連載

TEXT:八神灰児、鈴木亮介 PHOTO:K
第14回 Stand Up And Shout ~脱★無関心~

Photo2013.4.21。大阪は江坂MUSEホール。自身の生誕の地である福島復興支援への熱い思いだけを抱いて高橋まこと(ex:BOΦWY、ex:De+LAX/Drums)自らが発起人となり推進する「~CROSS OVER JAPAN~福島復興支援チャリティーライブ」。高橋まことをリスペクトしてやまないアマチュアとタッグを組み、全国を行脚するという前人未踏のライブツアーはその回を各地で重ね、ついに大阪では3回目を迎えることとなった。ちょうど一年前、2012年4月21日の大阪第1回目公演をレポートしている(「ACTION 06 脱・無関心」記事参照)本誌BEEASTとしては、このライブを追わない理由はない。1年を経て、ライブはどのように進化したのか?そして、高橋まことが今思うことは…イベントのレポートを通じて、探りたい。

震災復興イベントを行っているのはもちろん彼一人だけではない。これまでにも日本全国で、様々な形で、数多のミュージシャンたちの手によって東日本大震災への復興支援活動が開催されてきた。その中には大規模な企画もあれば、すっかり定着したイベントもあるが、震災から2年の月日を経て「震災復興活動」自体がフォーカスされにくくなっているのもまた、事実だ。
 
そうした中で、日本ロックシーンのレジェンド・高橋まことによるこのシンボリックな活動は、彼らしく彼にしか為し得ない方法で復興支援に邁進し続けている。今回の大阪公演では、今年1月に7年ぶりのニューアルバム『SOUND SPLASH』をリリースした芳野藤丸SHOGUN)が本イベントの意義に賛同しスペシャルゲストして登場!他では見ることの叶わないコラボーレーションに期待が高まる。

■THE GREEN HEARTS

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今回も高橋まことの思いを関西にてつなぎ伝えるべく、80’s~90’sコピーバンドを中心とした5組のアマチュアバンド、そしてがBOΦWYを愛し日本が誇る80’s~90’sロックを心から愛した関西音楽ファンが集結!
 
この日トップバッターを飾るのはTHE GREEN HEARTS(ザ・グリーンハーツ)だ。メンバーはたいし(Vocal)、ほんちゃん(Bass)、きむ(Guitar)、はっしぃ(Drums)。THE BLUE HEARTSのカバーを中心に熱いステージを届けてくれた彼らは、前回の「福島復興支援チャリティーライブin大阪Vol.2」からの連続出演で、2回連続のトップバッターだ。
 
メンバー全員の復興支援へ意識と高橋まことへの思いは熱く、プライベートにおいても署名活動や募金活動に奮起しているという。そんなメンバー達の活動からも、まさにこの夜の幕開けを飾るにふさわしいバンドだと言える。セットリストに1曲加えられたBOΦWYの「わがままジュリエット」は彼ら流の高橋まことへの敬意に違いない。自らの思いを自らの表現で伝え果たした彼らに、会場からは惜しみない拍手と声援が送られていた。
 
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◆セットリスト
M01. 終わらない歌
M02. キスしてほしい
M03. ロクデナシ
M04. 星を下さい
M05. わがままジュリエット
M06. 1000のバイオリン
◆THE GREEN HEARTS facebookページ
http://www.facebook.com/pages/THE-GREEN-HEARTS/564467453575170

■POΦWY

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観客のハートに火が灯り始めた今夜の2番手はPOΦWY(ポーイ)。メンバーは、リキ(Vocal)、ヤル(Guitar)、ヨシアキ(Guitar)、カイ(Bass)、ゲン(Drums)の5人。バンド名からも分かる通り、BOΦWYのコピーバンドだ。おどけた風貌からは思いもよらぬ演奏力と演出力でグイグイと会場を引きつけていく。彼らのステージは単なる模倣にとどまらず、心から愛したBOΦWYの楽曲達をエンターテインメントへと昇華している。彼らの海外ロックと日本ロックの融合からなるBOΦWYメドレーは、新たなBOΦWY観を提示する。音楽としての完成度と独自性とが両立した目から鱗のステージであった。
 
