特集

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TEXT:鈴木亮介 PHOTO:ヨコマキミヨ

今波に乗るガールズロックバンドにスポットを当てる新しい特集「rock girly parfait」。記念すべき第1弾は、11月より4ヶ月連続リリース、自身初の東名阪ホールツアー、「育つアー写」などユニークなプロモーション「negoto3 project」…と新たなステージに果敢に挑む、ねごとを大特集!リリースに合わせてBEEASTも4ヶ月連続ねごとメンバーの対談をお届けしたい。
 

ねごと
メンバーは蒼山幸子(Vocal & Keyboard)、沙田瑞紀(Guitar)、藤咲佑(Bass)、澤村小夜子(Drums)の4名。全員平成生まれからなるオルタナティブでファンタジックなガールズ4ピースロックバンド。ライブを軸に活動する中、2010年9月に初音源となる『Hello!”Z”』をリリース。新人としては異例の全国FM & AM40局以上でのパワープレイ、ラジオオンエアチャートで月間1位を獲得。また2011年リリースの1stシングル「カロン」がau「LISMO!」のCMソングに大抜擢。2011年にリリースした1stフルアルバム『ex Negoto』はオリコンTOP10入りを果たし、各地フェスを圧巻。この秋、その勢いを止めることなく、活動史上初の4ヶ月連続リリースに挑戦。11月7日を皮切りに、彼女たちの多彩な音楽的側面を惜しげもなく盛り込んだ”3つの顔”を毎月ニューシングルとして先行リリース。そして、それに続く最終作は待望の2ndアルバム!2010年の初リリースから2年、学業と両立をさせながらも着実にその歩みを進めてきた彼女たち。今春に全員の大学卒業を目前に控え、いよいよフルスロットルで動き出す!


前回まで、毎月替わりで2人のメンバーによる対談をお届けしたが、今回はついにメンバー4人集合!12月に開催された自身初の東名阪ホールツアーを振り返りつつ、1月23日リリースの『たしかなうた』について聞いた。そしてねごとの歴史を振り返るシリーズは前回の続き、初のCDリリース後の2010年の活動について振り返る。
 
≫part2(蒼山幸子×澤村小夜子)の記事はこちら
≫part1(沙田瑞紀×藤咲佑)の記事はこちら
 

2012年ツアーファイナルは再スタートライブ!

 

— 12月の東名阪ホールツアーお疲れさまでした!まずは感想をお聞かせください。

 
蒼山:去年1年間は特にライブに対して葛藤が多かった年だったので、そういう中で自分たちが信じてきたものが間違いなかったということをすごく感じられたツアーだったし、純粋にすごく楽しかったですね。ファイナルは手ごたえがありました。
 
澤村:ホールならではという感じが新鮮でした!今までのライブハウスでの「お口ポカーンフェス?!」だと、曲練はするけどMCまでは決め込んではいませんでしたが、今回は「ここではどういうことを喋ろうか」という全体の構成をみんなで考えました。一つ流れを作って組み立てていくというのが初めてだったので、決まっていることがあるのも安心するし、面白いなって思えた…新しい発見があったツアーでした。
 

— クリスマスソングも「ちゃんと練習した」と話していましたね。東京公演で2曲目に披露された「we wish a merry X’mas」は「今私たちスパークしてる中!」という思いを表現できる曲ということでした。

 
沙田:ライブのMCでも話しましたが、このホールが再スタートだなって思っていて、その気持ちの面でもそうだし、一つのライブでその日しか見せられない景色を見せなきゃなと思いながら作っていったホールツアーでした。小夜子が言ったように、4人だけではなく照明だったり音響だったり…その日一日の流れみたいなものを何回も何回もイメージトレーニングを積み重ねて、当日に臨みました。本当に間違いなくいい景色を見るつもりでステージに立ったし、見せようと思っていたので、それがちゃんと形に出来たのかな、届いたのかな、って思えたライブでした。
 

— 本番前後の「影アナ」も、練習したのですか?

 
藤咲:あれだけは本番一発勝負です(笑)本番後は毎回幸子、本番前は名古屋、大阪、東京とほかの3人で1回ずつ担当することにしたので、面白い所を変えたり個性が出るように自分たちで考えました。
 

— 東京公演では藤咲さんの「前に出る」姿が印象的でした。

 
藤咲:これまでライブをやってきた中で、お客さんともっと近くにいたいなという思いがあったので、ホールという場所は広いし、席もあるし、お客さんと少し離れてしまうかなという不安がありました。だから少しでもお客さんに近付きたかったし、一緒にステージを作っていたいという思いを届けたいと思って、前に出たり、MCでも、「伝えたいな」という思いで普段以上に声を張り上げて大きく喋ってみたり、いつもはしたことがないことでも、新しい挑戦としてやってみて、すごく楽しいライブにできたと思います。私たち自身も次を見たいと思えるライブになりました!
 

