連載

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Saku 『Bed Room e.p.』
TEXT:鈴木亮介

Sakuのシンデレラストーリーがいま、始まる~
 
21歳のシンガー/ギタリスト/ソングライター、Saku。彼女と初めて出会ったのは2010年の夏、横浜アリーナにて。当時は横浜市の事業でもあった高校生バンドコンテスト「YHMF」の決戦大会の大舞台に、当時17歳のSakuはアコギ1本、たった1人でステージに立っていた。その時、観衆5千人を前に演奏した「わかれ道」は今でも鮮明に覚えている。”夏場のサイダーのような透明感のある歌声”とレポートに書かせていただいたが、その言葉通り真夏の暑さを忘れる清涼感がいつまでも印象に残っていた。
 
中学の頃からギターを弾き、歌を歌い、曲作りを本格始動したSaku。高校1年生の頃から、地元・横浜の駅前に立ち、アコギ片手にストリートライブを定期的に開始。そこで培われたのだろう、彼女の持ち味はとにかくその誰からも愛されるキャラクター。ひとたびギターを鳴らし歌えば、みんなを笑顔にする。そんな夏の向日葵のような眩しい存在だ。生まれ持ってのパーソナリティだと思っていたが、元々は引っ込み思案で、路上に立ち続けるうちに音楽の力を借りて積極的な明るい子へと変わっていったのだという。裏を返せば、音楽をやるために生まれてきた、天から音楽を与えられて初めて輝くことができた、ということなのだろう。
 
高校卒業後、Sakuは音大に進学。そして、音楽が生まれる中心地・TOWER RECORDS渋谷店でアルバイトを始める。横浜の中でも郊外ののどかな町で育ったダイヤモンドの原石Sakuは、東京に出てたくさんの音楽仲間や先輩、音楽に携わる様々な仕事人と出会うことで、徐々に磨かれ始める。2013年2月に本誌BEEAST主催イベント「三原勇希のロック女子会」に出演した際も、曲作りのエピソードや普段の音楽との関わり方などを目をキラキラ輝かせながら語ってくれた。路上ライブや同世代のソロシンガー仲間とのライブ共演なども休むことなく続け、2013年春には音大の仲間とバンドを結成。都内を中心に今なおライブ活動を精力的に続けている。
 


「東京は夜の七時」 ストリートライブ@渋谷の模様

 
そんなSakuの待ちに待ったデビュー音源、待望の4曲入りミニアルバムCD『Bed Room e.p.』が2月12日にリリース!TOWER RECORDS渋谷店店頭およびTOWER RECORDSオンラインにて発売される。現役のタワレコ店員がデビューするとあって、タワレコ渋谷店も全面バックアップ。渋谷店の店頭には発売前から1階に試聴コーナーを設置しているほか、デビューまでの物語をTwiiter上(#Sakustory)で定期連載している。
 
では、気になる『Bed Room e.p.』の中身をご紹介しよう。4曲入りのミニアルバムは、90年代のいわゆる「渋谷系」ミュージックやギターポップ、UK/USインディーロックなど、Sakuがこれまでに影響を受けた要素を全てミックスした上でSaku独自の世界観を表現。共同制作には野村陽一郎カジヒデキの名が連なっており、Saku自らが作詞・作曲を手がけた2曲に加え、カジヒデキの提供曲も収録。さらに、ピチカート・ファイヴの名曲「東京は夜の七時」もSaku流にカバーしている。
 
おそらく、Sakuの歌声をこれまで聴いてきた人は1曲目の「あたしを好きだなんて天才かも」を流し始めた瞬間、一様に「これ、Sakuちゃんの歌?」と驚くに違いない。アコースティックギターと「渋谷系ポップ」とを絶妙に掛け合わせたサウンドに、Sakuの少々ハスキーでアンニュイなボーカルが乗る。ドレスアップした婚約者ににもう一度恋をしてしまうような、そんなドキドキがある。Sakuを初めて聴く人もおそらく、木綿の敷布のような彼女のさらさらと爽やかな歌声に虜になること間違いなしだ。
 
その「あたしを好きだなんて天才かも」と同様、Saku自ら作詞・作曲(野村陽一郎らとの共作)を手がけたのが、2曲目「ミルクココア」。夜のホーム、寒空の下で両手にそっと息を吹きかけるように歌うウィスパーボイス。シンセサイザーのキラキラなサウンドも心地良い。ガーリーな歌詞にも注目だ。
 
