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TEXT:金井孝介 PHOTO:本間加恵

全国の高校生が音楽やヘアメイクなどを通じて交流をはかる「高校生の、高校生による、高校生のためのフェスティバル」。それがYHMFである。総勢160名のスタッフは全員高校生。出演者も大部分が高校生という、まさに「青春」が溢れたイベントだ。今年で15回目の開催となる今年も、例年に劣らない高校生パワーを見せつけてくれる。「つかめ、青春」をキャッチコピーに掲げ、夏を駆け抜けるように謳歌する高校生の姿は、日差しのようにまぶしい。渋谷O-EASTで行われた決戦大会の模様をレポートしよう。
 
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会場に到着したのはオープン30分前。早く着きすぎたかと思ったが、会場の外にはもう高校生たちが列を作っていた。スタッフの高校生たちも、会場の中と外を走り回り、準備に余念がない様子だ。普段の渋谷にはないであろう雰囲気が、この渋谷O-EASTから放たれている。高校生パワー、恐るべし。開場と同時に、場内に人がなだれ込む。かなりの人数が入っているにも関わらず、きちんとした誘導ができているのも、スタッフの技量だと思うと素晴らしいことだ。
 
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いよいよYHMF2013の開幕である。まずはオープニングアクトで、YHMFのために結成されたブラスバンド・吹きものがかりの演奏。ジャズ好きにはおなじみのナンバー「Sing, Sing, Sing」を、楽しさいっぱいに奏でてくれた。
 
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【ゲスト】きゃとる

続いて、ゲストバンドの演奏。ステージ一発目は、昨年のYHMF2012グランプリに輝いたきゃとるの演奏からだ。さすがグランプリバンドの貫禄といった感じである。本格的な演奏に加え、ボーカルの声の伸びが秀逸。かわいらしいMCとの対比も、見事にはまっていて面白い。
 
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【01】Sugar on the Palette

ここからは今年度の出場バンドの演奏だ。会場の熱気もさらに高まっていく。一番手はSugar on the Palette。一発目からの荒々しいサウンドで、攻めていく雰囲気を作っている。特筆すべきはギターのうなりだろう。ソロのキレの良さも、聴いていて興奮してくる。しかしバンドは一体感を持って、世界観を伝えてくる。
 
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【02】逆境クォーツ

そして二番手には逆境クォーツ。このバンドもまた、渋く荒いサウンドで魅せてくる。叩きつけるような、どことなく80年代ロックを思わせる音楽を見せつけ、観客を完全にバンドの世界に引きずりこんでいた。
 
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【03】夢豚

3番手は夢豚(ムートン)の演奏だ。ガールズバンドらしいキラキラしたロックの世界を展開する。それなのに、メロディーはLed Zeppelinを思わせるのだ。アンバランスな雰囲気が楽しいバンドである。夢豚の演奏が終了すると、場内の雰囲気も少し落ち着く。
 
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高校生たちのパフォーマンスはバンドだけにとどまらない。白熱のライブバトルに挟まれる形で、高校生ダンスパフォーマー・J-Boysの三人が登場。キレッキレのダンスを披露する。計算しつくされたような躍動感のあるダンスは、かなりの技術の上に成り立っていると思わせる。やはりここに出てくる高校生たち、ただものではない。
 
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【04】羊文学

続いて登場するバンドは、羊文学。先ほどまでの雰囲気とは一転して、不可思議な世界を繰り広げる。コード進行やバッキングも、観客の度肝を抜いたことだろう。重厚なバンドサウンドやボーカルも、良い意味での「不可思議さ」を演出するのにぴったりだ。
 
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【05】馴れ初めリリィ

次に登場した馴れ初めリリィも、凄腕のバンドである。ライブ中は2階席にいたのだが、もはや舞台上で聴いているかのような錯覚に陥るほどに、言葉や音が確実に飛んでくる。各々の音の粒がはっきりして、かみ締めるようなメロディーの運び方が心地良い。
 
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【06】MWnuts

前のバンドの余韻に浸っていたら、もう次に順番が移っていた。6番手のMWnutsは、これまたパンクロック風味のサウンドだ。自然にヘッドバンギングがやりたくなる。しかしギターはメロディアスな旋律を奏でる。なかなか聴かせるサウンドだ。
 
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そして舞台はヘアメイクショーに突入。今年は「フラワー部門」「ウェディング部門」に分かれての発表である。事前に高校生モデルオーディションをやり、スタッフも事前に研修を行う徹底ぶり。モデルが颯爽と登場すると、場内は黄色い歓声で沸き返った。しばし、華やかな世界に耽溺する。純粋に、心の底から楽しい。
 
