コラム
21st Century Progressive Man
永川敏郎
1980年、プログレッシブロックバンド「ノヴェラ」でデビュー以来、日本を代表するロックキーボードプレイヤーとして活躍。1986年にハードロックバンド「アースシェイカー」に参加。90年代より、自身がリーダーであるプログレッシブロックバンド「ジェラルド」の活動のかたわら、様々なセッションワークをこなす。2017年は、アースシェイカー等、ハードロックシーンでの活動をこなす。 BEEAST主催「プログレの館」でのトーク&ライブを定期的に開催中。

Progressive Man 第8話


こんにちは。永川敏郎です。

早いもので7月も終わり、真夏となりましたね。
この原稿もついこのまえ車の話を書いていたと思っていたら、1か月がたちました。
またまた、ネタ探しをしながら書いております。

悲しい話題をしてみます。
Deep PurpleJon Lordさんが7月18日に、お亡くなりになられました。
Jon Lordさんにまつわる話を書いてみます。

わたくしのオルガンプレイのルーツは、Jon Lordさん。
高校生の時に、ビートルズにハマり、同級生から、「ビートルズばっかり聞いてないで、ハードロックも聴いてみたら~?」と言われて、借りたレコード(当時はレコードです、CDなんて近未来の話)が、Deep Purpleの「マシンヘッド」。

かっこいい爆音サウンドにかっこいいオルガンソロ、その日からDeep Purple三昧の日々。
わたくし凝り性なんですね~。肩こりもひどいし~~。w
それからDeep Purpleの作品を聞きまくり~。オリジナルアルバムを堪能したあげく、ブートレックまでも~。

大阪のキタに当時いっぱいあったブート専門店に通い、いろいろ買いましたよ。
有名な海賊版はほとんど聴きましたね~。
パープル関係のアーティストは海賊版率が高く、いろいろ出されています。

以前Joe Lynn Turnerが来日した時も、「今回のツアーもきっとブートCDになって売られるぜ~、許せないな~。」と彼は言っていました。
確かに数日後に、ブートCDとして出回っているのを見たことがあります。
それだけマニアが多いということですね。
わたくしもマニアだということですねww。

Jon Lordさんのオルガンソロは、ほとんどがアドリブです。だから、ライブごとにソロが違うのですよ。それを知るには、ブートレックが良かった訳です。(言い訳ですよ。ww)
でいて、どのライブのソロもコピーしたくなるようなカッコ良いものなんですよね~。

ギターのRitch Blackmoreもアドリブソロですが、ハズレもあったりミスもあったりしますがJon Lordさんはハズレなしです。いつでもイケてるプレイ聞かせてくれています。

当時は、来る日も来る日もJon Lordさんのソロフレーズをコピーしていました。
その頃、組んでいたバンドはDeep Purpleのコピーバンド。当時はそんなバンド多かったですね。
いざセッションとなると、誰もが「Smoke On The Water」とか「Highway Star」とか弾きましたし、それが出来ないと仲間では無いくらいの有名ソング。
かっこいい曲=パープルの曲でした。

1993年にDeep Purple来日の際には、ラッキーなことに彼と会えました。
KBスペシャルという雑誌のインタビュアーとして。
雑誌編集部の人から、「Jon Lordが来日しますが、会いますか?」と言われ、
わたくし 「はい~」。
編集部 「取材ですが~。」
わたくし 「よろこんで~。」

インタビュー当日、ホテルのロビーで待ち合わせ、編集部の人はキーボードを抱えてました。
びっくりです。 
「それ、何ですか?」
Jon Lordに弾いてもらいましょ~」
「ホンマに~?弾いてくれるかな~?」
みたいなやりとりがあり、とりあえず彼のお部屋にゴー。

スイートルームみたいな部屋で、リビングにて、わたくしと編集部の人、通訳のお姉さんとカメラマン、4人で待つこと数分、彼が登場しました。
「わ~~、本物や~~~!」心の叫びですww

挨拶の後、「なんでキーボード持ってんの~?」って彼に言われ、
わたくし 「レッスン受けに来ました~」。
彼 「え?聞いてへんけど。」
編集部 「ハイ~、突然です~~ww」
彼 「お金取るよ~w」
全員 「ww」 みたいなやりとりがあり、インタビュースタートです。

「あの曲のソロってどう弾いてるの~?」
「ちょっと待ってね~、え~と、こうかな~、ん~、忘れたな~w」
そんなん急に言われても当たり前ですよ。
よくぞ怒らずにお付き合いくださいました、感謝ですよ。

オルガン奏法で、グリッサンドという手法がありますが、
「グリッサンドはどういう風にやりますか~?」とか聞いても、
快く、「こうやってこうする~、どや~」みたいに気さくに教えていただきました。
ホント感激でした。

あの偉大なJon Lordさんから直々にグリッサンドを教えてもらうなんて、ローマ法王に頭なでられるよりうれしいかも~~www。

そんなお話を1時間ほど聞き、最後に、写真を一緒に撮らせていただきました。
編集部の人 「この写真、来月号の表紙ですから~~」
わたくし 「え~~~~、ホンマですか?嬉しすぎ~~」でした。

わたくしのロック魂を目覚めさせてくれたプレイヤー、数々の影響を受けた偉大な師匠、
憧れのJon Lordさん。お亡くなりになられましたが、彼の弾くオルガンプレイは、今も、これからも、わたくしの目標として生き続けることでしょう。
Jon Lordさんのご冥福をお祈りいたします。

さて、8月にはジェラルドのライブがあります。

2012年 8月 4日(土) 仙台MACANA

2012年 8月 12日(日) 沼袋SANCTUARY

仙台は、ジェラルドの曲を中心にプレイするライブ。
東京は、70年代、80年代のコピー曲を演奏する企画。
どちらも楽しんでいただけるライブですよ。

 
 
 


インフォメーションはこちらから。
ジェラルドHP http://sound.jp/gerard/
永川商店ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/gerard_toshio_egawa

それではまた次回~。