コラム
Saikaのホロスコープ★宣言
占星術研究家 Saika
ロックミュージシャンのコンビを占星術を通じてご紹介。 この世には自分に利益を与えてくれる相手もいれば、逆に運気をつぶすような相手も。。。占星術とは、出生の年月日・時刻・位置をホロスコープに描き出し占うもの。

Angus Young & Bon Scott


今年3月、9年振りの来日公演を終えたばかりのAC/DCのリードギタリスト、Angus Youngのホロスコープと、1980年に不慮の死を遂げた前リードシンガー、Bon Scottのホロスコープを今回も二人の相性を交えながら取り上げてみたいと思います。最初はAngus Youngの兄のMalcolm Youngを取り上げようかと思ったのですが、占星術的にみて、Bon Scottの出生図の方が興味深いので、このカップリングにしてみました。それに彼の人気は今でもAC/DCのファンの間で根強いのではないかと思い、彼へのレクイエムのような気持ちで、この記事を書いてみたいと思ったのです。最近のAngus Youngの映像を見たのですが、前頭部が結構後退していてショックを受けてしまいました。彼のホロスコープを見ると、頭髪が薄くなるかもしれないという傾向は確かにあるのですが、これを説明するとなると、なんだか趣旨と違う記事になりそうなので、ここで専門的な事は、あえて書かないことにします。いつかそうゆう機会があれば詳しく書いてみたいと思います。これを読んで内心不安を感じた男性の方、多いのではないかと思います。

*アセンダントが天秤座だと本来、長身、美形となるのですが、彼の場合そこに突然変異の*天王星が*スクエアを形成しています。噂によると彼の身長は160cm足らずだということですが、このように天王星が*ハードアスペクトを形成すると、予想を覆すということが往々にしてあり、風変わりな容姿や行動となって表れる人が多いようです。そうは言っても若い頃の彼の映像を見ると、なかなか美形と思うのですが。そのアセンダントには*海王星が*コンジャンクションを形成しているのですが、これは彼の芸術的才能を表し、ミュージシャンという職業を決定的なものとしています。俳優、歌手、ミュージシャンのホロスコープを見ると、彼のようにアセンダントに海王星か、*金星が*アスペクトを形成している人が非常に多く見られます。アセンダントは身体的特徴を与えるものですが、そこにアスペクトを形成する惑星がその人の才能、職業を表していることが多いのです。海王星も金星も芸術の惑星ですが、海王星の方がその芸術性は、より高まると考えて下さい。彼はこの海王星が金星と*トラインを形成しているのですが、これは彼のソングライティングの才能を表します。優れたソングライターに、このアスペクトを持っている人が多く、これは私の個人的見解かもしれませんが「この人良い曲書くなぁ」なんて思うと、たいていこのアスペクトを持っています。それから彼は*水星と*火星がセクスタイルを形成しているのですが、ギタリストのホロスコープを見ると、なぜか水星と火星がアスペクトを形成している人が非常に多いのです。アスペクトは*ソフトアスペクト、*ハードアスペクトを問いません。このアスペクトには芸術的才能という意味は無いのですが、これを持っていると物事の習得が早くなるので、そういう意味では万能なアスペクトなのかもしれません。職業としては工学系のエンジニアとかに多いアスペクトです。また頭の回転が早く、おしゃべりの才能があるので、お笑い芸人は必ずと言って良いほどこのアスペクトを持っています。Martin Friedmanは水星と火星がタイトに*トラインを形成しているのですが、彼がバラエティ番組で活躍しているのが納得できますね。

ANGUS-YOUNG*ミッドヘブンは天職を表すとされているのですが、Angus Youngのホロスコープの*ミッドヘブン付近には蟹座の*月が上昇していて、生まれながらに大衆に慕われる、強力な人気運を持った人です。ミッドヘブンに近い惑星というのは、その人の職業への影響力が大きいのですが、月は大衆を表しますから、エンターテインメントのような不特定多数の人を相手にする職業にはぴったりです。惑星にはそれぞれ最も力が強くなるサイン(星座)というのがあるのですが、月は蟹座で最も力を発揮するのです。この月は第9ハウスにあるのですが、第9ハウスは遠方、外国を表すハウスで、月は男性にとって妻を表します。彼の奥さんはオランダ人ですが、男性で第9ハウスに月があると、彼のように国際結婚となる可能性があるのです。ステージ上では、そのコスチュームとDUCKWALKと呼ばれる独特の動きで、風変わりなイメージの彼ですが、プライベートでは地に足の着いた生活をしている人だと思います。ツアー以外はオーストラリアの自宅で、極力マスコミを避けて過ごしているという話ですが、それが証明するように家族やホームタウンを愛する気持ちが人一倍強い人です。それに、しっかり自己管理できる人でもあります。スターダムにのし上がってからも、兄のMalcolm Youngの様にアルコールの問題を抱えるでもなく、そういう意味では、稀有な存在かもしれませんね。情が細やかでいて、基本的には寛大で気さくな人なので、ファンや女性をむげに扱うような人ではないでしょう。空港のロビーでファンの男性にサインと記念写真を求められ、応じている映像を見たことがあるのですが、とても丁寧に時間をかけてサインをしている姿が印象的でした。しかしその反面同姓には、かなり厳しい面を持った人でもあります。Bon Scottの前任者であったリードシンガーのDave Evansとの関係が悪化し、彼を解雇したいが為に、マネージャーをステージに上げたなんていう噂があるようですが、私はそれは本当だと思います。本気で怒ったら怖い人、徹底的な報復手段をとるような面があると思います。

