演奏

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

過去にRADWIMPS藍坊主を輩出し、今年で13回目を迎える高校生バンドコンテストの草分け的存在「YHMF」。BEEASTではオフィシャルメディアとして、今年もライブ選考会、決戦大会の模様をレポートする。

昨年は横浜市の事業撤退に東日本大震災と不幸が重なり、一時は存続も危ぶまれる事態となったが、YHを残したい、次の世代につなげていきたいという高校生たち、そしてOB、OGたちの強い思いが実を結び、5月にYHMF出場バンドによる復興支援イベントを2日間にわたり開催。さらに、渋谷O-EASTでの開催が決定し、11月に決戦大会が開催された。

今年は引き続きShibuya O-Groupの協力を得て、従来通り春に募集、夏に決戦大会のスケジュールで開催決定!4月末にスタッフの決起大会が行われ、出場者のエントリーが開始した。首都圏に在学する120名弱の高校生が司会班、ヘアメイク班など各班に分かれて活動をスタート!そして5月末にエントリーを締め切ったのち、6月に音源審査を行い、20組が審査をパス。7月21日に蒲田の日本工学院にてライブ選考会が行れた。

来たる8月15日の決戦大会のステージに立てるのはどのバンドなのか?昨年は震災等の影響でライブ選考会が実施されなかったため、2年ぶりの開催だ。その熱いステージを、そして輝く高校生スタッフの奮闘の模様をレポート!

 


 


高校生の朝は早い!朝8時半には幹部スタッフが、9時には全スタッフが現場入り。早速準備を始める。バンドも10時に集合し、全体オリエンテーションののち、順次準備に入る。そして午前11時40分、ついに開場!圧倒的に高校生が多いかと思いきや、出演者、もしくはスタッフの先輩と思しき世代や保護者など幅広い世代が来場していて、長く続くYHMFの絆の深さを改めて感じる。

 


 


12時にをまわり、ついに開演!司会班の高校生スタッフによる挨拶に続いて、各バンドの演奏に。審査は高校生スタッフ11名で行い、20組中10組が決戦大会に進出する。トップバッターのRussetは体が自然と乗る楽しいポップ&ロック!Bottle’s Bottomは「朝焼けスケッチブック」というタイトル通り染み入るギターリフとボーカルが印象的!独立自衛農民はシンプルな音と言葉でメッセージを力強く伝える!彗星colorは曲目通り「女子力」炸裂のハイテンションなステージ!The Funny Bonesは映像での出演というハンデがありながら、あまりに熱狂するライブ映像に、観客もたまらず拍手!

 


 


揃いのつなぎで登場したNonno Afterは笑顔で元気なステージ!ソロシンガー・myiは切ないメロディと通る声で観客を魅了!The Rollyは「横浜駅で電車を眺めていて思いついた」というロックナンバーを披露!カラフルなシャツで揃えたシーラカンスはユニークな世界観で会場を包み込む!はじける笑顔がまぶしい白いんげん豆はハイトーンなボーカルとメロディラインが爆発!

 


 


10組の演奏が終了したところでいったん休憩。11組目きゃとるは後半の幕開けにふさわしい元気いっぱいのボーカル!インスト曲で勝負のziplockは、余計な脚色を排して真っ直ぐに5人の音だけで思いを伝える!Bit’sは、「ゲリラ豪雨の朝」のタイトル通り威勢のいいロックンロールを浴びせる!男女混合のはポップなサウンドと力強いボーカルが魅力的!oneneoは抒情的なボーカルが泣きのギターと重低音に絡み合って超絶クール!

 


 


さあ残すところ5組。PINAは高音なボーカルと心地良い轟音ロックがたまらない!tap,tapit!はシンプルな曲調でまっすぐ歌を届ける!tutty fruttyはサイダーのような透明感あふれるヴォーカルで「夏が来た」!the persimmonsはキラキラ輝くロックンロールナンバーで、かっこよさとかわいらしさの織り混ざるステージを展開!そしてトリを務めたCHROME CORONAは一つ一つの音を丁寧に刻み、思いを真っ直ぐ歌い上げる!

 


 


こうして約4時間におよぶ全20組の熱演が終了。冒頭と終わりにMCを務めた司会班チーフ・武中志門君が「全力で駆け抜けた感がある!」と語る通り、4時間という時間を感じさせないほどの疾走感だ!

ここで審査集計の時間となり、そしてゲストライブが始まる。ゲストに登場したのは、YHMF2010ファイナリストの19歳シンガーソングライター、Sakuだ!

 


 


「高校生のパワーに圧倒されて緊張している」と語るSaku。真夏の青空のように爽快なカラーのスカートに舞台映えする赤いチェックのシャツ、巻き髪の出で立ちは2010年の頃からグッと大人っぽさを増しているが、それにも増して清涼感溢れるボーカルもいっそうパワーアップ!1曲目は「キミが隣にいるだけで」。シンプルに刻まれるアコースティックギターのビートに乗せて、海辺をドライブしているような心地良さを感じずにはいられない。

2曲目は2年前の横浜アリーナの大舞台でも披露した「わかれ道」。ライブで歌うのは久々とのことだが、柔らかさと切なさが増して、先ほどまでアドレナリン上昇しっぱなしだった高校生たちもうっとりとした表情で聴き入っている。「大丈夫、今を大切に」…その歌詞は、ひたむきに走り続けるYH出身の先輩Sakuから贈られた、この日出演した全高校生ミュージシャンへの力強い声援だ。3曲目はアップテンポの「アンサー」。こちらも力強いメッセージソングだ。

 


 


さあそしていよいよ、審査結果の発表!今日のライブ選考会を通過し、決勝進出を決めたのは次の10組だ!
 

YHMF2012 決戦大会進出バンド

◆Russet
 
◆Bottle’s Bottom
 
◆彗星 color
 
◆The Funny Bones
 
◆myi
 
◆シーラカンス
 
◆きゃとる
 
◆oneneo
 
◆the persimmons
 
◆CHROME CORONA

 


高校生スタッフや、応援にかけつけたOB、OGは口々に「今年はレベルが高い」と口にする。確かに、お世辞抜きにどのバンドが決戦大会に出場してもおかしくない演奏力とパフォーマンスであったし、まるで決戦大会の撮影をしているかのような気分になることがしばしばあった。8月15日までに各バンドはさらにその実力に磨きをかけ、進化した状態でステージに臨むであろう。今年のYHMFが例年以上に熱い熱い決戦大会になることは間違いない!
 
 


 

 

◆YHMF2012 公式サイト
http://yhmf2012.jimdo.com/
◆YHMF2012 Twitterアカウント
https://twitter.com/yhmf_info
 
◆Saku 公式ブログ
http://ameblo.jp/saku-diary/
※ライブ出演
2012年09月14日(金)【渋谷】gee-ge

◆YHMF決戦大会は8月15日午後開催!
【日付】2012年08月15日(水)
【会場】渋谷O-EAST
【時間】OPEN 14:00 START 14:30
【料金】500円
※チケットの申し込みはYHMFホームページ
※スペシャルゲストに
YHMF2011グランプリのBUZZ-BUZZ
私立横浜創英高等学校バトン部 BRIGHTSが登場!


 
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