特集

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TEXT:八神灰児 PHOTO:曲香-mageshang-

森友嵐士は日本のシンガーの中にあって鮮烈な存在感をその作品と共に放つ存在だ。1990年代前半にT-BOLANのボーカリストとしてデビュー。当時TVドラマへの挿入歌としての起用からじわじわとその人気を不動のものとした。代表曲「離したくはない」のヒットから瞬く間に「Bye For Now」「すれ違いの純情」などを始めとする数多くのヒット曲を世に送り出し、時代を牽引するバンドのひとつとして末永い活躍が期待され絶頂期を迎えた。1994年、当時としては一般的にまるで馴染みのなかった心因性の発声障害という試練に苛まれ歌えない状態になってしまう。
 
それから15年……数々の苦難と闘病生活を克服し、復活を果たした。2009年からソロアーティストとしての活動を再開し、2015年7月!森友自身もファンも待ちに待ち続けたであろう22年ぶりのフルアルバムをひっさげ待望の全国ツアー「MORITOMO ARASHI CONCERT TOUR 2015“PEACE ROCK”」がスタート!今回はその大阪公演での模様を、カラオケでは「シャイなjealousy」と「びしょ濡れの優しさの中」が欠かせない筆者が熱くお届けできればと思う。


 
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まだまだ暑さ厳しい8月14日のここZeppなんば大阪。ソロとしては初のバンドセットによる今回のツアーのメンバーは、原田喧太(Guitar)・SUNAO(Guitar)・ha-j(Bass) ・石井悠也(Drums)そして布袋寅泰のサポートメンバーとしても知る人ぞ知る岸利至(Keyboards&Programs)が参加。森友嵐士が求め得た最強の布陣が、熱き思いを乗せて全国へと旅立つ自身を更に盛り立てていく!
 
開場とともに我先にと溢れかえるフロア。あっという間にその熱気はエントランスを通り抜け、満を持したオーディエンスは今か今かと会場の温度を高めていく。客電が落ち、高まる期待を更に煽らんばかりにじわじわと突き上げてくるイカしたオープニングSE。そしてステージへと踊り出る森友嵐士!バンドメンバーによる「惚れてまうやろー!」の掛け声一閃!笑顔で応える森友は最新アルバム『PEACE ROCK』からのファーストナンバー「どうなってんだい JESUS」をぶっ放つ!懐かしくもありながら、キレのいいビートがその耳心地を待ちわびたボーカルと抱いて鳴り響く!ついに22年という長い歳月を経て、森友嵐士という唯一無二のオリジナルサウンドが大阪を席巻する!!
 
ツインで掻き鳴らすアコースティックギターの小気味よいアンサンブルが印象的な「真夜中の太陽」。森友嵐士の真骨頂ともいうべきバラードナンバーを惜しげもなく開演間もなくで!?と嬉しくなった「LOVE SONG」と最新ソロアルバム『PEACE ROCK』からのナンバーが続く。静まることのない拍手と声援の中「惚れてまうやろー大阪!ウケてくれた?会いたかったぜ!」と届けられる森友から発せられる関西弁に会場はぐっと柔和に。「今回のツアーのキーワードはPEACE !みんなの飛び切りの笑顔です!最後まで楽しんでって下さい」とのメッセージと共に続いて届けられたのは、T-BOLAN時代のレアナンバー「Happiness」。会場に響き渡る歓声と、続く大合唱たる歌声に、彼のキャリアすべてを愛してきたファンとの絆を感じられた。

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最新アルバムから次々と繰り出されるナンバーに、会場は益々もってヒートアップ!森友嵐士の歌唱力が原田喧太のギターカッティングと絶妙にあいまみえる「Baby Baby」。メロウな森友節が余すところなく発揮された「TRUE LOVE」。しっとりと会場を聞き惚れさせていたかと思えば一転ポップなシャッフルナンバー「愛にKISSした」で沸かす!ボーカリストとしての完全復活を体に耳に刻み付けてくれる!
 
ツアーメンバーによるバンドセッションと煽りを経て、新たな衣装を身に纏い再登場し届けられたのは「あこがれていた大人になりたくて」。原田喧太SUNAOのツインギターと森友嵐士のブルースハープが溶け合い、オリジナルの解釈とはまた違った重厚さと刹那さで、今を生きる等身大の大人があこがれていた大人を歌い上げる。
 
客席からの「おかえりー!」という声援に笑顔で「ただいまー!」と答えながら「まぁ座ろうか」と会場を気遣いながらのメンバー紹介。そして続く中盤の見どころはと言えば、オフィシャルWebsiteにて事前リクエストを行ったT-BOLANナンバーを、森友嵐士曰くベースのha-jが持ち込んだアコーディオンにより昭和バージョンと銘打ち、アコースティックなテイストで、懐かしくも新しくもある珠玉な時間が流れていく。曲紹介と共に会場からは一曲一曲「おおーっ」と静かな歓声が上がる中、届けられたT-BOLANからの代表的ナンバー「離したくはない」では、大阪からその人気に火が付いたというエピソードとともに、演奏を始めると見せかけてイントロの四小節のみで曲が終わるといういわゆる関西風なボケでも会場を楽しませてくれる。

