超自信作が出来ました!本当にそう思っています
—ついにデビュー30周年を記念したアルバム『I,MANABU MIYAHARA』が完成ですね。
宮原学:はい。レコーディングが終わって一週間くらい経つのですが、生活ペースがまだレコーディングモードです。午後くらいから始めて、日付が変わる頃や、夜中まで集中して作業していましたので。
—レコーディングいつから始められたのですか?
宮原学:昨年(2015年)の11月の頭くらいから始めました。年をまたいで、集中的な作業に入ったのが、今年(2016年)の2月からです。
—半年くらいかけて作られたということは、割と長めの期間ですね。
宮原学:そうですね。大変な面もありましたが、超自信作が出来ました!本当にそう思っています。
—今回は30周年をコンセプトに進めてきたのですか?
宮原学:実は、僕自身はそれほどアニバーサリーにこだわっていたわけではないんです(笑)。ありがたいことに、周りの方々が、30周年じゃない?って気にしてくれて。
—それは意外ですね。普通は記念を意識しているものだと思っていました。
宮原学:一昨年くらいから、アニバーサリーをやっているアーティストが、すっごく多くなかったですか?(笑)
—確かに言われてみれば、多かったように思います(笑)。
宮原学:僕的には何ていうか、確かに30周年という区切りもあるんですけど、32周年とか中途半端なのもアリじゃないかと思っていました(笑)。
—結果的に30周年のアルバムに着手されたのは、周りの声の影響が大きかったのでしょうか?
宮原学:キッカケという意味では、そうです。ただ、今度のアルバム『I,MANABU MIYAHARA』は、まさしく僕がこの30年の間に作ってきた作品の中で、一番好きなものになったと思います。
—一番好きなものって表現は、なかなか聞かないです。まさに超自信作ですね!
宮原学:本当にやれて(新譜を出せて)良かったなと思います。まだライブでは(新譜の曲を)やっていませんが、レコーディングとして考えた時、僕がやりたかったこと、今やりたいと思っていたことが、すべてできました。本当にうれしいですね。
—今回のアルバムはゲストが素晴らしいですね。今までの宮原学は、自作曲というイメージが強く、ゲストを迎えるイメージがありませんでした。
宮原学:確かに今まではそうですね。僕自身、初めての試みが大きかったです。
—『I,MANABU MIYAHARA』収録の半分近くが、外部ライターの作品で驚きました。
宮原学:正確には、11曲中4曲を書いてもらいました。残りは僕の曲です。
—作品のオーダーは、最初から頭にあったものですか?レコーディングしていて外部の曲を入れようと思ったのですか?
宮原学:レコーディング前からですね。最初からと言えるかも。今回曲を提供してもらったアーティストとは、昨年あたりに結構現場(セッションやイベントなど)で会うことが増えたのも理由ですね。
—宮原さんからオーダーしたのですか?
宮原学:曲書いてよ!って(笑)。30周年のアルバムを作るというのは当然あったわけですが、彼らの中にある僕のイメージはどんな感じなのかという興味もありました。
—外部ライターの曲は、やってみてどうでしたか?
宮原学:今、終わったからいえますが、始めはかなり戸惑いました(笑)。何ていいますか、それぞれデモの作り方も違うし。今までありそうで、曲を書いてもらったことは無かったから、新鮮という意味では、すごく楽しい作業でした。
—それぞれ単なる外部ライターではなく、実績と才能にあふれたアーティストからの提供ですから、凄いことですよね。
宮原学:本当そうですね。ギターを弾いて歌うという部分で、僕と共通しているアーティストですし、うれしいですね。僕らの世代からすると、先輩にあたるアーティストなわけですよね。先輩ですが、普段友達として付き合ってくれるし、こうして曲も書いてくれるし、ありがたいです。
—書いてもらった曲は、書いた方がレコーディングで、ギターを弾いているのですか?
宮原学:基本は僕が、アルバムを全面的に弾いています。提供してもらった曲も弾いています。
—提供したアーティストはレコーディングに参加しなかったのですか?
宮原学:参加してくれました。それぞれ提供してくれた曲でのコーラスや、ギターで参加してもらいました。色々とエピソードはありましたけど(笑)。
—その一つを紹介してください。
宮原学:誰とは言いませんが(笑)。僕は元々、ギターのエフェクターのアタッチメントを、あまり使わないタイプなんです。昔ながらというか、コンパクトタイプのエフェクターを使っていて。特にレコーディングの時は、それを2個か3個程度繋ぐのが定番。
—なるほど。何かが起きたわけですね(笑)。
宮原学:そうです。ある曲で、良いテイクが録れたのですが、休憩してもう1テイク、一応録ろうか?という時でした。クールダウンしてスタジオに戻ったら、アタッチメントがぐちゃぐちゃになっているんです。
—足元がさっきと違う!と。
宮原学:テク(ギターテクニシャン:ローディー)に、「おい!線(シールド)がぐちゃぐちゃじゃねーか!」といったら、「アタッチメントを全部外されて、アンプ直結になっています……」って(笑)。
—宮原さんの休憩中にセッティングが変わっていたと。
宮原学:僕もかなり長く音楽やってきていますが、ギターをアンプに直結でレコーディングしたのは、後にも先にも初めての経験でした(笑)。だいたい、何かかましますよね。せめてボリュームペダルくらいは、いいんじゃない?って聞きましたが、ダメだと(笑)。
『I,MANABU MIYAHARA』は、1曲1曲を単体で聞いてもらっても、自信を持って、いいだろ?!っていえる作品
—今回の作品は、ゲストの参加が大きなポイントですが、皆さんやはり宮原さんの30周年記念という意味で、気合を入れて提供されたのでしょうか?
