特集

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:幡原裕治

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集、第28弾は男女4人組バンド、ENTHRALLS(エンソロールズ)が登場します!
 
メンバーは井上佳子(Vocal)、青木康介(Keyboard)、中井傑(Bass)、吉田充利(Drums)の4名。大阪の同じ大学に通う同級生で結成後、地元ライブハウスなどでの活動を経て2013年に上京、ENTHRALLSとして活動をスタートしました。2013年5月22日に1stミニアルバム『PASSAGE』を全国リリース。『略奪ツアー2013』を東名阪にて開催し大盛況。『FUJI ROCK FESTIVAL’13』、『SUMMER SONIC 2013』のステージにも出演を果たしました。そしてこのほど、2014年3月19日に2ndミニアルバム『合法的浮遊』をリリースしました。
 

ENTHRALLS(エンソロールズ)
ena

”劇場型ピアノロック、揺さぶり型”
 
36.5°Cのハイトーンボイス
繊細さと狂気を絶妙に表現するピアノアンサンブル
鬼気迫る勢いで観客に詰め寄り翻弄し 時に寄り添ってみせる
振り回される感覚がクセになる” 劇場型” ピアノロック
 
2013年春 ENTHRALLS として活動開始。
5月22日 1st mini album『PASSAGE』リリース。
7月末に自主イベント、『略奪ツアー2013』を東名阪で開催。
その後、FUJI ROCK FESTIVAL’13とSUMMER SONIC 2013に新人枠で出演。
 
2014年3月19日に2nd mini album『合法的浮遊』リリース。
30分34秒の現実逃避。いってらっしゃい。

 
魂にグイグイ入り込む、曲の世界観。井上佳子のハイトーンボーカルに、青木康介の変幻自在の鍵盤、中井傑吉田充利のリズム隊の疾走感。4人が奏でる洗練されたサウンドに心奪われます。ダイナミックなライブパフォーマンスはフジロック、サマソニのステージでも実証済みです。
 
バンド名の”enthrall”は人の心を奪う、虜にするという意味。その名の通り”劇場型ピアノロックバンド”で多くの人を魅了するENTHRALLSに、インタビューを敢行しました。
 

 

芸大の音楽学科の同級生、”遅刻しなさそうな”4人で結成
—プロフィールによると2013年5月にENTHRALLS始動ということですが、4人が集まった経緯を教えてください。

 
井上:元々この4人は大学の同期で、大阪でずっと活動していました。去年上京し、ENTHRALLSと改名してもうすぐ1年になります。
 

—最初から今のメンバーでずっとバンド活動をされていたのですね。結成はいつ頃ですか?

 
青木:6年くらい前、2007~2008年頃ですね。正式に活動を開始したのがいつ、というのはハッキリしないのですが、最初は大学内でバンドを組みなさいよ、みたいな(笑)。
 

—指令があったんですか?

 
青木:4人は芸大の音楽学科なんですが、バンドを組んで課題を提出するという試験があって、そのために集まりました。大学内の評判があまりよろしくなくて、じゃあ外のライブハウスでやろうとなったのが6年くらい前です。
 
井上:私が中心になってそれぞれのパートの人に声をかけました。うちの大学は時間にルーズな人が多かったので、遅刻をしなさそうな人という基準でこのメンバーを選びました。おとなしそうというか、怖くなさそうというか(笑)
 
吉田:真面目に見えたんでしょうね(笑)
 

—なるほど。学内で評判が悪かったというのは?