— ツアー”ファイナル”というよりも”出発点”という感じでしたね。

 
藤咲:そうですね。ここからが再スタートという思いで、絶対成功させたいと思ったライブでした。
 

ねごとの歴史を振り返る…初ワンマンで、声が出ないハプニング!

 

— では今回も4ヶ月連続でねごとの歴史を振り返っていきたいと思います。前回は1st mini Album『Hello!”Z”』リリースまでを伺いましたので、その続きから…2010年秋に全国6か所で「お口ポカーンミニツアー」を開催しました。全国を巡るのはこの時が初めてだと思いますが、その当時を振り返って、どんなことが印象に残っていますか?

 
沙田:初めていく土地にお客さんがいるのか?と心配で、ドキドキしながら行ったのを覚えていますね。でもそこで待っていてくれる人がいるということを知って…どういうライブをすれば良いのかも当時はあまり分からなかったのですが、とにかく音を伝えに行こうという気合いだけは十分に持って行きました。
 

— その中でも特に印象に残っている場所、というのはありますか?

 
沙田:私は福岡!ライブハウスは街なかにあるものだと思っていたのですが、福岡の「LIVEHOUSE CB」は工業地帯を過ぎたあたりにあって、その土地ならではだなぁと。その印象が強く残っていますね。
 
蒼山:名古屋と京都でSISTER JETと対バンして、その後にファイナルが12月4日に代官山UNITでありました。それが初のワンマンだったのですが、私の声が全く出なくなってしまって…当日もお医者さんに行って、ギリギリまで声を出そうと思っていたのですけど、想いに反して本番でも全然出なくて。それでも来てくれている人に何か残したいって思った時に、私が声を出せない分、他の3人がカバーしてくれて。それが4人で一つになれた瞬間で、今でもすごく覚えています。
 

— 突然出なくなってしまったのですか?

 
蒼山:11月30日に名古屋でライブがあって、その辺りからのどに違和感を覚えていて、でもライブまでには治るだろうと思っていたのですけど、ライブ前のリハーサルで歌ってみたら全然出ないと分かって…その時、「ライブに来てくれている人は歌を聴きに来てくれているから申し訳ない」という気持ちがあったのですけど、そういう気持ちだけを出すライブじゃだめだと思って、見て良かったと思ってもらえるライブにしたいと直前までとにかく気持ちは強く持っていましたね。
 

— 初のワンマンを前に、メンバー内にも不安が広がったのではないでしょうか。

 
澤村:そんなに心配はしてなかったですね。幸子も前日の練習で声が出なかったけど、もし当日声が出なかったとしても私たち3人の演奏があるし、と思ってあまり心配はしてなかったですね。
 
沙田:本当に声が出なかったのですが、ライブはやると決めました。歌が伝える部分は大きいけれど、そこで立ち止まってライブをしないなんてその時は考えつかなかったし、何とかこの日一日、来てくれた人みんなが不安にならないように…実際、幸子の声が出なくてみんなすごくびっくりしたと思うんです。でもそれ以上にバンドの音でカバーしようって。音を鳴らすしかないって。迷っている時間もなかったし…話し合いをするとかではなく、「もう鳴らすしかないよね、ステージに立つしかないよね」って。気合いを入れて当日に臨みました。
 

COUNTDOWN JAPAN 10/11で、再び「閃光」の景色が…

 

— そのハプニングがむしろ4人の結束力を高めたと言っても良さそうですね。そして、その勢いのまま、年末にはCOUNTDOWN JAPANに初出演します。その頃を振り返って、印象に残っていることを教えてください。

 
藤咲:(バンドの活動の)最初の頃に閃光ライオットで見た景色がまた見れるんじゃないかなぁって予感させてくれる日でした。フェスでお客さんがたくさん入る、広いステージは初めてだったので、どういう日になるんだろうと緊張していました。でもライブが始まったらお客さんがたくさん観に来てくれて入場規制もかかって、その一日が本当に楽しかったなぁって思います。
 
澤村:ライブ終わりにきつねうどんを投げたことは覚えてますね(笑)カップ麺ですが、ライブ後に年越しで自分で食べようと思って、フタを開けて粉やかやくを入れてあとはお湯を入れるだけの状態で置いておいたんです。でもライブが終わったらすごく嬉しくなってテンションが上がっちゃって。実はCOUNTDOWN JAPANは前年にお客さんとして観に来ていたので、ここに出られたんだぁと思ってテンションが上がって、ポーンと(笑)
 
沙田:でも、小夜子に限らず、みんなライブで何か投げたことあるよね。
 
澤村:瑞紀は私の「ビル・ゲイツ」って名前のタコのぬいぐるみを投げたし、お菓子も投げちゃうしペットボトルも投げちゃうし…(笑)
 

新曲「たしかなうた」で、隣に寄り添いたい

 

— さて、そんな「投げ癖」のある皆さんですが(笑)1月23日にリリースする「たしかなうた」は前作までとは打って変わってしっとり聴かせるバラード曲になっていますね。この曲は、どのようにして作っていったのですか?

