コラム
牙虎見聞録
SABER TIGER
SABER TIGER 下山武徳(Vo) 木下昭仁(Gt) 田中康治(Gt) hibiki(Ba) 水野泰宏(Ds) 1981年結成。「北の凶獣」の異名をとるヘヴィメタルバンド。2018年2月、現体制での7年間の軌跡を収めた4毎組ボックスセット『HALOS AND GLARE - The Complete Trilogy』をEdge Trax/ディスクユニオンより発売。3月『BYSTANDER EFFECT - Expanded Edition』をSliptrick Recordsより全世界50カ国で発売。4月 ライヴDVD+2CD『Live: HALOS AND GLARE』を Edge Trax/ディスクユニオンより発売。

SABER TIGER「牙虎見聞録」第20回


2018年春、SABER TIGERは4カ国全12公演3週間に及ぶ北欧/東欧/ロシアツアーを敢行いたしました!

SABER TIGERメンバーによるリレーコラム「牙虎見聞録」!最終第20回はヴォーカルの下山武徳です!


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このリレーコラムも、いよいよ最終回。全20回に渡るご愛読ありがとうございました!

ここまで各メンバーのコラムを読んでいただき、SABER TIGER初の海外ツアーが如何に充実したものであったか、またどれだけハードな日々だったのか、皆さんにもよく伝わったかと思います。一方で、メンバーの高いモチベーションと各スタッフの献身が、その過酷な挑戦を素晴らしい旅へと変換していった、そのさまを感じて貰えたのではないでしょうか。

今回のツアー日程は3週間。新生SABER TIGERとして活動を再開した10年前からここまでの歩み、その年月を経てようやく手に入れた3週間でした。

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僕は1997年にSABER TIGERに正式加入し、翌1998年にメジャーデビューしました。その頃には80年代に隆盛を極めた世界的なメタルブームも完全に衰弱し、日本でメジャーアクトとして活動するメタルバンドはほぼ皆無、という状況でした。

2000年代初頭、日本国内のメタルシーンに限っては多少復権の兆しを見せたものの、音楽業界全体の衰退にブレーキを掛けるには至らず、CDセールスやコンサート動員は年々下降の一途を辿るのみ。そんな冷え切ったロック業界の中で、どのバンドも本当に必死に活動を続けています。

苦悩や葛藤の無いミュージシャンなど1人として存在しない。皆、もがき苦しみながら自分の信じた音楽と足跡を残そうと必死なのです。続ける事の大変さ、ミュージシャンとして生き残る事の難しさを誰もが感じながら、作品を創りステージに上がる。その想いを支えるのは「目的意識と覚悟」。

音楽活動は様々な要因に左右されます。迷走する時期もある。その時に強い目的意識が無ければ、もう元の道には戻って来れない。そして覚悟無き者は必ず淘汰される。プロデビューしてから20年が経ちますが、その道程で自分が一番学んだのはその事です。

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SUPER TIGER」名義でのイベント出演を切っ掛けに現体制の「新生SABER TIGER」が動き出す際、まず「世界進出」という目標を掲げました。日本人が海外のバンドと渡り合うには、圧倒的なバンド力を持たなければならない。高い技術力と強い精神性が相まって、バンドの音ははじめて圧を持つ。

歌詞を全て遠藤フビトに委ね、トラックダウンをドイツで行い、世界標準と胸を張れる作品をいくつも作り、単発の海外ライブをやったりもしましたが、しかし軌道はなかなか安定せず、年月が過ぎて行きました。

紆余曲折の連続。木下昭仁が脳梗塞で倒れ、事務所問題で路頭に迷い、幾度もメンバーの脱退騒動が持ちあがり、実際にメンバーチェンジがあり・・・その都度、バンドは解体の危機に見舞われました。

しかし、hibikiが加入して更に活動年数を重ねるにつれ、メンバーの絆は徐々に強まってきました。腹蔵無い意見をぶつけ合い、目標をしっかり見据えて一つ一つ問題を乗り越え、まさに一歩一歩進んできた。ギリギリの状況の中でここまでバンドを続ける事ができたのは、やはり全員が「目的意識と覚悟」を抱き続けたからだと確信しています。