 
青木:学科内には僕たち以外にも幾つかバンドがあって、オーディションに合格すると大きなホールで演奏できるのですが、それにずっと受からなくて。学校じゃ、あかんのかなぁ?って。じゃあ外のライブハウスで1回やってみようということになりました。
 
中井:学内で活動していた頃は、楽器をやっている人目線で演奏テクニックの指摘ばかりだったので、純粋に音楽を評価してもらえるようになったのは外に出てからですね。
 
井上:ジャズ系が好きな先生が多くて、私たちの音楽にジャズ要素があまりなかったのが理由かなぁと。特に私の声が一番偉い先生の好みじゃなかったようで、好きじゃないって直接言われたことがあります(笑)。じゃあ、もういいっか、って。
 

—そうだったのですね。4人とも芸大の音楽学科ということですが、そこに至るまでの音楽的なルーツも教えてください。

 
中井:高校生の頃吹奏楽部に入り、打楽器を始めました。そこでスカのバンドなどもやり始めて音楽に興味を持つようになりました。それまではテレビに出ているアーティストの曲を聴く程度でしたが、自分が音楽をやるようになり、周りの洋楽好きな友達の影響でThe Offspringなどを聴くようになりました。ベースは高校を卒業してから地元で中学の友達とバンドを組むことになり、4人いた中でベースが余ったんですよ。「じゃあ僕やるわ」ってなって、始めました。
 
青木:僕は親の影響でクラシックピアノを小さい頃からやっていました。叔母がピアノの先生で。最初は楽しいなと思ってやっていたのですが、周りの友達が遊びに行く中自分は「ピアノの練習をしてから行きなさい」と言われて、それがすごく嫌で。中学で一度辞めて、同時期にギターを始めてハードロックにどっぷり浸かりました。オリジナル曲も作りましたし、Deep Purpleのコピーをよくやっていましたね。
 

—クラシックとはだいぶ違う方面ですね。そこからなぜピアノに戻ったのでしょうか?

 
青木:高校卒業後の進路を決める時期になり、勉強して普通に進学というのが何かしっくりこなくて、ドラムをやっている友達から紹介してもらってギター専攻で芸大を志すことにしました。でもちょっと始めた程度の人間が受かるような甘いものではなく。そこで、幼少期からずっと続けていたピアノに戻り、ピアノ専攻で合格し、大学に入りました。ギターでバンドを組んでいた中高生の頃も、曲作りは鍵盤の方が楽だったこともあってずっと触れていましたし、大学に入るにあたってもう一度教室に通ってピアノを特訓したのです。大学入学後、友達にBen Folds Fiveを教えてもらって、ピアノってやっぱりかっこいいなぁと、どんどん好きになりました。
 
井上:私も3歳頃から高校生までずっとピアノを弾いていました。中学では部活でクラリネットを吹いたり、琴を弾いたりと色んな楽器に触れていました。高校生になって、私と外見がそっくりな女の子と2人でフォークデュオをやり始めたんですけど、それが歌う方向に進んでいったきっかけだと思います。スピッツのカバーを主にやってました。みんなの前でライブをガッツリするというより放課後に2人でやるのが中心でしたが、それが楽しくて、その子と一緒に芸大を受験することにしました。
 
吉田:僕はドラムを始めたきっかけが不純なんですが、高2の時、仲の良い先輩に「モテようぜ」って言われたのがきっかけで(笑)。硬式テニス部に所属していたのですが、その先輩とバンドを組んで文化祭に出ました。たまたま空いていたパートがドラムだったので、演奏したのは当時流行っていた175Rです。
 

—実際モテたんですか?

 
吉田:自分が思っていた以上にキャーキャー言われて、テンションあがったんですよ。こんなに目立てるんや!と思って(笑)。翌年は僕が同級生を「キャーキャー言われるから出ようよ」って誘って…そうしているうちに楽しくなってきて、「ドラムできるんちゃう?」っていう勘違いもあったんですね。それで、半年間音楽教室に通って、楽器で入れる芸大の音楽学科を志すことにしました。
 

—なるほど。それぞれにユニークな経歴がありますね。最初に4人集まって、音楽の趣向やバンドの方向性はどのようにして決めていったのでしょうか?

 
井上:最初はオープンキャンパスや演奏会など、大学の行事への出演に向けて活動を始めました。最初は私が家で一人弾き語りで作った曲を持って行って…「バンドでやってみたいんやけど…」って。
 

—最初に作った曲って覚えてますか?

