連載

TEXT:八神灰児、鈴木亮介 PHOTO:shingo
第6回 Stand Up And Shout ~脱★無関心~

Photo「ロックと生きる…ライフスタイル応援マガジン」BEEASTによる社会派連載「脱・無関心」。この連載では昨年3月11日に発生した東日本大震災等による現地の生の声や、被災地に関連するロックイベントを紹介している。6回目となる今回は連載第4回目の記事で紹介した高橋まことDe+LAX、ex:BOφWY)による「がんばっぺ!福島。」の福島復興支援チャリティーライブに注目。その大阪公演の模様をレポートする。

4月21日。日本ロックシーンのレジェンド、高橋まことはこの日、大阪の地へと降り立つ。自身の生誕の地である福島復興支援への熱い思いを抱いて。今回、高橋まことは実に彼らしい、彼にしかできない方法で復興支援に立ち上がった。それは、自らのキャリアと今を存分に愛してくれるアマチュアとタッグを組むという方法だ。

大阪公演の会場となったのは、江坂MUSE。高橋まことの思いを関西でつなぎ、伝えるべく、80年代から90年代のコピーバンドを中心とした5組のアマチュアバンド、そして、BOΦWYを愛し80年代、90年代のロックを愛する音楽ファンが一堂に集まった。そして午後4時半、ついに幕が開ける!

■LUNE

Photo Photo
 
Photo Photo

この日のトップバッターを飾ったのは男女4人組のLUNE(ルーン)だ。メンバーはKEI(Vocal)、Ruha(Bass)、Shin(Guitar)、パピー(Drums)。この日唯一のオリジナル楽曲バンドとして登場し、優しくメロウなナンバーを披露。参加したメンバー達の復興支援への思いは熱い。メンバーの中には子を持つ親もおり、子どもを育て日本に暮らす親として、原発事故の問題などにも積極的に発言し、自らも震災復興支援ライブを開催するなど、常に問題提起をし続けている。自らの思いを自らの表現で見事に伝えきった彼らに、会場からは惜しみない拍手と声援が贈られていた。

Photo Photo
 
Photo Photo

◆LUNE ホームページ
http://lunelune.jimdo.com/

 

■re:Φ:ne

Photo Photo
 
Photo Photo

2組目は、re:Φ:ne(リファイン)。メンバーは、ウツロック(Vocal)、ホテヒ(Guitar)、アサヤン(Bass)、ワッキー(Drums)。BOΦWYのロゴに象徴されるこのΦ(ファイ)の字をバンド名に持つ彼らは、この夜を盛り上げたいという一途な思いだけで文字通り”リファイン”(=洗練)された、BOΦWYのコピーバンドだ。布袋寅泰への愛が溢れるホテヒ(Guitar)のギターサウンドに、ウツロック(Vocal)独特の感性が新たなBOΦWY感を提示する。最後に演奏した「HONKY TONKY CRAZY」では、客席も一体となって大熱唱!BOΦWYを愛してやまない会場中の熱気を、その躍動感あふれるステージを持って勢いづけた彼らの勇気と情熱の演奏は、高橋まことの登場へのさらなる期待感に拍車をかけたことはいうまでもないだろう。

Photo Photo
 
Photo Photo

◆re:Φ:ne ホームページ
なし

 

■THE BE MY BABYZ

Photo Photo
 
Photo Photo

興奮さめやらぬ中、続いて登場したのはTHE BE MY BABYZ(ザ・ビーマイベイビーズ)。メンバーは、ブルースター のんにぃ(Vocal)、シルバープリンス りょう(Guitar)、ピンクフラッシュ くりす(Keyboard)、ブラックホース しか(Bass)、グリーンタイフーン しゅら(Drums)。伝説のユニットCOMPLEXのコピーバンドだ。ファンにはたまらないSEからスタートする「1990」より始まったそのステージは、演奏もさることながらMCパフォーマンスも強烈!写真の通り、各々のステージネームに相応しくきらびやかな衣装も客席を魅了していた。COMPLEXの楽曲達が持つロックにしてポップなエンターテインメント感を表現し、会場中を一気に笑顔にした舞台運びは見事!本家COMPLEXが掲げた”日本一心”ならぬ”会場一心”をやりとげていた。

Photo Photo
 
Photo Photo

◆THE BE MY BABYZ ホームページ
なし

 

■Beryl

Photo Photo
 
Photo Photo

いよいよイベントも後半戦!今宵唯一のガールズバンドBeryl(ベリル)が登場。メンバーは、おっくん(Vocal)、クリスティー(Guitar)、りょう(Bass)、ノリ(Keyboard)、しゅら(Drums)。PRINCESS PRINCESSのカバーで盛り上がる!おっくんの伸びと艶やかさを兼ね備えた歌声と、それを支える鮮やかに奏でられるアンサンブルに客席はもう歌わずにはいられない!復興支援のために再結成を果たす本家PRINCESS PRINCESSの熱い思いにも引けをとらない、はしゃぎたくなるようなライブパフォーマンスで、音楽高気圧が発生!この瞬間、「世界でいちばん熱い江坂」となっていたに違いない。