 
沙田:今までの曲はトラックを先に作っていましたが、この曲は幸子が弾き語りでメロディーを先に持ってきてくれたのです。最初はそこから形にしていくのが難しくて悩んだのですが、ちょうど4ヶ月連続リリースで曲を作っているさなかで、どんな所から作り始めても最終的にちゃんとねごとの曲になるといいなぁと思って仕上げました。色んな作り方をしきたいと思っていた中で、ちゃんと形にできた初めての曲なので、とても思い入れがあります。
 

— 冒頭にお話した東名阪ワンマンの、東京公演では最後にこの曲が披露されましたね。「sharp ♯」で風船が飛び交って盛り上がった後に、シーンとなってからこの曲を演奏し始めたのがとても印象的でした。

 
沙田:そうですね。「たしかなうた」は一番リスナーに近い所にいる歌だと思っていて、歌詞の世界観や聴きやすさもそうですが、「花束」というワードが出てきたり、本当にすぐ隣に寄り添えるようなものに仕上げられた、初めての曲だと思います。これでちゃんと手をつないで、そばに寄り添いたいな、という私たちの思いが詰まった曲です。
 

— そして、カップリングの『BBB』についても伺います。これまでの曲の歌詞に比べると難しい漢字を使っているなぁと思ったのですが…

 
蒼山:これは初期に作られた曲で、ねごとの曲にしては珍しく好きな人がいる所を見ている歌詞というか、それは初期だからこそ作れた歌詞かなと思います。でも難しいとは思わないですね。誰にでも好きな人はいるだろうし、「さよなら」と言っているけどそのさよならも甘酸っぱいというか、「また会いたい、からこそのさよなら」というか…そういう瞬間を切り取りたいと思って作りました。見方によってはかわいらしい歌詞だからこそ、「瞑る」(つむる)などを漢字にしています。それぞれの好きな人を思い浮かべながら聴いてほしいと思います。
 

予告

来月はいよいよ4ヶ月連続リリースの集大成!再びメンバー4人が登場!アルバム『5』について、間もなく訪れる「卒業」について、話を伺います!
 



Live broadcast by Ustream
「negoto3 project」発動中!
http://www.negoto.com/negoto3/
◆6thシングル『たしかなうた』
2013年1月23日発売




◆5thシングル『greatwall』
2012年12月5日発売




◆4thシングル『nameless』
2012年11月7日発売

◆ねごと 公式サイト
http://www.negoto.com/
 
◆お口ポカーン!! 卒業旅行は全国ツアー
~GREEN and motion~

全公演:対バンあり
・2013年02月15日(金)【千 葉】LOOK
・2013年02月16日(土)【水 戸】LIGHT HOUSE
・2013年02月17日(日)【宇都宮】HEAVEN’S ROCK VJ-02
・2013年02月23日(土)【神 戸】太陽と虎
・2013年02月24日(日)【京 都】磔磔
・2013年02月28日(木)【浜 松】窓枠
・2013年03月02日(土)【岡 山】IMAGE
・2013年03月03日(日)【出 雲】APOLLO
・2013年03月09日(土)【鹿児島】SR-HALL
・2013年03月10日(日)【熊 本】Django
・2013年03月23日(土)【高 知】X-Pt.
・2013年03月24日(日)【高 松】DIME
・2013年03月30日(土)【仙 台】MA.CA.NA
・2013年03月31日(日)【新 潟】GOLDEN PIGS RED STAGE
・2013年04日06日(土)【盛 岡】CLUB CHANGE WAVE
・2013年04月07日(日)【郡 山】CLUB #9
・2013年04月13日(土)【福 岡】BEAT STATION
・2013年04月14日(日)【広 島】CLUB QUATTRO
・2013年04月19日(金)【富 山】SOUL POWER
・2013年04月20日(土)【金 沢】van van V4
・2013年04月21日(日)【長 野】LIVEHOUSE J
・2013年04月29日(祝)【札 幌】PENNYLANE 24
・2013年05月18日(土)【沖 縄】桜坂セントラル
 
tashika

 
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【レポート】ねごと「お口ポカーン!! ~SEED with groove~」
http://www.beeast69.com/report/52726
【特集】rock girly parfait ねごと(part2 蒼山幸子×澤村小夜子)
http://www.beeast69.com/feature/47297
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