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90年代をリスペクトしたナンバーを、という経緯から生まれたと語る「いつまでも変わらない愛をずっと」。演奏前には制作の過程においてはからずもT-BOLAN時代に楽曲提供などでも関係性の高い織田哲郎の代表曲「いつまでも変わらぬ愛を」との曲名が似てしまったことについて、織田哲郎本人とのやりとりが語られた。同じ時代を生き愛した者同士の絆にも似た微笑ましいエピソードは『PEACE ROCK』というアルバムタイトルの一要素とも言えるのかも知れない。ここまでアコースティックな雰囲気を着席し静かに楽しんでいた会場を誰に促された訳でもなく立ち上がり自ずから手拍子で90年代ビートに呼応していく。
 
「大阪!ここからぶっ飛ばしていくぞ!OK!?」と畳みかける後半戦!ニューアルバムの中からよりビートの効いたスリリングなナンバーが怒涛のように会場を責め立てる!「挑戦してる全ての奴らに送ります!」と届けられた「ファイティングマン」。音源で聞くそれとライブでの存在感の違いに圧倒されるナンバーだ!続く「Let Me Rule」ではマイクスタンドを持ち出してのステージング!ダンサブルなビートに歌うために鍛え上げられた肉体が妖艶に艶めく。本編ラストはT-BOLAN時代にも数々のライブで盛り上がりを叶えてきたヒットナンバー「My life is My Way」が届けられ誰に煽られることなく会場中が大合唱!サビに何度となく登場するフレーズ「俺が俺で居れるそのために」「今を感じ生きていたいだけ」が、森友嵐士から今宵集まったファンへソロとして改めての所信証明のようにも思えるナンバーだ!

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待ちきれないファンからの鳴りやまないアンコール。「サンキュー大阪!最高の夜だ!ありがとう!」呼応し颯爽と登場する森友嵐士とツアーメンバー。「アンコールに素敵なゲストが来てくれてます」とサプライズ!?登場したのはそう!森友嵐士と現在morioniという名義で新ユニットを結成したゴールデンボンバー鬼龍院翔!……の等身大パネル!勿論二人から届けれらたナンバーは「サヨナラは歩き出す」。言わずもがな鬼龍院翔は声のみで参加。ノリの良い会場からの笑顔と暖かな喝采に森友嵐士は満足げに、そのメロディアスなナンバーを歌い上げる!間髪入れずに四分打ちのドラムビートから続けざまに届けられたのは「SHAKE IT!」。説明の必要のないT-BOLANからのロックチューンだ!会場が揺れに揺れ踊りだす!
 
会場と目一杯に楽しんだ森友嵐士がここで静かに語りだす。「続きなんだろうか始まりなんだろうか…何か時計がまた動き出した様なそんな気がしています。俺が声を取り戻す中で沢山の仲間だったり風だったり太陽だったり風景だったり、そんなPEACEなエネルギーに支えられ、俺が貰ったそんなエネルギー達を音楽に託して繋げられたらとPEACE ROCKという思いが生まれました。今夜の大阪!最高のPEACE ROCKをありがとう!」

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◆森友嵐士 Official Website
https://moritomo-arashi.jp/

 
◆森友嵐士 ツアーメンバー
森友嵐士(Vocals)
原田喧太(Guitar)
SUNAO(Guitar)
ha-j(Bass)
石井悠也(Drums)
岸利至(Keyboards & Programs)
 
◆Setlist
M01. どうなってんだいJESUS
M02. 真夜中の太陽
M03. LOVE SONG
M04. Happiness
M05. Baby Baby
M06. TRUE LOVE
M07. 愛にKISSした
M08. あこがれていた大人になりたくて
M09. マリア
M10. Lovin’ You
M11. 離したくはない
M12. いつまでも変わらない愛をずっと
M13. ファイティングマン
M14. Let Me Rule
M15. ROCK&SHOUT
M16. My life is My Way
M17. サヨナラは歩き出す(encore)
M18. SHAKE IT!(encore)
M19. RUN BABY RUN(encore)

 
◆Information
2015年09月12日(土)【北海道】小樽市第3埠頭
2015年09月19日(土)【千 葉】袖ケ浦海浜公園
2015年09月20日(日)【千 葉】袖ケ浦海浜公園
2015年12月17日(木)【神奈川】横浜赤レンガ倉庫

 


 
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大阪の夜の最後を飾るナンバーはもちろん!オリジナルソロアルバムから「RUN BABY RUN」。T-BOLAN時代からずっと脳裏に焼き付く楽曲や歌詞で我々を励まし元気づけてくれ続けた森友嵐士という存在。ラストソングに流れる「強がる明日に泣いても自分をなくさないで」というフレーズは、ようやく誰の為でもなく俺が俺で居るために、森友嵐士が自身へ贈ったエールのようにも思えた。
 
ここまでの森友嵐士の道のりは、語らずとも誰もが察することができる。何度も復活のきっかけを考えながら、ようやくステージへ戻ってきた森友嵐士というアーティストは、取って付けたような軽はずみなサプライズの復活などでなく、すばらしい新作アルバム『PEACE ROCK』をファンへ届けた。きっちりと筋を通す、そういう姿勢に心からリスペクトしたい。
 
鳴りやまない会場の拍手と歓声に、何度も何度も頭を垂れ、歌うことの喜びを全身全霊で表現する森友嵐士。今後ますますの活躍に注目したい!そして最後に彼はこう言い放つ!「また会おうぜ!!」去りし日のサヨナラはもうすでに歩き出している。

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◆関連記事
【レポート】森友嵐士 『PEACE ROCK』 発売記念イベント
http://www.beeast69.com/report/134622
【連載:新譜るLIFEダイアリー】森友嵐士 『PEACE ROCK』
http://www.beeast69.com/serial/simple/133574