特集

BEEAST太鼓判シリーズ第7弾アーティスト『ソウルジャンクションズ』

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集!第7弾は兵庫県赤穂市出身の4人組ロックバンド・ソウルジャンクションズをお届けします!
メンバーは写真左からタカナユウヤ(Bass/以下:ユウヤ)、平松チャパ慎也(Vocal & Guitar/以下:チャパ)、ヒサシブルース(Guitar/以下:ヒサシ)、ハセ(Drums)の4人。
 
2006年1月に結成し、地元・兵庫を中心に活動ののち、2009年に上京。インターネット放送局「あっ!とおどろく放送局」でレギュラー放送を務め、24時間テレビ33 忌野清志郎企画『TOKIOから忌野清志郎さんへ「ありがとう」天国へ捧げるスペシャルLIVE』にも生出演。2010年12月の東京初ワンマンライブ『ジャン子大感謝祭~東京初ワンマン・上京1周年・結成5周年、それもこれも皆さんのお陰です!!~』@渋谷屋根裏はソールドアウト。2011年10月にミニアルバム『ヘリコプターと初恋』をリリースし、収録曲の「愛しいウ・ラ・ラ」はTOKYO MXの朝番組「U・LA・LA@7」のエンディングテーマにも起用されました。
 
「パワフル」「ユーモア」「男らしさ」「真心」の4本柱を武器に活動中で、力強いライブパフォーマンスと泣かせる演奏、そして歌詞に見られるちょっとお茶目な「かわいらしい男の子」が持ち味。そんな「チャーミングロック」を掲げて奮闘するソウルジャンクションズの魅力を探るべく、バンド結成の経緯から現在の心境に至るまで、メンバーにインタビューしました。
 

 

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— 念のため確認です…”タカナ”ユウヤさんで、間違いないですか?

 
Photoユウヤ:そうです。というか、本名は田中なので「タナカさん」でも良いですよ。2010年にリリースしたミニアルバム『にじのわ』で「タナカ」を「タカナ」と間違えられて、それ以来「タカナユウヤ」という芸名にしました(笑)
 

— わかりました(笑)ではインタビューを始めますが、まずはバンド結成の経緯を教えてください。

 
チャパ:メンバー4人とも兵庫県赤穂市の出身なのですが、まず僕とハセが高校時代から同じバンドを組んでいて、卒業後も同じ大阪の音楽専門学校に通っていました。2人ともバンドをやりたくて、新しいバンドを組もう!とメンバーを探すことにしました。
 
ハセ:まずベースは、僕の中学校の1つ下の後輩であるタカナを誘いました。そして、チャパが高校の同級生であるヒサシを誘って、この4人で結成することになりました。それからずっとこのメンバーです。
 

— 結成当初からオリジナル曲をやっていたのですか?

 
チャパ:最初はSam CookeMarvin Gayeといったソウルミュージックのカバーをやったり、それを「昇華したオリジナル」と言いつつ、もっとポップな曲を混ぜてやっていました。
 
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— 元々ソウルミュージックが好きだったのですか?チャパさんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

 
チャパ:中学の卒業前日に、担任の先生が突然ギターを持ってきて「みんなに聴かせたい曲がある」と吉田拓郎さんの曲を弾き始めたのです。曲名が未だに分からないのですが、その時鮮明に覚えているのが「ただ粋がってただけなんだ~」っいう歌詞の曲があって。当時僕は教師という職業にも憧れていたのですが、その先生に大きな影響を受けて、僕も子どもに歌で道を示せる先生になろう!と思ってそこからギターを握って弾き語りを始めました。それからだんだん好きな音楽が増えてきて、ミュージシャンになろうという気持ちが強くなりました。音楽を始めた当初は、その先生の影響でゆず19などフォーク系が好きでしたが、高校ではパンクにハマり、そしてこのバンドを組んだ時には明るい曲をやりたい!と思って、中でもウルフルズを観て「自分達もこうなりたい!」と憧れるようになりました。そして、ウルフルズのルーツをたどっているうちにSam CookeMarvin Gayeといった音楽に行き着きました。
 

— なるほど。他のメンバーの皆さんは、どのような経緯で音楽を始めたのでしょうか?

 
Photoヒサシ:僕は6歳上の兄がギターをやっていたのがきっかけですね。中学校の頃、暇つぶし感覚で兄からコードを教わって弾いていたら面白いなと思うようになり、その時好きだったTHE BLUE HEARTSをコピーするようになりました。それからずっとバンドをやりたいと思っていたのですが、さすがに兄と組むわけにもいかず(笑)高校でようやく音楽をやっている仲間と出会い、バンドを組むことになりました。最初はTHE BLUE HEARTSにハマり、兄の部屋に忍び込んでCDを聴いていました。その後、甲本ヒロトさんかマーシーさん(=真島昌利)かどちらかが、何かの雑誌で「Robert JohnsonのCDがオススメ」と書いてあるのを読んで、聴いてみたんですよ。正直あまりハマらなかったのですが、そのRobert JohnsonKeith RichardsEric Claptonに影響を与えたというのを知ってEric Claptonを聴くようになり、ブルースが好きになりました。
 
ユウヤ:僕の場合、家で両親がJ-POPをよくかけていたこともあり、音楽を聴くのは好きだったのですが、自分で何か楽器をやろうとまでは思っていませんでした。中学に入り、先輩がHi-STANDARDのコピーバンドをやっているということでライブに誘われて、行ったらものすごくかっこよくて、「俺もやりたい!」と思い、そこからギターを始めました。ちなみにその時ドラムを叩いていた先輩がハセ君です。最初は「カメラ小僧」みたいな感じで、撮影を頼まれて色んな先輩のライブにビデオカメラを持って行っていました。
 
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— 最初はどちらから声をかけたのですか?

