事だったんですけど、空中を走っているようでしたね。地に足がつかないってこのことかと。そのくらい嬉しかったです。
 
鈴木:僕はもうBlack Sabbathを観るということで既にチケットも買って、すごく気合いが入ってたんですよ。そのチケットが無駄になっちゃったし、観る側からやる側になっちゃったか、っていう気持ちは実はあったんですよ(笑)感動もありましたが。
 

—これまでもフェスには多く参加していると思いますが、OZZFESTはやはり別の感覚がありましたか?

 
Photo和嶋:OZZFESTに出て自分達のやりたかったことを再確認しましたね。日本語でロックをやるということですが、ロックってアメリカで生まれてイギリスで進化した音楽ですよね。その中で日本語でロックを演るってことを、より強調してやりたかったのです。25年間やってきた蓄積があったので…
 

—OZZFESTでは海外のバンドと日本のバンドでレベルの違いは感じましたか?

 
和嶋:やっぱり海外のバンドは上手いと思いました。
 
鈴木:僕はそうでもないです(笑)。ギタリストは上手いと感じましたけど、ベースは日本のバンドもそんなにレベルは変わらないんじゃないかと(笑)。
 
和嶋:Slipknotはすごい感動しました!トップレベルのバンドの演奏を見れてよかったなあ…。一方で、バンド全体を海外と日本と比較した時に、あ、意外と僕らの音でも十分に通用するかもと思いましたね!
 

—なるほど。そうすると、『萬燈籠』というアルバムはOZZFESTを終えた所で制作がスタートしたわけですね。かなり時間をかけて練り込んだアルバムという印象がありましたが、OZZFESTが5月ですから、比較的短いスパンでのレコーディングになりますね。

 
和嶋:そうですね。OZZFESTの前から曲作りは始めてましたけど、終えてから本格的に作業に入りました。
 

—まずはアルバムのコンセプトについて教えてください。

 
和嶋:1曲目の「此岸御詠歌」は今まで人間椅子のライヴでSEとして使われていた曲を新たに録音しました。前作の『此岸礼賛』が震災の後ということもあって現実肯定的なテーマで詩を書いたのですが、『萬燈籠』では幻想的な世界に持っていくことを考えました。もちろん幻想の先に現実をどう捉えるか?がテーマではあるのですが。そこで、月の状態を表す「萬燈籠(まんどろ)」をタイトルに持ってきました。
 
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—確かにジャケットには月が美しく描かれていますね。これはどういう意味の言葉なのでしょうか?

 
和嶋:関西の方にもそういう言葉があるらしいけど、「萬燈籠」というのは津軽弁で月の丸い状態のことを言うんです。ちょっと一般的じゃない言葉ですけどね。
 
鈴木:僕と和嶋君は青森の出身なんですけど、満月のことを「萬燈籠なお月様」なんて言いますね。
 

—海外でも満月というのは狂気の象徴みたいに呼ばれますよね?

 
和嶋:そう!どこか別世界に連れ去られそうなイメージはあるんでしょうね。全体の曲作りとしては、OZZFESTに出てからさらに意識したんでしょうが、Black Sabbathから影響を受けた「ロックの格好よさ」をより表現したいと思いました。
 

—レコーディングの段階では全ての曲が出来上がっていたんですか?

 
和嶋:レコーディングと同時進行で作った曲もあります。スケジュールがタイトだった分、濃縮したレコーディングになったと思いますよ。
 
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—とても練り込んで作られているのではないかという印象を持ちました。

 
鈴木:その日に作って録ったのも2曲くらいあるよ(笑)それがすごく出来がいいんですよ。
 
和嶋:追いつめられて出来ちゃったものがすごく良かったりして、難しいところです。
 

—ちなみにその日のうちに作った曲というのはどれですか?

 
鈴木:俺とノブ君は11曲目の「時間からの影」は、その日に初めて聴いてその日にレコーディングして(笑)しかもその日にアレンジもして…12時間くらいかかったかな?
 

