コラム
ビートレポート
中村“MR.MONDO”匠
大阪府出身、1983年2月1日生まれのO型。
1997年に大阪で結成され、今年で20周年目を迎えるTHE NEATBEATSのドラマ―。国内外問わず、年間100本以上のライブ行うロックンロールバンドで、なかでも、国内のグループでは唯一無二と言えるオール・ビンテージ機材で演奏する“生音ライブ・シリーズ「BACK TO CAVERN!」は、ボーカル以外は全て生音、PA無しの音響でセットされ、1960年代初期のビート・バンドの登竜門的会場で知られるリバプール、キャバーン・クラブを想像させる英国パブの様な演奏スタイルを忠実に再現した贅沢な空間。そのこだわりが大反響を呼び、毎回即ソールドアウトのイベントだ。
現在は、結成20周年を記念したツアー『~The Neatbeats 20th Anniversary “Two-Man Special”~「RHYTHM AND BEAT SHOW」』の真最中。4月にはスペイン&ポルトガルツアー、5月にはフランス最大級のロックンロール・フェス「COSMIC TRIP FESTIVEL 2017」への出演が決定している。また、ドラマ―としてのみならず、渋谷OTO「Upliners」をオーガナイズするなど、DJとしても精力的に活動中。

第五回「骨折の話(3)」


(前回の続き…)

ギプスでライブを行った直後、足が浮腫みすぎない様に楽屋で足を上げて休んでいたところに見知らぬ男性が飛び込んできました。

男「中村さん!足はどんな感じですか!ギプスは自分で外せますよ!」

私「(ひー!)いや、まだギプスを付けて2週間くらいなので無理かと!」

男「そうなんですか!3週間以上経っていれば大丈夫かと思ったんですけどね!」

私「(この人だれー!)ちょっと…まだですね!」

男「慎重すぎる医師が多いのも事実でして!ギプスはミカンを収穫する時に使うハサミで切れますよ!」

私「(たすけてー!)そうなんですかー。」

詳しく話を聞いてみると彼は整形外科に勤務されているK氏という男性。骨折の治療が趣味との事で、スマホのアプリや図解を利用して分かりやすく症状を解説して下さいました。

私が通院していた整形外科の先生も強気な方なので聞きたいけど聞けない事が沢山ありました。この後、K氏と連絡先を交換して度々相談に乗って頂く事になります。

K氏は非常にストロングスタイル。
偽関節上等!最悪、くっつかなくても大丈夫!くらいの解釈だったので非常に勇気付けられました。

怯む私に、ハイジと遊びたい一心で立ち上がったクララをお手本に…との言葉もありました。アントニオ猪木の名言・格言集のURLも送って下さった。

ギプスでのライブも慣れてきた頃に撮影が入るライブがありました。ここはギプスを外したいところ。固定期間も3週間経過、ライブ以外は毎日超音波治療にも通った。
当日の朝、私はいつも通り整形外科へ出向き、治療だけではなく医師と面談したい旨を受付で伝えます。

私「先生!私、本日撮影とライブがありまして!1日だけギプスを外しては頂けませんでしょうか?!」

医「しょうがない。今日だけ外そうか。足の裏側と甲側に分けて半分に切るから。撮影以外はサンドイッチみたいにギプスで足を挟んで。包帯でぐるぐる巻きね。」

私「はい!」

医「絶対に荷重はかけない様に。」

私「分かりました!」

処置室でギプスを縦半分に切って貰い、包帯を解くと取り外し出来る状態に。
松葉杖で病院を後にします。

このまま会場へ…
向かわず、数十メートル程の距離にある整骨院に入ります。

私「すみませーん!私、下駄骨折してまして本日だけギプスを外すのですけど、荷重をかけたいのでテーピングをお願い出来ませんでしょうかー!」

職員「では、保険適用になります。通院されていると思いますので主治医の指示を仰いでから施術しますね。問い合わせを行いますので、どちらの病院にかかられているかお伺い出来ますか?」

