演奏

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TEXT:八神灰児 PHOTO:TAKASEA JAM COOOBIN

2014年4月4日!待ちに待った結成30周年のアニバーサリーを担った復活ツアー「30th NIGHT STAND」が大阪は梅田に新生したCLUB QUATTROでの開演を迎える。随分と早めに現場入りした為、リハーサルなども取材させて頂きながらに開場を待つ。程なくして会場へのエレベーター前まで降りてみると既にCLUB QUATTRO前にはこの日を待ちわびた大勢のファンの姿を確認出来た。それもそのはず、本公演はそりゃもう完全なソールドアウトなのだから!そしてその中には知った顔も多数伺うことが出来、すごく嬉しい気持ちになれた。何故か?なのは関係ない話なのでここに多くを語らないが、現在精力的にZIGGY公認のCOVER BANDなんぞをやらせて貰っている筆者としては、リアルタイムに初期から聴いてきたであろう生粋のファンのみならず、俺達みたいなCOVER BANDから知ってくれたかもしれない若い世代に、ZIGGYが打ち立ててきたロックサウンドが受け継がれ憧れてくれていることが、ただただ嬉しくてたまらないという気持ちだ。さて話を本題に戻そう。
 
ZIGGY今回のツアーのメンバーは、森重樹一(Vocal:以下森重)・戸城憲夫(Bass:以下戸城) 。そしてサポートメンバーには金川卓矢(Drums:以下カネタク)と2010年時のZIGGY限定復活並びに森重のソロ活動にも馴染みの深い、元BEAT CRUSADERSカトウタロウ(Guitar:以下タロウ)が参加し、更に佐藤達也(Keyboards:以下佐藤)を加えた重厚な編成だ。前回の2010年ツアーにも増してオリジナルメンバーでの編成を望む声は容易に想像できる範囲だが、諸事情は各メンバーからのブログ等により知る人も少なくないだろう。ツアースタート前は色々と意見も出ていたと思うが、今回の布陣を決断したのも、またメンバーである。かねてから森重は、常に最高のZIGGYをやりたいと話しているが、「30th NIGHT STAND」では、どのように魅せてくれるのだろうか。今ここに走り出したZIGGYが明示するロックンロール、そして姿こそが、あらゆる物議を凌駕し勝っていると筆者には思える。長い歳月を各メンバーがそれぞれの活動の中で育ててきたものが、今またZIGGYで爆発する!その期待に勝るものはこの会場にもツアー全公演のどこにもある筈はないのだから。
 
◆メンバー:
森重樹一(Vocal)、戸城憲夫(Bass)、金川卓矢(Support Drums)、カトウタロウ(Support Guitar)、佐藤達也(Support Keyboards)

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開場とともに我先にと溢れかえるフロア。あっという間にエントランスは通り抜けオーディエンスは今か今かと会場の温度を高めていく。それぞれがZIGGYへの思いを確認しあう最中、いよいよ客電が落ちDavid Bowieの「1984」が流れ出す。たっぷりとフルコーラスは流れようかと焦らした時!オーディエンスの手拍子に導かれ、メンバーがステージへと登場する。タロウ佐藤カネタクの登場を経て森重&戸城の黄金のツートップがステージに登場すると割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こる!それぞれに愛機を担ぎ握り、スタンバイが完了すると戸城が告げる。「東京からやって参りました!ロックンロールを演奏する為に!ZIGGYで~す !!今夜もヤっちゃうよ~!」笑顔の森重も「ヤっちゃうよ~(笑)!」と続き!「ほんまですか~?(笑)」と戸城がおどけてみせる。
 
今から始まるロックンロールショーへの期待が大歓声となって客席からステージへと返される!「今夜もねタロウさん!いつもの刺すギター、ひとつ宜しくお願いしやす(笑)。」と、振りを入れると「かしこまりやした~(笑)!」と応えると共に、ZIGGYの代表曲「La Vie en Rose」のイントロが鳴り響く!!オーディエンスも初っ端から拳を上げ!歌い!盛り上がる!ついに30年という長い歳月を経て、より洗練され熟成されたZIGGYというサウンドが織りなすロックンロールショーが一夜限りの大阪をシェイクする!
 
