演奏

ZIGGY TOUR 2010 大阪

TEXT & PHOTO :八神灰児

街はすっかりクリスマスの飾りつけをまとい始めた2010年12月11日、待ちに待ったZIGGY復活ツアーが大阪BIG CATに降り立った。随分と早めに現場入りしたにも関わらず、すでにBIG CAT前にはこの日を待ちわびたファンの姿を確認できる。そしてその中には知った顔も多数うかがうことができる。何故だかすごく嬉しい。関係ない話なのでここに多くを語らないが、スタッフヴォイスにも書いた通り、俺はZIGGYのCOVER BANDをやっている。リアルタイムに初期ZIGGYから聴いてきたであろうファンはもちろん、俺達みたいなCOVER BANDから、ZIGGYを知ってくれたかもしれない若い世代の姿も多い。こうしてZIGGYが受け継がれ、憧れてくれていることが、ただただ嬉しくてたまらない。

今回のツアーという意味では、BEEASTでレポート済みの赤坂BLITZと重複する部分があると思うが、ご了承願いたい。今回のツアーのメンバーは森重樹一(Vocal:以下森重)・戸城憲夫(Bass:以下戸城) ・宮脇”JOE”知史(Drums:以下JOE)。そしてサポートで元BEAT CRUSADERSTARO(Guitar)が参加。「オリジナルメンバーで!」って声は、容易に想像できる範囲だが、かつて森重が話していた通り、「今に考えうる最高のZIGGYがやれるメンバー」ということで、期待の方が勝っている。10年にも及ぶ歳月を各メンバーがそれぞれの活動の中で育ててきたものが今またZIGGYで爆発する!その期待に勝るものは、この会場にもツアー全公演のどこにもあるはずはないのだから。

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開場とともに我先にと溢れかえるフロア。あっという間にエントランスを通り抜け、オーディエンスは今か今かと会場の温度を高めていく。それぞれがZIGGYへの思いを確認しあう最中、いよいよ客電が落ちDavid Bowieの「Ziggy Stardust」が流れ出す。たっぷりとフルコーラスは流れようかと焦らした刹那!メンバーがステージに登場する。背中越しに登場したする彼らが振り返るとそれは、BEAT CRUSADERSを彷彿とさせる似顔絵の面を装着していた!!会場から拍手と歓声があがり、戸城JOEはその声援に答えるかのように高々と手を上げ、そしてオーディエンスをあおる!

似顔絵を次々と客席に投げ込み、森重が「Ladys and Gentleman」「Fuck’in crazy rock’n’roll show!」「Are you ready?」「We came from TOKYO JAPAN. ZIGGY!!!!!」と煽りをかまして、ついに約10年という長い歳月を経てZIGGYが!そのサウンドが!大阪を染める!オープニングは森重戸城JOEら3人の代表曲でもある「STEP BY STEP」。イントロが鳴り出した時の会場のどよめきと歓声といったら筆舌に尽くしがたい迫力だった!客席が…いや!大阪がこれほどにZIGGYを待ちわびていたんだ!と、ファンの一人でもある俺自身をも介して初っ端から感動で肌が沸き立つ。

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「光と影」が終わる頃、会場から「おかえりー!!!」の声が。すかさず森重が「正式にはおかえりーじゃないんだけどね」っと突っ込みが!?多くを語ることなくその真意はサウンドで伝えるとばかりに続く「SING MY SONG」、「WASTED YOUTH」、「LAZY BEAT」はまさに怒涛の選曲だった。中でもよりハードにアレンジアップされていた「SING MY SONG」が印象的で、言わずと知れた“流麗なメロディー”が生み出すスケール感はそのままに、JOEのツーバスを軸とした激しいビートに特盛りのボディーブローを喰らわせてくれる戸城のベース。顔で弾いてるんじゃないかってくらい表情豊かなTAROのギターに茶目っけたっぷりに絡みつつ、オーディエンスに向かって隠してた宝物を見つけたような笑顔でマイクを向ける森重の姿。

バラードでしたよね?と思わせるほど、タイトル通り熱い「BURNIN’ LOVE」では、これでもか!ってくらいにオーディエンスからの大合唱。イントロはもちろんのこと曲としての全体像や雰囲気さえゴリっと男臭い印象へとブラッシュアップされた「SWEET SURRENDER」へと続く中盤戦は、ZIGGYファンには怒涛で必涎のセットリストで、たたみ掛ける演出が最高。一緒に歌えない奴など、誰一人たりともいないであろう会場は、最高の熱気に包まれ、盛り上がり方も半端じゃない!

