演奏

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:幡原裕治

Photo「東京に出てきて良かった」――4人組ロックバンドENTHRALLS(エンソロールズ)が10月10日(土)に3rdミニアルバム『ねむれない夜に』をリリース。これを記念した全国ツアー初日となる『「ねむれない夜に」リリース プレイベント ENTHRALLS presents 略奪3マン ~うまく眠れない夜に~』が、2015年10月01日(木)に東京・下北沢SHELTERで行われた。
 
イベントにはENTHRALLSと同じく女性ボーカルのFINLANDSオモイメグラスを招き、3マンライブとして開催。平日開催、かつ低気圧による悪天候にもかかわらず会場にはたくさんの観客が詰め掛けた。その模様を、ENTHRALLSを中心にレポートしたい。

 ENTHRALLS メンバー:
井上佳子(Vocal)、青木康介(Keyboard)、中井傑(Bass)、吉田充利(Drums)
 

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1組目に登場したオモイメグラスは冒頭、(Vocal)がENTHRALLSの「TAMAYURA」のイントロ部分をアカペラ歌唱。2組目のFINLANDS塩入冬湖(Vocal)がMCで「今年一番仲良くさせていただいているバンドなので嬉しい」と語り、それぞれにENTHRALLSのリリースを祝った。
 
そして21時過ぎ、満を持して今宵の主役・ENTHRALLSが登場。SEはRegina Spektorの「Eet」。落ち着いた音に乗せて、吉田充利(Drums)、青木康介(Keyboard)、中井傑(Bass)、そして井上佳子(Vocal)が登場。期待値の高まる中、 青木康介が雑踏をさまようような、スリリングな鍵盤を奏でる。新譜1曲目に収録された「一色即発」だ。
 
身体をむしばむように、中井傑のベースがじわじわと熱量を増していくと、オーディエンスから自然と手拍子が起こる。
 
“この「世界」ではどっちが先に狂えるかを競い合ってる”
 
そんな井上佳子の紡ぐ詞も印象的だ。
 
アウトロで4人の音がスパークすると、続く2曲目は「圏外女子流」。吉田充利の軽快に刻むビートに、井上佳子の歌声が乗る。そのハイトーンボーカルにリードされ、心身が解きほぐされてゆく。自然と体が揺れる中、3曲目は彼らの常勝・上昇ナンバー「エスケープ」。1度聴いたら忘れられない鍵盤のフレーズに、4人の音が重なり生まれる高揚感は天にも昇る心地!

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曲間のつなぎは余韻を残さず、テレビのチャンネルを切り替えるようにパッと色が変化する。4曲目は新譜収録曲の「クローゼット」。
 
“少しだけ一人になりたくて クローゼットの中 息を潜めた”
 
静かな歌い出しから、音階を上がるピアノ、胎動するベース、安定感のあるドラム。安心の三拍子に身を委ね、井上佳子は声を震わし、感情を爆発させる。その展開は、ドラマチック!起承転結、喜怒哀楽があり、まさに”劇場型”ピアノロック。圧巻のストーリーに、観客は拳を挙げることも忘れて食い入るようにステージを見つめる。
 
静寂の中、井上佳子はマイクを通さずに地声で、美しく逞しいソプラノを響かせる。5曲目は新譜のリード曲、「きょうはうまく眠れない」だ。中井傑が弦をグリスし続け、眠れない夜の脳内に広がる宇宙を表現。切なさ、憂いを含むサウンドに、フロアからは再び手拍子が自然発生する。
 
鍵盤の流麗さと、スネアドラムの快活さ。心地よい音を充満させ、ボルテージを高めに高めたところで、ここぞというところでは音をピタッと止ませ、井上佳子の歌声だけを前面に押し出す。
 
劇場型ピアノロックと評されるENTHRALLSのライブには、”体育”とは違う一体感がある。「ここでこういう振りをして」「こうして頭を振って、手を挙げて」と頭を使う必要はない。本能のままに、体が自然に動き、ステージの4人と一つになるのだ。

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「僕らは同じ大学で結成した。そのとき、大学の中では全然誰にもいいなぁって言ってもらえなくて…」 ENTHRALLSは大阪で結成後、2013年に東京に進出。勝負の3年目、中井傑のMCにも力が入る。「むっちゃ悔しくて 、でも自分たちの音楽をやりたいなと思って。そうしたら大阪にも、東京にもいいなぁって言ってくれる人が増えて、大事な仲間にも出会えて…」「こうやって応援してくれる皆さんと、もっと最高な、もっと楽しい夜にしたい!これから先も変わらず、皆さんに最高のものを弾いていきたい!」
 