 
井上:すごく暗い曲でしたね。大学生になって…恋人にフラれたんですよ。それに、先ほどお話しした一緒に芸大を受けた親友と大ケンカをしてしまい、さびしいなって思っていたらその曲ができたという感じです。
 
中井:鍵盤の青木君が自分のピアノで作った曲を持ってきて、僕ら楽器隊が直感というか、その雰囲気感にせーので合わせて作ってみようぜ、とインスト曲を録っていきつつ、後で井上さんにメロディと歌詞をつけてもらうというスタイルで作ったりもしていました。
 

—実際に音を合わせていくなかで、4人の考えている音楽性にブレや違和感はなかったですか?

 
青木:そうですね。流れに任せるというか、どういう音楽をやりたいかがバンドの中でハッキリしていなかったと思いますが、各々の考える「今自分ができる一番かっこいいフレーズ」を重ねていったものが曲になりました。
 

—ボーカル、キーボード、ベース、ドラムの4人編成ということで、最初からギターが不在だったという構成も特長的ですね。

 
井上:実は一番初め、バンドが始動しはじめた頃一時的にギターのメンバーがいたことがあります。
 
青木:ギターとピアノがいると場所の取り合いになるんですよ。お前コード弾いてるんやったら俺こっち行くわ…みたいなのが嫌で(笑)。自分がやりたいことができないもどかしさがあって…そのメンバーはライブ出演に消極的だったこともあり、最終的にその彼は脱退し、この4人で本格的にライブ活動をするようになりました。
 

—在学中から積極的にライブ出演を続けていたということですが、大学の卒業にあたって、進路を悩むことはなかったですか?

 
中井:その辺は、特に…自然に…
 
吉田:話題に上らなかったよね。
 
青木:まぁ、やるんやろうなぁという感じで、卒業する前から頻繁にライブに出ていて、このままいくんだろうなと思っていました。僕自身は就職も考えていませんでしたし。
 
井上:今思えば、みんな何も知らなかったんだと思います。
 

—バンドを続けていくことは自然の流れだったわけですね。そこから、しばらくは大阪で活動を続けていたと思いますが、上京に至る経緯を教えてください。

 
井上:全員実家住まいで、性格が全員…特に私がそうなんですが、自分にめっちゃ甘いんですよね。これはこのままのんびりやっていたらのんびりやっているだけになってしまうと思って、東京に行きたいと考えました。バンド内でそういう話をしていなかったわけではないですが、(東京進出は)ご縁があって、急に決まったというのが正直なところです。
 
青木:時期が来たな、って感じでしたね。1stミニアルバム『PASSAGE』(2013年05月22日リリース)が発売される頃から「東京に行こうか」という流れにはなっていたように思います。
 
吉田:井上さんが一足早く東京に行って、僕らもこのメンバーでずっと一緒に続けたかったし、お世話になっている人や音楽仲間も東京にいるので、これは腹をくくってやるしかないな、と上京を決意しました。
 
井上:と言っても1ヶ月くらい(のタイムラグ)ですけどね。もちろん「一人で何かやったろう」と思って上京したわけじゃなくて、4人でやるつもりではいて、でも早く東京に行きたくて仕方がなかったんですよね。半ば強引に家を借りて3人の気持ちを東京に向けた、というところもなくはないですが(笑)
 

『合法的浮遊』は”言いたくても言えない心のさびしさ”に共感できる1枚
—このバンドで音楽をやっていく上で、特にこだわっていること、大切にしていることは何ですか?

 
井上:出来る限り素直に吐き出すことですね。曲を作るとき、歌うとき、また曲によってイメージしているものはその都度違うんですが、わたしの頭に浮かぶ風景や感情が出来るだけ伝わるように。特に、“さみしい”という感情についてのエネルギーがすごいと思います。
 

—「さびしさ」が曲作りの原動力になっているという…

 
井上:歌詞を書きためることができなくて。私はメロディも歌詞も同時に作るのですが、出てきた言葉からつなげていく 感じになるんですけど、頭の中でストーリーができているというわけではなくて、作りながら全体像ができがっていくという感じです。だから、「さびしい曲を作ろう」と思って作るわけではなくて、完成したら“さみしい”という感情がすごく出ている曲になった、という感じです。
 

