連載

TEXT & PHOTO:鈴木亮介
第12回 Stand Up And Shout ~脱★無関心~

「ロックと生きる…ライフスタイル応援マガジン」という本誌BEEASTのコンセプトに基づき、3.11震災等による現地の生声や、被災地関連のロックイベントを紹介していく祈・震災復興連載「Stand Up And Shout ~脱★無関心~」。BEEAST復刊とともに始まったこの連載もまもなく1年を迎え、12回目の記事公開となった。引き続き、様々な取り組みを紹介していきたい。
 
今回は「TOKYO×FUKUSHIMA HEAVY METAL SUMMIT」の第4回公演および第5回公演をまとめてお届けしたい。第4回は直訳ロックで人気の王様が出演!そして第5回は初の東京開催と、みどころがたっぷりだ!

第4回公演 9月15日(土)、16日(日)

ヘヴィメタル・サミットの役割の一つは東京から熱いHR/HMバンドが福島を訪れ、現地に熱い音楽を届けること。悲しみ、苦しみをほんの一時期だけれども忘れられる、「メタラーとしての復興支援のあり方」を追究したものだ(開催の経緯や主催者の熱い意志は連載第1回記事をご参照いただきたい)。
 
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第4回公演の目玉は何と言っても元祖直訳ロッカー・王様本人の出演だ。王様はサラリーマン退職後に1990年頃から「洋楽ロックの日本語直訳ならびに歌唱」を始め、弾き語りライヴ活動や深夜テレビへの出演、サポートギタリストなどの活動を経て、1995年9月に『深紫伝説(ふかむらさきでんせつ)』でCDデビュー。「ロックの本質を笑いのオブラートに包んで伝える」スタイルで、洋楽ロックに関する豊富な知識を生かし、数々の60~70年代王道ロックの名曲を日本語に直訳、翻訳、超訳し、人気を博している。
 
この日は王様に加えて、オリジナルHR/HMで勝負のBLAST GATEIRON MAIDENトリビュートのアルプスの撃墜王ハイジMOTLEY CRUEトリビュートのSIXX TIMES CRUELOZZY OSBOURNEトリビュートのコジーンオズボーン、そしてTony Iommiの憑依した三谷佳之実行委員長率いるBLOOD SABBATHの、合計6組がおなじみ福島C-MOONで熱いステージを披露!地元・福島のハードロックファン、ヘヴィーメタルファンも、ステージに身を乗り出す程の大熱狂!中には自作のIRON MAIDEN旗を持参して声援を送る激アツなファンも!
 
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さらに、王様は”暗黒王様“としてBLOOD SABBATHの一部メンバーで構成された”BLACK SABOTAGE“と共演!その模様は以下動画でお届けしよう。


第4回「TOKYO×FUKUSHIMA HEAVY METAL SUMMIT」
暗黒王様withBLACK SABOTAGE

 
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そして2日目はヘヴィメタル・サミットのもう一つの役割である「被災地を忘れないこと」。東京から来たHR/HMバンドのメンバーとスタッフ達が、テレビや新聞で報じられない被災地の”今”をその目に刻み、耳に焼きつけ、そしてほんの少しの被災地支援にと現地でお土産を買い、各々が東京に戻って被災地の”今”を周囲に伝える。これも被災地支援の一つの形だ。今回も、飯舘村を経由して原発にほど近い海岸線を訪れた。
 
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第5回公演 11月23日(金・祝)

第4回公演の興奮もまだ冷めぬ中、嬉しい知らせが届いた。これまで3ヶ月に1回の定期開催であったヘヴィメタル・サミットが11月に、初めて東京で開催されることが発表されたのだ。会場は立川BABEL。東京のHR/HMバンドはもちろんのこと、福島からRadioactivity(バンドの詳細は連載第7回記事へ)、そしてHR/HMファンを招いて開催するという。
 
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今回はWHITESNAKEトリビュートのBLUESNAKEOZZY OSBOURNEトリビュートのコジーンオズボーンGUNS N’ ROSESトリビュートのGUYS AND ROSESMETALLICAトリビュートの苅田芽屋が東京から参加。次々と力強い演奏で観客の心をつかむ。それぞれのバンドのファンが集まってきているのだろうが、どの人がどのバンドのファンなのか…と区別するのは難しい。そのくらい、どのバンドも往年の大スターになりきり、観客の心をつかんでいるからだ。全員が全バンドとともに一体となって盛り上がれるのも、へヴィメタル・サミットの公演の魅力だ。
 
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そして5組目は福島からRadioactivityが登場。ヘヴィメタル・サミット実行委員である杉岡”Keizy”恵二(Bass & Vocal)は「せっかく遠くまで来るのだから、その場所でしか食べられない美味しいものを食べてやろうと調べたら…立川の名産はうどパイらしいです。さっき駅に行って探したんですけど見つかりませんでした」「今度福島産のきのこ持ってくるんで、交換ってことで」と笑いを誘いつつ、「さっき活動のテーマは何かと聞かれて改めて考えました。『ファック、テプコ』とかは誰でもいえると思う。僕らに言えるのは中の現状は俺らしか分からないと思うので、庶民的な目線で…伝わってもいいし、伝わらなくてもいいので、歌い続けていきたい」と、東京のオーディエンスに訴えかける。そして「福島第一原発半径20キロ圏内のことを歌った曲」という「boundary」などを力強く披露!
 
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そしてトリを飾るのはおなじみBLOOD SABBATH!今回から新たなボーカルNinezeroを迎えての活動ということで、この日が新メンバーでの初ステージ。Ninezeroはスイス系オーストラリア人で、恩田快人(ex:JUDY AND MARY)、KENTAROGargoyle)、HIMAWARIDUSTER-3)とともに結成したMAZIORA THE BANDでも活動中という。ステージを縦横に動き回る、アクティブかつパワフルなステージ!これまでのBLOOD SABBATHとはまた違った要素が加わり、さらなる進化を予感させるステージであった。
 
終演後は、福島から駆けつけたC-MOONブッキングマネージャーの菊地春香実行委員、そして杉岡”Keizy”恵二実行委員がそれぞれ挨拶。東京と福島の絆をいっそう深めるとともに、翌月に迫る第6回大会の成功を誓っていた。
 
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◆TOKYO×FUKUSHIMA HEAVY METAL SUMMIT 公式ページ
http://www.heavymetalsummit.jp/

福島の現実に「脱・無関心」を唱えていこう!
東京&福島ヘヴィメタル・サミット第6回は12月15日(土)&16日(日)開催!
BLOOD SABBATH(as:BLACK SABBATH)、
MAGGOT(as:SLIPKNOT)、
GENERATION COXX(Original HR/HM)、
ツンデレラ(as:CINDERELLA)
の出演が決定。詳細は公式HPへ

※本記事中、第4回公演の画像はオフィシャル提供によるものです

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ライブハウス C-moon(福島市)
http://c-moon.net/


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【連載】脱・無関心 バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/mukanshin