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【07】SHIHO

ヘアメイクショーが終了し、大会も終盤戦。完全燃焼に向けて、オーディエンスにも気合が伺える。7番手に登場したのはSHIHO。ギター1本の弾き語りで、しっとりと音楽が始まった。思わず聞き入ってしまうギターの音。その音からは、彼女の内に秘めた感情が伝わる。しっとりとした旋律の中に、今にも爆発しそうな激しさをうかがわせるSHIHOの音楽は、フルステージで聴いてみたいと思わせる力がある。
 
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【08】SummerWinterGeneration

8番手に登場するのはSummerWinterGenerationの4人。骨太なバンドサウンドを展開する。オーディエンスの乗せ方もうまい。個人の楽器の技量も高く、楽しさの中に見え隠れする技術も、かなり心をやられるポイント。その真摯な姿勢、感服である。
 
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【09】Jacka☆napes

ここまで来ると、さすがにオーディエンスに疲れが見え始めてもおかしくない頃だ。しかし出場バンドが客席を一切休ませない。次に登場するJacka☆napesは、とにかくボーカルの歌唱力の高さにやられるバンドだ。声の伸びや、つややかさなどが心地良いことこの上ない。その周りを支えるサウンドも、一人一人の主張がはっきりと伺える。
 
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【10】the Village Papas

そして現役高校生たちのラストを飾るのは、the Village Papas。オーディエンスの煽り方から既にその実力を予感させるが、演奏が始まった途端に、会場が衝撃に包まれた。ディスコ風のサウンドは、どこかthe telephonesを思わせるほどに輝かしい。全てがガツンと脳天に突き刺さる演奏である。圧巻のギターソロに、もはや一瞬も目を離してはいられないほどのバンドサウンド。すさまじいものを観た、と感じた。
 
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高校生たちのステージは、ここで終わる。結果の集計を行うとのことだが、難しいだろうと感じた。甲乙つけがたいとは、まさにこのことだ。青春が、確かにステージの上にあった。そのことに点数をつけることはできるのか。審査を行うのも高校生たちだ。きっと、悩みに悩んでいるだろう。
 

 

【ゲスト】Any

そしてゲストバンドの登場だ。ゲストのAnyは、YHMF2007でグランプリを獲得し、そこから着実にプロとしての道を歩み続けている。貫禄を感じさせる、どっしりとした演奏を観せてくれた。ビート感に溢れた、安心させられるサウンド。さすが、と言いたくなるバンドだ。
 
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【審査結果発表】

 

Photo【グランプリ】the Village Papas
齋藤幹(Vocal & Guitar)、堀内拓海(Guitar)、
川村祐輔(Bass)、義永華子(Drums)
 
感無量です。このステージで演奏できたことだけでも幸せなのに、グランプリまでいただくことができました! 本番前の緊張している時も、友達が励ましてくれたし、みんなに感謝したいです。これからも、「みんなに愛されるバンド」を目指して、活動していきたいです。本当にありがとうございました!
 
◆the Village Papas Twitterアカウント
https://twitter.com/theVillagePapas
 


 
【準グランプリ】馴れ初めリリィ
 
オーディエンス賞】Sugar on the Palette
 
ベストパフォーマー賞】MWnuts 高橋健太(Drums)

 


 
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最後は田村伊織実行委員長の挨拶。高校生たちのイベントは終わった。しかし、これからも彼らの人生はこれからも続いていく。音楽を続けていく人もいるだろうし、中には音楽から離れて別の道を見つける人もいるだろう。しかしこの夏の舞台は、決して音楽やヘアメイクだけのものではなかったはずだ。彼らは、確かに2013年の夏、一つの偉業を成し遂げたのだ。こんなに観客を楽しませ、高校生ってすごい!と思わせたのだ。これだけでも、とてつもないことなのだと思う。このイベントを心の底から楽しんだ者が言うのだから、それだけは間違いない。
 
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◆YHMF 公式ブログ
http://ameblo.jp/yhmf11/
 
◆YHMF2013 Twitterアカウント
https://twitter.com/yhmf_2013


 

 
◆関連記事
【特集】YHMF2012 決戦大会
http://www.beeast69.com/feature/33944
【レポート】YHMF2012ライブ選考会
http://www.beeast69.com/report/31749
【連載】YHMF熱血現場最前線(2011、2010決戦大会など)
http://www.beeast69.com/category/serial/yhmf
【レポート】第12回高等学校軽音楽コンテスト神奈川県大会
http://www.beeast69.com/report/32542
【レポート】第2回高等学校軽音楽コンテスト埼玉県大会
http://www.beeast69.com/report/32151


 
 
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