演奏

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TEXT & PHOTO:鈴木亮介

昨年、2012年に結成30周年を迎えたロックバンド・すかんち。フロントマン・ROLLYは、バンド結成後に生まれた世代にとっては”バラエティやドラマに出ているおもろいオッサン”という印象が強いかもしれないが、マキシマムザ亮君マキシマム ザ ホルモン)、田渕ひさ子(ex:NUMBER GIRLLAMA磯部正文BAND)、aikoなど、すかんちの影響を受けたと公言するミュージシャンは多岐にわたる。そんなすかんちのツアー初日は、筋肉少女帯をゲストに招いた豪華共演となった!

すかんちは1982年に大阪府高槻市にてROLLY(Vocal & Guitar、結成当初はGuitarのみ)、Shima-chang(Bass & Vocal)、小畑ポンプ(Drums)、馬場正樹(Vocal)の4名で結成。その後ドクター田中(Keyboard & Vocal)も加入。インディーズでの活動を経て1990年5月にシングル「恋のTKO」をリリースしCBSソニーよりメジャーデビュー。1994年に小川文明(Keyboard)が加入。1996年に解散するも、10年後の2006年に再結成し、ライブを中心に活動を続けている。2009年にShima-changが転倒事故により重傷。今なお車いすでのリハビリ生活を余儀なくされており、今宵のステージはShima-chang自ら指名したという佐藤研二(Bass/マルコシアス・バンプ)が加わった5人での出演となった。

 

「すかんち結成30周年記念!オジタスの、謎のロックショウ。大作戦のさなかの大爆撃。薔薇を持ってオペラに行くと、甘い金のチョコレート。スケッキヨ!2012-2013」…何とも長い公演タイトルが赤坂BLITZ入口の電光幕に流れ、それを携帯電話のカメラで撮影するファンで、ごった返す。

 

 

いよいよ開演!まず先攻は筋肉少女帯だ!メンバーは大槻ケンヂ(Vocal)、橘高文彦(Guitar)、本城聡章(Guitar)、内田雄一郎(Bass)、そして長谷川浩二(Drums)、三柴理(Keyboard)がサポートに加わる6人編成!大歓声の中、大槻ケンヂも絶叫で応じる。助走なんかいらないぜ!とばかりに冒頭からテンポの速い「釈迦」で攻める!F-1レースを想起させる橘高文彦の快速ギターに三柴理の隙間を縫うジャジーなピアノが心地良く、頭も腕も振りまくりたくなる!「シャ~カシャカシャカ!!」そして黄色い歓声が鳴り止まない中、2曲目は内田雄一郎が歌う「俺の罪」と続く。

すかんち!そして筋肉少女帯!まぁ言うたら日本ロックの、歴史の…盲点!」そんなオーケンこと大槻ケンヂのMCに、祝福ムードの無礼講で、ちょっと笑いすぎてしまうオーディエンス。そんな満席のオーディエンスに向けて、「結構動員が見込めることがわかったから、西武新宿線の下井草あたりに筋少すかんちの常設小屋を作ったらいいんじゃないの」「それで、たまに人間椅子も来てさ、回していけばいいんじゃない」と半ば本気の提案。「常設小屋を作るためにも、どうすればいいかと問うならば?」「売れなきゃいけないわけよ」この流れから次に来たのは、四半世紀の時を経て今、テレビ東京系の子ども番組「ピラメキーノ」でブレイク中の、「日本印度化計画」だ!長谷川浩二のガンジス川を想起させる雄大なドラムロールの中、大槻ケンヂが語る。「すかんち結成30周年!筋肉少女帯も結成30周年だ!30年もこんなことやってるんだぜ!そこは、呆れるか、リスペクトかの、どっちかだろ!どっちで行く?呆れるかい?リスペクトするかい?やってる本人からすれば、どっちでもいいよ!」

 

 

 

本城聡章橘高文彦が両サイドから厚みのあるギターサウンドで挟む、大河のような壮大な世界観。ゆっくりと流れているようで、近づいてみるとものすごく速く、しかも決して抗うことのできない力強さを感じる、あの感じ。その世界観のまま「サボテンとバントライン」、「君よ!俺で変われ!」と続く。