私「無理です!実費で!」

職員「え!!」

受付のお兄ちゃんの動きが止まる。
しかし、どちらの病院に通っているかなんて言えない。言える訳が無いのだ。

先ほど、分かりました!なんて良い返事をした舌の根も乾かない内に、内緒でテーピングを施して荷重をかけようとしているなんてバレた日には何を言われるか分からない。今後、診て貰えないかもしれない。

整骨院職員に事情を説明してテーピング固定を施します。
この効果が素晴らしくて、かなり痛みを軽減してくれました。

お陰様で撮影もライブも無事に終了。帰宅後にテーピングを外してギプス固定に戻しました。

翌日、病院に出向きレントゲンで無事を確認。テーピングだけで、ある程度動く事が出来たので勇気を持って切り出します。

私「あのー、このタイミングでギプスじゃなくてテーピング固定に切り替わったりしませんよね?」
医師「しないね。」

瞬殺である…。
先生冷たい。

そこからまた1週間のギプス生活が続き、いよいよスペイン渡航の前々日。ここは覚悟を持って切り出しました。

私「先生!渡航の前日にギプスを外して即飛行機移動、海外生活では不安です!1日慣れる時間が欲しいので今日外して貰えませんでしょうか!」

医師「いやいや、外して良いなんて言ってないよ。海外から戻るまでは着けておいて。」

私「えーーーーー!!」

医師「一番最初に飛行機乗れるよ?」

まさか、である…。
よくよく思い返してみると、確かに先生は海外前にギプスを外すとは言っていない。
なるべく治りが早くなる様に、ギプス固定をして超音波治療を毎日行う様に指示を出しただけだ。

しかし、だ!
再三、渡航前には外したい旨を伝えていた!

ライブ以外は毎日病院に通った!いつも空のギターケースを背負っていたので受付のお姉さんに不審がられていた!
ライブもやってたし自転車にも乗ってたし内緒でテーピング固定をして荷重をかけた!

それは正直スマンかった!
その日撮ったレントゲンを、私が見てもバッチリ骨折が確認できる!

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バッチリ!

5-2

確認できる!

しかし、、しかし、だ!
このタイミングで、その言い方は無かろう!

一説によれば充分な固定期間はクリアしているのだ!
私は憤った!飛行機に乗る順番なんてどうでも良い!先生の横にいた看護婦さんの「あらあら…中村さんったら。うふふ。」みたいな態度にも腹が立った!

でも、何かゴネて診察が覆るような状況では無かった。

私「えっと…分かりました。では戻ったらまた来ます。頑張って来ますね…。」

ため息混じりでお会計。ショックを受けているのが伝わったのか、病院の外に出たところで受付のお姉さんが追いかけて出て来て「頑張って下さい!」と声を掛けてくれた。笑顔で挨拶を交わし、帰宅。

海外生活2週間…。
ギプスで松葉杖か…。
ショボン…。

って、んな訳あるかーい!
帰宅後、即行で自ら包帯をカット!

忘れては無いだろうな!私のギプスは一度真っ二つにカットされており、包帯を解けば取り外し出来る状態なのだ!侮るなよ!
参ったか!がはは!

アマゾンプライムでサポーターとステッキを購入!翌日には到着!
無事に(ではないが)ギプス固定無しで2週間のスペイン・ポルトガルツアーに突入しました。

最初は歩くのも遅くて痛みもありましたが、ツアー中にみるみる良くなっていくのが分りました。

メンバー・現地のスタッフや友人に支えられ、一生忘れる事の出来ないツアーとなりました!

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掌に杖タコが出来るのでバンダナを巻いて保護。杖本体も真っ赤で老人用とは一線を画す、オシャレ度高めの仕上がりに。

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ツアーマネージャー・サトゥが私の真似をするんです。。

帰国する頃にはステッキにもあまり頼らず歩行出来るくらいまで回復していた。
問題は帰国後の病院である。

日本時間の朝10時に成田空港着。
再度ギプスを装着して松葉杖で白々しく来院する事も考えましたが、隠し通せる自信がない。パッと見でも巻いている包帯が綺麗すぎる。
ここは正直に行くしかない。