—そうすると、バンドの曲は主に井上さんの作詞作曲同時進行で仕上がっていくものが多いということでしょうか。

 
井上:作詞は全て私が担当しています。みんなでセッションして、後から私が歌詞をつけることもあります。そういう時は、歌詞を作るのが難しくて何回も書き直します。
 

—「曲を作ろうと思って作る」というより、自分の内側から少しずつ生み出されていくものを形にしていく、という感じですね。

 
井上:そうですね。1個1個をつないでいく、みたいな感じです。今回のアルバムでは、2曲目「スケルトン志向」と5曲目「シンクロナイズ」は、みんなのセッションで音を作っていった曲です。
 

—どちらもピアノの疾走感が心地良い楽曲ですね。ではそのニューアルバム『合法的浮遊』についてお話を伺ってまいります。今作はどのように形作っていったのですか?

 
井上:アルバムに入れたい曲が幾つかできあがっていく中で、「浮遊」というワードが浮かびました。浮遊という言葉がイコール、現実逃避という感じでイメージしていて、日常生活で現実逃避したいと思うことはよくあるし、きっとみんなもよくあると思います。それと別で浮かんでいた「合法的~~」という言葉と結びつけたらインパクトがあって面白いなと思い、アルバムタイトルにしました。
 

—どことなくさびしさというか憂いを含んだワードが含まれていますね。この中で最初にできた曲はどれですか?

 
井上:3曲目「Music to my ears」は昔からやっていた曲です。その後、1曲目の「恋の罪」ができたときに何となくこういうアルバムにしたいという形が見えてきました。
 

—皆さんそれぞれ、全曲思い入れがあるとは思いますが、中でも思い入れの強い曲や、レコーディング時の印象的なエピソードなどを教えてください。

 
吉田:最初はリズム録りなのでドラムからレコーディングをするのですが、事前にプリプロを済ませた、ボーカルの仮歌やピアノを入れた音源をメトロノームと一緒に聴きながらレコーディングするんですけど…僕は彼女の歌声が好きで、仮歌が流れているとどんどんテンションが上がってくるんですよ!レコーディングだから冷静にならないといけないのにライブくらいのテンションになってきて、しまいにはレコーディングにならないのでボーカルを切ってくださいってお願いしました(笑)
 
中井:3曲目の「Music to my ears」はベースのフレーズにすごく悩んで…痩せるくらい悩みましたね(笑)。固定観念みたいなものもあって悩みましたが、プロデュースしてくださった村田有希生さん(my way my love)の助言も受けて、かっこいい曲になったと思います。(新たにアレンジしたバージョンは)まだライブでは披露していないので、今後演奏するのも楽しみです。
 
青木:その「Music to my ears」ですが、アレンジを変えてライブでやろうと思っても、なかなかしっくりくるものにならなくて、ずっとお蔵入りになっていた曲なんです。固定概念を崩すのが難しかったです。これまでも自分の中では自由にやっているつもりでしたが、今回のアルバム制作を通じて「もっとできるんやな」という感じが生まれたように思います。やったらあかんことなんかないんかな、って。
 

—と言うと?

 
青木:ギターのいないバンドなので、ギター特有の歪みみたいなものをベースが表現できたり、ピアノの音飾でもっとこだわれるものがあったり…今回のアルバム制作を通じて、このメンバーでできることがさらに掘り下げられたかなと思います。
 
井上:歌うのが大変だったのは6曲目「Cocoon」で、歌詞を作るのに最後まで悩みました。あとはボーナストラックの「私の男」は桜庭一樹さんの同名小説を読んで作ったのですが、異常なんじゃないか?と思うほど誰かを好きになったら、というのがこの曲のテーマです。案外自分と重なるところも多くて。残酷だけどピュアで、この曲は非合法ですね。この曲に対する思い入れはかなり強いです。
 

—本音としては思っているけど言えない…そんな瞬間は、井上さんの日常にもよく訪れるのでしょうか。

 
井上:普段の生活でも、曲を作っているからとかではなく、昔からそういう、本当に言いたいことは考え過ぎて言えないというか、結構どうでもいいことや言わんでもいいことを言ってしまうんですよね。考え過ぎて言うタイミングを逃すということはよくあります。
 

—それが創作に反映されている?

