演奏

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TEXT:岡本恵里 PHOTO:TAKASEA JAM COOOBIN


2014年3月19日に2ndミニアルバム『合法的浮遊』をリリースしたENTHRALLS(エンソロールズ)が、大阪、東京の2カ所にてイベントを敢行。BEEAST太鼓判シリーズ第28弾アーティストでもご紹介した彼らの圧巻の舞台の一部始終をお伝えすべく、今回は6月15日に大阪・南堀江knaveで開催された大阪公演のライブをレポートしたい。
 
開場前に会場入りさせて頂いた筆者は、幸運にもアーティストとスタッフの皆さんの顔合わせに参加させて頂いたのだが、その現場はその日の空気を象徴するかのようにあたたかくもハイテンションで、何が起こるのか予測不可能な高揚感に包まれていた。
 
開演までに所狭しとつめかけた観客たちにも、その空気は伝わったはずだ。今、「非合法的略奪」と題された不思議な夜の幕が開く…


 


ENTHRALLS/『BEEAST限定ライブ映像』 | Cocoon

 

  

 

まず登場したのは愛知出身のトリオバンドQaijff(クアイフ)。森彩乃(Vocal & Piano)の歌声は、第一声から会場をQaijffの世界観へと引っ張っていく美しさと力強さに満ちている。
 
1曲目「クロスハッチング」から畳み掛けるように2曲目、3曲目と観客をグイグイ引き込み、MCを挟んで3月12日にリリースした 1stフルアルバム『Qaijff』の要ともなる曲「ピラミッドを崩せ」へと続く。華奢な見た目からは想像もつかない表現力と迫力のあるステージングで、舞台から目が離せない。早くも時間の感覚がなくなっていく。
 
 

  

 

内田旭彦(Bass)、三輪幸宏(Drums)の安定感と叙情溢れるサウンドを武器に、歌はさらに力強さを増していく。言葉を大切に、繰り返し繰り返し紡いでいくQaijffの音楽は、中毒性をもって響いてくる。
 
6曲目「Clock hands」で会場と一体になると、ラストの「シーソー」で実力を存分に見せつけてトップバッターの役割をしっかりと果たした。
 
 

 

 

 

◆セットリスト
M01. クロスハッチング
M02. ニューワールド
M03. クライマックス
M04. ピラミッドを崩せ
M05. escapism
M06. Clock hands
M07. シーソー
 
◆Qaijff 公式サイト
http://www.qaijff.com/
 
 
 

◆インフォメーション
・2014年07月18日(金)【渋 谷】Milkyway
・2014年07月20日(日)【名古屋】CLUB UPSET
・2014年07月29日(火)【代官山】LOOP
・2014年07月30日(水)【神 戸】太陽と虎
・2014年08月02日(土)【福 岡】Spiral Factory
・2014年08月03日(日)【茨 城】国営ひたち海浜公園
 ※ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014への出演
・2014年08月29日(金)【名古屋】ちくさ座
 ※Qaijff presents “Non-fiction” vol.2 ~Circle on Circle~ (ワンマンライブ)
 
◆Qaijff 1stアルバム『Qaijff』
2014年3月12日~発売中

今回転換のDJを担当するのはENTHRALLS青木康介(Keyboard)と井上佳子(Vocal)ということで、DJブースからはセンスのいい音楽が観客を飽きさせることなく次のステージへとバトンを渡す。
 
開演前から既に一杯だった会場にはさらにどんどん人がどんどん増えていき、今回のイベントの注目度の高さを伺わせていた。

 

  

 

ひときわ大きな歓声を切り裂いて登場したのは、シノヤマコウセイ(Vocal & Guitar)、ハジオキクチ(Guitar)、フセタツアキ(Guitar)、スダユウキ(Bass)、イタバシヒロチカ(Drums)からなる5人組ロックバンド、Suck a Stew Dry
 
シノヤマコウセイの不思議な空気感が先ほどとはまた違った場所へ観客を持っていく。「遺失物取扱所」、「アイドントラブユー」、「カラフル」とキャッチーで気持ちのいい音楽を畳み掛け、MCに突入すると、シノヤマコウセイの少し力の抜けたMCで会場は笑いに包まれる。
 
 

  

 

Twitterやブログのチェックを欠かさないという彼は、フォロワーの歌として「二時二分」を披露し、続く新曲「僕らの自分戦争」でさらに盛り上がりを加速させていく。
 
ラストMC前には、今年のROCK IN JAPANに出演することを発表。会場が大いに沸く中最後に披露した「世界に一人ぼっち」は、その題名とは裏腹に大きな拡がりと前向きさを持った名曲。今後も彼らの動向から目が離せなくなる、魅力にあふれたステージだった。
 
 

  

 

 

◆セットリスト
M01. 遺失物取扱所
M02. アイドントラブユー
M03. カラフル
M04. 二時二分
M05. Normalism
M06. 僕らの自分戦争
M07. 世界に一人ぼっち
◆Suck a Stew Dry 公式サイト
http://suckastewdry.com
 
◆インフォメーション
・2014年07月19日(土)【渋 谷】Star lounge
・2014年07月20日(日)【渋 谷】Star lounge
・2014年08月02日(土)【名古屋】CLUB ROCK’N’ROLL
・2014年08月09日(土)【茨 城】国営ひたち海浜公園
 ※ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014への出演