 
ハセ:毎回ライブに来てくれたので、「おう、また来たか」と僕たちから声をかけましたね。それからライブの撮影を依頼し、交流が始まりました。当時僕らがソウルミュージックにハマっていたので、「あれを聴け」「これを聴け」と教えてました。
 
ユウヤ:その後、ハセ君に「一緒にバンドやろう」と誘われて入ったのが、ソウルジャンクションズです。実は、「ベースがいないからやってくれ」と言われて、このバンドに入ってからベースを始めました。始めてスタジオに入った時は勝手も分からず、ギターと同じようにピックで弾いていたらチャパ君に「指で弾くのが主流だよ」と教わって。それが18歳の頃ですね。
 
ハセ:僕が音楽を始めたのは中学の時です。Hi-STANDARDが当時流行っていて、惜しくも僕が中3の時に活動休止してしまったのですが、ずっとメロコアブームが続いていて、「女子高生がライブハウスに行く」っていうのが一種のステータスだったので、とりあえず楽器やってる人はみんなモテてたんですよ。で、僕もバンドしたいと思って、仲間7人でバンドを組むことになりました。正月に各自楽器を持って集まろうと話したところ、1人だけ兄のベースを持ってきて、あと6人は全員ギター持参(笑)これじゃバンドができないということで、じゃんけんをして僕は負けて、ドラムをやることになりました。
 
Photoチャパ:ちなみにその当時彼らは中学生だったのですが、ハセの家で集まって練習して、音の加減もせずに全力で生ドラムを叩いて演奏したため、地域問題になったそうです。でも、高校の頃色んなバンドと対バンしましたが、彼のいたバンドが町で一番すごいバンドだったんですよ。
 
ハセ:知らないって怖いですよね(笑)アンプも使って大音量で演奏して…父親の前で正座させられ怒られた記憶があります。その後バンドは高3まで続けて、進路がバラバラになるため解散。その直後にチャパに誘われてソウルジャンクションズを結成しました。Hi-STANDARDのドラマーの恒岡章さんは僕の中での一番最初のヒーローなので、今でも好きですね。
 

— 4人のお話を聞くとソウルジャンクションズのルーツはパンク?とも思えますが…

 
チャパ:確かに当時流行っていたので、みんな好きでした。でも根本にあるのは90年代、僕らが小中学生の時流行っていた曲です。昨年出したアルバム『ヘリコプターと初恋』にも、90年代要素は込められています。
 
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— 確かに、最初に聴かせていただいた時に90年代J-POPの懐かしさを感じました。ではそのアルバムについて、コンセプトや「聴きどころ」を教えてください。

 
チャパ:少年時代の淡い気持ちとか、向こう見ずのひたむきさが今の自分にパワーをくれる気がして、最近はそういうテーマの曲をずっと作っていたので、アルバムのコンセプトも「青春の一枚」にしました。楽曲は主に僕とヒサシで作っていますが、僕ら4人とも胸の奥にあるのが90年代のいい曲なので、それが曲にも表れているのだと思います。そして今回はアレンジに永井ルイさんに入っていただいたのですが、ルイさんによってアレンジされた曲が返ってきて、最初に聴いた時、自分が作った曲のはずなのに全然知らない曲を聴いている感覚になりました。自分のメロディに「魔法」というか…ルイさんが料理したらこんなにすごくなるのかぁと感じましたね。僕らの新しい扉を開いてもらえたと思います。
 

— 「扉」というのは具体的にはどの辺りに表れていますか?

 
Photoチャパ:その「ヘリコプターと初恋」のレコーディング中にルイさんから「George Harrisonの雰囲気でコーラスをやってくれ」と言われて。最初は戸惑ったのですが、ルイさんが見本を見せてくださり「ちょっと志村けんさんっぽく、鼻にかける感じで」と分かりやすいアドバイスもいただき(笑)、これを4回重ねると本当にGeorge Harrisonになるんですよ!そういう引き出しの多さも、ルイさんすごい!と感動しました。
 
ヒサシ:永井ルイさんと出会ったことで、僕らの中で今、ブリティッシュ・ロックブームが急騰しています。新曲にも、ブリティッシュ・ロックテイストの曲があります。THE BEATLESに影響されて作った曲や、最近書いている歌だとElvis Costelloのような曲だったり。ライブでは披露しているので、是非ライブに遊びに来てください!
 