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◆セットリスト
M01. LIAR GIRL
M02. PLASTIC BOMB
M03. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS
M04. B・BLUE
M05. メドレー(RENDEZ-VOUS~LONDON GAME~LONGER THAN FOREVER~RENDEZ-VOUS)
M06. ON MY BEAT
M07. NO, NEW YORK
◆POΦWY ホームページ
なし

■LOVIN STYLE

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会場の興奮を冷めやらぬ中、続いて登場したのはLOVIN STYLE(ロビンスタイル)。メンバーは、LOVI-chan(Vocal)、SHU-☆(Guitar)、MIKIO(Bass)、HIDE-chan(Drums)、SAYA(Keyboard)。彼らは関西で2ケタに及ぶワンマンライブを開催してきたTHE YELLOW MONKY & 吉井和哉のコピーバンドだ。ファンにはもちろんのこと初見であってもたまらないラインナップが繰り広げられるそのステージで、ひときわ目を引くのはLOVI-chan(Vocal)の吉井和哉っぷりだ。誇張と思える不自然さは全くなく、忠実にカバー。そんなボーカルのステージングとクオリティーをしっかりと下支えするバンドアンサンブルの実力も申し分ない。
 
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◆セットリスト
M01. マリーにくちづけ
M02. 赤裸々GO!GO!GO!
M03. MUSIC
M04. HEARTS
M05. アバンギャルドで行こうよ
M06. 悲しきASIAN BOY
◆LOVIN STYLE ホームページ
http://lovinstyle.ec-net.jp/

■taste of moments

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いよいよイベントも後半戦!今宵唯一の女性ボーカリストを中心とするバンドtaste of moments(テイスト オブ モーメンツ)だ。メンバーは、りさっち(Vocal)、ひろにぃ(Guitar)、だいちゃん(Bass)、とぉーちゃん(Drums)。今回この大阪での復興支援イベントの志に”義気”を感じ、名古屋より参戦することとなった彼女達。今宵の為に用意されたPERSONZオンリーのセットリストで挑んだ彼女らのステージは圧巻!りさっちのパワフルでありながら艶やかさを兼ね備えた歌声は、それを支えるべく鮮やかに奏でられるアンサンブルにのって、客席を歌わせずにはおかない。高橋まことが主催する福島県での復興ライブイベントにも精力的に参加している本家PERSONZの熱い思いにも引けをとらないステージだ。
 
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◆セットリスト
M01. AMPLIFIER
M02. LUCKY STAR
M03. BELIEVE
M04. in the name of LOVE
M05. DEAR FRIENDS
M06. 7COLORS
◆taste of moments mixiページ
http://page.mixi.jp/view_page.pl?page_id=264539

■GIZZY

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カバーバンド勢の最後に登場するのはGIZZY(ギジー)。メンバーは、八神灰児(Vocal)、たけ兄(Guitar)、シンゴ(Bass)、ナカZ(Drums)。本家ZIGGYのメンバーにもその活動が知られる関西中心に鋭意活動中のZIGGY承認カバーバンドだ。四人四様の躍動感が溢れっぱなしなメンバー達の、ステージを音楽を心ゆくまで満喫している笑顔が客席へと伝播していく参加型パフォーマンスこそがその真髄だ。今夜の主催バンドとしてのプレッシャーを自らプレジャー(喜び)へと変えるべく全身全霊で挑んだステージ。その高揚感はオーディエンスへも伝播し、これ以上ない熱気を起こす。
 
来たる7月27日(土)には初の京都・祇園でのワンマンライブが予定されているGIZZY。「いつ騒ぐの?」「今でしょ!」と流行りのフレーズがあちらこちらで聞こえてくるかのような大喝采を巻き起こし、高橋まことへの最後のバトンを、共演者たちの思いと共につなぐ。
 
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◆セットリスト
M01. FEELIN’ SATISFIED
M02. マケイヌ
M03. WASTED YOUTH
M04. I’M GETTIN’ BLUE
M05. GLORIA
◆GIZZY ホームページ
http://gizzy.info

■BOOWY-respect-BAND (高橋まこと)

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数時間に渡りアマチュアバンド達が客席の声援と共に繋いできた復興支援のバトン。今か今かと待ちわびた客席の盛り上がりは、幕間の転換時にも関わらず、既に尋常ではない熱気を放っている。
 
そしていよいよその準備が整い、視界に一抹の闇が訪れる!BOΦWYのライヴDVDでもCDでも何度も聴いたSEが響き渡る。会場中の誰もが感じた鳥肌!熱く静かに、静かにして熱くSEの終わりを待つオーディエンス!ゆっくりと開かれていく幕の向こうには、彼自身の志を示すかのようにドラムスティックで天を一点に指したその雄姿が見える。その姿に息をのむ刹那、力強いカウントコールより繰り出される「DANCING IN THE PLEASURE LAND」。三度の開催をもってなお大阪の夜が待望するAtomic Drum!高橋まことのライブステージが今ここに開幕!
 