—3人がどうやって曲を作っていくのかが気になります。最初にアルバムのテーマが決まって、全体像を考えながらそれぞれが曲を作ってくる、となった時に、「こういう曲を作ろう」とか「作ってほしい」とか、話し合いはするのですか?

 
和嶋:それはあうんの呼吸というのが、やっぱりありますよ。具体的に「これこれこういう曲で」というのは言わないけど、付き合いが長いので互いが互いを理解していますね。
 
鈴木:大体和嶋君はドラムからベースからギターから全部決めて作って、ギター作りつつも歌メロも作って完璧にしてスタジオに持ってくる。俺はリフをいっぱい貯めて、その中からいいのを選んでスタジオで聴かせて、和嶋君の顔が「オッ」っていう顔だったら使うし、「ウーン」っていう感じだったら「ダメだったなぁ」ってポイするし。ノブくんは俺と同じで「聴いてくれ!」って感じでね。
 
Photoナカジマ:できるだけ人間椅子らしく、かつ自分らしいフレーズやリフを作れたらなと思います。普段はギターやベースはそんなに触らないんですけど、演奏して、これどうかな?って聴いてもらいます。
 

—ノブさんは人間椅子に後から加入したメンバーということで、苦労された部分はありますか?

 
ナカジマ:ハードルは最初から高かったですね。ただ10年一緒にプレイしてきて、ここでこういうドラムを要求されるとか、こういう曲でこういうグルーヴ感を求められるんだな…ということが会話なりプレイなりで理解できるようになりましたね。
 
和嶋:そうですね。こういうプレイをするために、こうしてくれ!みたいなのを言葉で説明しなくても理解してもらえるんです。ちょっとした仕草で次のことを察してもらえるので、レコーディングにかけた時間は前作と同じでも、それ以上のモノが出来たと思います。
 

—個人的なことになってしまいますが、グルーヴ感というのをリスナーに説明するのが難しいと感じます。ここ15年ぐらいでレコーディングはパソコンによるDTMが主流になって全ての演奏がクリックや波形のグリッドの中で収まってしまった。オンタイムでキチッとしたレコーディングが主流になったせいで昔のバンドのようなグルーヴ感というのが出にくくなっているような気がするのですが…

 
和嶋:それは多少あるかもしれませんが、バンドの生演奏という形にこだわるなら、それほど関係ないんじゃないかな。
 
ナカジマ:人間椅子のレコーディングでもクリックは使っています。ただクリックって仲間じゃないんですよ。ただの目安であって一小節目の頭がココで最後の150小節目の裏がココだよって教えてくれるだけなんです。クリックがあってももっと引っ張ったり逆に前のめりにリズムを置いたりできるわけです。
 
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—なるほど。では『萬燈籠』の中で注目してほしい曲を教えてください。

 
和嶋:流れがあってですね…2曲目「黒百合日記」、3曲目の「地獄変」でヘヴィな感じで始まります。「黒百合日記」は誰もが一度は経験したことのある恋の怖さや哀しさを僕ららしく表現しています。「地獄変」はまさに鈴木君の狂気の雄叫びがあります。
 

—5曲目の「ねぷたのもんどりこ」というのは原曲があるのですか?

 
鈴木:これは青森県弘前市のねぷた祭りの絵の描写やかけ声を曲にしたものです。「もんどりこ」というのは行き/帰りの「帰り」のことです。
 
和嶋:ねぷた祭りで使うねぷたの裏側には気持ち悪い絵が描いてあるんです。
 

—7曲目の「猫じゃ猫じゃ」は昔の芸者さんがやる芸ですか?