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ここだけの話…時として取材陣のみ事前に当日のセットリストを知り得てたりするのですが、ステージ上では森重戸城がひそひそっと耳打ち。取材陣にとってサプライズな一曲となったのが「Silent Eveを待ちながら」これには歓喜!個人的に実は一番聴きたかった曲。そしてここからは時代を駆け抜けた名盤シングルのラッシュ!ラッシュ!ラッシュ!俺もこっそり歌ってましたが…そこは取材中なので、かなり自粛。俺も客席で一緒に思い切り歌って、一緒に飛び跳ねたい!目の前にいる大阪オーディエンスが本当に羨ましい!

割れんばかりの歓声を抱いたままライブも終盤。かつて発表された自伝的著書。そこに書かれた出自に感銘をうけた「Guilty Vanity」が奏でられる頃には、取材も忘れて男泣きすらしていた俺。本編終演後も鳴り止まないアンコールの中、最後はやっぱり「La Vie en Rose」。客席ではもう至る所で笑顔でみんながもみくちゃ!ステージ照明が落ち客電がついても、なおどよめきと歓声が鳴り止むことのない大阪BIG CAT。響宴はこうして幕を閉じ、感動の余韻にひたる時間が訪れる。

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第○期などと称されることもあるZIGGY。これまでの足跡はあるけれど、どういった経緯で、はたまたどの様な形で甦ろうとも、それは昨今よく目や耳にする本人や他のアーティストのリスペクトによるカヴァーみたいなものでは決してなく、自らにも問い続ける進化し続ける生きたサウンドという印象のライブ。ZIGGYというスタイル以外で得てきた全てを、森重戸城JOEらがアレンジし、ライブ本編に余すところなく叩きこんでくれた。

“復活”なんて言葉では、何かが足りないように感じた最高の一夜。俺は、こんなにもすごい彼らの世界観をお借りして、今も昔も音楽やらせてもらってきたんだな、と改めて背筋がシャンと伸びるような気持ちになった。もちろん会場にいたファンも、それぞれが何かしらを胸に抱いたはずだ。全員に共通するのは、これからのZIGGYをもっともっと体感したい!ということだろう。立ち止まることのない彼らへのアンコールは今でも俺の脳内で今もずっと鳴り止まないまま。無駄なMCなど微塵もない最高のロックンロールステージを、ほんまおーきに!!

アンコールを終え、ステージを去る森重が最後に言い放った「また会おうぜ!」…期待しないわけにはいかない!大阪で、ずっとずっと待ち続けるぜ!

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◆ZIGGY 公式サイト
http://www.ziggy-gokuraku.com
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◆セットリスト
M01. STEP BY STEP
M02. 月が昇頃には
M03. 光と影
M04. SING MY SONG
M05. MAKE IT LOUD
M06. LAZY BEAT
M07. BURNIN’ LOVE
M08. SWEET SURRENDER
M09. FEELIN’ SATISFIED
M10. EASTSIDE WESTSIDE
M11. I’M GETTIN’ BLUE
M12. Silent Eveを待ちながら
M13. Jealousy ~ジェラシー~
M14. STAY GOLD
M15. GLORIA
M16. 12月の風になりたい
M17. HOW
M18. CRISIS
M19. 午前0時のMERRY-GO-ROUND
M20. 暗流
M21. Guilty Vanity
M22. DON’T STOP BELIEVING
-encore-
M23. I CAN’T STOP DANCIN
M24. La Vie en Rose