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というわけで、ここでソウルジャンクションズのライブの模様をご紹介したいと思います。彼らを支持するのは若い女性が多く、この日の客席も最前列は女性で埋め尽くされています。そこへメンバー4人が登場すると、待ってましたと飛び交う黄色い歓声!朝番組のタイアップにもなった爽やかソング「愛しいウ・ラ・ラ」から演奏スタート!
 
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縦横無尽にステージを動き回り、元気を”ふりまいていく”のがチャパの持ち味。2曲目「Rollin’ rollin’」、3曲目「ジョンレノンを知らない」と立て続けに勢い良く、力強く、歌い上げます。その勢いを加速させるのが、心地良いハセの俊敏ドラムに、優しく心を揺らすユウヤのベース、そして爽快感溢れるヒサシのギター。J-POPが爆発的に流行した90年代のいいとこどりをしたらこうなった…という、20代30代の多くの人たちにとっては、心の中の大切な記憶を思い出させてくれる、とても魅力的なステージです。4曲目はアルバムタイトルにもなっている「ヘリコプターと初恋」。歌い出しからいきなり「♪男の子はおちんちん 振り回してヘリコプター」というような、ちょっぴり笑える「爽やかエロ」も、ソウルジャンクションズの魅力!

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後半2曲「はじまりの歌」「希望の詩」は、ガラリと変わってしっとり聴かせるバラードナンバー。誰もが味わう悲しみに寄り添いながら、曲の最後は必ず前向きな詩になっていて、聴く人を勇気付けてくれます。音楽から元気をもらえる…バブル崩壊、オウム、阪神淡路大震災…「失われた10年」とまで言われたあの頃、90年代の日本を支えてくれた音楽の力、J-POPの力…そんな素晴らしい系譜の先端に、ソウルジャンクションズは位置しているのです。
 
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この日、アンコールで披露されたのは「恋のからさわぎ“幸せになろうじゃあ~りませんか”」。5年前に初めてインディーズでCDを出した時の曲で、1stアルバムにも収録されている曲。チャパいわく「現在のバンドの方向性を決めてくれました、今でも大切にしてる曲」とのこと。その思いは客席ともしっかり共有されていたようで、お客さんが皆一様に笑顔でステージを見つめていたのが印象的でした。
 

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さて、そんな彼らのアルバム『ヘリコプターと初恋』の中に「ぼくのまち」という曲があります。「なにもない町だから飛び出してきたはずなのに すべてあるこの街で何故だろう?ないものばかりを探している」…夢を持って上京してきた人なら誰もが共感できる悩みや故郷への思い、それでも前を向いて進もうという決意が歌われていますが、ソウルジャンクションズのメンバー自身は、上京時のこと、そして東京で今、どのような心境を抱いているのでしょうか?
 
チャパ:兵庫から東京に活動の拠点を移したのは、2009年、僕たちが22歳頃のことです。その少し前、バンドをやっている地元の先輩から「東京にツアーも行ってないなんて遅すぎる」と言われて、その時初めて東京を意識しました。それまでは「地元で一番になってやるぜ」という思いしかなくて。先輩の一言ですぐに決意して、2ヶ月に1回くらい東京に通い始めて、ライブにだんだん慣れてきた頃、自分達で言うとおこがましいですが「地元で負け知らず」くらいにお客さんに来てもらえるようになって、次のステージに進もうと決心して、東京への移住を決めました。マンションの契約も済ませて荷物も全部移して、姫路で最後のワンマンライブをやって、その日の夜に機材車に乗り込んで東京へ移動しました。一回家に帰ったら里心がついてしまうと思ったので、そのまま実家に戻ることなく兵庫を後にしました。それから4年、今でも苦労の真っただ中ですが、一番大きかったのは、自分は地元でソウルジャンクションズは誰にも負けてないという意識があったのですが、こっちに来ていいバンドをたくさん知ったり、成功している人達を見て、今まで感じたことのない劣等感を初めて感じるようになりました。そういう気持ちが僕には今までなかったので、だからこそ東京に来てから「頑張る人を応援する歌」が書けるようになりました。その「劣等感」が、曲を作るモチベーションになっています。この感覚がなかったら今のソウルジャンクションズはなかったですね。
 
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◆ミニアルバム『ヘリコプターと初恋』
2011年10月26日発売
品番:GFCG-12102
価格:¥1,800(税込)

◆ライブスケジュール
・2012年07月22日(日)【姫 路】Beta
 ※ワンマン
・2012年08月07日(火)【渋 谷】O-crest
・2012年08月28日(火)【千 葉】本八幡ルート14
・2012年08月31日(金)【下北沢】Club Que
・2012年09月04日(火)【渋 谷】Milkyway
・2012年09月22日(土)【渋 谷】O-crest
 ※ワンマン
・2012年10月03日(水)【千 葉】LOOK
・2012年10月12日(金)【横 浜】F.A.D
 
◆ソウルジャンクションズ 公式サイト
http://www.souljunctions.net/
◆ソウルジャンクションズ Facebookページ
http://www.facebook.com/souljunctions

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