松葉杖を背負い、ギプスを手に持ち、真っ赤な杖を持った変なおじさんが診察室へ乗り込みます。
謝罪は間髪入れず、である。

私「あのー先生!やはりギプスで海外ってのは無理がありまして!自分で外しちゃいました!でも無事です!恥ずかしながら帰って参りました!」

医師「レントゲンへ…。」

まずいです。先生、こっち見ない。
レントゲンを撮影して診察室へ戻ります。

私「どんなですかねぇ…先生。。」

医師「ところでさぁ…ライブはウケたの?」
私「えっ、あっ、はい!お陰様で大盛況の大盛り上がりでして!」

医師「YouTube観たよ。」
私「きゃー(バレてた)」

医師「大丈夫だね。今後は杖も無くてOK。普通に生活して下さい。」
私「ありがとうございます!」

これにて、一件落着!
期間中にご迷惑・ご心配をお掛けしてしまった皆様には深く御礼・お詫び申し上げます!

長くなりました。
骨折の話、おしまい!
 
 


■THE NEATBEATS
Officail Website:http://www.neatbeats.net/
MR.MONDO Twitter:https://twitter.com/Nakamura_Takumi

■THE NEATBEATS Live Information

2017/06/23 (金)@新潟 CLUB RIVERST
2017/06/25 (日)@富山SOUL POWER
2017/07/01 (土)@町田SDR
2017/07/08 (土)@長野 J
2017/07/19 (水)@下北沢 CLUB Que
2017/7/21 (金)@京都 磔磔
2017/7/23 (日)@大阪 umeda TRAD
2017/7/26 (水)@新代田 FEVER

●「ROCK’N’ROLL EXPRESS!」
2017/8/19(土)@渋谷クラブクアトロ
2017/9/1(金)@名古屋クラブクアトロ
2017/9/2(土)@広島クラブクアトロ
2017/9/10(日)@梅田クラブクアトロ
●”ロッケンロー★サミット2017″
2017/9/23(土)@渋谷TSUTAYA O-EAST

■THE NEATBEATS Release Information

アーチスト : THE NEATBEATS
タイトル : LIKE THE CAVERN LIVE! REEL NO.3 & NO.4
レーベル : MAJESTIC SOUND RECORDS
品番 : MSCD-085/6
形式 : 2枚組CD (限定盤)
発売日 : 2017/3/22(水)
定価 : ¥2,600 (税抜)


(DISC 1)
1. RUN CHICKEN RUN
2. FARMER JOHN
3. YAH YAH YAH
4. 明日が来なけりゃいい
5. YOU CAN’T JUDGE A BOOK BY THE COVER
6. I WANT YOU
7. TWISTIN’ TIME WITH YOU
8. SWEET CHERRY PIE
9. I WANT TO BE YOUR DRIVER
10. YOU’VE GOT WHAT I WANT
11. オレに任せろ
12. TREAT HER RIGHT
13. BLUE BLUE BLUE
14. HEY 彼女
15. (DO THE) GLOBAL TWIST
16. 甘いジュース
17. YOU’RE SO FINE
18. 噂の男
19. DON’T YOU JUST KNOW IT MEDLEY
20. LIES
21. LITTLE BITTY PRETTY ONE
22. 黒いジャンパー
(DISC 2)
1. SHAKIN’ THE NIGHT
2. DR.FEELGOOD
3. ハートをわたそう
4. お願いBABY
5. TWISTIN’ THE NIGHT AWAY
6. HIPPY HIPPY SHAKE
7. HAMBURG TWIST
8. MAMA TALK TO YOUR DAUGHTER
9. MY BONNIE
10. SHAKE
11. I’M GOING DOWN THE LINE
12. TWIST AND SHOUT
13. I’M GONNA SIT RIGHT DOWN AND CRY
14. KANSAS CITY
15. ONE FINE DAY
16. MASHED POTATOES
17. I CAN TELL
18. THAT IS ROCK & ROLL
19. TWISTIN’ DAY
20. BABY LET’S GET SHAKE
21. MY BABE (REHEARSAL TAKE)
22. HELLO JOSEPHINE (REHEARSAL TAKE)