宮原学:それももちろんあったと思います。30周年おめでとう、というか。でも、むしろ、これからもちゃんと(活動を)やれよ!という意味で、僕は受け取っています。
—先輩アーティストからの大きなエールですね。
宮原学:僕ら世代としては、中学や高校の頃によく聴いていた先輩アーティストなわけですよね。でも、普段から友達付き合いをさせてもらっていて、さらに一緒に音を出す機会が最近増えているので、とてもうれしいです。
—オーダーの方法、イメージのリクエストなどはどうされたのですか?
宮原学:特に言いませんでした(笑)。音楽的には、僕の癖とかも理解してもらっていると思っていたので。僕からあえて、こういうタイプの曲を!みたいな話は一切しませんでしたね。ただ、一つだけ言ったのは、好きに作ってもらっていいんだけど、気に入らなかったらNG出すからねって(笑)。
—それまた凄い話ですね(笑)
宮原学:やはり良い曲じゃないとダメですから、そこは僕的に納得できる曲というか(笑)。
—発売日から考えると、レコーディングはかなりギリギリまでされていたのですね。
宮原学:作業自体は、すごく楽しかったんですけど、それも終わったから言えることで(笑)。特にレコーディング後半は、(発売日からの)逆算して締め切りを強く意識して作業しないとならなかったです。
—アルバムに先行して2曲を配信リリースされますが、選曲の基準を教えてください。
宮原学:コレとコレ!って、スタッフが決めました(笑)。
—そうなんですか?
宮原学:もちろん僕も少しは考えましたが、この『I,MANABU MIYAHARA』は、1曲1曲を単体で聞いてもらっても、自信を持って、いいだろ?!っていえる作品なので、どの曲でも僕は良かったです。
—すべての曲が最高レベルなのですね。
宮原学:今までだと、先行配信がある場合、コレとコレとかって自分の中ではありました。今回はどれでも大丈夫!という自信もありましたので、スタッフに任せました。
—そしてタイトルも良いですね。
宮原学:タイトルは、マネージャーが考えました(笑)。普段は僕が悩みまくって付けることが多いんですけど。
—今回は何か理由が?
宮原学:マネージャーは年半分くらいアメリカに住んでいるんですが、“アイム”じゃなくて、“アイ”っていうのがポイントみたいですね。カッコいいなと思ったんで、『I,MANABU MIYAHARA』を気に入っています。
—『I,MANABU MIYAHARA』の自作の曲は、書き下ろしですか?
宮原学:僕のは、書き下ろしの曲と、現在までにレコーディングするチャンスの無かった曲ですね。
—以前、曲作りはコードやリフを重視していると話されていましたが、今回もそうですか?
宮原学:同じですね。リフが出来たら、曲ができたに等しい(笑)。今回の曲も、まぁ音楽って物体としては見えないので、それをメンバーにどう伝えるかって大切なですが。僕は言葉で説明するんじゃなくて、デモにして聴かせたり、もしくはメンバーの前で歌って聴かせたり、イメージを伝えています。
—自作の曲で思い入れのある曲はありますか?
宮原学:「A-BALLADE」ですね。特にバラードでも何でもない曲なんですが(笑)。宮原学は、スローテンポなバラードを得意としているんですが(笑)。今回はそういうタイプの曲が無いです。
—アルバムが出ると、すぐにレコ発のライブがありますね。
宮原学:ライブ会場の2016年問題ってあるじゃないですか。本当は、30周年記念だし、渋谷公会堂みたいなところで!と思っていたんですが。色々と考えて、東京は渋谷 TSUTAYA O-WESTにしました。とってもやりやすい会場ですし。
—ライブの方も、ゲストが凄いですね。
宮原学:この出演者を、TSUTAYA O-WESTで観るのはなかなかありませんね(笑)。かなり楽しんでもらえるライブになると思います。
—東京の他には、名古屋公演がありますが、構成は変えるのでしょうか?
宮原学:まだわかりませんが、確実なのは、長時間のステージになると思います。ましてやギタリストが何人いるの?状態ですから(笑)。それぞれ自前のギターアンプを持ってきて弾くタイプばかりですから、6台はギターアンプが並んでいるはずです(笑)。
—東京と名古屋では若干ゲストの出演に差がありますが、本当に楽しめそうですね!
宮原学:間違いないと思います。僕の中では、ほぼありえない組み合わせでゲストに出てもらいます。彼らもお互いに、一緒に演奏するのは、ほぼ無いはずです。書いてもらった曲をプレイするだけじゃなくて、プラス何かしてもらおうと考えています(笑)。
—では最後に、ファンへのコメントをお願いします!
宮原学:「『I,MANABU MIYAHARA』は、気に入らないはずが無い!と思っています。聴いてください!ではなく、聴きなさい(笑)!と言える超自信作です。すごいアルバムなので、それを披露するライブは、もっと凄いです。生演奏ですから、何が起こるかわかりません(笑)。ぜひ会場へお越しください!