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オープニングからイケイケの会場を森重が更にそのボルテージを高める!「グッドイヴニング!オーサカ!!ウィーアー!ZIGGY!フロムトキオー!」との煽りから「ワン!ツー!ワン!ツー!サン!シー!」とオーディエンスとも息のあった掛け合いより放たれるのは「FEELIN’ SATISFIED」。続く「WHISKY R&R AND WOMEN」では森重自身の高まりとも衝動とも言える猛々しさでオーディエンスを躍動させる!「聞こえねーっつてんだろ!大阪!」と何度も何度も声を荒げ会場からの歌声を欲っし!口に含んだ水を森重シャワーとでも言わんばかりに客席へ吹きつけるその姿はどこをどう切り取ってもロックンロールスターと言わせざるを得ない迫力に満ち!最近のソロライヴでは見る事の無くなった険しい表情がその咆哮と共に無視することのできない緊張感を演出する!
 
スリリングな仕上がりをみせる会場に狙いを定めたかの様に畳み込む「EASTSIDE WESTSIDE」では客席のボルテージに呼応するかのようにステージ上の佐藤も恒例のピコピコハンマーを振り回し、いわゆる無双とも形容すべき演奏スタイル!また曲途中にMotley Crueの「Live Wire」を挿入してくる仕様でこれまた身震いさせてくれる!「オーライ!エビバーデー!」と繰り返す森重と共に更なる興奮を求め戸城がベースでイントロを鳴らしだす次曲はThe DUST’N’BONEZの「SILENT SCREAM」!言わずと知れた森重戸城の黄金タッグによりその活動を極めたロックバンドからの一曲だ!今回のツアーではある種ZIGGYの系譜ともいうべき選曲が散りばめられている。彼らが時に河岸を違えながらも高め合ってきたの30年と言う歳月を今に体現するにあって、そういった選曲は必然であると思うし、ファンの一人してもすごく嬉しい事に思えた。野暮なことは言いっこなしにこの夜を楽しみ抜こうぜって心意気!誰が発し提案しなんて関係ない!ZIGGYを愛し二人を愛したどいつもが楽しめれば能書なんていらねーんだ!って威勢がきっと込められていたに違いないと!
 
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冒頭の戸城をリフレインするかの様に森重から「東京から来ましたZIGGYです!ロックンロールを演ります!…って、次はバラードでした!すいません(笑)スローナンバーを1曲聞いて下さい」と始まった「JUST ANOTHER DAY」。森重がやわらにGuitarを抱え構え続いて届けられたのはファンの間でも人気の高いポップチューン。「STAY GOLD」ではタロウのハイトーン冴えるコーラスと客席からの大合唱に対して森重によるオブリ的な掛け合いを持って会場が更にひとつとなる。一体感に恍惚とする客席に向けて「アーユーレディ?ユーアーレディ?フォア ロックンロール…紹介するぜ!紹介させて貰うぜ!ベースギターは…戸城憲夫!!」との紹介で戸城がビリビリと跳ねるビートを叩きこんでくる「光と影」!より間髪いれずに繋がるは「TOKYO CITY NIGHT」とこれまた人気の高いナンバーに会場中はもうずっと拳上げっぱなしで盛り上がるしか手立てがなかった!
 
佐楽曲後半の「ラララ」のフレーズではずっと客席からの大合唱が止まらない「6月はRAINY BLUES」はエンディングでの佐藤のピアノフレーズが誰を裏切る事なく素晴らしく「サンキュー!佐藤達也!」と森重が称える。そして今回のツアーに先立ち発表がなされ、会場限定販売としてリリースが叶えられたマキシシングルより、ZIGGY名義としては実に2003年発表の「My love」以来11年ぶりとなる新たなる楽曲「逆説のファンタジア」&「逃避行」が届けられる!さほど予習の期間は決して多くはなかった筈にも関わらず、客席とのコール&レスポンスを叶えたCase of ZIGGYなロックンロールショーは続いて行く!
 
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森重の生着替えが鍛えられた上半身の披露と共にステージ上で繰り広げられる中、振り返ってみれば本編の楽曲数的折り返し地点だったかもなタイミングで贈られたのは「後ろー!!」と戸城が煽り「ちょっとぶちかましてやろうぜ!タロウ!」と鳴り響く耳慣れたギターフレーズに血が沸き立つ「I’M GETTIN’ BLUE」!イントロのアクセントに合わせたオイッ!オイッ!と拳の上がる光景はまさに圧巻だ!マイクを向けられれば会場中の誰もが大合唱した事は改めて書くまでもない既成事実だろう。そして「蒼ざめた夜~Too Fast to Live Too Young」が終わる頃。戸城より「若いの紹介させて貰うぜよ!マインド童貞(笑) 金川卓矢!」と本ツアーで初のサポートを務めるカネタクが紹介される。「年配の皆さんを驚かしてやってくれ!」と嗾けられるような演出で若きドラムヒーローのソロパートがスタートする!
 