「あのー、今日セッションとかあるのかな」「こういうのやったらいいとか、ある?」おっとネタバレか?とひやひやさせるような切り出しに、一段と熱気を帯びるオーディエンス。Bay City RollersDeep Purpleなど一通り候補が出た後で、「俺は『蝋人形の館』がいいと思う」と語る大槻ケンヂ。その昔、ヴィジュアル系ファンの中の掟として「聖飢魔II筋肉少女帯すかんちを追いかけたら破門」だったのだという。さらに、30周年にちなんで30年前の世相を調べてきたとのこと。「時の総理は鈴木善幸」「G-SHOCK」「ミニ四駆」「笑っていいともが始まった年」「小泉今日子」…懐かしい名前が続々と読み上げられる。

 

 

 

後半はすかんちファンにもたまらない、グラム要素がふんだんに盛り込まれた「ゴミ屋敷の王女」「少女の王国」、さらに「イワンのバカ」と緩急つけたラインナップ。内田雄一郎橘高文彦が揃って頭を振り、オーディエンスも負けじと頭を振りまくる!そして最後は軽やかなギターソロが心地良い「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」!

2010年リリースの『蔦からまるQの惑星』に収録された、「ゴミ屋敷の王女」。ガラクタと思い出との境界を見失った家主の混沌とした意識、人間の生への執着を描いたというこの作品。そして、「二人だけは生き抜く」「あなたと私だけ残る」という歌詞が象徴的な「トリフィド~」は再始動後初・2007年リリースの『新人』に収録されている。その”二人”とはまさに今宵の2組のことではないか。ともに30年という時を戦い抜いてきた戦友・すかんち、そして筋肉少女帯自らを、この2曲に投影している…そんなように思えた。

 

 

 

◆セットリスト
M01. 釈迦
M02. 俺の罪
M03. 日本印度化計画
M04. サボテンとバントライン
M05. 君よ!俺で変われ!
M06. ゴミ屋敷の王女
M07. 少女の王国
M08. イワンのバカ
M09. トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く
◆筋肉少女帯 大情報局!
http://eplus.jp/king-show/
 
◆インフォメーション
・日本印度化計画2013
2013年03月17日(日)【所沢】市民文化センターミューズ マーキーホール


 

 

 

さぁこの瞬間をここにいる誰もが待ち望んでいた!ROLLY率いるすかんち、満を持して登場!ディズニーランドのBGMのごとくキラキラなSEに、オーディエンスも自然と手拍子。そして、目が覚めるほど真っ青なキラッキラでピッチピチなジャンプスーツに身を包んだROLLYを筆頭に、オレンジのシャツが眩しい小川文明(Keyboard)、真っ黒なTシャツの小畑ポンプ(Drums)、スーツ姿に真っ赤なフレームのサングラスがインパクト大のドクター田中(Keyboard)、そして、リハビリ中のShima-changに代わってステージに立つのは真っ赤なシャツに身を包んだ佐藤研二(Bass)だ!ROLLYとはTHE 卍のメンバーとしてともに活動している佐藤研二、ステージ奥で控え目に構えるも、しっかりとすかんちの一員として溶け込んでいる。

 

 

 

キラキラSEから一転、「ドンドンパッ!ドンドンパッ!」小畑ポンプが世界一有名な足踏みを始める。Queenの代表曲に身を委ね、さぁ、ロックショウの幕開けだ!そこにROLLYのしびれるギターリフ、さらに「これから始まるロックンロールショウ!」と日本語詞を乗せる。「歌うわよ!叫ぶわよ!曲が終わったら拍手して!」拳高らかと、「We will we will rock you!」そして間髪いれずに「ウルトラロケットマン」を披露!歌詞に「インド人は俺の学ランのボタンを」と出てくるが、実はこのインド人は筋肉少女帯の「日本印度化計画」に影響されて盛り込んだのだという。それにしても小川文明のキーボードセットが凄まじい!見たこともない機材、無数の鍵盤。そんなキーボード・コックピットからしきりに身を乗り出し、オーディエンスを煽る小川文明!「ビビデバビデブ!」夢の世界へ出発進行!