観客からのこの日一番の大声援を受けて、再び上昇気流を起こすENTHRALLS。6曲目はアップテンポの「スケルトン志向」。そして「ENTHRALLS一番の代表曲やります!」と井上佳子の宣言から、7曲目は1stミニアルバム収録の「シグナル」。個性の強い4人、四者四様に暴れているのだが、よく見ると体の揺れ方がぴったりシンクロしている。そこに観客も加わり、最高な一体感が生まれる。
 
本編最後は「みんなで歌ってハッピーに終われたら」と、「TAMAYURA」を披露。「ラララ」の大合唱ののち、最後はピアノで静かに幕を閉じる。ENTHRALLS流の美学が貫かれた。

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止まぬアンコールの声に応えて、メンバー再登場。その最高な景色に感極まった中井傑は、思わず叫ぶ。「本当に、東京に出てきて良かったと思いました!」
 
間もなく発売になるアルバムのジャケットの秘話が井上佳子から明かされたところで、新譜の最終トラック「ラストサマー」をアンコール演奏。中井傑の男性コーラスがこれまでの曲に比べて存在感を増しており、ENTHRALLSの新境地を堪能できる一曲だ。
 
そしてお別れの定番曲「元気でいてね」で笑顔で終演。メンバーがステージから降りた後もしばらく、多幸感あふれる空気が蔓延していた。今夜はきっと、ぐっすり「ねむれる夜」になるだろう。
 
ENTHRALLSは10月10日(土)に3rdミニアルバム『ねむれない夜に』を、TOWER RECORDS新宿店17周年を記念して、新宿店限定でリリース。その後リリースツアーとして全国各地でライブに出演するほか、来年1月16日(土)には東京・下北沢SHELTERにてワンマンライブの開催が決定している。「ねむれない夜」を抱える全ての人に、極上の”劇場型”ピアノロックをその目で、耳で、体感してほしい。

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◆セットリスト
M01. スケルトン志向
M02. シグナル
M03. きょうはうまく眠れない
M04. 一色即発
M05. エスケープ
M06. 元気でいてね
 
◆リリース情報
ENTHRALLS 3rdミニアルバム
『ねむれない夜に』

ELEN-1003 1,389円(税抜)
<収録曲>
M01. 一色即発
M02. 圏外女子流
M03. Interlude
M04. きょうはうまく眠れない
M05. クローゼット
M06. ラストサマー
TOWER RECORDS 新宿店限定発売
enthralls3rd
◆ENTHRALLS オフィシャルサイト
http://enthralls.info/
 
◆ライブ情報
・2015年11月08日(日)【東京】新宿 LOFT
 ※「Circuit世界の砂場から」への出演
・2015年11月11日(水)【宮城】仙台FLYING SON
・2015年11月18日(水)【東京】新代田FEVER
・2015年11月21日(土)【広島】広島 4.14
・2015年11月22日(日)【愛知】名古屋
・2015年11月27日(金)【東京】代官山LOOP
・2015年11月29日(日)【兵庫】神戸
 ※「ブタフェス2015」への出演
・2015年12月01日(火)【愛知】名古屋 新栄CLUB ROCK’N’ROLL
・2015年12月02日(水)【東京】新代田FEVER
・2015年12月03日(木)【大阪】あべのROCKTOWN
・2015年12月08日(火)【大阪】北堀江club vijon
・2015年12月12日(土)【長野】松本Sound Hall a.C
 
 
ENTHRALLS one-man live
~きょうはうまく眠れない~

・2016年01月16日(土)【東京】下北沢SHELTER
・2016年01月22日(金)【大阪】心斎橋Pangea
・2016年01月23日(土)【愛知】名古屋 新栄 CLUB ROCK’N’ROLL
 
※チケット:一般発売中
 詳細はENTHRALLS公式サイトへ
http://enthralls.info/live1/

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【PHOTOレポ】ENTHRALLS@下北沢SHELTER
http://www.beeast69.com/report/132749
【レポート】ENTHRALLS presents ~非合法的略奪~
http://www.beeast69.com/report/107421
【特集】BEEAST太鼓判シリーズ第28弾アーティスト『ENTHRALLS』
http://www.beeast69.com/feature/101588