続く2曲目は「DRAMATIC! DRASTIC!」高橋まこと自身が作詞していることでも知られ、盟友・布袋寅泰とのファンクラブ限定ライブと同様に自ら叩きながら歌うスタイルを披露。その歌声は今や復興支援ライブ各地でも定番となりつつある。そして3曲目は、「MARIONETTE」。熱いビートは衝撃波にも似た力強さを得てまだまだ続く。さらにBOΦWYの「LAST GIGS」のワンシーンを彷彿とさせるスティックスローを見せる「BEAT SWEET」、そして「BABY ACTION」と続き、高橋まことの雷鳴のような生声による熱いカウントが江坂MUSEに鳴り響く。
 
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バンド時代にビートを支えあった松井常松のダウンピッキングが冴えに冴えたスピードナンバー「WORKING MAN」からの代表曲「B・BLUE」へのイントロなきつなぎは、コピーバンドなどでもいくつも見てきたが、本物がやるからこそのファンにはニヤリの演出であったに違いない。軽いMCをはさんだあと、おなじみの煽り「イメージ!」が響く。会場からは当然の如く何倍にもなって返ってくる。もっともっとと煽るボーカルの声をかき消す「イメージ!」「ダァーゥン!」の掛け合いとともに、「IMAGE DOWN」で疾走!
 
舞台も客席も見境なく全員で騒ぎ、歌いまくる今夜のプログラムはあれよあれよと言う間に終盤を迎えようとしている。BOΦWYファンにはライブの終演を予感させながらも、最後まで盛り上がらずにはいられない伝説の名曲「NO! NEW YORK」。高橋まことの8ビートでしか成立しえないシンプルにして最高のキラーチューン。「NEW YORK!NEW YORK!」とサビでは会場が一丸となって飛んだ!叫んだ!
 
そして本編のラストソングとして届けられたのは、BOΦWYの歴史を語る上で絶対に外せないと氷室京介も語った活動初期の名曲「ON MY BEAT」。高橋まことが満面の笑みとビートをもって客席を煽り、対話し、最後は会場中のみんながBOΦWYのメンバーだと言わんばかりに楽曲をハイジャンプでしめる。鳴りやまぬ歓声を背にし、まだまだ楽しみ足りないかのような笑顔を振りまきながら高橋まことはその舞台を後にした。
 
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鳴りやまない歓声とアンコールの中、ひとりステージへと戻ってくる高橋まこと。福島復興支援チャリティーLIVEツアーへと駆り立てる故郷・福島についての自らの想い、そして報道などで伝えられている以上にまだまだ何ひとつ手つかずであるしかない福島の現実を語る。復興から二年の時が過ぎ、今なお考えていかなければならないことは多い。だが彼は言う。「暗い顔をしていても仕方がない。こうして自らの音とライブを楽しんだ笑顔とエネルギーがちゃんと復興支援につながっていってほしい。風化することなく考え続けるきっかけとして自分の活動とドラムがあるんだ」と。先日、高橋まこと福島復興支援ツアーが培ってきたことへの一つの形として、福島県南相馬市のNPO法人へ復興支援トレーラーが寄贈され、各方面で報じられた。彼が成し得てきた偉業は、着実に復興支援の力となり、被災地にとどまらず日本全国にその意義が伝わりつつある。
 
さぁここでゲストの登場だ。ステージへと招かれたのは芳野藤丸SHOGUN/Vocal & Guitar)!高橋まことプロジェクトの意義に呼応し、本イベントへの出演を快諾した。高橋まことのドラムに乗せて芳野藤丸がそのギターテクニックと歌声を披露するという、誰も見たこともないような夢のコラボーレーションが義気により今まさに実現する。
 