 
和嶋:小唄ですね。間男の歌です。アルバムの中間は和風の匂いを強くしました。そして後半は宇宙感覚のある曲を持ってきましたね。
 

—ちなみに、ノブさんのブログに「レコーディング中に猫がダクトに紛れ込んだ」という記述がありましたが、このタイトルはもしかして…

 
Photo和嶋:そうです!その猫が由来です。スタジオで鈴木君の持ってきた曲を煮詰めていたら「猫の鳴き声が聞こえる!」って…
 
鈴木:鳴いている中で演奏もできないってことで、3時間くらい待たされて…その時に作った曲だから「猫じゃ猫じゃ」にしました。
 
ナカジマ:ちなみにその猫はおそらく野良猫なんですけど、近くに親猫らしき猫がいたので、相談の結果その近くに還しました。今でもどこかで元気に暮らしていると思いますよ(笑)
 

—全体的に単純に日本語でロックを演るという部分だけでなく和風なヘヴィメタルという独特の作品が「萬燈籠」で完成されたような印象があります。

 
和嶋:やっぱり25年間、意識してきましたから。でもまだ完成形じゃないですよ!サウンドはもちろんだけど、メッセージやコンセプトの面でもよりロックっぽさを出していきたいというかね…。で、そういう中でOZZFESTに出演したというきっかけもあり、もっとロック本来が持つ怖さとか気持ち悪さを前面に出していこうと作ったのが、『萬燈籠』というアルバムです。
 

インタヴュー後半では、BEEAST読者のみなさまから事前に募集した人間椅子メンバーの質問を、時間の許す限りメンバーに直撃しました!!
 

—お勧めの本があったら教えてください。

和嶋:H・P・ラヴクラフトの『時間からの影』はどうでしょう。実は今回のアルバムの11曲目は、この著作を頑張って曲にしてみたので。ちょっと女性の方には文章がくどくて厳しいかもしれませんが、一回ハマると面白いと思います。かなり怖い話です。
 

—小学生になる娘にドラムをやらせたいと思っています。始めはどのようにドラムを習いましたか?

ナカジマ:自分がドラムを始めたきっかけは、ドラムという楽器が格好いいと思ったという衝動です。初期の練習方法としては、好きな曲をいっぱい聴いて真似をすることですね。最初はどこを叩いているのか判らないと思いますけど、真似をすることが一番です。
 

—ピック弾きのベーシストとしてピックの持ち方など秘訣はありますか?

鈴木:弾くフレーズで変えますね。より力を入れて弾く時はしっかり握りこみます。ピックアップに対して色んな場所でピッキングを変えると音が変わるので面白いです。
 

—人間椅子以外にもいろんなバンドで掛け持ちをされていますが、曲を覚える秘訣はありますか?

ナカジマ:歌で覚えるのがコツですね。どのバンドがどうだからじゃなくて口ずさんで歌として覚えるのがいいですね。
 

—近々、三味線を覚えようと思っています。三味線でコピーしたら合いそうな人間椅子の曲は何ですか?

和嶋:「針の山」はいいですけどカヴァーですから、オリジナルとしては「りんごの泪」(1stアルバム『人間失格』収録)がいいかな。けっこう僕らの曲はリフ中心ですから三味線には合うと思います。ギターソロはペンタトニック(五音音階)が多いから三味線でも弾けると思います。いろいろやってみてください。
 

—互いの尊敬するところ、この3人だからこそ良いところを教えてください。

ナカジマ:2人とも独特のマイペースさを持っていて、音楽に対するペースも独特のものがあって、そこが大好きな所です!
鈴木:ノブはいつも一生懸命120%って言っていて、ライブも最初から全力なのがすごいですね。あと2人とも僕に対して優しいのでやりやすいです(笑)
和嶋:ノブ君はすごく顔が広いので、マネジメント的なことをやってもらっていて助かっています。その辺僕と鈴木君は人見知りするし割と人の顔色を伺っちゃうタイプなので(笑)鈴木君はロックに対する美意識が人一倍すごいので、自分で曲に対して悩んでどっちが良いか分からない時に相談すると正解が返ってきます。

 
TKCA-73939_mandoro_s人間椅子というバンド名は言わずと知れた江戸川乱歩の作品名からオマージュされているが、江戸川乱歩という大作家もまたアメリカ・ゴシック文学の祖エドガー・アラン・ポーをオマージュしたペンネームである。明治大正期の文豪たちが目指したものは欧米文学の翻訳文学から脱却し自国語の日本語を縦横無尽に操り日本文学を確立することが目的であった。江戸川乱歩はポーの作品に影響を受けつつも、その世界に日本的なエッセンスを盛り込み独自の世界を完成させた大作家である。
 