 
井上:そうですね。今作ではそれを存分に出したつもりです!
 

—そうした背景を知った上で作品を味わうと、改めてENTHRALLSの魅力に気づけます。伝えたいことを曲にする…とかとは違って、人が生きていて直面する、言いたくても言えないことや、言わなくていい余計なこと、本当は心の中にしまったまま、もしかしたらそのまま埋もれて消えてなくなってしまったかもしれない思いが、このアルバムには詰まっているのですね。

 
井上:周りの人が引いちゃったり、がっかりしちゃうような自分を認める時間があっても良いんじゃないかと思いました。せめて空想の中だけでもそれを許してあげたら、少し楽になったりするのかなって。
 

—それをそのままストレートに吐き出してしまうと、ともすると重く暗く、耳を塞ぎたくなるような表現になってしまいますが、ENTHRALLSの音楽はピアノが入っていることもあってか、曲によってしっとり聴かせるものもあれば、爽やかに突っ走っていくものもあり…最終的には明るさというか、単純な明るい/暗いではない、何か聴きやすさがあるのだと思います。

 
井上:ありがとうございます。
 

—2曲目「スケルトン志向」も、ライブではそれはそれはもう盛り上がるんだろうなと。

 
青木:この曲も、実はまだライブでやったことないんですよ。
 
井上:確かにスタジオでは結構自分たちでやっていて楽しい曲ですね。
 

—このインタビューの収録時点で既に2ndミニアルバム『合法的浮遊』が発売されて、各地のCDショップでのキャンペーンも精力的に行われているようですが、これまでのところ反響はどうですか?

 
井上:そうですね。Twitterでもみんな調べてくれているみたいです。
 
吉田:身内の話になってしまいますが、うちのオカンがめっちゃ応援してくれていて。今回のCDができたときに「とりあえず1曲目聴いてくれ。絶対好きやから」って送ったら、メールで「1曲目は神です」っていう返答が来ました(笑)
 
中井:地元・大阪に行った時はすごかったですね。難波TOWER RECORDSに行って、まず売り場で自分たちのCDを探したらほんのちょっとしか並んでいなくて。正直、もっと派手に平積みしてもらえると期待していたので「こんなちっちゃいスペースなのかぁ」って落胆したんです。で、お店の人に挨拶したら「実は思っていたより売れすぎていて、在庫がこれしかないんです」と。他にも、初めて行く土地でも「売れてますよー」と言ってくださっていて、嬉しかったですね。
 

ギターロックよりもっとエモく/どこかさびしい気持ちを持っている人に
—この一年を振り返ると、2枚のアルバム発売はもちろんですが、東名阪ツアーや、『FUJI ROCK FESTIVAL’13』、『SUMMER SONIC 2013』という日本を代表する屋外フェスへも出演されました。振り返って特にどのようなことが印象に残っていますか?

 
中井:そうですね…いっぱいありましたが、敢えて一つ挙げるならば、全国リリースをしたことですね。変なことできひんな、っていうのは思いました(笑)。大阪時代は(自分たちのファンは皆)ライブから入る人だけでしたが、CDリリースをしたことで初めて音源から入る人もいて、そういう人たちの前では半端なライブはできないな、と改めて思いました。
 

—自己分析すると、ENTHRALLSの持ち味、魅力はどこにあると考えますか?

