特集

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TEXT & PHOTO:栗林啓

【密着レポート特別編:
HEAD PHONES PRESIDENT The Rock Musical Show 「STAND IN THE WORLD」 vol.1】

 
HPP004来る、2016年6月11日(土)〜6月13日(月)に足立区千住の東京芸術センター天空劇場にてHEAD PHONES PRESIDENT(以下:HPP)のロックミュージカル「STAND IN THE WORLD」が行われる。
 
ロックミュージカルというと、ABBAのヒット曲を題材とした「Mamma Mia!」やQUEENの代表曲を題材とした「We Will Rock You」などを思い浮かべるだろうか。また、ミュージカルとは異なるが、HR/HM好きであればQUEENSRŸCHEの代表的なコンセプトアルバム『Operation: Mindcrime』の世界を完全再現したライブアルバム『Operation: livecrime』を思い浮かべるかもしれない。だが、HPPのロックミュージカル「STAND IN THE WORLD」は、そのいずれとも異なるものとなるようである。これまで、ライブでのサラウンドシステムの導入やライブとファッションショーの融合など、数々の新しい試みに挑戦してきたHPPだが、そのHPPが放つ新しいロックミューシカルがどのようなものとなるのか、気になるところをメンバーに語ってもらおう。また、BEEASTでは、5月10日(火)に行われた芝居リハーサルの密着取材を敢行。その時のリハーサルの様子もあわせてお届けしよう。
 
「STAND IN THE WORLD」 STORY
生きていれば、ごく当たり前に目に入ってくる風景…聞こえてくる雑踏。 空の色…澄んだ空気の中に混じる鳥の鳴き声…木々の揺らめき…そこに咲く花。しかしそれは本当に――――“当たり前”なのだろうか…――?
耳の聴こえない少女と、目の見えない青年がいた。彼らは彼らにとっての“日常”を過ごしていた。誰にも分かってもらえない苦しみ、孤独、憎しみ、挫折。 夢はある。夢はあるはず。愛する人はいる。大切なものを愛している。 それでも…彼らの心は“当たり前”では測れない。一人の歌姫が彼らを導き、その心に触れていく。

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ANZAインタビュー

HPP031—以前からHPPの楽曲を舞台化したいというお話は伺っていましたが、改めて今回の舞台化の経緯を教えてください。
 
ANZA:HPPが結成してライブ活動をする中で、お客さんからのアンケートに舞台や映画を見てるようだったとの意見をたくさん貰って、それならいつかHPPの楽曲や世界観を表現する舞台をやりたいと感じたのが始まりです。なかなかこの企画は前には進まず、ようやく手を組んでやってみようというスタッフと出会ったので、じゃやるか!となりました(笑)。
 
—ネタバレにならない程度で構いませんので(笑)、ストーリーのあらすじをもう少し詳しく教えてください。
 
ANZA:なかなかネタバレしてしまうので、余り言えないんですよ(笑)。チラシのあらすじを見て頂きたい!(編集部註:上記STORY参照)あとは、観に来てのお楽しみです!
 
—ロックミュージカル「STAND IN THE WORLD」は、アルバム『STAND IN THE WORLD』の歌詞や世界観と繋がりがあったりするのでしょうか?
 
ANZA:それこそ、舞台のタイトルはこれしかない!と思い決めました。HPPが4人編成になってから出来たアルバムで、自分達のその当時の思いが詰まったアルバムでもあり、かなりHPPのアルバムの中では未来に対し、前を向いてる歌詞なので。また、どうして「STAND IN THE WORLD」なのかは、観て下されば分かってもらえるかな(笑)。
 
—芝居と踊り、そしてバンド演奏の構成はどいういった感じになるんでしょうか?芝居と演奏が別々の構成なのかとか、それとも劇伴のような感じなのかとか?
 
ANZA:これも言ってしまえば、ネタバレになるので(笑)。シーン毎にもちろん別な場合もあれば、全てが繋がっているシーンもあります。
 
—今回のロックミュージカルへ向けての新しい試みとかはありますでしょうか?例えば新曲とか?
 
ANZA:舞台用に作った新曲やバージョン違いはありますよ!しかも、なかなかライブでもやってない曲などもあります。
 
—ANZAさんはミュージカル女優としても数多くの経験を積まれていますが、芝居から歌への切り替えは難しいものでしょうか?特に今回は生演奏なので、オケと生演奏の違いはありますか?
 
ANZA:芝居から歌の切り替えは全く難しいとは思ってないです。芝居も歌も表現する、伝えるというスタンスは変わらないので。ただ、オケと生演奏の違いはかなりあります。やはり、オケに合わせて歌うのと違って、歌に合わせて貰うのは歌の表現にバリエーションが出しやすいですので。
 
—他のバンドのメンバーもお芝居に参加されるのでしょうか?
 