舞台に再び帰ってくると共に「BE YOURSELF」!続く「HOT LIPS」とここからの後半戦はまさにノンストップの勢いで楽曲が届けられる!The DUST’N’BONEZからの次なる一曲「CONFUSION~失意の空 混乱の海~」でフロア中の頭を振らせたなら、筆者が最も好きなロックナンバー「マケイヌ」へと続く!前回の2010年ツアーでは生で聞かせて貰えず密かに悶絶していた頃を思い出したりしながらも「MAKE IT LOUD」ではそのブルージーなリズムとニュアンスに心と体を預けてみる。
 
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「I’M JUST A ROCK’N ROLLER」では戸城がステージ中央のお立ち台に上がりホイッスルを使ってオーディエンスを煽ってみせる。そしてこれも生で聞きたかったカネタクの若さ溢れる意気の良いツーバスから始まる「928」とまさに怒涛の疾風迅雷の勢いで珠玉のナンバーが織りなされる!本公演において3曲目のThe DUST’N’BONEZナンバー「ROCK’N’ROLL CIRCUS」は先曲同様に戸城がしかとベースでボトムを支えながらもコーラスをバッチリ決めてくるよな上機嫌!このゾーンは演者もオーディエンスも突き抜けっぱなしのアクセル全開!まさにフルスロットルでコーナーに挑む度胸試しにも似たような時間だった!
 
「BURNIN’ LOVE」はきっとオーディエンスの大半が楽曲に持つ先入観とは裏腹に、いつも以上によりラウドなテイストで届けられた。まさに燃え上がるような歌声は3時間にも及ぶライブ構成にあって、敢えてこのタイミングに選曲する森重なりの挑戦でありメッセージであったかの様に思うのは、考えすぎだと笑われてしまうのかも知れないが筆者なりの見解だ。歌いあげたその終焉には会場からも惜しみない拍手が贈られた。ダーティーな響きが不思議と癖になる「暗流」。曲間には佐藤の奏でるロックンロールピアノなフレーズと森重の歌声との絡みに何とも言えない味わいがある。そして筆者の周囲にも好きな楽曲としてよく聞き及ぶ「GUILTY VANITY」。このキャッチーさもZIGGYの間違いのない魅力の原材料だ!そんな彼らの金字塔!最大のヒット曲ともいうべき「GLORIA」は、会場中に集った老若男女の全てが、その拳を誇り高く突き上げ!声高らかにそのメロディーを謳歌する!そしてまた代表曲である「DON’T STOP BELIEVING」を持ってノンストップに駆け抜けた本編を終了する彼らの姿には、自らのロックンロールを信じ続ける者達だけが放つオーラを纏い、舞台袖にハケるのを待たずして始まるアンコールを背に彼等は舞台を後にした。
 
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鳴り止まぬアンコールにラフなスタイルに着替え舞台に帰り立つZIGGY。ここからはアコースティックな雰囲気に一転しまだまだ眠らない夜は続く。レア曲ともいうべき「星のない子供達」を今また伸びやかな声で高らかに歌い上げた森重が「俺ちょっと喋りたくなっちゃったな」と語り始める。時にシニカルに、時に歯に噛んだ様な笑みを称え森重はMCを続ける。
 
そして再び森重がGuitarを抱き珠玉のナンバー「午前0時のMERRY-GO-ROUND」が弾語り宜しくに届けられそして「CLOSE YOUR EYES」をラストソングにファーストアンコールを終えるも、鳴りやまない拍手と声援に今また彼らはステージへと踊り出る!セカンドアンコールはZIGGY初のベストアルバム「ORDER-MADE -15 NUMBER SELECTION-」にも収録されている代表曲の数々を余すところなく披露し、今また会場を興奮の坩堝へと誘い大団円のうちに、その全てのプログラムを渾身なる想いと技量と魂と共に届けてくれたZIGGY
 
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こうして全35曲、3時間にも亘って大阪は梅田CLUB QUATTROを揺らし続けた!期間限定と自らも舞台より重ねて語ったZIGGYの「30th NIGHT STAND」大阪公演が終了した。
 
戸城タロウカネタク佐藤とメンバーが全ての演奏を終えバックステージへとハケて行く中、一人ステージにと残り続け森重は、一夜限りの大阪ワンナイトスタンドに、そのオーディエンスに向かい感謝の言葉と共に深々と頭を垂れその礼を尽くし、ステージを後にした。
 
