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TEXT & PHOTO:Mariko-sun

 

外道 ニュー・アルバム『Rocking The BLUES』発売記念ライブ
2015.1.15@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

外道加納秀人(Guitar & Vocals)、松本慎二(Bass & Vocals)、そうる透(Drums & Vocals)

00今年1月7日にリリースしたばかりのニュー・アルバム『Rocking The BLUES』をひっさげ、デビュー42年目を迎えたレジェンド・ロックバンド外道のレコ発ライブツアーが始動した。

東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行われた新年一発目のライブを、本誌フォトグラファーの私が、単独で完全密着取材し、原稿も担当する事になった。普段見ることができない開場前の舞台裏と、豪華ゲスト参加による熱いライブの模様を、文中敬称略にてレポートする。

実は、私の外道ライブ参戦は今回が3回目。初参戦は、昨年1月に本誌で取材した「外道結成40周年&『魂の叫び』発売記念ライブ」。前副編集長の取材に同行する形で、写真撮影を担当した。初めて生で触れた外道のパワフルなロックンロールサウンドから受けた衝撃は大きく、今さらながらではあるが、まさに“ひとめぼれ”状態だった。

その躍動感あふれるライブを観客として楽しみたいという想いから、昨年8月に再びライブに参戦。その際、今回のニュー・アルバム発売とレコ発ライブの予定を知り、すぐさま編集長に撮影を志願したのだ。ただし、その時点では、ライターを付けてもらえるものと甘く考えていた。

ライブの日が近づき、フタを開けると編集長の意向は、私ひとりで写真はもちろん、記事もダイジェスト版のライブ動画撮影も担当する“特集レポ”というかなり思い切ったものだった。私に務まるのか不安はよぎったが、「せっかくなら1日密着して、外道メンバーのコメントもいただきましょう」と腹をくくった。

【BEEAST】外道『Rocking The BLUES』発売記念ライブ ダイジェスト映像

リハーサル

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ライブ当日は、朝から夜まで雨が降り続いていた。開場時間の19時に先立つこと8時間前、私は外道スタッフと一緒の11時に会場入りした。準備は、ガランとしたステージ中央奥手に、“外道大明神”をお祀りする鳥居を組み上げるところから始まった。まっすぐに立つよう、スタッフが慎重に位置を確認。

11時40分過ぎ、そうる透が早々に到着。待ち構えていたスタッフがたくさんの機材を車から降ろして会場内に搬入。鳥居の前に、手際よくドラムをセッティングした。

12時15分頃、加納秀人も到着。「今日の雨は、龍神様が俺たちに会いに来てくれた証(あかし)」と、そうる透やスタッフと談笑しながらステージで機材をチェック。加納秀人以降、松本慎二、ゲストのエルトン永田ROLLYPANTA金子マリがリハーサルに合わせて順次会場入りした。

14時から外道メンバー3人によるサウンドチェック。ゲストを交えたリハーサルも予定していた15時より早く始まった。取材中の身であったが、力強いロックンロールのリズムに自然と体が揺れ、心が躍る。演奏が終わるごとに、そうる透が「すばらしい!」「ばっちり!」とにこやかに声をかける。2日前にスタジオでゲネプロを済ませていたこともあり、阿吽(あうん)の呼吸で順調に進み、なごやかな雰囲気の中、予定の2時間前にはリハーサルは終了した。「こんなに早く終わったリハは初めてだ!」というそうる透の言葉に、みんなが笑った。

開場時間まで予想外の長い休憩に突入。楽屋では、食事を兼ねて出演者同士の会話が弾んでいた。取材に際し、外道メンバー3人に動画でコメントをいただくことを申し入れていたが、なかなかタイミングをつかめずにいた私に気づいた松本慎二が声をかけてくれた。その優しさにジンときた。

楽屋で外道メンバーにお揃いいただき、緊張しながら動画インタビューを開始。事前に用意した三つの質問を大きな文字で書いたスダレのような形状のカンペ(コピー用紙を3枚貼りあわせたもの)を見るや、メンバー全員から「OH~!すばらしい!」の一言。緊張もほぐれ、ワンテイクで撮影は終了した。

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ライブ

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19時の開場とともに、観客が次々に入場。客席は前の方からみるみるうまっていき、10分後にはほぼ満席になった。観客のほとんどは古くからの外道ファンとみられ、顔なじみ同士で挨拶したり、ステージの鳥居をスマホで思い思いに撮影して19時30分の開演を待っていた。

客席側が暗くなり、ステージに照明が灯った。拍手の中、外道メンバーが登場。BGM曲「SLUSH」の銅羅(どら)の音を合図に、ファンおなじみのロックンロールなライブ導入曲「外道」の演奏が始まった。

演奏5曲目の新曲「Rockで行こうよ!」以降、キーボーディストのエルトン永田を始め、ニュー・アルバムに参加したゲスト・ミュージシャンが代わる代わるステージにあがり、外道メンバーとの情熱的なセッションを繰り広げた。

今回のセットリストを見ると、これまで外道がやり続けてきたロックンロール曲と心にしみるブルース曲を新旧交互に差し込み、まるで、魂の躍動を誘(いざな)うかのような構成になっている。