今年、目標の一つであった海外ツアーをやっと経験する事ができました。10年かけて掴んだ、海外進出の切符。ここがスタートライン。

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これまでの軌跡を振り返って想うのは、このタイミングである事が予め決まっていたのではないか、という事。数々の艱難辛苦は、本戦に進出する為の予選だったのではないか。長い回り道の中で積み重ねてきた経験が力となり、何が起きてもちょっとやそっとじゃ挫けない強さとして蓄えられてきた。その事を、海外での日々を通して強く感じる事ができたのが、このツアーの最大の収穫だったような気がします。

バンド5人に加え、もはや6人目のメンバーである遠藤フビト、映像の山田監督、ローディーのボウちゃん、このチームだからこそ最高の雰囲気で完遂できた初の海外ツアーでした。

次は、新譜リリースとレコ発ツアーが待っています。問答無用、最新最強のアルバムが完成しました。このアルバムは世界同時発売され、来春には再び海外ツアーのプランが挙がっています。

苦悩、葛藤、紆余曲折の果てに辿り着いた世界の舞台。挫けず続ける事の意味とチカラを全ての人に伝えたい。SABER TIGERはまだまだこれから。

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■SABER TIGER 読者プレゼント

メンバー全員のサイン入りツアーTシャツ(1名様/XLサイズ)
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ご応募方法は「BEEASTファンクラブ」の方にお届けする、毎週日曜発行の「週刊ビースト瓦版(無料メルマガ)」にて記載いたします。(締切2018.9.30)

「BEEASTファンクラブ」は完全無料!
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■SABER TIGER 新譜情報

SABER TIGER/OBSCURE DIVERSITY

01 Daguerreotype Of Phineas Gage
02 The Crowbar Case
03 The Worst Enemy
04 Stain
05 Beat Of The War Drums
06 Distant Signals
07 The Shade Of Holy Light
08 Permanent Rage
09 Seize Your Moment
10 Divide To Deny
11 Paradigm And Parody
12 The Forever Throne

悲願のインターナショナル・デビューを果たし、欧州ツアーを成功させた北の凶獣SABER TIGER!約3年ぶりとなる待望作『OBSCURE DIVERSITY』(オブスキュア・ダイバーシティ)!日本国内ではEDGE TRAX/ディスクユニオン、海外ではSLIPTRICK RECORDSから世界同時発売!

ミキシング&マスタリングには、欧州シンフォニック/プログレッシヴ・メタル・シーンにおいて圧倒的な評価を受ける若き名匠、シモーネ・ムラローニ(DGM)を起用!重厚にして巧緻、盤石のサウンド・プロダクションに抱かれて煌きを放つ極上の楽曲群!激烈なアグレッションと静謐なる叙情性が交錯し、革新性を孕みつつもヘヴィメタルの伝統に根差したリアリズムを色濃く映し出す!誰にも似ていない、誰にも真似できない。問答無用のニューアルバム!遂に完成!

オフィシャルサイト限定販売となる「DVD付デラックス・エディション」には、山田貴教監督によるミュージックビデオ3曲を収録したDVDとスリーヴケースが付属。また海外盤には、ボーナストラックとして日本盤未収録のアコースティック・バージョンを追加収録!
 


■SABER TIGER ライヴ情報

HAMMER BALL 2018

2018年9月16日(日)
札幌 PENNY LANE 24

開場 15:00 / 開演 16:00
前売 6,000円 / 当日 6,500円 (Drink代別途)

[ 出演 ]

DUO: KYOJI YAMAMOTO & REI ATSUMI (山本恭司 Gt / 厚見玲衣 Key)
ROCK JAM THE NIGHT BEAST (二井原実 Vo / 横関敦 Gt / 山下昌良 Ba / 礒田良雄 Ds Support)
TAGAWA (田川ヒロアキ Gt / 寺沢功一 Bs / 長谷川浩二 Ds)
SABER TIGER


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