演奏

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:幡原裕治

dpYHMF2010ファイナリストで、先日BEEAST presents 三原勇希のロック女子会vol.1にも出演した気鋭のシンガーソングライター・Saku。これまで主にソロ弾き語りとして活動を続けてきたSakuが、ガールズバンドを結成!その記念すべき初ライブが原宿ASTRO HALLにて行われた。
 
特筆すべきは、これが”ただのライブ”ではないということだ。Sakuも参加するドリーム”インター”テイメント集団「Dream Pygmy」の記念すべき1stショウとして、ダンス有りファッション有りの豪華なライブ、それも全編を通してストーリー仕立てになっているという。その世界観も楽しみつつ、Sakuの清涼感溢れる歌がバンドスタイルでどのように進化するのか、期待が高まる。
 
開演前、主宰のyuy(ゆーや)に話を聞くことができた。ドリーム”インター”テイメント集団「Dream Pygmy」というのは、それぞれの夢を追いかける18歳から26歳のメンバー約10名で構成されていて、「ジャンルは違えどそれぞれ自分たちの影響力でもっとHAPPYが溢れかえってる世界をつくろう!というチーム」とのこと。その「夢」はヘアースタイリストだったり写真家だったりシンガーソングライターだったりファッションデザイナーだったり…と様々。分野が異なるメンバーが集まることによって、夢を持ってもらえるようなイベントにしたい、と嬉々として語る。
 
そんな「Dream Pygmy」を応援しよう、或いは勇気をもらおうと、フロアには彼らの仲間やSakuファンなど若い男女を中心に観客が集まってきた。記念すべき第一歩まで、もう間もなくだ。

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冒頭、ピアノの音色とともに、一人の白装束の女の子がステージに登場。「わたしは無色」背後のスクリーンに文字や映像が代わる代わる映し出される。ストーリーの始まりを告げた所で、Sakuが一人、アコギを持って登場。静かに、弦を弾く。
 
「ねぇ、誰か教えて 僕の夢は叶いますか?」先日のロック女子会でもアンコールで披露された「アンサー」だ。真っ直ぐな歌声が、シンプルなアコースティックギターの旋律に乗って届けられる。「でも答えが 見つからない」普段は1つの曲として聴いていた歌詞が、今宵はこれから始まるストーリーの伏線のように聴こえる。
 
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今宵のストーリーはこうだ。「主人公の少女は、色(=個性など)を持ち合わせている人がたくさんいるこの世界の中で、自分自身の色を知りたくなり自分自身の旅に出る。その旅を通して様々な色(=多数ジャンルのコンテンツ)に出会う。主人公は自分に色がなく、自分も誰かのように色に染まらなくては、と思っていたが、たくさんの色を見ていく中で、自分の色という色は自分自身にしかなく、世界は十人十色であり、自分は自分であり、自分であるということに意味があることに気付く。」
 
ヒマワリのような黄色い衣装のSakuに続いて、黒、赤、緑…と様々な色に身を包んだパフォーマーが、それぞれのダンスやファッションショーなどが展開。さらに、「Dream Pygmy」代表のyuyも、女性モデルを連れてステージに登場。その場でヘアショーを実施、自由自在に髪を操り、女性を美しくしていく。
 
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しばしの休憩や記念撮影も挟んで、ショウの後半戦スタート。ドラムとアンプがセットされ、期待が高まる中、Sakuバンドついに登場!バンドメンバーはSaku(Vocal & Guitar)、まなたん(Guitar)、おかぴー(Bass/東京ブラススタイル)、せっちゃん(Drums/ザ・東京ナンバーズ)の女性4人!
 
最初に披露したのは「走る少女!!」。ポップな楽曲の持ち味はそのままに、ベースとエレキによって厚みを増した音。そしてドラムが軽快にビートを刻むことで、躍動感がいっそう増している。その躍動感、疾走感が、バンドによって自転車からスクーターに進化したような印象だ。Sakuの歌声も決して大きな音に埋もれることなく、しっかりと客席に届けられる。
 
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続いてはしっとりと「ブルームーン」。「走る少女!!」とはがらりと変わって、まずはSakuのアコギと歌声をシンプルに聴かせる。中盤からはシンバルや歪むギター、穏やかに添えるようなベースの低音も加わって、いっそう心地良い。さらに、おかぴーの綺麗なコーラスも加わることで、Sakuの歌がいっそうきらめく。
 
3曲目「Start‼」は元気で楽しいポップなナンバー。ベースもドラムもそれぞれ踊るように軽快に音を奏で、曲のグルーブ感も高まってきた所で、早くも最後の曲。「夢を持った小人たちが大きくなる過程を皆さんに観ていただきたい」と、Sakuがイベントへ込めた思いを語る。最後は「Say Hello」。
 
「ちょうど2年前、高校生の時に作った曲で、自分の中で音楽をやっていくうえで何が正しいかなと思うことがあって…そんな時に作った曲。皆さんの背中を押す曲にもなれたら」と前置きした通り、悩みながらも前に進もうという力強い意志が込められた曲だ。エレキギターとドラムがしっかりとリードし、前に前に進む。Sakuバンド初ライブは、Sakuの音楽の持ち味をしっかりと土台にしつつ、そこによりいっそうの彩りとパワーを持たせた、躍進を遂げたライブとなった。
 
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Sakuバンドの鮮やかで力強いライブによって、ショウ全体のストーリーはクライマックスへ。他の色の服を着たり迷っていた主人公の少女も、最後は綺麗な純白のドレスをまとい、笑顔でステージに登場!こうして「Dream Pygmy」初めてのショウは完成。
 
ステージにはしっかりと自分の行くべき道を定め、一歩踏み出そうとする「夢追人」たちが集結した。その表情は、一様に自信に満ちた笑顔!もちろん日々の生活で不安や辛さを経験することも少なくないはずだが、それを上回る夢への情熱、自分の夢への誇りを持っていて、それが「自信に満ちた笑顔」として現れているのだろう。そして、笑顔は連鎖する。彼らの表情を客席側から見つめる若者たちもまた、新たな一歩を踏み出そうと気持ちを前向きに進路変更したに違いない。
 
さてSakuバンドは早くもライブスケジュールが発表された。読者のみなさまにも是非、この夏一度、ライブに足を運びその音に触れてほしい。
 
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◆セットリスト
-solo-
M01. アンサー
-band-
M01. 走る少女!!
M02. ブルームーン
M03. Start‼
M04. Say Hello
 
◆インフォメーション
・2013年07月23日(火)【渋 谷】gee-ge
・2013年08月03日(土)【下北沢】GARDEN
・2013年08月07日(水)【六本木】morph
・2013年08月22日(木)【青 山】月見ル君想フ
 
◆Saku 公式ブログ
http://ameblo.jp/saku-diary/
◆まなたん 公式ブログ
http://ameblo.jp/manami-gt-agt/
◆おかぴー 公式ブログ
http://ameblo.jp/okapie0614/
◆せっちゃん Twitter
https://twitter.com/seiko_starr
 
◆yuy(Dream Pygmy代表) Twitter
https://twitter.com/yuy777

◆関連記事
【レポート】BEEAST presents 三原勇希のロック女子会vol.1
http://www.beeast69.com/report/62822
【レポート】YHMF2012 ライブ選考会
http://www.beeast69.com/report/31749
【連載】YHMF熱血現場最前線! 熱血6(YHMF2010決戦大会レポ)
http://www.beeast69.com/serial/yhmf/497