人間椅子というバンドは、従来の欧米ヘヴィメタルの翻訳のごとき音楽から和製ヘヴィメタルという独自のジャンルを作り出すために25年の試行錯誤を繰り広げてきたバンドであると考えられる。多くのイカ天出身バンドが閃光のごとく表れたものの徐々に淘汰されていった中で、人間椅子は独自の世界を追求し、その作品世界の完成のために突き進んできた数少ないバンドである。『萬燈籠』は最高傑作とも呼べる作品だが、彼らにとって『萬燈籠』は1つのマイルストーンであるかもしれない。これからの人間椅子の繰り出す妖しく恐ろしく、それでいてどこかコミカルな世界に注目していきたい。

人間椅子『OZZFEST JAPAN 2013』 2013年5月12日@幕張メッセ

PHOTO:曲香-mageshang-/N-yukano


 
イベント当日、別案件の取材で現地入りしていたBEEASTチーム。空き時間にBEEASTではお馴染みの人間椅子を、弊誌カメラマンが舞台袖から撮影した物になります。イベント当日の様子が、少しでも伝われば幸いです。


 
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ISU-OZZ-4
ISU-OZZ-5
※画像はクリックするとフルサイズ表示となります。

 

◆リリース情報
人間椅子 21thアルバム 『萬燈籠』
TKCA-73939 ¥3,000(税込) 8/7(水)発売
<収録曲>
M01. 此岸御詠歌
M02. 黒百合日記
M03. 地獄変
M04. 桜爛漫
M05. ねぷたのもんどりこ
M06. 新調きゅらきゅきゅ節
M07. 猫じゃ猫じゃ
M08. 蜘蛛の糸
M09. 十三世紀の花嫁
M10. 月のモナリザ
M11. 時間からの影
M12. 人生万歳
M13. 衛星になった男
◆人間椅子 公式サイト
http://ningen-isu.com/
◆人間椅子 レーベルサイト
http://www.tkma.co.jp/j_pop/ningenisu/
 
◆人間椅子レコ発ツアー ~萬燈籠~
・2013年09月12日(木) 【札 幌】ベッシーホール
・2013年09月15日(日) 【青 森】クォーター
・2013年09月16日(月祝)【仙 台】enn2nd
・2013年09月20日(金) 【博 多】DRUM Be-1
・2013年09月21日(土) 【熊 本】DRUM Be-9 V-1
・2013年09月23日(月祝)【大 阪】ROCK TOWN
 ※SOLD OUT!!
・2013年09月24日(火) 【神 戸】チキンジョージ
・2013年09月26日(木) 【名古屋】E.L.L.
・2013年09月29日(日) 【渋 谷】O-WEST
 ※SOLD OUT!! 「おどろの日」
・2013年09月30日(月) 【渋 谷】O-WEST
 ※SOLD OUT!! 「どろろの日」
 
AOMORI ROCK FESTIVAL ’13~夏の魔物~
http://www.natsunomamono.com/
・2013年09月14日(土)
【青森】東津軽郡平内町夜越山スキー場
 
LIVE DVD 発売記念ツアー「四半世紀中」
・2013年11月03日(日)【大阪】BIGCAT
出演:筋肉少女帯 / 人間椅子

 

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【連載】39LIVE アンコール ~和嶋慎治~
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【連載】39LIVE 第7回 ~和嶋慎治~
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【レポート】親切丁寧サプライズ ~高円寺突貫工事~
http://www.beeast69.com/report/48854
【レポート】「夕方のヒットスタジオR&N !?」人間椅子×RockRolly
http://www.beeast69.com/report/44400
【レポート】Dos a tres caidas ! ~コンチェルト・ムーン炎の三番勝負~Vol.1
http://www.beeast69.com/report/34660
【レポート】地獄の決定打!筋肉少女帯VS人間椅子VS人間筋肉少女椅子帯
http://www.beeast69.com/report/30390