 
青木:僕個人的な問題なんですけど、すごくギターに憧れを持ってまして。やっぱりギターロックバンドって華やかなイメージがあって、ピアノで対抗できるところとできないところがはっきりとあって…ギターでジャーンとやるだけで広がりが出ますよね。ピアノでジャーンとやるのとは差が激しくて、そういうところに負けないために…何て言うんですかね、熱量というか、そういうところで負けたらあかんな、とは意識しています。ギターロックバンドよりもっとエモくやっとんねん、っていうところを見てほしいですね。
 
吉田:僕らの音楽は夜家に帰って来てから寝るまでの間に聴いてほしいなって思います。人ってそういう時間帯に一番考え込むと思うので、その時間帯に聴いてもらえれば、自分の心の内にあるところから一瞬違う世界に行けるんじゃないかなと。今回のアルバムは、寝る前に全曲通して聴いてほしいですね。
 
井上:アルバムの話と重複してしまいますが、私たちの音楽はどこかさびしい気持ちを持っている人に絶対に引っかかると思っています。ライブでも、感情、エモーショナルな部分を言葉だけではなく伝えられるようにもっとなりたいなぁと思います。会社でも友達同士でも、人に言えないことや言いたくてもやもやしていること、人間関係のストレスは皆抱えていると思います。そういうものを、行き着くところまで行ききって楽になってほしいというか、自分の中だけでも解放してあげることが…スピリチュアル的なことを言うつもりはないのですが(笑)、そういう風に思っているのはあなただけじゃないよ、みんな綺麗ごとだけでなく悪いことも考えるよ、と。そういうことを、『合法的浮遊』を通じて体感してほしいです。
 

—最後に今後の展望、野望などお聞かせください。

 
青木:ロックバンドというところで、ピアノロックの存在感がまだまだ浸透していないように思います。ピアノでもっとできること、可能性を広げられたらと思います。
 
井上:いい作曲家になりたいです。明るい曲も作ってみたいし、今回のアルバムではこれでもかというくらい深い所まで落ちたので、次は上がってもいいかなと思っています。
 

—最近は若手のバンドでも、他のアーティストへ楽曲提供をする方も増えているように思います。今後誰かに楽曲提供する機会があるとしたら、どんな人に曲を書いてみたいですか?

 
井上:どんな人だろう…アイドルに曲を書いたら、自分の知らない一面が見られるかもしれないですね。
 
青木:あとは、祭りに出たいですね。
 
中井:祭り…フェスね!
 
吉田:FUJI ROCK FESTIVAL、昨年は「ROOKIE A GO-GO」 という新人枠で出させていただきましたが、その時のライブがすごく気持ち良くて!メインステージに立つという新しい目標が出来ました。

 

 
enthrall=心を奪うというバンド名の通り、終始笑いに包まれながらも折に触れてハッとさせられるような、心奪われるインタビューとなりました。劇場型ロックバンド・ENTHRALLS。見るものの心を奪い、堅苦しい日常生活から解放してくれるジェットコースターのような音楽が、スピーカーやヘッドホンを通じて広がっていきます。暖かすぎず冷たすぎず、ちょっぴりさびしさを含んだ親近感のある曲の世界観、そしてギターロックに真っ向から挑む流麗なピアノロックには、きっと虜になることでしょう。
 
4月には全国のライブハウス出演やCDショップでのインストアライブ、6月には大阪と東京で自主企画ライブを開催する彼ら。その生の音にも是非触れてみたいと思います。
 


 

◆2nd mini album『合法的浮遊』
ELEN-1002 / ¥1,524+税
<収録曲>
M01. 恋の罪
M02. スケルトン志向
M03. Music to my ears
M04. sugarspot
M05. シンクロナイズ
M06. Cocoon
M07. umber
ボーナストラック 私の男
◆ENTHRALLS 公式ホームページ
http://enthralls.info/
 
◆ライブインフォメーション
・2014年04月11日(金)【心斎橋】FAN J twice
・2014年04月12日(土)【難 波】TOWER RECORDS難波店
・2014年04月13日(日)【倉 敷】REDBOX
・2014年04月20日(日)【新 宿】diskunion dues新宿
・2014年04月27日(日)【渋 谷】チェルシーホテル

 
ENTHRALLS presents~非合法的略奪~
・2014年06月15日(日)【南堀江】knave
・2014年06月26日(木)【下北沢】SHELTER

 

 

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