客席は着座スタイルではあったが、観客は身体でリズムを刻み、また、後ろのほうでは、スタンディングで軽快に踊る熟年カップルの姿も。まさに、私がYouTubeでしかみたことのない1970年代頃の屋外ロックフェスを想起させるかのような熱気に包まれていた。

当時をなつかしみながらライブに足を運ぶファンも多いかと思われるが、今回のゲスト出演者にとっても、非常に感慨深いステージだったようだ。
 

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ライブ中は、松本慎二がリードするMCがふんだんに差し込まれた。特に印象的だったのは、今年、デビュー25周年のROLLY、同じくデビュー45周年という節目を迎えたPANTAのコメントだ。

加納さんは太陽のような存在。中3のとき、外道の拾得(じっとく/京都)ライブのチケットを手にしてから35年。同じステージに立てるなんてサイコーです!」(ROLLY)。「俺たち頭脳警察は1960年代から活動していた。当時は新左翼の学生運動のさなか、ヘルメット業界のアイドルと呼ばれていたが、かたや外道はオートバイ好きなファン(暴走族)が多かった。同じヘルメット好きなファンを持つ身ではあったが、外道のゲストとして同じステージに立つなんて前代未聞!」(PANTA)。

松本慎二もこれに応じ、「そうですね。当時、成田闘争の中での三里塚ライブに、僕は客としてみにいっていました。ギター一本で、ヘッドに花をさして演奏していた頭脳警察にシビレましたね」。間髪いれず、そうる透も「覚えていますよ。僕はその時、15歳。ガキの出演バンドとしてその現場にいました!」。会場がおおいに盛り上がったのは言うまでもない。

また、ライブ開催月生まれの観客を祝う曲「Happy Birthday」では、なんと、当日が誕生日だった男性ファンをステージに招いて演奏。その他、出演者全員のサイン入りポスター争奪じゃんけん大会、「いつもの所でブルースを」では加納秀人がギターを持って客席に降り、歌いながら記念撮影に応じるなど、ファンサービス満点のライブでもあった。

後半は、ファンお待ちかねの往年のヒット曲が続いた。「ダンスダンス」では、そうる透が乱れ打つドラムソロが鳴り響くなか、客席からはお約束の外道コールと三三七拍子がピタリとキマる。続いて「何?」では、観客全員両手をあげての外道ダンス。前回のアルバムにも収録されたデビュー当時からの代表曲「ビュンビュン」「香り」が続き、場内は最高潮に達し、ラストへ。
 

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◆SETLIST
SE. SLUSH
M01. 外道
M02. What a BITCH
M03. GET DOWN
M04. OH my my
M05. Rockで行こうよ!(with エルトン永田)
M06. Happy Birthday(with エルトン永田)
M07. 心の叫び(with ROLLY)
M08. 逃げるんじゃねえ!(with ROLLY)
M09. 俺のRock`n Roll (with ROLLY)
M10. Life and Deathそして運命(with エルトン永田)
M11. いつもの所でブルースを
M12. Play BLUES  (with 金子マリ)
M13. イエローモンキーブルース(with 金子マリ/エルトン永田)
M14. It`s a MAD WORLD(with PANTA)
M15. Baby Rock`n Roll (with PANTA)
M16. ダンスダンス
M17. 何?
M18. ビュンビュン
M19. 香り
M20. 悪魔のBaby(with ROLLY)-encore-
M21. SHAK IT Baby(with エルトン永田/金子マリ/PANTA/ROLLY)-encore-
M22. あの頃は -encore-
SE. 優しい裏切りの果てに

 
◆外道 Official Website
http://www.ainoa.co.jp/music/gedo/
◆加納秀人 Official Website
http://www.geocities.jp/guitarmanhk22/
◆そうる透 Official Website
http://soultoul.com/
 
◆GUEST
エルトン永田(Keyboards)
金子マリ(Vocals/金子マリpresents 5th element will
PANTA(Vocals/頭脳警察
ROLLY(Guitar & Vocals/すかんちTHE卍

 

アンコール

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いったん外道メンバーは退出したが、間もなくステージに戻ってアンコールが始まった。ROLLYを迎えての「悪魔のBaby」、ゲスト総出演による新曲「SHAKE IT BABY」とロックンロール曲が続き、ニュー・アルバムの最後に収録しているブルース曲「あの頃は」で締めくくった。

今回の外道ライブであらためて感じたのは、まるでロックンロールのリズムがDNAとして刻まれているかのように、自然と身体が反応してしまったこと。そして、ブルースが伝えるメッセージの力強さ。特に、あえてアコースティックギター一本で演奏した新曲「イエローモンキーブルース」では、加納秀人金子マリによる美しくも憂いを帯びた歌声を生で聴くことになり、撮影中ではあったが、ポロポロと涙がこぼれてしまった。

魂が揺さぶられたライブだった。40年以上の長きに渡り、ロック最前線を突っ走る外道。ぜひ生で体感し、生きるエネルギーを充電していただきたい。
 

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【連載】「新譜るLIFEダイアリー」外道『Rocking The BLUES』
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【レポート】ROCK LEGEND Vol.3~外道 結成40周年&「魂の叫び」発売記念
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【特集】ROCK ATTENTION 28 ~外道~
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【レポート】外道「いつもの所でブルースを」
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【レポート】DIE-HARD ROCKERS~The Golden Age of Rock`n Roll~ 外道 / 山口富士夫
http://www.beeast69.com/report/3265