そのDave Evansの後釜としてAC/DCのリードシンガーとなったBon Scottですが、彼は元々バンドの機材スタッフとして働いていて、当初はドラマーとして採用してもらいたいと要請していたそうです。でも彼のホロスコープを見ると、リードシンガーとなったのは必然であったと思います。職業を表す第6ハウスには金星が入っているのですが、金星は芸術の惑星ですから俳優や歌手、バンドのリードシンガーには 、この惑星の配置が多く見られます。その金星はミッドヘブンにトラインを形成しています。これは前回取り上げたOzzy Osbourneにも同じアスペクトがありましたね。しかもその金星はエンターテインメントに最も縁のある獅子座です。このように職業を選定する上で、その惑星のサイン(星座)も鍵となることが多いのです。それから*太陽もエンターテインメントを表す第5ハウスに入室しています。これも前回取り上げたRandy Rhoadsと同じ惑星の配置です。ミッドヘブン近くには、Angus Youngと同じように月が上昇していて、彼の人気運を表しています。Angus Youngのホロスコープで、アセンダントにアスペクトを形成する惑星が、身体的特徴に影響を与えると書きましたが、その惑星の星座も影響を与えます。Bon Scottはアセンダントに、蠍座の月がスクエアを形成しています。蠍座がアセンダントに影響すると、彼のように体毛が多くなったり濃い感じの顔になったりするようです。蠍座は12星座中一番セックスアピールの強い星座です。 私は彼のことを決して美男とは思いませんが、少なくともセクシーで、彼の歌う「T.N.T」は何度聞いてもゾクゾクしてしまいます。15歳で学校をドロップアウトし、その後はガソリンを盗んだり、様々な軽犯罪から短期間収監されていたという話ですが、そういう無軌道な生活を送っていたのは、*火星と*天王星の*スクエアの悪影響だったと思います。火星と天王星のハードアスペクトを持つ人は、怖いもの知らずで大胆に行動するのですが、ネガティブに出ると彼のようにアウトロー的な生き方をしてしまうのかもしれません。軍隊への入隊を拒否されたという話ですが、このアスペクトを持つと、押さえつけられることには耐えられないので、軍隊のような規律の厳しい世界にいたら、トラブルを起こしていたと思います。でも有事には危険をかえりみず人を救出したりするのも、このタイプです。駅のホームから転落した71歳の男性を救助した、石原軍団の若手俳優、池田 務さんは火星と天王星がハードアスペクトを形成しています。ナチス占領下の第二次世界大戦中、レジスタンスとして勇敢に活動した人たちにも、このアスペクトは多く見られます。ソフトアスペクトでも、もちろん、この傾向はあります。*ミュンヘンの悲劇の英雄して知られるマンチェスター・ユナイテッドのHARRY GREGG選手は、自身もケガを負いながらもチームメイトと民間人を数名救出しましたが、彼は火星と天王星がトラインを形成しています。

