特集

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TEXT:鈴木亮介 PHOTO:矢沢隆則

今波に乗るガールズロックバンドにスポットを当てる特集「rock girly parfait」。前回の記事(参照:「rock girly parfait Chelsy(part1)」)に引き続き、3ピースガールズバンド・Chelsyが登場します。
 
後半の記事ではMIO(Vocal & Guitar)、SHIZUKA(Bass)、AMI(Drums)の3人に、昨年から今年にかけての大舞台を経て感じていることや、これからのCDリリースとライブを軸に、インタビュー。4月21日(木)にリリースするミニアルバム『ESCAPE ON THE WEEKEND』に込められた思い、そして6月から7月の週末にかけて行われる東名阪ワンマンライブについての思いをたっぷり聞きました。
 

Chelsy プロフィール

メンバー全員が高校生の2011年、YUIのプロデューサーである近藤ひさしが企画する各パートのオーディションにて結成。その後、大人気コミックが原作になったテレビアニメ「アオハライド」挿入歌にも抜擢されて、話題に。今、もっともライブ動員する現役女子大生スリーピースバンドと呼ばれるほどに成長しました。昨夏、あのSHOW-YA PRODUCE「NAON の YAON2015~SUMMER~」にも出演。ガールズバンドのサラブレッドとして注目を集めています。2016年4月現在 「I will」Music Video はYouTube再生約470万回数を達成。更新中。

 

「週末はライブハウスで待ってる」 アルバムに込めた思い
—今回のアルバムの『ESCAPE ON THE WEEKEND』というタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

 
AMI:平日はお仕事とか生活していくうえで大変なことがたくさんあると思います。でも週末くらいはいいじゃないか!と。平日の辛いことから逃げてもいいじゃないか、そのために私たちはライブだったり音楽を通してその息抜きの場所になりたいな、と思っています。週末はChelsyがライブハウスで待ってるよ!という意味を込めて『ESCAPE ON THE WEEKEND』というタイトルをつけました。
 

—「週末はライブハウスで待ってるよ」っていいキャッチコピーですね!全体を通して聴くと”女性らしさ”が強調されているように感じました。

 
AMI:ありがとうございます。
 

—アルバム発売日が日本の音楽業界は水曜日になることが多いですが、今回の『ESCAPE ON THE WEEKEND』は4月21日の木曜日です。この日付には何か意味があるのでしょうか?

 
SHIZUKA:結成記念日とかではないのですが、一度メンバーで腹を割って真剣に話した日があって、それが特別な日なので、「初心に帰ろう」という気持ちもあって今回のアルバム発売日に決めました。
 

—なるほど。「腹を割って…」というのは結構前のことですか?

 
SHIZUKA:元々Chelsyは4人だったのですが、1人脱退したときに「3人で頑張っていこう」という話をして…
 
MIO:目標を1から決め直して、どうしていくのか。この先何に向かってやっていくのかを決めた、決意の日でしたね。
 

—日付を覚えているくらいだから相当印象的な話し合いだったわけですよね。

 
AMI:(オーディションで結成したので)元々お友達とか知り合いじゃなかったメンバーだけど、この日腹を割って話したのが初めてだったと思います。
 

—それまではどことなく他人行儀な感じがあった?

 
AMI:そのときをきっかけにもっと深い関係になれたと思います。
 
SHIZUKA:私たちはオーディションバンドだったので、周囲の期待もすごかったし、結成からデビューがすぐで、スタッフさんもたくさんいて…そんな中で色々あってメジャーデビューの話が一度なくなってしまって、残ってくれるスタッフさんが1~2人になった時期があったんです。運営のことなど今まで全部やってもらっていたことを自分たちでやらなければいけなくなったときに、どうしたらいいんだろうって話し合いました。
 

—もう一度バンドを一から作り直すというような事態に直面したわけですね。ケンカしたとか暗い話ではなく、どちらかというと前向きな話だったようですね。

 
AMI:そうですね。もっと明確に上に行くにはどうしたらいいかということについて真剣に話せてとてもポジティブなものだったんですけど、そこには色々葛藤もあるから、腹を割って話すことで成長できたと思います。
 

—アルバムの収録内容について伺います。この4曲はどのようにして選ばれたのでしょうか?

 
SHIUKA:ライブで演奏している曲の中には「escape」をはじめ激しいロックナンバーもたくさんあって、そういう曲をリリースしていなかったから、そのロックなイメージを伝えたいと思ったので、「escape」は絶対に入れようと話しました。その「escape」を軸に、バラードを入れたり、もっとかわいらしい曲を入れたり…と他に入れる曲を考えていきました。「escape」は『GITADORA Tri-Boost』(KONAMIのアーケード向け音楽シミュレーションゲーム)にも使っていただいています。
 

—「ライブに来てほしい」という思いがタイトルに込められているということでしたが、まさにそのライブで支持されている曲の代表が「escape」ですよね。

 
MIO:これはChelsyの中で特にかっこいい曲だと思っているので、男前なChelsyを見せられるように、ライブではいつもがむしゃらに演奏しています。
 

—そんな「escape」とは対照的なかわいらしい曲が1曲目「It’s a Small World」ですね。

 
SHIZUKA:この歌詞に出てくる女の子はとても心配症で、恋愛に夢中になるとそれが頭の中心になって悩んでしまいますが、本当のことはわからないし、それはその子が考えているよりは小さな世界だからあんまり悩み過ぎないでね…というメッセージをコミカルに歌っています。
 