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おいちゃんこと戸城が後日ブログでこう語っていた「こんな機会がなけりゃ昔の自分の曲を演奏することもないだろうから、磨いて輝きをとりもどして演奏できる喜びで、おかげさんで会場に来てくれる人も喜んでくれているみたいで、曲が愛されていてくれてるだけで感無量でやんす。バンドの名前ではなく曲が愛されることが幸せざんす。」と。
 
こうした談話を様々に推し量り想像力を駆使してみるとするならば、森重戸城を始めとしZIGGYというキャリアは在籍するもしくは在籍してきたメンバーにとって、既にオーディエンス目線で言うところの“看板”みたいな意味合いではとうにないのかも知れない。それでもまたこの興奮を例えまた一夜限りでもと願うのはZIGGYという看板が追いかけ続け応援し続けるファンのモノでもあるからに違いない筈と思わずにはいられないのも正直な結論だ。
 
ツアー前半で森重が語っていたと聞く「今回は50(歳)のZIGGYだけど、60(歳)のZIGGYもやろうか?」の言葉を信じたい。本ツアーにてリリースされた新曲達も、オーディエンスの反応でブラッシュアップされるだろう。これ程までに内容の濃い長丁場のライヴを実践することが出来得る稀有にして最高な「それゆけ! R&R BAND」の再動を、何処かで心待ちにしながらも、メンバー各位の活躍を応援し続けたい、そんな気持ちだ。ZIGGYの提示し続けるロックンロールファンの一員として「DON’T STOP BELIEVING」!筆者自身も信じて待ち続けたいと思う。
 
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◆セットリスト
M01. La Vie en Rose
M02. FEELIN’ SATISFIED
M03. WHISKY R&R AND WOMEN
M04. EASTSIDE WESTSIDE
M05. SILENT SCREAM (The DUST’N’BONEZ)
M06. JUST ANOTHER DAY
M07. STAY GOLD
M08. 光と影
M09. TOKYO CITY NIGHT
M10. 6月はRAINY BLUES
M11. 逆説のファンタジア
M12. 逃避行
M13. I’M GETTIN’ BLUE
M14. 蒼ざめた夜~Too Fast to Live Too Young
M15. BE YOURSELF
M16. HOT LIPS
M17. CONFUSION~失意の空 混乱の海~(The DUST’N’BONEZ)
M18. マケイヌ
M19. MAKE IT LOUD
M20. I’M JUST A ROCK’N ROLLER
M21. 928
M22. ROCK’N’ROLL CIRCUS(The DUST’N’BONEZ)
M23. BURNIN’ LOVE
M24. 暗流
M25. GUILTY VANITY
M26. GLORIA
M27. DON’T STOP BELIEVING
-encore1-
M28. 星のない子供達
M29. 訪ずれる夜だけに
M30. 午前0時のMERRY-GO-ROUND
M31. CLOSE YOUR EYES
-encore2-
M32. BONE TO BE FREE
M33. HOW
M34. SING MY SONG
M35. ONE NIGHT STAND
◆ZIGGY 公式サイト
http://ziggy1984.com/
 
◆ZIGGY インフォメーション
「a-nation island powered by inゼリー」
8/16(土)「a-nation island powered by inゼリー THE FIRE LEGEND 2014」出演決定!!
 
日程:2014/8/16(土)
開場15:00 / 開演16:00
会場:東京・国立代々木競技場第一体育館
出演アーティスト:相川七瀬/ZIGGY/ DEEN/ PERSONZ/LINDBERG and more…※50音順
MC:山本シュウ松本ともこ
 
■チケット料金
・一般指定席/¥7,800(税込)
・ファミリーシート(着席指定席)/¥7,800(税込)
 
~ファミリーシートとは~
小さなお子様や、ご年配のお客様が、ライブを着席してご覧になりたいという皆様の為にご用意させて頂く、「着席指定」でのお席になります。
※ライブ中は必ず着席して頂きます様、お願い致します。
※ステージからの近さを保証する座席ではございません。
※ご家族連れでなくても、「着席指定」をご希望のお客様は、「ファミリーシート」にお申し込みいただけます。
 
※a-nation island 入場料込み
※3歳以上有料
※お一人様1公演につき4枚までお申込可能です。
※出演者変更に伴うチケット代金の払い戻しは出来かねますので、予めご了承下さい。
※開場/開演時間は変更になる可能性があります。
※抽選制での受付となります。先着順ではございませんので受付期間中にお申込みください。
 
a-nationオフィシャルサイトはこちら→URL:http://a-nation.net/
【公演に関するお問合せ】
a-nation island 公演事務局:0180-993-223
(※24時間テープ対応/一部携帯・PHS使用不可/IP電話使用不可)

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