特集

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TEXT:菅野美咲 PHOTO:N-yukano

デザインフェスタ。すべての「表現したい」を応援します、をスローガンに東京ビッグサイトにて開催され、今回で36回目を迎えた歴史あるアートイベントである。プロ、アマチュア問わず出展が可能だが、年々注目度は上昇し、出展はキャンセル待ちになるほど関心の高い、年に2回のお祭りだ。
 
会場内のエリアは大きく分けて8つ。食事が楽しめるレストランエリア、現在進行形で絵を描くライブペイントエリア、誰でも気軽に作品づくりが体験できるワークショップエリア、照明を落とし、暗さを生かした作品が並ぶ暗いエリア、迫力満点のライブが繰り広げられるライブステージ、巨大スクリーンで映像が楽しめるシアタースペース、ダンスやファッションショーで会場を盛り上げるショースペース、そして3000ものアーティストが展示、販売を行うブースエリア。
 
とても1日では回りきれないエリアの中で、お気に入りと出会うのはまさに運命。そんな星の数ほどのブースの中で、今回は私たちBEEASTガールズスタッフ2名の目線で、運命的に出会った「かわいい!」を紹介していきたい。
 

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Inch”
http://www.inchinch.jp/
 

真っ白のボードに規則的に整列した「Inch”」という文字は画びょうで表現されていた。
白、グレーを基調としたシンプルなディスプレイが遺跡のようで神秘的な印象だ。
 
「デザインフェスタには5回目の出展です。準備は全部1人で。制作にはだいたい1~2日かかるんですけど、
 物によっては3時間とかでできちゃいます。」

 
どの作品も非常に細やかで、カラーバリエーションが豊富なドクロのピアスが愛らしい。
 
「ライブに参加する用としても作っていて、バングルはモッシュしても大丈夫なようにしてます。」
 
激しいライブでもかわいらしく、ピースに皆が楽しめるように、とビーズや布といった
柔らかな素材で作られている。制作者の気づかいとロック愛で溢れた作品である。

 
 



 
たべもの展 しおかわみき スノウアヤノ
http://detch.jp/
 

多摩美術大学2年生の合同出展で、デザインフェスタは今回が初めてという2人。
ポストカードやアクセサリーが「遊べる本屋」として話題のヴィレッジヴァンガード風にディスプレイされており、
より楽しみながら作品を拝見することができた。
 
「制作には結構時間がかかりました。金属を中心に制作をしているんですけど、
 自分が金属アレルギーなんです。だからアレルギーフリーのピアスがあればいいなと思って、
 ピアスには金属は使っていません。」
 
「女の子向けに制作していて、ポストカードはずっと書き溜めたり、撮り溜めたりしていました。」

 
おしゃれのための我慢など必要ないのだ。きれいになりたい、でもケーキも食べたい、
そんな欲張りな女の子の味方のような作品であった。

 
 



 
GOREGRO×Gologhta(ゴルゴダ)
 

ピンクできらきら、が「かわいい」の定義とは限らない。
2つのブランド名を合わせた「ゴルゴダ」ではハードな意志を持った「かわいい」に出会った。
 
目玉をモチーフにピアスやレザーアイテムを展開しており、まるでメタル音楽が具現化されたようだ。
 
「制作時間はモノによります。大変だったのはミシンの細かい所とか、
 目の開き具合とか。いい感じにならないと眠たい目になってしまうので。」

 
3人ともよく聴く音楽はアメリカのハードメタルスター、Rob Zombie
Cradle Of Filthといったメタル。そんなメタルパワーが引き寄せたのか、
Rob Zombieとジョイントツアーを行ったMarilyn Mansonのポスターを発見。

 
 



 
STRANGE FREAK DESIGNS
http://www.stfreak.com/
 

「自分が欲しかったから始めました。それでこれで食っていけたらなと。
 でもデザインフェスタはプロモーションが目的で、もっと名前を知ってもらえればと思っています。」

 
刺激的でクールな印象。デザインフェスタ以外のアートイベントにも積極的に参加しており、
既に国内17カ所、インターネットでも販売し、ファンも多いという。
さらに海外販売も展開しており、なんとMarilyn Mansonも愛用しているそうだ。
 
「よく聴く音楽は洋楽だとLINKIN PARKとか。Marilyn Mansonはもちろんです。
 邦楽だとロック系でACIDMANとかELLEGARDENthe HIATUS雅-MIYAVI-
 The Birthdayとかよく聴きます。」

 
制作にあたって大変なのは集中力が続かない時や、何かに追われながら作っている時だという。
 
「それでも、やるしかないんですよね」

 
 



 
onigiri
 

次に出会ったのはアメコミのような個性的な「かわいい」はデザイン専門学生4名によるもの。
今回が初めてのデザインフェスタで、メンバーの1人は台湾出身というグローバルなブースである。
 
「色の組み合わせ方に苦労しました。エレクトロをよく聴くんですけど、結構音楽から
 インスピレーションをもらっています。アーティストでいうとPerfumeRadioheadミドリとかです。」

 
刺激的なかわいさでクールな印象のこちらでは、デザインフェスタ以外のアートイベントにも積極的に参加しており、
既に国内17カ所、インターネットでも販売し、ファンも多いという。さらに海外販売も展開しており、
なんとMarilyn Mansonも愛用しているそうだ。
 
「よく聴く音楽は洋楽だとLINKIN PARKとか。Marilyn Mansonはもちろんです。
 邦楽だとロック系でACIDMANとかELLEGARDENthe HIATUS雅-MIYAVI-
 The Birthdayとかよく聴きます。」

 
アメコミチックなバッグ、服、小物といった雑貨は、ライブや野外フェスなどにもぴったり。

 
 



 
もいもい!
 