さらに3曲目「STaRt !」はカジヒデキが作詞・作曲を手がけ、堀江博久(ex:the HIATUSコーネリアス)、松田”CHABE”岳二吉田仁サロンミュージック)といったギターポップの匠が集結した極上のナンバー。前半2曲がSakuの魅力全てを凝縮し洗練したものであるならば、後半2曲、特にこの曲はシンガーSakuの新たな魅力を引き出したもの。管楽器や男性コーラスも入ることで、スケール感もアップ。トップランナーによるスポットライトが当たるとここまで魅力的に化けるのか、と驚かずにはいられない。
 
そして最後の4曲目は渋谷系ポップカルチャーの一時代を築いたピチカート・ファイヴの代表曲「東京は夜の七時」をSaku流に、キュートにカバー。Sakuのライブでも度々披露されているが、サイダーの泡のように広がっていくシンセが印象的な、野村陽一郎の極上のアレンジも必聴の価値アリだ。
 
CDパッケージのイラストはSakuと同じくタワレコ渋谷店勤務の沖真秀が手がけたもので、キュートでポップな紙ジャケットに仕上がっている。Sakuを支えるみんなで作った、名刺代わりの1枚にして2010年代ポップカルチャー史にその名を刻むであろう、ビッグヒットの予感のする1枚。ここからいま、Sakuのシンデレラストーリーが始まる。


『Bed Room e.p.』収録曲「あたしを好きだなんて天才かも」

 


 

◆リリース情報
Saku 『Bed Room e.p.』
2014年2月12日(水)発売予定  ¥1,050
※タワーレコード渋谷店およびタワレコオンラインの限定発売
http://tower.jp/item/3437848/Bed-Room-e-p-

<収録曲>
M01. あたしを好きだなんて天才かも
M02. ミルクココア
M03. STaRt !
M04. 東京は夜の七時
 

◆Saku『Bed Room e.p.』発売記念インストアイベント開催決定!
☆弾き語りライブ~サイン会&握手会
・2014年2月11日(火祝)【渋谷】タワーレコード渋谷店 3Fイベントスペース
13:00~20:00(時間内でライブイベントを数回開催)

☆弾き語りライブ~サイン会&握手会
・2014年2月15日(土)【渋谷】タワーレコード渋谷店 1Fエントランス
13:00~20:00(時間内でライブイベントを数回開催)

☆弾き語り&3人編成でのスペシャルライブ~サイン会&握手会
・2014年2月16日(日)【渋谷】タワーレコード渋谷店
13:00~弾き語り@1Fエントランス
15:00~3人編成@1Fイベントスペース
17:00~3人編成@1Fイベントスペース

参加方法:観覧自由

※イベント当日、タワーレコード渋谷+タワーレコードオンラインにて2/12(水曜日)発売するミニアルバム『Bed Room e.p.』のCDをお持ち頂いたお客様は、サイン会&握手会にご参加いただけます。
※サインは対象商品のジャケットにいたしますので、忘れずにお持ちください。尚、サイン会【対象商品購入枚数/お1人様1回まで】のご参加とさせていただきます。

詳細はタワーレコード渋谷店インフォをご覧ください。
http://towershibuya.jp/news/2014/02/07/3078


◆その他 ライブ情報
『NSB Presents Valentine special Live Vol.1』
・2014年02月14日(金)【新横浜】NEW SIDE BEACH!!
w/ 藤岡リラ、瀬里奈
OPEN:17:30 START:18:00
前売:¥2,500/当日:¥3,000(ともに税込、ワンドリンク別途¥500)
予約:ローソンチケット(Lコード:78470)
問合せ:新横浜NEW SIDE BEACH!!(TEL:045-474-2144)

 
◆Saku プロフィール
1992年11月19日生まれ 横浜出身 A型 21歳。
両親の影響で幼少期に音楽に目覚め、中学からギター、曲作りを始める。徐々にライブハウスやイベントに出演するようになり、高校1年からは地元の横浜市・青葉台駅前にて、アコギ片手に歌い始める。高校3年の時、横浜ハイスクールミュージックフェスティバルの決勝大会(場所:横浜アリーナ)に勝ち進み、5,000人の聴衆を前に見事な弾き語りパフォーマンスを披露した。昭和音楽大学に進学後、ネオアコ、ギターポップに興味を持ち始め、自作曲の幅も広がりバンドスタイルのライブも開始。現在、音楽好きが集う渋谷TOWER RECORDSで働きながら、渋谷を中心にライブ活動を展開中。

 
◆Saku 公式サイト
http://www.music-scene.jp/sakumusic/
◆Saku 公式ブログ
http://ameblo.jp/saku-diary/
 


 
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【レポート】YHMF2012 ライブ選考会
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【連載】YHMF熱血現場最前線! 熱血6(YHMF2010決戦大会レポ)
http://www.beeast69.com/serial/yhmf/497