演奏

TEXT & PHOTO:下村祥子

90年代ギターロックの逆襲はここから始まった?!ここ数年、同世代バンドの復活や再結成が多い中、それに先んじた2007年1月に結成されたGHEEEのメンバーは、近藤智洋(Vocal & Guiter/ex:PEALOUT、以下:近藤)、深沼元昭(Vocal & Guiter/PLAGUES、以下:深沼)、Hisayo(Bass/tokyo pinsalocks)、YANA(Drums/ZEPPET STORE)。
 
’90年代中盤よりUKロックの流れを受け独自の解釈で衝撃的なギターロックを生み出し、それぞれに存在感を放っていたバンドから新たに集結、さらにガールズニューウェイヴバンドから紅一点ベーシストを得て、奇跡の融合を果たしたGHEEE。これまでに3枚のアルバムをリリース。GHEEE結成後に、Hisayoは2010年にa flood of circleに正式加入。YANANACANODRYASDUSTに加え、数々のバンドのサポート・ドラマーとして活動、中でも再結成したZEPPET STOREは8年ぶりの新作『SHAPE 5』をまもなくリリースする。
 
近藤はソロでの弾き語りや自身のバンドを含め年間160~170本のライブを全国各地でこなしながら、2012年1月に新バンドThe Everything Breaksを結成。深沼Mellowheadでのリリース、BORZOIQのメンバーとしての活躍、そして活動再開したPLAGUESの11年ぶりとなる新作『CLOUD CUTTER』を2012年10月に発表。…この通りメンバー全員が超多忙でありながら、ギターロックに餓えたオーディエンスのため、今年もコンスタントにライブや東名阪ツアーを行い、いくつかの新曲も披露してきたGHEEE。しかし早くも年内最後のライブとなるかも?との情報もあり、2013年へと続くGHEEEの現在形を知る上で、絶対に見逃せない下北沢CLUB Queでのライブの模様をレポート!
 

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この夜のトリとして登場したGHEEEfresh!のライブ終了後、大幅なセットチェンジが行われているステージに、GHEEEのメンバー自らがエフェクター等の機材を抱えて姿を見せた。アンプやエフェクターをセットする様子は、逆にワンマン等では見られない特典。ギターの試し弾きでわずかに聴こえる覚えのあるフレーズから、今日の演奏曲を予想するのも楽しい。徐々にステージ前はお客さんの密集度が高まり、完全にGHEEEモードへとチェンジしていく。会場内に恒例のSE、GHEEEのテーマソング(この独特の浮遊感のあるサウンドは、バンド名にちなんだ“G/H(B)/E/E/E”というコード進行で作られている)が流れ出した。
 
   


メンバーがステージに現れると、待ってました!の拍手と歓声が沸きあがる。それぞれの楽器の音が打ち鳴らされ、いよいよライブが始まる合図。その中から次第にグルーヴィーなドラムのリズムが輪郭を表わした。バンドから放出される圧倒的なパワーが伝わってくる、1曲目は「The brilliant mexican blues」!軽快なメロディを英語詞で荒っぽく歌う近藤の迫力のボーカルに、両サイドから重なるコーラスが特徴的。間奏での空高く突き抜けるような、のびやかな深沼のギターソロも爽快な一曲だ。間髪入れずに、イントロで近藤が弾く高音のギターのリフが印象的な「Silver tongue」。MVも公開されている3rdアルバム『III』のリード曲で、深沼Vo.から近藤Vo.へ突入する瞬間のサウンドがガラリと替わる場面は、まさにGHEEEならではのツインボーカルの醍醐味で鳥肌モノ!さらにHisayoが艶っぽく歌うシーンもあり、メンバーの見せ場が次々にやってくる“3分間のミュージカル”仕立ての密度の濃い楽曲。続けて「Pretty insane ride」「Guess」と、これで名盤『III』からのファストチューン4連発!息つくヒマもなくガンガンぶっ飛ばしていくライブに、たまらずにオーディエンスから笑みがこぼれる。