ブース名から「かわいい」が満載。何かしたいという気持ちをデザインフェスタにぶつけた文化学園大学の2年生。
 
「制作は8月1日から始めました。おばけの人形は10体あったんですけどおかげさまで
 残り2体になってしまって。結構幅広い世代の方が見に来てくれて、
 さっきも子どもがこれ(おばけの人形)ほしいほしいってダダこねてくれました(笑)
 結局お母さんが買ってくれて、嬉しかったです。」

 
世代、性別を選ばない雑貨から乙女心どんぴしゃのポストカードなど、
十人十色な個性をまとめる芯は「何かをしたい」という熱意。
 
「何かをしたい、何がだせるか、っていうのをまず考えて、それからこのメンバーに声をかけました。
 よく聴く音楽はサカナクションとか…私はアイドルとか聴かないんですけど、
 メンバーの中にはAKB48とか好きな子いますね。全く逆です(笑)」

 
 



 
タテガミ楽団
 

動物をモチーフにハードロックなデザインから、ソフトでかわいらしいデザインまで、
数えきれない種類のステッカーとポストカードがずらりと並ぶ。
 
「出展は4回目~5回目くらいです。作品はデザインフェスタが開催される半年の間で作りためています。
 作業の際は基本的に無音で作業していて、音楽はリフレッシュする時に聴いています。
 LINKIN PARKとかSlipknotが好きです。」

 
30種類以上あるステッカーはキャラクターの表情やポーズも様々で、どれにしようか迷ってしまう。
気に入った作品を全て購入するのも、迷いに迷って1つのお気に入りを見つけるのも、
デザインフェスタならではの贅沢である。

 
 



 
Design Matchbox
 

「普段はサラリーマンで営業をしています。なので、完璧に趣味ですね。
 でも出展回数は何度目か数えきれないほどです。」

 
Tシャツやスタンプ、ポストカードにドクロがデザインされているが、
リアルな”髑髏”から親しみやすい”ドクロ”、そしてキュートな”どくろ”、
といったように媒体によってドクロの雰囲気も変化している。
 
「自分が欲しいと思った物を作っています。コミカルな感じで、
 誰が見てもわかるような物を意識していますね。」

 
よく聴く音楽のジャンルはロックやハードメタルでサカナクションEARTHSHAKERなど。
会社で副業は禁止なので内緒に、とTシャツで自分の顔を隠す姿もかわいらしかった。

 
 



 
フジヤマレコード
http://fujiyamarecord.jp/
 

「社長って呼ばれたくて始めました。今回は3回目の参加です。」
 
住んでいる部屋から富士山が見える、それが富士山をモチーフにしたグッズに派生。ライブもやるし、
物も売る。Tシャツ、トートバッグ、缶バッジと、全てカラフルで見ている人をハッピーな気分にさせる。
デザインフェスタ公式パンフレットの写真にも選ばれるほどである。
 
「日本一縁起のいい会社、めでたい会社がコンセプトで、
 デザイナーさんとか色々な人を巻き込んでやってます。」

 
よく聴く音楽はフォークロックで、YMO忌野清志郎も好きという。そして自分自身も自主音源を制作する
「代表取締役歌手」の黒岩社長。日本の未来は明るい、なんだかそんな確信をさせてくれた。

 
 



 
Grow Hair
http://www.geocities.jp/layerphotos/
 

パフォーマンス中のかわいいアイドルを撮るセーラー服のおじさんもアーティストである。
 
「土・日もこの格好で歩いてて…ネットで有名になっちゃいました(笑)」
 
普段は人形を中心に撮影をしており、デザインフェスタへの参加は6~7回目くらい。
もはやデザインフェスタ名物で、彼にカメラを向ける人も多い。
 
「1度コスプレをしたら思いのほかポジティブな反応が返ってきて。
そしたらもう引き下がれなくなって、エスカレートするしかないって感じです。」

 
2012年の7月にはこの姿でフランスへ。
無事に出国審査も通過し、パリでも平気だったという。かわいいは正義なのである。

 
 



 

 
 

 
もはや世界共通語になりつつある「かわいい」はいつだって女の子の味方であり、どんなタイプにも適応できる魔法であり、アートにとって最強の概念である。
 
そしてこれからを目指す者、さらなるステップアップ、趣味の一環…どんな形であっても皆がデザインフェスタを支える「アーティスト」であり、デザインフェスタを盛り上げる「主役」である。「ないなら作る」そんな無から有を生み出す動機は日常をより豊かに、人の心を動かす。大量生産では表現できないあたたかさ、利益や流行を追求しない純粋な良いもの、自分の信じた確かな直感の集合体がデザインフェスタなのである。
 
直感の摩擦はさらなるエネルギーを生み出す。次回・2013年5月18日(土)、19日(日)の開催に向けて今、この瞬間にも次に出会うかもしれない運命は生まれているのだろう。

 

 
 

 
 

 

◆デザインフェスタ公式サイト
http://www.designfesta.com/

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