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TEXT&PHOTO:鈴木亮介

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「メタルで食っていくとは!?」…バンドマン、音楽業界関係者ならずとも知りたい、大変興味深いタイトルのセミナーが2月1日、早稲田大学で開催された。全国のメタルサークルの親交・振興を図り、大学生の立場からメタルシーンを盛り上げるべく奮闘している学生団体「HELLYEAH!! WASEDA」が主催したもので、聴講は大学生のみを対象に行われた。
 
この「メタルサミット」はHELL YEAH!! WASEDAの活動の一環として年2回開催されているもので、今回で5回目。メタル界で働く業界関係者を招き学生と対面させ、今後の音楽業界・シーンをどうすべきか話し合うセミナーだ。前回・Vol.4はSTM/Garimpeiro Recordsの関口氏、Black-listed Productionsの大西氏の2名を招き開催された。
 
今回は、ゲストスピーカーにLoudParkの発起人である小杉茂・Howling Bull Entertainment代表と、Sony Music Artists / Raw Power ManagementのRew Kubayashi氏の2名を招き、「メタルで食っていくとは!?」と題して開催。貴重な話が数々を聞くことができた。
 

大学メタルサークル新歓フェス「Hell Yeah!! Fest Vol.5」4/27開催決定!
詳細は記事末尾へ

50名の学生たちで埋まる、早稲田大学学生会館の会議室。冒頭、HELLYEAH!! WASEDAの宮久保仁貴代表より挨拶と趣旨説明をしたのちに、本日のゲストスピーカーである、小杉茂氏を紹介。Howling Bull Entertainment代表取締役の小杉氏は、かの有名なLoud ParkやBeast Feastといったフェスの発起人として知られるほか、ChthonicThe Black Dahlia Murderなどの日本盤をリリースにも携わった、日本メタル界の立役者だ。
 
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「メタルで食えると思う?」「メタルでやっていきたい人?」初めに、集まった学生たちにこう問いかけた小杉氏。何名かの学生が挙手すると、小杉氏はこう切り出す。「東京でライブをやって、300人くらいお客さんが入るバンド。日本中でツアーもして。…っていうバンドは、残念ながら、飯を食えない。」ハッとする内容だが、間髪入れず「300人入ったとして、チケット代が2000円だとして、その人たちに入ってくるお金は…」具体的な金額を挙げて説明。そして、国内外の200組以上のバンドと仕事をしてきた自身の経験から「飯が食えるようになる/ならないバンドには差がある。飯が食えるバンドには共通点がある」ということで、小杉氏は「ここにいる人たちにはメタルで食っていってほしいから」と力強く語る。そして、自らの体験を踏まえた「飯が食えるバンドの共通点」を明かした。
 
貴重なお話の数々が伺えたが、当誌面上ではその一端をご紹介したい。小杉氏いわく「自分の意志とイメージどおりにしか自分はならない。一つのことをイメージできるかどうかが大事だ」という。確かに、具体的なイメージもないまま漠然とただ頑張っていても、成功はつかめない。そもそも何をもって成功とするか、そのイメージを持てずに活動するという行為は、顔も身長も、性別すらわからない犯人を追っている刑事のようなものだろう。
 
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また、小杉氏によればアーティストの「人気の方程式」があるとして、それは(影響力+感動力)×感染力だという。どらだけ深くその音楽が刺さっているかという「影響力」、どれだけ感情を動かしたかという「感動力」、その両軸がアーティストの魅力になるわけだが、そこに「感染力」、さらに周りに影響を与える力がなければ、内輪受けのバンド、知る人ぞ知るミュージシャン、で終わってしまうわけだ。
 
小杉氏はプロデュース、マネジメントに求められるスキルについても言及。それは相手に自分の意見を批判なく受け入れさせるコミュニケーション能力や、相手の望む状態に導くコーチング能力、そして相手の伝えたいことを受容と共感を持って理解するカウンセリング能力の3つだという。さらに、意識の持ち方や、なりたい自分と時期を具体的にイメージすることなど、きょうからすぐに実践できる「夢を叶える方法」なども学生たちに伝授した。
 
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※スライドは主催者提供のもの

続いてイベントの後半はSony Music ArtistsでCrossfaithのマネージャーを務めるRew Kubayashi氏も加わり、国内外でのCrossfaithの活動をサポートし続けている経験から、「メタルで食っていく」を語った。
 
「どのステージに立ちたいか」をしっかりイメージすることが大切だ、という小杉氏の話に同調したKubayashi氏。Crossfaithは当初から「イギリスのDownload Festivalでトリを務めたい」という目標を明確に持っていたため、Kubayashi氏はその目標に向けて何をしなければいけないかを考えていくことができたという。「目標が先にあったからできた。意識して動いていないと、その物事を自分に取り込めない。必要かどうかの価値観のフィルターを作ること。ただ努力していたら成功するというわけではない。目標をまず自分でつくることが大事だ」と学生たちに熱弁した。
 