ANZA:ムフフ(笑)。参加するとだけ言っておきます(笑)。
 
HPPがきっかけで、今回初めてミュージカルを見るというファンの方もいらっしゃると思いますが、どういうポイントを見て欲しいとか、楽しみ方のアドバイスなどはありますか?
 
ANZA:HPPのライブを一度でも見たことがある方なら、そんなに不思議な感覚にはならないかとは思いますが、このロックミュージカルショーは、HPPの楽曲と芝居とダンスとの融合で、物語が進んでる感じになるかと思います。いろんな新しい要素を構えず、真っさらな状態で観て欲しいな。
 
—最後に今回の新しい試みとなるロックミュージカルへの意気込みをお願い致します。
 
ANZA:長年の思いが叶った舞台。しかも、私が愛してやまないHPPの楽曲から生まれた舞台。そして、最高のキャスト、スタッフと共にインディーズのバンドが自分達のバンド名と楽曲を引っさげで、大きな挑戦をします!たくさんの方々が、ロックに対するイメージ、ミュージカルに対するイメージに新たな広がりで感じてくれて、ロックバンドのライブにもミュージカルが好きな方々が遊びに来てくれたり、またミュージカルの公演にもバリバリのロックTシャツ着たロックファンが観に行ってくれる、そんなきっかけがこの舞台で生まれてくれたらと思っています!皆さん、劇場で新しい空間を一緒に作って下さい!お待ちしてます!!
 

HIRO、NARUMI、BATCHインタビュー

HPP032—皆さんセリフがあるとお聞きしたんですが(笑)。
 
HIRO:みんなありますよ(笑)。役柄が本人役で、スタジオの場面とかが主な登場シーンです。ある人生のストーリーがあって、それと並行してバンドのストーリーが存在する感じで、バンドのストーリーを本人役として演じています。
 
—生演奏とお芝居ということで、ハードルが高くないですか?
 
HIRO:ハードルは高いですよね。簡単ではないです。ストーリーに合う曲を吟味した結果、久ぶりに演奏する曲だったりとか、新しくキャストさんが歌う曲を書き下ろしたりもしています。
 
—新曲ですか?
 
HIRO:バンドとしての新曲ではないんですが、別のキャストさんの場面で演奏します。その他にも、既存のバンドの曲をアレンジを変えたりとか、インストで表現した曲というのもあります。
 
HPP033—ミュージカルのタイトルは「STAND IN THE WORLD」ですが、アルバム『STAND IN THE WORLD』とリンクしているものなのでしょうか?
 
NARUMI:アルバムの世界観を表現したものではないです。HPPと芝居とダンスを融合させたものになります。ストーリーはしっかりしたものがあるので、バンドの演奏とストーリーをうまく共存させるという作業を行いました。ロックが好きな人も芝居が好きな人も両方楽しめるもにしたいということで、演出のくん(林将平)の意向もあって、しっかりしたストーリーを作ろうということになりました。もともとは、バンドの世界観を役者さんを使って表現しようというものだったのですが、もっと文化をミックスさせたものを目指しました。ロックファンの方、芝居のファンの方、どちらのファンの方が見ても楽しめるはずです。
 
—生演奏なので、場面展開や芝居の流れからのきっかけが難しかったりしませんか?
 
BATCH:これから探っていくしかない(笑)。
 
HIRO:役者さんのセリフを受けて演奏がスタートする箇所が何箇所かあるので、タイミングは難しいですね。早すぎても遅すぎても、セリフの意味だったりせっかく作り出した雰囲気だったりを壊してしまうので、ステージ上の空気を感じながらすっと自然なタイミングで演奏に入らなければならない。セリフの流れも覚えなければならないし、多分カンペを見るチャンスはないと思います(笑)。
 
HPP034—ロックミュージカルは今までもいろいろあったと思いますが、今回の形は前例がないように思いますが?
 
NARUMI:ロックミュージカルといっても、ロックか?って感じのものも多いと思います。ちゃんと自分たちが前面に出て演奏しているシーンは、ライブとなんら変わりがないと思います。演じて演奏しているわけではないので、ロックファンが見るのがやっぱり一番面白いかもしれない。普段芝居を観に行かない、ダンスも観ないっていう人がそれらを観るきっかけになってもらえたらいいなと思います。そうなれば、バンドとしては大成功!
 
HIRO:セリフは本当は無かったはずなんですけどね(笑)。台本をもらったらあったという(笑)。
 
NARUMI:当初は話が軸になるものではなくて、もっとショー的なもののはずだったんですよ。
 
—話が進むうちに変わっていった?
 
HIRO:芝居にバンドが関わらないと成り立たなかったのかなと思います。演奏してるだけじゃダメだみたいな(笑)。
 
NARUMI:ただステージ上にいるミュージシャンになっちゃうから。芝居の流れで演奏してるっていうのは今までにないかもしれない。しかも当人たちの曲っていう。
 
—すごい楽しみにしてるんですよ!
 