—歌詞の発音も「ら」とか「ね」とか、女の子らしい曲になっていますね。

 
MIO:そうですね。サビの「A la.la.la.la」のところが特徴的なので、ライブで浸透していって、みんなで歌えたら嬉しいです。
 

—そして4曲目「You Make Me」はMIOさんが歌詞を手がけています。この曲について、こだわったことを教えてください。

 
MIO:「今まで本気の恋愛をしたことがない」という女性の心理に視点を置きました。本当の恋愛を知ったときの女の子、相手を好きになって振り向いてほしいという気持ちをイメージして書きました。SHIZUKAから送られてきたのがかわいらしい曲だったので、かわいいだけの歌詞だとちょっとなーと思って、もどかしさなど、”明るいだけじゃない一面”を意識しました。これまで自分の曲は歌詞が先行することが多いので今回は難しかったですが、タイトルの「You Make Me」など韻の踏み方もこだわっています。
 

—今回のアルバムはChelsyとしての表現の幅が広がったように思います。「幅を広げる」ということは特に意識して曲作りに臨まれたのでしょうか?

 
AMI:何かに固執してという感じはないんですが、やっぱり歌を届けたいので。最近はどうやったらこの歌を届けられるか考えた上で、「歌を中心としてその曲を作り上げていく」という部分はChelsyとして崩さないようにしています。
 

「いつもアウェイ」「音と”間”を大切に」 ライブに込めた思い
—さて昨年から今年にかけてChelsyにとって大きなステージが続きました。まず2015年8月に「NAONのYAON 2015~SUMMER~」に出演されましたが(参照:大盛りレポ!ロック増量 Vol.36-1 NAONのYAON 2015~SUMMER~)、改めて日比谷野音のステージに立った感想などお聞かせください。

 
AMI:「NAONのYAON」は今までガールズバンドシーンを築き上げてきた方々がSHOW-YAさんを筆頭に出演されていて、とても大切なイベントだと思っています。そこにChelsyも出演させていただけたことが嬉しかったです。私たちは2曲演奏しましたが、その場所で私たち自身の色をどうやったら出せるかと考えて「Blue Moon」というバラード曲を演奏しました。
 

—「Blue Moon」はファンさえも予想していなかったと思います!

 
AMI:「NAONのYAON」というとロックなイメージが強かったり、盛り上がっているイベント!というイメージがありましたが、そこでMIOの歌が響き渡ったとき”Chelsyはこういうものだぞ”って発表できたと思いました。その後の「YES」は本当にロックにやれたし、短い時間の中でChelsyをどう出すか、を考えてできたライブだと思います。
 

—あの選曲はメンバー内ですんなり決まったのですか?

 
SHIZUKA:セットリストはいつも私が考えているのですが、納得してもらえたかなと思います。Chelsyの強みはボーカルだと思っているので、MIOの歌をしっかり聴かせられる選曲にしました。
 
AMI:「NAONのYAON」はお客さんも心から音楽が大好きな人たちがそろっているから、私たちがバラードをやっているときも受け止めてくれたというか…お客さんのイベントに対する熱意も伝わるような、一緒に作り上げたライブだったと思います。
 

—寺田恵子さんのパワーもすごいですよね!

 
AMI:あんな風になりたいね、って帰りの車の中で3人で話し合いました。
 
SHIZUKA:あれだけすごい人たちが集まるイベントで、Chelsyが出演しなくても成立するはずなのに、ガールズシーンがいつまでも盛り上がるために”若者を育てる”という視点から私たちのようなバンドにも声をかけてくださっているので、その考え方はすごいなあと思いました。
 
AMI:その後、9月に4枚目のシングル「I miss you」のリリースがあり、ライブをたくさん行いました。その間に制作やレコーディングも。Chelsyは”制作期間はそれだけに集中して”というタイプではなく、ライブなどの活動と並行して行っています。
 
MIO:今年1月には幕張メッセで行われた「TOKYO AUTO SALON 2016」のライブステージに出演しました。これまでのライブで一番キャパの大きいステージだったこともあり、ライブはいつもアウェイと思って臨んでいるのですが、そのときは特にアウェイと思って自分たちをどう見せるか考えました。めちゃめちゃ広いステージで気持ちよかったし、こういう大きいステージで次は自分たちだけのライブをしたい、って思えました。
 

—ライブをするときは「アウェイ」と思うことが多いのですか?