「まずは筋肉少女帯、結成30周年、おめでとうございました!」ステージを終えたばかりの戦友を讃え、そしてメンバー紹介。言葉少なに、しかし着実に、進行していくすかんちワールド。続いては郷愁的な旋律が心地良い「Mr.タンブリンマン」。小川文明ドクター田中のツインキーボードが霞漂う湖のほとりの世界観を作りだす、見事なまでのロック・オペラ。その世界観にグイグイ引き込まれていく。

 

 

「聴こえますかヨコハマ?」「外野席の方も!」妙なMCで笑いを誘いつつガラっと空気を変える、ドクター田中。「人間で言うと50歳、犬とか猫で言うと、とっくに死んでます。悪魔で言うと、10万と50歳」そんなドクター田中が歌うは、「恋人はアンドロイド」!額から汗をぽろぽろ落としながら、真夏のビールのごとき爽快なボーカルで、BLITZの天井を突き抜ける!

ステージを縦横無尽に暴れまくって、「一年分の体力を使い果たしてしまった」ドクター田中に代わって、再びROLLYが喋る。全国を回りますよ、と前置きし「レバニラ食べて体力つけてくださいね」と語るROLLY。そして続いてはかわいそうな象の話、「フローラ」。この曲もまた、絵本を1ページ1ページ読み進めていくようなストーリー感があって、象がのっしのっしと歩んでいくような重厚感あるサウンドが魅力的!

 

 

「かくれんぼ」「ラブレターの悲劇」に続いては、2011年のライブではアンコール1曲目で小川文明がボーカルを務めた「MANGO JUICE」!すかんち結成10周年の際には筋肉少女帯マルコシアス・バンプの3マンでライブを行ったということだが、そのマルコシアス・バンプに在籍した佐藤研二がアンプにのぼってベースソロ!そして、今宵もやはり、小川文明がマイクをとり、ステージ中央へ。このバンドはROLLYだけじゃないぞ、とばかりに、それぞれが見せ場を作る。そして「恋のショック療法」「レターマン」と、あっという間に10曲!5人の男たちはそれぞれの強烈な個性をこれでもかというほど放散し、オーディエンスを魅了した。

 

 

「We want すかんち!!」ここまで魅了されまくって、黙って帰るわけにはいかない!とばかりに、なんだか鬼気迫るものすら感じるこの日のアンコール。それに応えて披露されたのは、「ヒット曲というものがないすかんちの唯一のヒット曲」という「恋のマジックポーション」!軽やかに、ROLLYのギターがBLITZを舞う!

 

 

そして筋肉少女帯のメンバー登場!おや、1名おかしな人が…なんと、大槻ケンヂデーモン閣下に扮して悪魔メイクで登場!しかし、なかなかそれに突っ込まないすかんち筋肉少女帯一同。オーディエンスも皆笑いつくすほど笑ったところで、豪華セッション、奏でるのはもちろん、「蝋人形の館」!”デーモン大槻閣下”がパワフルに歌い上げ、ROLLYも応戦!さらに、筋肉少女帯も加わった分厚いサウンドもたまらない!小川文明のコックピットに乗り込んだ三柴理との共演も、今宵限りの貴重な瞬間だ。そして、ROLLY筆頭に今宵ステージに立ったレジェンドたちが、本当に若い!さらに、30周年ツアーのファイナルを迎える2月9日の東京・渋谷公会堂では、Shima-changがステージに復帰することも発表された!この勢いのまま、すかんちは2013年も走り続ける。

 

 

 

 

◆セットリスト
M01. We Well Rock you
M02. ウルトラロケットマン
M03. Mr.タンブリンマン
M04. 恋人はアンドロイド
M05. フローラ
M06. かくれんぼ
M07. ラブレターの悲劇
M08. MANGO JUICE
M09. 恋のショック療法
M10. レターマン
-encore-
E01. 恋のマジックポーション
E02. Session
◆ROLLY 公式サイト
http://www.rollynet.com/
 
◆インフォメーション
すかんち30周年ツアー
・2013年01月12日(土) 【名古屋】BOTTOM LINE
・2013年01月18日(金)【福 岡】DRUM Be-1
・2013年01月27日(日)【大 阪】umeda AKASO
・2013年02月09日(土)【渋 谷】渋谷公会堂

 

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