NARUMI:ロックショーの金字塔というか夜明けですかね。ロックと芝居とダンスを初めて融合させた2016年初夏みたいな(笑)。
 
HIRO:これは大変だ(笑)。
 

【5/10】 芝居リハーサル(To HavEスタジオ)

5月10日の芝居リハーサルは、HPPのメンバーに加えてANZAとはミュージカル「GIFTをあなたに」等で共演経験のある山川恵里佳小田マナブら主要キャストが揃ってのリハーサルとなった。脚本・演出の林将平を中心に、ひとつのシーンを動作の流れや細かい言葉の言い回しに至るまで確認し、納得いくまで練り上げていく様子がとても印象的だ。小田マナブが演じる目の不自由な青年映司山川恵里佳が演じる耳の不自由な少女和音という難しい役柄が登場することもあり、入念にリハーサルを重ねていた。
 
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【5/10】 バースデーサプライズ(To HavEスタジオ)

ANZA笠原竜司は偶然にも二人とも誕生日が5月4日で同じ誕生日ということで、今回のリハーサルが誕生日以降の初顔合わせということもあり、リハーサル後にキャストとスタッフによってサプライズのバースデーイベントが行われた。終始和やかな雰囲気で、写真からもキャストたちのチームワークの良さが伝わってくるようだ。
 
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ヘヴィロックという部分に軸足を置きながらも、常に新しい試みに挑むHPP。今回のロックミュージカルは、数あるロックを題材にしたミュージカルとは一線を画す新しいミュージカルとなるようである。読者の中にはミュージカルを観に行った経験にない方もいるだろう。このロックミュージカル「STAND IN THE WORLD」は、HPPのメンバー自身が本人役で出演して演奏するので、本格的なバンド演奏とともに演技やダンスが繰り広げられ、ロックファンでも楽しめるものとなっているようだ。是非この機会にこのロックミュージカルへ足を運んでもらい、新しいエンターテインメントの目撃者となってもらいたい。なお、BEEASTでは本公演の模様も密着取材にて特集する予定なので、楽しみにしてもらいたい。

◆HEAD PHONES PRESIDENTのロックミュージカル「STAND IN THE WORLD」遂に上演!

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タイトル【STAND IN THE WORLD】
日程 : 2016年6月11日(土)〜6月13日(月)
時間 :
6/11(土) 開場18:00 / 開演19:00
      (☆17:45〜特別イベント)
6/12(日) 開場13:00 / 開場14:00、開場17:00 / 開演18:00
6/13(月) 開場18:00 / 開演19:00
      (☆17:45〜特別イベント)
公演時間 : 2時間20分(休憩込み)
会場 : 天空劇場(東京芸術センター) http://art-center.jp/tokyo/
チケット 前売り6500円 当日7000円 特典イベント参加チケット1500円
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出演 /
HEAD PHONES PRESIDENT
(ANZA HIRO NARUMI BATCH)
山川恵里佳 小田マナブ
岩名美紗子 奥山桃子 笠原竜司 立原ありさ
小野妃香里
Shiworu
青柳恵美子 彩未理加 石井裕貴 大谷明里紗 菅野恵 北島真侑
栗原沙也加 黒田歩 佐々木瞳 佐藤友泰 島村美紗都 嶋ゆきみ 下村彩
杉原史花 杉森帆乃花 鈴木亜利紗 高石彩美 塚越光 都志見久美子 中野みほ
中村萌 平塚あみ 水落磨樹 宮崎あゆみ 村田智哉子 柚希かおり
 
脚本・演出 / 林 将平(teamオムレット)
舞台監督 / 宮田広一(箱馬研究所)
音響監督 / 武田信明
振付師 / REON(Embrasse Mori)
PA / 伊藤隆行
照明 / 建部雅代
宣伝美術 / Ko-ichi Mukoyama
メイキング撮影 / 國方多真紀・三好晃生
衣装 / RIHO
映像 / 久保田敏男(影乃造)
製作 / 後藤千鶴(W-tool)
プロデューサー / 柘植里可子
主催 / TONIC code
製作・著作 / To HavEエンターテイメント
 
協力 /
株式会社アヴィラ / 有限会社ジャンクション / 株式会社ダブルフォックス / 株式会社 BE THERE / 株式会社マリアート / 株式会社メッセージ / 株式会社東宝芸能 / マクスタア株式会社 / W-too
 
協賛 /
teamオムレット / Embrasse Mori / Ibanez / Web Rock Magazine BEEAST / Majestic Studio / RAZ / 笹塚Method
 
特設サイト http://www.standintheworld.com/
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【REPORT】HEAD PHONES PRESIDENT alteration TOUR×club asia 20th Anniversary
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【特集】HEAD PHONES PRESIDENT 15th Anniversary Live
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http://www.beeast69.com/serial/simple/141529
【REPORT】RHYTHEM OF FEAR
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