「バンドで食っていく」というと、真っ先にお金をイメージしがちだ。しかしお金は原因(動機、理由)ではなく結果。やはり、いい曲を作り、いいライブをするということに尽きるのだろうが、Kubayashi氏の話す通り目標なき努力は迷走を生む。「向かうものを持つことで、退路を断てる自信が生まれるんです」とKubayashi氏は語った。さらに終盤はイベントを撮影していたライブカメラマン、岸田哲平氏を招き入れて鼎談。かつて小杉氏らとともに回ったHi-STANDARDのワープツアー(アメリカ・西海岸を回った1996年開催のWARP MAGAZINE JAPAN TOUR)で、当時21歳の岸田氏は「好きなアーティストを撮りたい」という情熱だけを武器に、単身アメリカに残り、撮影を続けたという。そんな武勇伝や、「自分の中で好きなものをつなげていきたい」という思いから月刊少年マガジン‎に自身の写真を売り込み、マンガ『BECK』に掲載されたエピソードなどを語った。
 
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最後は、学生からの質疑応答。彼らの視野は国内にとどまらず、中には海外展開についての質問も。小杉氏は自身のレーベルHowling Bull Entertainmentで扱っている台湾のブラックメタルバンド、CHTHONICソニック)を引き合いに、国を背負って活動するバンドの魅力とその魅せ方を紹介した。Kubayashi氏はCrossfaithの海外戦略として「日本人であることはマイナスではない。マイナスだと思っているうちはマイナス。自分にあるものは全て武器にする姿勢が重要」と話した。
 
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後日、主催のHELL YEAH!! WASEDAがゲストスピーカー2名にインタビューを行ったので、併せてそちらもご高覧いただければと思う。
 

小杉茂氏 インタビュー
http://ameblo.jp/hellyeahwaseda/entry-11579375612.html
 
Rew Kubayashi氏 インタビュー
http://ameblo.jp/hellyeahwaseda/entry-11800383037.html

 
ゲストスピーカーの数々の有意義な話の中でも、きょうからすぐに実行できるシンプルかつ重要な金言を最後に紹介したい。「なりたくない自分をイメージするのではなく、なりたい自分をイメージする。」…これはメタルに限らず音楽、いや音楽にとどまらず全ての仕事において、人生において、重要な第一歩だ。そして、こうした貴重な場をセッティングし続けているHELL YEAH!! WASEDAのメンバーにもエールを贈りたい。大学に入ったけど何となく日常を過ごしているという、やりたいことを見つけて輝きたいという学生諸氏には是非、HELL YEAH!! WASEDAの門戸を叩き、so heavyな学生生活を送ってほしいと願う。
 

◆HELL YEAH!! WASEDA Facebookページ
http://www.facebook.com/pages/Hell-Yeah-Waseda/391356364255029
 
◆HELL YEAH!! WASEDA Twitterアカウント
https://twitter.com/HELLYEAHWASEDA
 
 
◆Howling Bull Entertainment 公式サイト
http://www.howling-bull.co.jp/
 
◆Crossfaith 公式サイト
http://www.crossfaith.jp/
 
◆岸田哲平 公式サイト
http://teppeikishida.tk/
 

◆インフォメーション
大学メタルサークル新歓フェス「Hell Yeah!! Fest Vol.5」開催決定!
・2014年04月27日(日)【渋谷】clubasia
時間:未定
 
出演:(50音順)
青山学院Naked Wednesday(Blessthefall)
関東学院ハワイアン部(Naglfar)
慶應い軽音(While She Sleeps)
慶應Keio Sound Ship(Judas Priest)
千葉Ubojcor(LOUDNESS ※コピー)
中央HEAT WAVE(Taken)
帝京HEAD BANGERS(DragonForce)
東京都市フォークソング部(Crossfaith ※コピー)
法政音楽企画倶楽部(Fastkill ※コピー)
立教OVER ALL MUSIC(EACH OF THE DAYS ※コピー)
早稲田Sound Workin Shop(Mötley Crüe)
早稲田HEAVEN(Morbid Angel)

スペシャルゲスト:
UNITED
BREAK YOUR FIST
 
料金:
新入生無料
在学生800円+d
一般1200円+d
※学生入場の際には必ず学生証をご提示ください
※再入場可、その際ドリンク代500円が随時必要

チケット:
以下特設サイトのフォーム上にて予約受付中
http://hellyeahwaseda.wix.com/hellyeahportal#!tickets/c17y3

◆関連記事
【NEWS】HELL YEAH!! FEST vol.3は大盛況!
http://www.beeast69.com/news/rockinfo/69782
【連載】キャンパスロック図鑑 番外編 ~HELL YEAH!! WASEDA~
http://www.beeast69.com/serial/campus/62175


 
 
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