ましまろ「ガランとしてる」 | Web Rock Magazine BEEAST

lead_simple

ましまろ「ガランとしてる」

TEXT：まりな

説明不要、ロックンロールのレジェンド真島昌利が新たなバンドを結成した。

そのニュースは音楽好きなリスナーの中で瞬く間に話題になり、期待値は高まっていった。それもそのはず、マーシーのソロの作品は1994年にリリースされた『人にはそれぞれ事情がある』以来20年以上も出ていない。バンドでの曲とはまた一味違ったソロの”フォークロックでノスタルジーな歌詞の世界観”とマーシーのメインボーカルをそろそろ聴きたいと思っていたファンもいたことだろう。

そこに現れたのが、HICKSVILLE（ヒックスヴィル）の真城めぐみ（Vocal）、中森泰弘（Guitar & Vocal）、そして真島昌利（Guitar & Vocal）からなるHIPでCOOLなFOLK & ROLLバンド、ましまろだ。2月にバンドの結成がアナウンスされて以来、ベールに覆われていたその正体が5月13日（水）リリースの1stシングル「ガランとしてる」で明らかになった。

音楽というものは考えて聴いて分析するものではない。Don’t think, feel. その音楽によって自分の気持ちがどうにか作用するだけ。例えば心地よくなったり踊りだしたくなるということだ。ましまろの曲はそんなことを思わせてくれる。

濃度の濃い良質なアコースティックギターの音に、飾り付けるようなエレキとベースの音色、芯がしっかりとして力強くもありつつ、ふんわりと漂う真城のメインボーカル、マーシーのコーラス、その全てが自然に、思いのまま奏でられている。

そして今作では冒頭でも書いたソロ楽曲ならではの魅力もダイレクトに感じることが出来る。詩的でどこか遠い夏の哀愁を感じさせる歌詞をフォークサウンドに乗せて歌う楽曲はマーシーの1stソロアルバム『夏のぬけがら』を彷彿させる。これはファンにとっては「いよっ！待ってました！」といった感じだろう。マーシーのリードボーカル曲やゲストミュージシャンとしてOKAMOTO’Sのハマ・オカモト（Bass）、黒猫チェルシーの岡本啓佑（Drums）が参加した楽曲も含む、全4曲入りの作品に仕上がった。

オリジナルの新曲の他、原曲よりもスローテンポでゆったりとした、Buddy Hollyの「ハートビート」の日本語詞カバーも収録されている。全ての楽器の音が歌に合わせて踊っているようにも聞こえ、音楽好きの仲間が集まって、ただただ楽しみながら音を鳴らしている、その場の楽しい雰囲気が耳から伝わってくる。

音楽をやる上で「この音楽が好き、だからこれを楽しんでやる」ということ以上に最高なことはない。売れるために身につけたどんなテクニックや大衆の為に作られた言葉も、この純粋さの前ではどうしても霞んでしまう。「徹底された表現の前では黙って突き動かされるしかない」といった人がいるが、彼らの純粋な音楽性とスタンスは理屈なしに自然と胸を打つものがある。

世の中には色んな音楽があり、変化し続けている。音楽を始めるにしても続けるにしても様々な選択肢がある時代だ。しかしTHE BLUE HEARTS、↑THE HIGH-LOWS↓、ザ・クロマニヨンズ、そしてましまろと形を変えながらも彼らの根底にあるものは揺るがない。ロックンロールをひたすらに愛し続け、体現し続ける潔さ。それに憧れ、心動かされるリスナーは私を含め世代を超えて沢山いる。それを今一度証明したましまろのFOLK & ROLLを心から感じてほしい。Don’t think, feel！

◆リリース情報
ましまろ　デビューシングル「ガランとしてる」
・2015年05月13日（水）発売
[CD]　 BVCL-643 / 定価￥1,389+税　
＜収録曲＞
M01.ガランとしてる
M02.公園
M03.しおからとんぼ
M04.ハートビート

[完全生産限定 12inchアナログ盤] BVJL13 / 定価￥1,667+税
Side-A
　M01.ガランとしてる
　M02.ハートビート
Side-B
　M03.公園
　M04.しおからとんぼ

◆ライブ情報
仲井戸“CHABO”麗市Debut 45th Anniversary ACTION＃4　FOLK&ROLL ちゃぼ・ましまろ
・2015年05月31日（日）【東京】下北沢GARDEN
百万石音楽祭 2015～ミリオンロックフェスティバル～
・2015年06月07日（日）【石川】産業展示館
OTOSATA ROCK FESTIVAL
・2015年06月28日（日）【長野】茅野市民館