時代や国籍、音楽ジャンルを超越した摩訶不思議なバンド、それがFOLKROCKSだ。メンバーの顔ぶれを見るだけでも、いかに「摩訶不思議」かが伝わってくる。子供ばんど、遠藤賢司バンドなどの湯川トーベン(Vocal&Bass)を筆頭に、ROLLYらと結成したRockrollyなどに所属し、アニメ・セーラームーン/乙女のポリシーの作曲でも知られる永井ルイ(Vocal,Keyboard & Guitar)、センチメンタル・シティ・ロマンスで活躍する中野督夫(Vocal&Guitar)、RED WARRIORSやmintmintsなどで活躍する向山テツ(Vocal&Drums)、そしてBand of SHIGEO ROLL OVERの本多”taco-bow”正典の5名。何とも個性豊かなメンバーであることに加え、全員が代わる代わるボーカルを務めるというのもFOLKROCKS独自のスタイルだ。
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そんなユニークなFOLKROCKSによる「新春LIVEツアー2012 ~お年玉はもう貰えないよ おまへは~」の最終日に、本誌・BEEASTは取材を敢行!この日、日中に雪が降っていたせいでかなり冷え込んだ夜となったが、会場となる吉祥寺「STAR PINE’S CAFE」には、そんな天候とは関係なく続々と観客が集まり、開演前から既に熱気でいっぱい。
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ステージの上には、色とりどりのカラフルなツアーTシャツが飾られ、ギター、ベース、ドラム、キーボードに加えて、あまり見た事がないような珍しい形のたくさんのパーカッションがズラリと並べられている。それを見るだけで、これからどんなステージが繰り広げられるのだろうとワクワクが高まっていく。
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開演時刻の19:00を少し過ぎて会場が暗転し、5人のメンバーがステージに登場!そのまま中野督夫のギターリフから、1曲目「ブリキのパラダイス」でライブがスタート!パワフルなサウンドと、湯川トーベンと永井ルイのダブルボーカルがいきなりガツン!とくる。続いて2曲目は絶妙なハーモニーと軽快でポップな「ねぇドクター」。その唯一無二の世界観に、観客もグイグイ引き込まれていく。
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3曲目「箱庭の街で」で中野督夫がボーカルを務めたかと思えば、4曲目「アトランティック」では永井ルイのボーカル。そして5曲目「コブのない駱駝」では向山テツが熱唱…と、万華鏡のように代わる代わる歌声が変化するのも、彼らならでは。幻想的でファンタジック、どこかノスタルジックでほのぼのとした懐かしさ…次々とバラエティに富んだ曲で、徹底して観客を楽しませる。それはもうFOLKROCKSという名のおもちゃ箱だ。
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MCはとにかく面白く、爆笑に次ぐ爆笑。笑いが起こるたびに会場がひとつになり温かい雰囲気に包まれていく。6曲目「三丁目のうた」に続いては、湯川トーベン、中野督夫、永井ルイのスリートップが快走する「夜空のロックンローラー」。そして8曲目、中野督夫のボーカルが渋く冴える「脳天R&R」で、あっという間に1部が終了してしまった。 br>
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続いて第2部のスタート!メンバーは先ほどとは異なる色のTシャツで登場。楽曲同様、カラフルなTシャツ姿の5名がステージを彩る。冒頭、再び中野督夫がボーカルをとり、「晴れたり曇ったり」から、名古屋弁と軽やかなニューオーリンズ調が不思議とマッチした「Mr.GS」。そして、アップテンポな「走るのだ!逃げるのだ!」は永井ルイが熱唱!
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「え~次は新曲です!」とMCが入りワーッと客席が盛り上がると、本多taco-bow正典のコミカルなパーカッションの音色が響き出す。新曲「チョロマカシ天国」である。ブルージーなギターとメロディ。それでいてサビはプログレ。壮大に広がっていくスケール。カッコよさと面白さ両方が詰まった、FOLKROCKSそのものをギュッと濃縮したような曲だ。
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4曲目「ネオンライト」に続いては、ラテン風「マンボジャンボ」。本多taco-bow正典による、ものすごい迫力のパーカッションソロがメインだ。向山テツのドラムとの緊張感あふれる掛け合いに、ただただ圧倒され、目も耳も釘付けになる。と、ここで突然、暗転。客席後方からケーキを持ったスタッフが登場した。翌・21日が、今まさに迫力のパーカッションソロを見せてくれた本多taco-bow正典の53回目の誕生日ということで、サプライズの演出だったのだ! br>
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思わず手拍子したくなるノリのいいミディアムテンポの「SING ALLRGHT」に次いで、カントリー調ロックのゴキゲンなナンバー「グーでばっちり」で、いよいよ会場のボルテージは最高潮。勢いそのままに最後の曲「なんだよおまへは」へとなだれ込み、第2部のステージは締めくくられた。
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アンコールの声がかかると、暗いステージにはカラオケだけが流れてきた。いったいどういうことなのか?…なんと、メンバーそれぞれがマイクを持って順に歌いながら登場!ディナーショーさながらに客席へ接近する大サービス!5人のメンバーが代わる代わるマイクをとり、高らかに熱唱。会場は笑いの渦と化し、大いに沸き上がったところで、グッと聞きごたえのあるラスト「風景」で、幕を閉じた。
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これほど笑わせてくれながら、こんなにもカッコよく、楽しませてくれるバンドが他にあるだろうか?それは、メンバー全員が熟練された腕のある音楽職人たちであるからこそ出来るパフォーマンスにほかならない。
決して一日では成り得ない技術と誇りが、確かにそのサウンドの中に結集されている。カッコイイ大人たちの円熟したロックを、カッコイイ大人のみならず、これからカッコイイ大人になる世代にも是非、堪能してほしい。
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http://folkrocks.iinaa.net/folkrocks/top.html
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http://market.glimrock.com/
-第1部-
M01. ブリキのパラダイス
M02. ねぇドクター
M03. 箱庭の街で
M04. アトランティック
M05. コブのない駱駝
M06. 三丁目のうた
M07. 夜空のロックンローラー
M08. 脳天R&R
-第2部-
M01. 晴れたり曇ったり~Mr.GS
M02. 走るのだ!逃げるのだ!
M03. (新曲)チョロマカシ天国
M04. ネオンライト
M05. マンボジャンボ
M06. SING ALLRIGHT
M07. グーでバッチリ
M08. なんだよおまへは
-encore-
M01. カラオケショー
(なんとなくなんとなく~STING ME~自慢のニョーボ~おかねのうた~タコのうた~星のプレゼント)
M02. 風景