DVDにも収録された2017年のライブ『REALIZE IT』以来、約1年7ヶ月ぶりとなるHEAD PHONES PRESIDENT（以下：HPP）のライヴが初台DOORSにて行われた。HPPのライヴではお馴染みのDJ狂犬の邦楽洋楽織り混ぜたDJプレイにより会場を盛り上げる。ライヴ本編の前には「Until I Die」のMVが先行公開されるというサプライズもあり、否が応でもライヴへの期待が高まる。
 
ライヴはアンコールで演奏されることが多い「Stand In The World」から幕を開け、ライヴを待ち侘びたオーディエンス達が拳を上げる。バンドは「My Name Is」「A New World」と続け、ブランクを全く感じさせないアグレッシヴな演奏を展開する。ANZAも「待たせたな！」とオーディエンスに答える。メロディアスな「Dive」「Miss You」「Rainy Stars」では、ヴィジュアルエフェクトによる演出も相俟って、HPP独自の世界観が増幅されていく。「I Mean It」からはアグレッシヴな演奏に戻り、「Far Away」と更にヒートアップしていく。

BATCHのドラムとNARUMIのベースのセッションを挟んで「Alive」「Not A Fantasy」と激しい曲で畳み掛ける。続く「Hang Veil」「Live With」では、幻想的なヴィジュアルエフェクトが効果的で、メロディアスな演奏とANZAのエモーショナルな歌がとても心に染み入る。MCではオーディエンスとの和やかなやりとりを挟みつつ、「Waking Life」「Too Short」「Breeze」と続く。今度はHIROのギターのセッションタイムを挟み、ダイナミズム溢れる「It’s Still Not The End Of The World」「Where Are You」へと続く。最後の曲はニューアルバム『Respawn』に収録される新曲の「Life Goes On」。最後に新曲を持ってくるところがいかにも彼ららしい選曲である。
アンコールでは、激しくて速い「The One To Break」で大いに盛り上がり、大円団を迎えた。
 
メンバーの笑顔溢れる楽しそうな姿が印象的なライブだった。久しぶりのライブであったが、バンドはかなりの手応えを感じたに違いない。本編の最後には新曲の「Life Goes On」が披露された。BATCHが楽曲のベースを作り上げたというこの曲は、今までのHPPのスタイルにはない新しいタイプの曲であったが、とてもHPPらしいという印象を持った。彼らが演奏をすればもうそれはHPPということなのかもしれない。7月には６枚目のニューアルバム『Respawn』が発売されたが、彼らは新しいスタイルに挑戦しつつもHPPらしいサウンドに仕上げており、是非注目してもらいたい。