 
MIO:目の前にいるのは自分たちを応援してくれるお客さんだから、盛り上がってくれるし、とてもありがたいと思うのですが、そこに甘えてはいけないな、という気持ちを持つようにしています。アウェイと思ってやることが大切だと思います。
 

—なるほど、それは自分の気持ちの持ちようとして「アウェイ」のつもりで臨む、ということですね。

 
MIO:そうですね。
 

—そうした大舞台を経て今年2月には渋谷WWWでのワンマンライブがありました。最近のライブで変わったこと、できるようになったと感じていることなどがあれば教えてください。

 
AMI:ライブにかかわらずかもしれませんが、音と”間”を大切にするようになりました。がむしゃらにやっていたところから1つ上に行けたと思っています。音楽の”間”、大きいところと小さいところのメリハリとか…当たり前のことだけどそれは歌と関係していて。歌が伝わるようにやるには?という面を大切にして音楽をやっています。
 
SHIZUKA:最初の頃は個人の楽器のスキルとかを気にしていましたが、今はバンドとしてのどんなグルーブを出そうかとか、ここはこう演奏しようとか、個人じゃなくてチームプレイになってきたなと思います。
 
MIO:私も同じ思いです。個人のスキルも大事だけど、自分がついていくところがあったり、引っ張っていくところがあったり…ということを意識しています。
 

—お客さんの反応を見ていて「変わったなー」と思うことはありますか?

 
SHIZUKA:最近は女の子のお客さんが増えたなと思います。
 
AMI:しかも嬉しいことに、「歌詞がすごく胸に来て、涙を流しました」「今の自分とリンクして共感した」という感想を直接いただけることが増えてきて、それは自分たちが歌を届けたいという今の目標と合致しています。そこを伸ばしていけたらもっといろんな人に届けられるのかなと思います。
 

—女性ファンの支持が拡大している理由は、みなさん自身どのように分析していますか?

 
AMI:先ほど言った「共感」はもちろん男性の方も同じように言ってくださることが多くて。いろんなステージに立つことで知っていただける機会が増えたのかなと思います。毎回のステージで歌を届けられているのかなと思います。
 
MIO:アニメ「アオハライド」をきっかけに知ってくださった方もいるし。お客さんの幅が広がったと思います。
 
SHIZUKA:お客さんが変わってきたというより、増えてきたと感じています。
 

—「アリーナライブ」という大きな目標に向けて、着実に前に進んでいますね。

 
AMI:そうですね。
 
MIO:長ーい階段を確実にのぼっています!
 

—さらにたくさんの人にライブに来てほしい、そんな思いが今回リリースするアルバム『ESCAPE ON THE WEEKEND』にも込められているわけですよね。

 
MIO:色んな人に聴いてほしいし、届いてほしいと思います。
 
AMI:シングルよりアルバムの方が聞いてくださる機会が多いと思うので、だからこそこの4曲を、色んな色があるよということで入れたし、それが少しでもたくさんの人に届けばいいなと思います。
 

—アルバムリリース後は東名阪ワンマンも控えています。最後に今後の展望など教えてください。

 
SHIZUKA:これまで東京でワンマンをやってきて、この前名古屋で初めてワンマンができて、そして今回は大阪でもワンマンができます。対バンイベントよりワンマンの方が参加しやすいというお客さんも多いと思うので、今回の東名阪ワンマンライブで初めてChelsyのライブを観るというきっかけが作れたらいいなと思います。
 
MIO:新しいミニアルバム『ESCAPE ON THE WEEKEND』からChelsyの新しいストーリーが始まるといっても過言ではないと思います。どんどん進化していきたいし進化し続けるので、ワンマンライブでたくさんの人に進化したChelsyを体感してもらえたら嬉しいです。CDに入っていない曲はまだまだたくさんあるので、ライブでしか見られないChelsyを観てほしいです!
 
AMI:私たち自身大阪に行く機会がこれまでなかったので、そんな場所でワンマンライブができることに感謝したいし、そこでワンマンをやるからには全力で、来てくれたお客さんといかにいい空間にできるかが勝負だと思うので、初心に帰って一生懸命やりたいと思います。名古屋も前回より会場が広くなりました!
 

Part 1(メンバーソロインタビュー)記事はこちら
http://www.beeast69.com/feature/150654

◆リリース情報
ミニアルバム『ESCAPE ON THE WEEKEND』
・2016年04月21日(木)発売
HCB-004 1200円(税抜)
<収録曲>
M01. It’s a Small World
M02. escape
M03. Rain
M04. You Make Me
※TOWER RECORDS渋谷店とChelsyのライブ会場限定での販売

◆Chelsy 公式サイト
http://www.chelsy-official.com/
◆Chelsy 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/chelsy.international
 
◆ライブ情報
「ESCAPE ON THE WEEKEND RELEASE EVENT」
・2016年04月20日(水)【東京】渋谷eggman
・2016年04月21日(木)【東京】TOWER RECORDS渋谷店
 
東名阪ワンマンツアー2016 「ESCAPE ON THE WEEKEND」
・2016年06月05日(日)【大阪】心斎橋 ヒルズパン工場
・2016年06月12日(日)【愛知】名古屋 ell.FITS ALL
・2016年07月03日(日)【東京】新宿 LOFT

 

 
◆関連記事
【特集】大盛りレポ!ロック増量Vol.42 浮遊スル猫 TOUR 2015 「two questions」Tokyo Final
http://www.beeast69.com/feature/147514
【PHOTOレポ】Chelsyレコ発『I’m here cause I miss you』
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