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![]() 【NEWS】ベーシストAKARI、キュートでロックなソロワンマン敢行2018年12月25日
ベーシストAKARI、キュートでロックなソロワンマン敢行 TEXT:鈴木亮介
![]() Photo:ヨアンクロション ロックバンドChu’s day.のベーシストAKARIによる自身初のワンマンライブ『AKARI Birthday 1st ONEMAN LIVE あかりんご革命』が2018年12月23日(日)、東京・代官山NOMADで行われた。 自身のYouTubeアカウントのチャンネル登録数が1万5千人を超え(2018年12月現在)、ベースの上手いユーチューバーの綺麗なお姉さん?と認識する人も少なくないだろう。が、彼女は歴としたロックバンドのベーシストである。2013年に『SCANDALコピーバンド/ヴォーカリストコンテスト』のファイナリストとして今はなき渋谷AXのステージに立ち、本格始動。2枚のアルバムとミニアルバム1枚をリリースし、日本テレビ系『秘密のケンミンSHOW』エンディングに楽曲が起用。6度行ったワンマンライブはチケット完売になることがほとんど。絵に描いたようなサクセスストーリーを進んでいたが、2017年にメンバーの病気を機に活動停止。その間、ベースのAKARIが一人、バンドの活動を止めるまいと活動。ラジオ出演やSNSでの発信など孤軍奮闘。その活動の一つが、YouTubeでの「弾いてみた動画」ということになる。 2018年に入り、AKARIのソロ活動を本格的に始動。バンドのサポートや、YouTubeでの演奏動画など場数を踏みながら、年末のこの日、自身の誕生日を5日後に控えた12月23日に初のソロワンマンライブを開催することとなった。復帰ライブであり、23歳のバースデーライブであり、ベーシストとして初のソロライブ。その会場に選んだのは、バンド時代、18歳で初のワンマンライブを行ったときと同じ、代官山NOMADだ。いろんな思いが詰まったライブの模様を以下レポートしたい。 ステージのど真ん中に2本のベースが並ぶ、とても珍しい光景。下手にドラムセット、上手にはエレキとアコギが置かれている。午後5時半を回り、サポートを務める古賀真人(Drums)とオダクラユウ(Guitar)に続き、赤いニットセーターにミニスカート姿のAKARIがステージに登場。でんぱ組.inc「でんでんパッション」のカバーからライブはスタート。ベースを低く構え、華麗に弦を爪弾きヘッドマイクで笑顔いっぱい、歌う。キュートなルックスと楽曲のポップさとは裏腹に、ロックンローラー然とした佇まいと指使いが印象的だ。続く「ルパン三世のテーマ」では打って変わってクールに伏し目がちに演奏。ベースが歌うように、表現力豊かに重低音を轟かす。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「みんな、いる!」客席一人ずつじっくり見回し笑顔になるAKARI。続く「HOT GIRL」ではベースをサンダーバードに持ち替え、笑顔で歌う。さらに4曲目「キューティーハニー」ではイントロのベースのうねりがインパクト大!「ベースでアレンジしたら楽しそうな、みんなが何回も見てくれるであろう曲を選んでいる」という、YouTubeに演奏動画をアップした楽曲を贅沢に披露。「この曲のベースラインはこんなにかっこよかったのか!」という意外な魅力をAKARIの演奏で発見できる。 ワンマンライブということで、バンド時代には経験しなかったMCも積極的に挑戦。「まだ2曲目?4曲目?」と緊張の様子を見せたのも束の間、「私はロックベーシスト。人生色んなことがある方が面白いってとらえてがんばりたい」「ずーっとついてきてくれないと泣きますから、ついてきてください!」と新たな門出の決意を語ると、ドラムとベースのロックなセッションへ。冴えわたるスラップで観客を魅了。さらに、自らドラムを叩いて自身のYouTubeチャンネルのテーマ曲を演奏。サポートでありバンド時代からプロデューサーとして二人三脚の活動をしてきたオダクラユウも、やんちゃなギターソロを披露し観客を喜ばせる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ライブ後半では”レクリエーションタイム”も。童謡「どんな色がすき」の替え歌「どんなあかりんごが好き」で観客とセッション。あかりんごお姉さんが観客に「あかー!」と叫ばせ、まったり和んだところで、AKARIは一旦ステージを退出。サポートメンバーのクールで骨太なセッションでつなぐと、AKARIが純白でセクシーな衣装に着替えて再登場。自ら作詞・作曲した「刹那雪」を熱量高めに歌いあげる。 その勢いのままに9曲目はきゃりーぱみゅぱみゅの「ファッションモンスター」。観客一人一人の顔を見つめながら、「ベースってこんなに楽しいんだよ!」とばかりに立ち台に立って、手元を見せるように演奏する。 「ラストに近づいてる…」と話し、客席から不満の声が挙がると「”えー”が私だけに向けられてるのが感慨深いですね」とはにかむAKARI。すかさずオダクラユウが「ていうか(近づいているのでなく)次がラストの曲だよ!」と突っ込む。この日一番の手拍子に会場全体が包まれ、本編最後はDA PUMPの大人気曲「U.S.A」。ベースのボンボン鼓膜を揺らすのが心地よい。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「アンコールあるよ」といたずらっ子の表情でつぶやき、ステージを去るAKARI。とは言え”お約束”なんかではない激熱な拍手が起こり、再登場。ベースの疾走感にローボイスの歌声が魅力的な岡崎体育の「感情のピクセル」を披露すると、本編でギターがハウってしまった「刹那雪」をリベンジとばかりに再び披露。同曲はChu’s day.の代表曲の一つとして人気を誇るバラード曲だ。本編よりもいっそう情感たっぷり歌い上げる。そのAKARIの力強い眼差しと歌声、そしてベースサウンドに、完全復活を感じたファンも多かったのではないだろうか。 そして最後の曲を前に、オダクラユウがAKARIの心情を代弁すべくマイクを握る。「たとえ一人でも、活動し続けなければ、本当に応援してくれた人の気持ちがどうにかなっちゃうと思って、応援してくれた人たちを裏切りたくないという気持ちだけで2年間頑張ってきてここに立っている」というMCに目を潤ます観客も。「きょうのワンマンが、ベースを持って歌う革命の初日。応援してくれた分やりきりたい。バンドのスタートとなったあの曲をやりたい」とAKARIも思いを語り、最後にChu’s day.の代表曲「愛の光」をパワフルなバンドサウンドで披露。大きく手を振りシンガロングする観客たちと一つになってソロ初ワンマンの舞台を完成させた。 ![]() 不器用ながら一生懸命、新たなファンも集めたうえで、Chu’s day.の曲にもう一度魂を宿した、この日のステージ。「また会いましょう」という言葉には前向きなパワーが内在していた。 ベースという楽器はバンドの中で縁の下の力持ち的な存在。AKARIの存在もまさに縁の下の力持ちだ。聴くもの皆、見るもの皆の日常を明るく照らす、まさに”あかり”として、AKARIはこれからも走り続ける。
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