演奏

X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #2

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

わが国の21世紀初頭のヘヴィメタルシーンを代表するバンドを一つ挙げろと言われた時に、おそらく彼らの名前を挙げる人は多いのではないか。世紀末の1999年に結成されたX.Y.Z.→A(エックス・ワイ・ズィー・トゥ・エー)だ。

メンバーは二井原実(Vocal/LOUDNESS)、橘高文彦(Guitar/筋肉少女帯)、和佐田達彦(Bass/爆風スランプ)、ファンキー末吉(Drums/爆風スランプ)の4名。結成以来12年、この4名による一貫したラウドサウンドとパワフルなパフォーマンスは他の追随を許さない。

本誌BEEASTでは、『X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #2』ツアーのプレ初日としてさかもとえいぞう with 少年ハンサム隊とのカップリングで行われた『横浜メタル地獄スペシャル!』をレポートしたが、それに引き続いて当日Sold Outとなったツアーファイナルも本誌独占でレポートをお届けしたいと思う。

4月21日、場所は渋谷clubasia。よく「○○激戦区」という言葉が使用されるが、間違いなく渋谷はライブハウス激戦区だ。数の多さはもちろんだが、個性豊かなハコが様々存在するという意味でも、間違いなく「激戦区」と言えよう。そんな中、今回初めて訪れたここclubasiaは、ステージと客席との近さを一方で感じつつ、もう一方では天井の高さや両サイドの階段の雰囲気から、老舗の大劇場のようなスケールも感じる。端的に言えば、「豪華だけど良い意味で敷居が高くない」、そんな印象を持った。そして、チケットが完売したとだけあって、身動きが取れないほどのオーディエンスで埋め尽くされる。

冒頭、開演前の時間にも関わらずステージから突如威勢の良い声が。ウェルカムアクトを務める小畑秀光STEEL ANGELFULL AHEAD)の登場だ。まだ客入りも途中で小生は完全に気を抜いていたのだが、彼の登場によりオーディエンスも一気に臨戦モード。当方、慌ててシャッターを切る。ギター片手に抱えながら、右腕を高らかと掲げ、オーディエンスを煽る小畑秀光。あくまで「前座」に徹するが、その早弾きテクニックと「ギター漫談?」と思わせる巧みな話術に、オーディエンスも大歓声で応じる。「男の気合いを見せろ!女の気合いを見せろ!」絶叫ののち、カラオケをバックに爆風スランプの「人間はなぜ」を大熱唱!何だかもうステージ本編が始まってしまったかのような熱気だ。

 


 


少々の間を置いて、いよいよ本家X.Y.Z.→Aが登場!冒頭まずは手慣らしに、とばかりに、ファンにはおなじみの「Yesterday! Today! Tomorrow!」と「So Bad! Big Time!」を2曲続けて披露。「So Bad! Big Time!」はプロデューサーに山本恭司を迎え制作された4枚目のアルバムに収録されている、彼らの代表曲の一つだ。そしてMC。二井原実の痛快な関西弁もX.Y.Z.→Aの定番だが、この日最初のMC、「頭からそんなに飛ばしたら腰に悪いよ!」と口を開く二井原実。笑いつつも「ん?」という表情を見せるオーディエンス。なんとこの日、楽屋でイスから立ち上がった際にギックリ腰になってしまったという衝撃の事実が本人の口から告げられる。「若干私動きが鈍いですけど…声はバッチリですから」と続き、歓声が沸き起こったところに橘高文彦が間髪入れずに「後半に向けて、人間のアドレナリンというものがどれだけの薬かっていうのを証明しますよ!」と突っ込む。この絶妙な掛け合いもたまらない。

 


 


「頭振れますか?」二井原実が煽り、始まったのは「Labyrinth」!ファンキー末吉と大爆走ドラムロールに橘高文彦のギターリフ!歌詞の通り「駆け抜けるスピード」がたまらない名曲だ。そして、オーディエンスの一意専心頭を振り続ける様は圧巻!clubasiaがあっという間に荒波けたたましい日本海と化す。そこに絶妙マッチする和佐田達彦の重低音。さらに「69」「Faster! Harder! Louder! Deeper!」と続いて行く。

 


 


MCを挟んで、中盤は爆風スランプの「リゾ・ラバ」、聖飢魔Ⅱの「Save Your Soul~美しきクリシェに背をむけて~」とトリビュートアルバムに参加した2曲を披露。「リゾ・ラバ」は、爆風スランプトリビュートアルバム『We Love Bakufu Slump』に、「Save Your Soul~美しきクリシェに背をむけて~」は、聖飢魔Ⅱトリビュートアルバム『Tribute to 聖飢魔II -悪魔との契約書-』に収録されている。「全部う~そさ!」二井原実のハスキー&シャウトがたまらなく心地良い。カバーということを思わせないほど、完全にX.Y.Z.→A色に染めている。