前述したようにバンドの機材係だったBon Scottにとって、AC/DCのリードシンガーの座をオファーされたのは、人生の大転機であったに違いありません。彼の太陽にAngus Youngの*木星がコンジャンクションとなっているのですが、木星は利益や発展を表す惑星ですから、彼にとってAngus Youngは成功に導いてくれる相手だったのです。このように自分の太陽に、相手の木星がコンジャンクションかソフトアスペクトを形成していれば、その人から何かしらの利益を期待できると思います。仕事で組むには最高の相手と言えます。1974年9月、彼が正式にAC/DCのリードシンガーとなった時、*トランジットの*キローンが、彼の金星にトラインを形成していました。キローンは奇跡を起こし、成功に導いてくれる惑星です。彼の金星は仕事運を表す第6ハウスにありますから、仕事上で好ましい変化が訪れるというのは、説明しなくてももう御分かりですね。私もトランジットのキローンが、ホロスコープの第6ハウスの木星にトラインを形成している時に、このコラムの仕事が舞い込んで来ました。AC/DCのリードシンガーとなって以来、順風満帆だったBon Scottですが1980年2月19日、ロンドンで一晩中飲み明かした挙句、知人の車中で不慮の死を遂げてしまいました。嘔吐物の誤嚥が原因のハプニング的な死というのが、公式な発表のようです。その日、トランジットの土星は彼の出生の冥王星にセミスクエア、トランジットの天王星は彼の金星にスクエアを形成していました。冥王星も金星も第6ハウスに在室しています。第6ハウスは健康状態に深く関わりのあるハウスです。第6ハウスに在室する惑星に、トランジットの*凶星がハードアスペクトを形成する時期は健康状態に、普段より気をつけなくてはならないのです。特に天王星は突発的な変化を表しますから、急性の病気になりやすく、彼のように運命が急変してしまうこともありえるのです。それから占星術的にみても、ロンドンは彼にとって、あまり良い因縁を持った場所ではありませんでした。それにしても泥酔状態の人間を、真冬のロンドンの車中に置き去りにするなんて、酷い知人ですねぇ。

占星術に普段なじみの無い方は、文中に色々な占星術用語が出て来るので、混乱してしまうかもしれませんね。でも無料でホロスコープを作成できるサイトがたくさんあるので、あまり深く考えずに、アスペクトを拾って意味を調べてみるだけでも、占星術は面白いと思います。トランジットに興味を持った方は、大きな書店に行けば占星術関連の本と一緒に天文暦も置いてあるはずですから、それで惑星の運行を調べることができます。もちろんインターネット通販で手に入れることもできるでしょうが。

日本公演のスタンスが、なぜか長いAC/DCですが、次回は9年なんて年数を置かずに早めに再来日して欲しいですね。

-Saika-

■占星術用語(基本的な意味)■

アセンダント・・・・・・・上昇宮。ホロスコープの第一ハウスの星座。その人の身体的特徴に影響を与える。
太陽・・・・・・・・・・・・・基本的な性格、運勢をみる上で最も重要な惑星。
月・・・・・・・・・・・・・・・大衆、母親、年上の女性、男性にとっては妻をあらわす。
天王星・・・・・・・・・・・変化、改革、突然変異。
金星・・・・・・・・・・・・・芸術の惑星。
海王星・・・・・・・・・・・芸術の惑星。
水星・・・・・・・・・・・・・言語、コミュニケーション、技術、仕事の適性をみる惑星。
火星・・・・・・・・・・・・・勇気、バイタリティ。ネガティブに出ると事故、ケガ、トラブル。
土星・・・・・・・・・・・・・制限、試練。
冥王星・・・・・・・・・・・極限状態、死を表す。
凶星・・・・・・・・・・・・・火星、土星、天王星、海王星、冥王星。人生に試練をもたらすとされている惑星。
木星・・・・・・・・・・・・・利益、発展、繁栄を表す惑星。
キローン・・・・・・・・・・奇跡を起こし、成功に導いてくれる惑星。
アスペクト・・・・・・・・・惑星間の角度。
セクスタイル・・・・・・・惑星間の角度が60度の状態。
スクエア・・・・・・・・・・惑星間の角度が90度の状態。
トライン・・・・・・・・・・・惑星間の角度が120度の状態。
セミスクエア・・・・・・・惑星間の角度が45度の状態。
ハードアスペクト・・・・惑星間の角度が45度(セミスクエア)、90度(スクエア)、135度(セスキーコードレート)、150度(クインカンクス)、180度(オポジション)の状態。物事がネガティブに出やすい角度。
ソフトアスペクト・・・・・惑星間の角度が60度(セクスタイル)、72度(キンタイル)、120度(トライン)の状態。物事がポジティブに出やすい角度。
コンジャンクション・・・惑星間の角度が0度、重なっている状態。物事がポジティブにもネガティブにも出る角度。
ミッドヘブン・・・・・・・・ホロスコープの第10ハウスのカスプ(区分)。天頂とも言う。天職を表す。
第5ハウス・・・・・・・・エンターテインメント、スポーツ、娯楽を表すハウス。
第6ハウス・・・・・・・・仕事と健康状態を判断するハウス。
第9ハウス・・・・・・・・遠方、外国を表す。
トランジット・・・・・・・・天空を通過中の惑星。トランジットの惑星が、出生図(ホロスコープ)の惑星と、アスペクトを形成するとイベント的なことが起こる。
ミュンヘンの悲劇・・・1958年に起こった航空機事故。イギリスのサッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッドのチャーター機だったが、44名の乗客のうち選手、民間人23名が犠牲になった。