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ここでようやく最初のMC。GHEEEのソリッドなサウンドとは対照的な、ボーカル2人の絶妙なボケ&ツッコミのゆるめなMCはもはや名物!口から出るにまかせた滑らかな軽口の近藤のトークに、戸惑いながらも素早い反射神経を見せる深沼という図式は、昔からのPEALOUTPLAGUESを知っている人には新鮮を通り越して驚きのシーンかも?!近藤「じゃあ、次は俺が書いた新曲を聴いてくだ…」深沼「違いますから!!」といった曲紹介(?)の後、新曲「Flicker sign」(深沼曲)と「Heaven knows」(近藤曲)を続けて披露。「Heaven knows」は、近藤PEALOUT時代のボーカルを彷彿とさせる雰囲気も。
 
   


怒涛のロック・サウンドで攻め続けるGHEEE、ライブ終盤から会場を包む熱気はさらにヒートアップ!スピードの落ちることのないYANAの爆裂ドラムに乗せ、複雑なギターリフをかき鳴らしながらの深沼のリードボーカル、そして自在にステージを動きまわって客を煽る近藤がステージ下手(しもて)に移動すると、センターを譲られたHisayoが華麗なステップでベースを弾き、堂々たるステージングを魅せつける。ついに「New world」でギターを置いてしまうと、近藤のパフォーマンス魂が爆発!激情ボーカルと圧巻のマイク・スタンド・パフォーマンスを、降り立ったフロアのオーディエンスの真ん中でも強行!近藤の予測不可能な動きに、お客さんは咄嗟に離れたり近づいたりの軽いパニック状態に。これら一連の状況こそ、本人曰く「近藤イリュージョン」にして「近藤エクスプロージョン」!その間ステージ上のメンバーは、動じることなく淡々と熱い演奏を続けているが、近藤の暴れっぷりを温かく見守っているのがわかる。「The last chord」のエンディングで、熱狂の場外ステージから近藤が無事に戻ってきたところで本編終了。

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興奮冷めやらぬ客席からのアンコールに応えて、再度メンバーが登場。しばしセッティングを直しながらのMCを挟んだ後、「Runaway Pigeon Bus」から「Beautiful stungun」へ、渾身の演奏でオーディエンスと共に駆け抜けた。深沼の最後の決め台詞「ドゥモアリガトォー!」の声が余韻となって耳に残る。収録アルバムを遡っていくような流れの爆走セットリストは、アンコールも含めて約50分間で14曲。一曲の中でも目まぐるしいほどの展開を見せ、一筋縄ではいかないGHEEEのサウンド。その激しく打ち鳴らされ、あふれだすロックに、観る者は魂をグッとつかまれてしまう。キャリアを重ねたバンドマンにしか出せない迫真のオーラを、ぜひライブハウスで感じ取ってほしい。
 
さて、GHEEEへの期待値は最高潮に高まるばかりだが、2013年のGHEEEの展開や如何に。メンバーそれぞれの別プロジェクトも気になるが、2012年夏の東名阪ツアーで披露しながらも、この日はセットリストから外れた新曲も数曲あることだし、最高のアルバム&リリースツアーの知らせを期待して待ちたい。
 

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◆セットリスト
M01. The brilliant mexican blues
M02. Silver tongue
M03. Pretty insane ride
M04. Guess
M05. Flicker sign(新曲)
M06. Heaven knows(新曲)
M07. Fancy vendetta
M08. Fast as nozomi
M09. Can’t hug a hater
M10. New world
M11. Lucifer
M12. The last chord
-encore-
E01. Runaway Pigeon Bus
E02. Beautiful stungun

 
◆GHEEE 公式サイト
http://www.lavaflowrecords.com/gheee/top.html
 
◆インフォメーション
・2012年12月31日(月)【下北沢】CLUB Que
<Que’s COUNTDOWN2013 PART1>


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【レポート】「Singer Song Riders ~第八夜~」高橋研 / 近藤智洋 / ニシイケタカシ
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http://www.beeast69.com/gig/1430


 
 
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