そして、「Tomorrow」に引き続きステージ上にはアコースティックギターが。橘高文彦によるギターソロタイムだ。ギターソロ、さらにアコギソロを披露。そしておなじみのフライングVに持ち替え、橘高文彦のデビュー20周年記念アルバム『NEVER ENDING STORY』に収録されたインスト曲「Falcon」を披露。「早弾き」とか「泣き」といったありきたりな言葉では形容しがたい、妖艶さも加わった橘高文彦のギタープレイは唯一無二!オーディエンスを失神寸前に追い込む。

 


 


再び二井原実が戻り、「Maria」「Midnight Train」と続けて披露。全くもって疲れ知らずのメンバー、そしてオーディエンス。一曲ごとに頭を振る速度が速まり、ボルテージは上がりっぱなしだ。今度は「ツアー中、毎日Twitterで体重日記をつけていた」というファンキー末吉にスポットが当たる。ドラムソロ「Open Your Heart」ではオーディエンスと一体となってパワフルなビートを刻み、雄叫びをあげる!

 


 


MCも「橘高君、今日あなたきれいね」「二井ちゃんもね」と、絶好調。彼らはUSBメモリにライブ音源や映像を収録したUSBメモリアルバム『「X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #1」 LIVE at TOKYO』を今冬にリリースしているが、橘高文彦いわく「USBの中には二井原実の下ネタトークが満載」とのこと!楽曲がかっこいい分だけMCとの落差が楽しいし、MCを聴いた後だからなおさら演奏が「あの冗舌なおじ様方がすごい!」となる。そのギャップが相乗効果を生んでいるのかもしれない。

 


 


後半は「ライブ前にこいつは、柔軟と称して四股を踏んでいる!」「ライブ直前には柱に向かって鉄砲を打っている!」という紹介でスポットを浴びた和佐田達彦のベースソロ。二井原実の「WA!SA!DA!」「ドスコイドスコイ!」コール&レスポンスで、またも会場が一つになる。和佐田達彦もグイグイステージ前に身を乗り出し、4弦をかき鳴らす!

 


 


ステージも終盤。ファーストアルバムの1曲目「Miracle」のイントロが流れると、刹那、息を吹き返したオーディエンスが長髪を振り乱す!腰の痛みなど物ともしない二井原実、大迫力のボーカルがclubasiaに響き渡る!続いて2009年発売のアルバム収録曲「Succession」を終えると、本日のウェルカムアクトを務めた小畑秀光がステージに再登場。橘高文彦は「メタルの俺から見てもすごくピュアなメタル野郎なんで、こういうやつにドリームキャッスル建ててほしい」と大絶賛。その二人が、「生きるとは何だ」で白熱のギター競演!そこに二井原実も加わって、ヘッドバンギング&シャウト!眼光鋭く、ステージを暴れまわる。

 


 


アンコールは「Z to A」と「Don’t Let The Sun Go Down」の2曲。しばらくレコーディングに入ることが告げられ、しばしライブステージが観られなくなることへの惜しみの声、そして新たな楽曲が生まれることへの期待の声とが入り乱れる。心底からファンに愛されているバンドだということがわかる。4人の表情は喜色満面。やりきったという達成感と、ファンへの感謝の気持ちでいっぱいなのだろう。アンコール前最後の曲は「生きるとは何だ」という曲だったが、まさしくその曲名の通り、彼らはオーディエンスに、自らに、いや世の中に、問うているに違いない。「生きるとは何だ?」と。そして、その答えの一つが、この場にある。それはきっと「思いっきり、全力で歌い、頭を振り、そして笑うこと」だ。

 

 

◆セットリスト
M01. Yesterday! Today! Tomorrow!
M02. So Bad! Big Time!
M03. Labyrinth
M04. 69
M05. Faster! Harder! Louder! Deeper!
M06. リゾ・ラバ
M07. Save Your Soul~美しきクリシェに背をむけて~
M08. Tomorrow
M09. Falcon
M10. Maria
M11. Midnight Train
M12. Open Your Heart
M13. Pure
M14. Wings~Fire Bird(メドレー)
M15. The Greatful Wa! Sa! Da!
M16. Miracle
M17. Succession
M18. 生きるとは何だ
-encore-
M19. Z to A
M20. Don’t Let The Sun Go Down

 
◆X.Y.Z.→A 公式サイト
http://www.blasty.jp/xyz/

◆インフォメーション
X.Y.Z.→A NEW LIVE ALBUM USB 『「X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #1」 LIVE at TOKYO』
2011.6.25 渋谷 Star loungeにて行われたライヴ音源をオリジナルUSBメモリーにてリリース!
通販サイト ブラスティーアーティストショップ
http://blasty.shop-pro.jp/にて発売中


 

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