連載

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AIR SWELL『All Lead Tracks』
TEXT:桂伸也

AIR SWELLは、四国出身の3人によるロックバンドだ。そのサウンドは良い意味で「どんなスタイル」という形容を行うのが難しい、非常に興味深いもの。彼らは前作『THE ART OF PSYCHO』より一年ぶりとなるニューアルバム『All Lead Tracks』を発表した。今回はその新作の紹介と共に、彼らのスタイルの魅力を探ってみたい。
 
タイトル『All Lead Tracks』に違わない極上のサウンドが、全トラックに蔓延している。簡単にリードトラックとはどのようなものか?具体的に言葉で表現するのは難しいかもしれないが、彼らのサウンドには、それを音で納得させてくれるような説得力がある。曲それぞれに、聴くものの気を引いてくるようなポイントがあり、かつわくわくさせるような気持ちにしてくれるもの。それが全トラックからあふれでてくる。アッパーな気持ちにしてくれるビートと、激情感をあおるギターのリフ、さらにエモーショナルなボーカル。
 
個々の楽曲を見ても、たとえば「The Beautiful」や「Cannabist Mariachi」のように、彼らのサウンドに触れたことのないリスナーに、イントロや序章の部分で「どんなサウンドを聴かせてくれるのだろうか」と思わせてくれる、興味深い構成をくんでいる楽曲もあり、単に「エモ系」「ラウド系」などといったジャンルでくくりきれない魅力にあふれている。一方ではBEEASTの『Editor’s Note…PASSION Mind5(桂伸也)』でも紹介したROACHtaamaも参加している「バイバイゲロメタル」では、激情感たっぷりのハードコアなサウンドで、ロックの醍醐味をこれでもか、というくらいに見せている。この楽曲にある言葉の使い方はかなりショッキングではあるが、一方でこれこそ素の彼らの言葉、心からの言葉と感じ取ることもできるだろう。
 
AIR SWELLのサウンドは、3ピースの利点を最大に生かし、かつ彼らならではの攻撃性や、アクティブな姿勢を発揮しながら、ロックの醍醐味を存分に堪能できる作品に仕上がっている。また、ライブ感を強く感じられる作品だけに、ライブを見たくなるという感覚も、聞いた限りでは出てくるに違いない。ロックの楽しみ方、その原点に触れたいと考えるロックファンには、是非一度チェックしてみて欲しい作品だ。
 

 

 


AIR SWELL『All Lead Tracks』
発売日:2014年6月4日
INNO-2006/1,600(税別)
【収録曲】
M01. The Beautiful
M02. savage
M03. Cannabist Mariachi
M04. バイバイゲロメタル (feat.taama(ROACH)
M05. chill
M06. No going back


ライブ情報

【The Beautiful TOUR 2014】
2014年6月21日(土) 【長 野】伊那GRAM HOUSE
2014年6月22日(日) 【愛 知】名古屋RAD HALL
2014年7月11日(金) 【大 阪】梅田ZEELA
2014年7月13日(日) 【東 京】渋谷eggman
2014年7月21日(祝) 【香 川】香川DIME
2014年7月25日(金) 【岡 山】岡山CRAZY MAMA 2nd room
2014年7月26日(土) 【山 口】山口周南RISE
2014年7月27日(日) 【福 岡】福岡QUEBLICK


オフィシャルサイト
http://air-swell.net/