連載

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RADWIMPS「五月の蝿/ラストバージン」
TEXT:河南太郎

野田洋次郎(Vocal & Guitar)、桑原彰(Guitar)、武田祐介(Bass)、山口智史(Drums)の4人からなるロックバンド、RADWIMPS。本誌がオフィシャルメディアを務めるYHMF(ヨコハマ・ハイスクール・ミュージック・フェスティバル)2002年大会でグランプリを獲得。インディーズでの活動を経て、2005年にシングル「25コ目の染色体」でメジャーデビュー。
 
ラップとロックを融合させたミクスチャー・ロックサウンドやメッセージ性の強い歌詞と、ユーモアで緻密な音の構成がされている楽曲が特徴的なバンドである。彼らから生み出される音楽は人の心を掴む力がある。それは優しさ、愛おしさを感じながらも、時には痛々しく暴力的な一面もあるからである。
 
そんなRADWIMPSが”究極のラブソング”として両A面シングル「五月の蝿 / ラストバージン」を10月16日にリリースする。ジャケットは前作のシングル「ドリーマーズ・ハイ」と同じアーティスト・KYOTAROによるものである。本作はインターネット上では既にリリース前から話題沸騰している。というのは、先日宮城県で開催された野外ライブ「青とメメメ」の終演後に「五月の蝿」が24時間限定でストリーミング配信され、その歌詞の過激さが話題となっているのだ。
 
そんなシングル「五月の蝿 / ラストバージン」をご紹介しよう。まず1曲目は「五月の蝿」。「あっあっあ…」と擦れた声が聴こえたと思ったら楽器の音とともに「僕は君を許さないよ」と始まる。別れてしまった彼女に対しての憎悪を歌った歌詞は「生と死」にまで言及しており、ギターの音の歪みはそんな恨みからくる必死の訴えを音にしているように聴こえる。丁寧に刻まれているドラムの音も恨みのこもったように感じる。だからと言って音の構成全体が暗いわけではなく、むしろ人を包み込むような優しささえも感じてしまうのは不思議である。
 
人を嫌いになることは容易なことかもしれない。しかしこの曲のような怒りと憎悪を持った状態は、裏返して言えば、未だに好きということの究極の形なのではないだろうか。音楽という音だけで表現されているからこそ、言葉の力、音によって感情が表現されているということが痛感できる曲である。
 
一方、2曲目「ラストバージン」は打って変わって優しいラブバラードになっている。野田洋次郎のスイートでセクシーな歌声。それと呼応するようなギター。リズム隊の音はこの歌のカップルの幸せへの足取りを感じさせるようにしっかりしている。「あなたの当たり前になりたい」という歌詞はカップル、ついては夫婦の究極の形ではないだろうか。当たり前ほどの関係はとても難しい。それは本当にお互いを理解をしていないと駄目なのだから。
 
さらに、アップテンポでキャッチーな3曲目「にっぽんぽん」では、日本人のシャイさと性格を、をコミカルに歌っている。年末にはFM 802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZYとCOUNTDOWN JAPAN13/14の出演が決まっている彼ら。今回の新曲もきっと披露されるだろう。さらに、来年には「RADWIMPS LIVE TOUR 2014」が開催されることも決定した。今作
「五月の蝿 / ラストバージン」初回生産分のみ、シリアルナンバー付きのチケット先行抽選受付案内が封入されており、受付期間はシングル発売日の10月16日(水)昼12:00~10月27日(日)23:59まで。ツアー日程、会場などの詳細も10月16日・昼12:00に発表されるということだ。新境地を見せた彼らのパフォーマンスを楽しみに追っていきたい。
 


◆リリース情報
ニューアルバム『SUNRISE』
2013年10月16日発売 1260円(税込)
<収録曲>
M01. 五月の蝿
M02. ラストバージン
M03. にっぽんぽん

*初回生産特典
RADWIMPS LIVE TOUR 2014
チケット先行抽選受付案内(シリアルナンバー付) 封入
受付期間 2013年10月16日(水) 12:00~10月27日(日) 23:59まで

 


◆RADWIMPS オフィシャルサイト
http://radwimps.jp/