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「復興支援イベントでこの選曲もないんですが、自身の代表曲で楽しんでもらえたら」と届けられたのは、テレビドラマ「探偵物語」の主題歌としても有名なSHOGUNの「BAD CITY」。日本人ならば一度は必ず耳にする機会があったであろうナンバーに会場中の誰もが歓喜!熟練してなお鋭さを増す芳野藤丸のギターサウンドと、原子のドラム高橋まことの融合には度肝を抜く。
 
そして本日出演した全ボーカリストも登壇して届けられる「Dreamin’」。芳野藤丸BOΦWYの楽曲のギターソロを奏でているこの景色を、サウンドを、誰が想像できたであろうか。イベントの最後を締めくくるのは、自身の活動への思いと関わってきた全ての時間から生まれた、高橋まこと渾身のニューシングル「ここから -from here-」。走り続ける福島復興支援ライブツアーイベントのテーマソングとも言えるこの楽曲を会場一丸となって大合唱。こうして大阪での三夜目となった今回も多くの来場者とたくさんの善意と募金という結果を持って大団円を迎えた。
 
だがそれは終わりということではなく、今また新たに「ここから~from here~」スタートするのだ。大阪公演は次回、「~CROSS OVER JAPAN~高橋まこと福島復興支援チャリティーLIVE in 大阪Vol.4」の開催が2013年10月20日に既に決定している。高橋まことから後日、本誌BEEASTに向けてメッセージが届いた。
 

大阪でのライブでは実に3回も開催してくれて感謝しています。継続は力なりと、
自分なりに出来る方法でコツコツとそれに賛同して頂けるバンドのメンバー、
主催に関わる関係者、そして何より、ライブ会場に足を運んでくれるお客様には、
毎回ですが、ありがたく思います。
地域性もあるのか、大阪は人情味溢れる街で大好きです。
 
今後は、来年が60歳の還暦を迎えます。ひとつの人生の区切りですが、
残りの人生をすべて音楽を通じて、次の世代に何か残せる形を出来ればと考えています。
 
高橋まこと

 
プロアマの枠組みを越え、復興支援への思いとと音楽の持つ偉大なるエネルギーに溢れたこのイベント。楽しむということで誰にでも叶えられる復興支援活動に、読者の皆さまにも是非足を運んで頂ければと思う。

◆セットリスト
M01. DANCING IN THE PLEASURE LAND
M02. DRAMATIC! DRASTIC!
M03. MARIONETTE
M04. 1994 -Label Of Complex-
M05. FUNNY-BOY
M06. LIKE A CHILD
M07. BEAT SWEET
M08. BABY ACTION
M09. WORKING MAN
M10. B・BLUE
M11. PLASTIC BOMB
M12. IMAGE DOWN
M13. NO! NEW YORK
M14. ON MY BEAT
-encore-
M13. BAD CITY
M14. Dreamin’
M15. ここから ~from here~
◆BOOWY-respect-BAND メンバー
Drums:高橋まこと(ex:BOΦWY
Vocal:八神灰児GIZZY
Bass:ナカZGIZZY
Guitar:りょうTHE BE MY BABYZ
Guitar:Jin(ex:OXYGEN-O2
Keyboard:E.M.IFayK
 
 
◆高橋まこと ホームページ
http://takahashimakoto.com/
 
◆芳野 藤丸 公式ブログ
http://gree.jp/yoshino_fujimaru/

 

◆がんばっペ!福島。 公式サイト
http://takahashimakoto.com/fukushima/
 
soh◆インフォメーション
CROSS OVER JAPAN
@福島復興支援 チャリティーLIVE SPIN OUT 2DAYS
〜TAKAHASHI MAKOTO VS BOOWY 60×60 CHARTY LIVE SECOND STAGE〜

日程:2013年7月12日(金)、13日(土)
会場:【広島】BACK BEAT
チケット:前売3,500円 当日4,000円
※2日間まとめての場合 一律 6,000円
詳細は以下のイベント特設ページへ
http://takahashimakoto.com/live.html#hiroshima0712
今年の4月6日、7日に行った東日本エリアでの2DAYSに対して西日本エリアでも追加公演決定!高橋まことが60歳を迎える50代最後の年に、BOΦWY全6枚のアルバム、60曲を二日間に渡りコンプリート!

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◆大阪・江坂 MUSE
http://www.arm-live.com/muse/esaka/


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【連載】脱・無関心 バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/mukanshin


 
 
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