 

   

 

ラストを飾るのは主催のENTHRALLS。満場の歓声に包まれた会場は、しかし1曲目の「スケルトン志向」が始まった途端、一瞬重力が変化したかのような「浮遊」感に襲われる。現実と数センチ切り離されたような、そのまま身を委ねたくなるような違和感にENTHRALLSの実力を見せつけられる。
 
井上佳子(Vocal)の驚異的ハイトーンボイス、胃を下から持ち上げられるような青木康介(Keyboard)の力強さと繊細さをもった鍵盤、中井傑(Bass)、吉田充利(Drums)のグルーブ感のあるサウンド。実際のリズムよりも心持ち早く心臓につきささる、迫力と熱量を持った”劇場型”ピアノロックは、観客を虜にして離さない。
 
 

 

 

自分の今いる場所が一瞬わからなくなるような、まさに短編小説を体感しているかのような非現実を突き付けながら、井上佳子の紡ぐ歌詞はあくまで自分と向き合い、現実を生きていくためのリアルな言葉だ。
 
演奏中の激しさとは対極的に、MCではとてもナチュラルに、柔らかい声音と言葉で話す井上佳子。その姿は、今さっきまで狂気ともいえる迫力で会場を席巻していたバンドのボーカルにはとても見えない。この二面性こそがこのバンドの魅力の神髄かもしれない。
 
 

  

 

「今日は”非合法的略奪”にこんなにたくさん集まってくれてありがとう!みなさんは、もうやめたいって思うような苦しい恋をしたことがありますか?」そんなMCに続いて演奏されたのは、『合法的浮遊』の1曲目に収録された「恋の罪」。
 
『合法的浮遊』に収録された曲を中心に構成されたステージは、圧倒的な演奏力で観客を魅了しながらも、決してその場にいるものを置いてきぼりにしない、包容力と優しさに満ちてもいる。この音楽的”ツンデレ”のバランスが絶妙で、ENTHRALLSのファンはもちろんのこと、このバンドを初めて観る人たちにも、必ずもう一度見たいと思わせる存在感を放っていた。
 
「運命っていうのは信じてないけど、今日偶然に皆さんに会えたことを嬉しく思います。さあ、大阪のみなさん盛り上がりましょー!!」中井傑の煽りに応え、ラストに向けて会場はおおいに盛り上がりをみせる。
 
 

   

 

鳴り止まないアンコールに応え再び登場したENTHRALLS。「今日出てくれたQaijff、ありがとう。Suck a Stew Dry、ありがとう。Suck a Stew Dryも新曲を持ってきてくれたけど、私たちもできたてホヤホヤの新曲を持ってきました!」という井上佳子のMCから披露された「TAMAYURA」(仮題)は、彼らの音楽に存分に振り回され、心地よい疲労感に酔いしれた観客に、優しくあたたかく響き渡る。
 
ラストは1stミニアルバムからの人気曲「元気でいてね」。何度も何度も「ありがとう」の言葉を繰り返すメンバーに、観客は大きな拍手で応えた。
 

◆セットリスト
M01. スケルトン志向
M02. シグナル
M03. Howl
M04. Music to my ears
M05. 恋の罪
M06. シンクロナイズ
M07. Cocoon
-encore-
E01. TAMAYURA(仮)
E02. 元気でいてね
 
 
◆ENTHRALLS 公式サイト
http://enthralls.info/
◆インフォメーション
・2014年07月13日(日)【名古屋】CLUB ROCK’N’ROLL
・2014年07月18日(金)【渋 谷】Milkyway
・2014年07月20日(日)【松 本】ALECX
・2014年07月26日(土)【広 島】タワーレコード広島店
・2014年07月27日(日)【広 島】banquet
・2014年08月01日(金)【名古屋】CLUB ROCK’N’ROLL
・2014年08月02日(土)【香 川】TOONICE
・2014年08月08日(金)【大 阪】Pangea
・2014年08月09日(土)【長 野】LIVE HOUSE J
・2014年08月10日(日)【倉 敷】RED BOX
・2014年08月27日(水)【渋 谷】チェルシーホテル
・2014年09月04日(水)【新代田】FEVER
・2014年09月14日(日)【古 河】SPIDER
 
◆会場限定シングルリリース記念
ENTHRALLS スタジオワンマン -近接攻撃-

・2014年09月07日(日)【大 阪】studio 246大阪 十三店
・2014年09月12日(金)【名古屋】studio 246名古屋 東山店
・2014年09月17日(水)【新 宿】dues 新宿


鳴り止まない拍手と歓声に見守られ、大盛況の「非合法的略奪」は幕を閉じた。
 
最後には足の踏み場もなくなるくらいに詰めかけた観客の笑顔に、本日の出演者の実力とこれからへの期待を感じさせる夜だった。


 

 
◆1st mini album『PASSAGE』
2013年5月22日~発売中
¥1,500(tax in) | ELEN-1001
 
◆2nd mini album『合法的浮遊』
2014年3月19日~発売中
¥1,600(tax in) | ELEN-1002
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