Photo Photo
 
Photo Photo

◆Beryl ホームページ
なし

 

■GIZZY

Photo Photo
 
Photo Photo

カバーバンド勢の最後に登場したのはGIZZY(ギジー)。メンバーは、八神灰児(Vocal)、たけ兄(Guitar)、シンゴ(Bass)、ナカZ(Drums)。本誌・BEEASTとの縁もある、本家ZIGGYの承認カバーバンドだ。いつでもあふれっぱなしのメンバーの笑顔が客席へと伝播していく参加型パフォーマンスこそがその真髄。「歌う準備も騒ぐ準備もとっくに出来てるぞ!」とばかりに煽る4人に、客席は大歓声で応える。既に関西地区ではワンマンライブの成功実績があるが、7月には満を持して東京進出。渋谷での初ワンマンも予定されているというGIZZY。今後の活躍が楽しみだ。

Photo Photo
 
Photo Photo

◆GIZZY ホームページ
http://gizzy.info

 

■BOΦWY-respect-BAND

Photo Photo

5組の高橋まことトリビューターたちにより強く、熱い思いとともにつないできた復興支援のバトンリレー。最後のバトンが、いよいよあの男に引き継がれた!レジェンド・高橋まことの登場だ。その”熱い思いのバトン”をドラムステッィクへと握り替え…いよいよ、待望のステージの幕開けだ!

今か今かと待ちわびた客席の盛り上がりは、幕間の転換時より既に尋常な熱気ではない。テスト音が鳴るたびに、聞き耳を立てる様子や気配が伝わってきた。それもそのはず、今宵江坂MUSEに集まった面々は、今のたった数時間ばかり待っていたのではない。彼ら彼女らはもうずっと何十年ものあいだ、高橋まことが叩くリアルなBOΦWYビートを待ち続けていたのだから…。

Photo Photo
 
Photo Photo

本日の主役、高橋まこと(Drums)は今宵限定のスペシャルバンド、BOΦWY-respect-BANDの一員として登場!バンドメンバーは先ほど熱いステージを繰り広げた八神灰児(Vocal/GIZZY)、ナカZ(Bass/GIZZY)、りょう(Guitar/THE BE MY BABYZ)、まこ父(Guitar/ex:Dr. FEELMANS)の5名だ。

「ON THE WING WITH BROKEN HEART」…何度も何度も聞き馴染んだたあのSEが会場に響き渡る。会場中の誰もがその時、鳥肌を立てたに違いない。静かにして熱く、SEの終わりを待つ客席。そしてずしりとした響きを抱きながら力強く走る出すビートの先に一閃!ピンで抜かれたスポットの先には、待望のAtomic Drum、高橋まことが!「B・BLUE」を繰り出し、BOΦWY-respect-BANDのギグが始まった!

Photo Photo
 
Photo Photo

熱いビートはまだまだ続く。軽いMCをはさみ、ファンにはおなじみの「イメージ!!」の煽り!会場から何倍にもなって返ってくる!もっともっとと煽る八神灰児の声をかき消し「イメージ!」「ダァーゥン!」の掛け合いとともに「IMAGE DOWN」で疾走する。立て続けに繰り出されるのはファンならニヤリの「BABY ACTION」。かつて何度も何度もVTRを見直した高橋まことの雷鳴のような生声による熱いカウントが江坂MUSEに鳴り響く!高橋まことのその熱さに俺達は今もフィーリンラヴ・トゥナイト!!

「BEAT SWEET」ではBOΦWYの『LAST GIGS』での映像記録を彷彿とするようなスティックスローによる掛け合いが見られた。これは高橋まことのファンに対する愛情の真骨頂と言っても過言ではない。「季節が君だけを変える」、「MARIONETTE」と続き、ますますヒートアップしていく客席。そして、「NO! NEW YORK」では高橋まことの8ビートでしか成立しえない、シンプルにして最高のキラーチューンが、江坂MUSEを揺らした。「NEW YORK!NEW YORK!」サビでは会場中が一丸となってジャンプ!間髪入れず届けられたのは名曲「ON MY BEAT」。BOΦWYの歴史を語る上で絶対に外すことができない。高橋まことは満面の笑みとビートをもって、何度も何度も客席を煽り、対話する。そして最後は、会場中の皆がBOΦWYのメンバーだ!と言わんばかりに、高橋まことのリードで客席全員がハイジャンプ!鳴りやまぬ歓声を背に、高橋まこと率いるBOΦWY-respect-BANDはまだまだ楽しみ足りないかのような笑顔を振りまきながら、舞台を後にした。

Photo Photo
 
Photo Photo

鳴りやまない歓声とアンコールの中、一人静かに戻ってくる高橋まこと。彼の口から、今回の福島復興支援チャリティーライブツアーへと駆り立てた、故郷福島についての自らの想いや、報道などで伝えられている以上にまだ何ひとつ手つかずだという福島の現実が伝えられた。だが彼は言う。「暗い顔をしていても仕方がない。こうして自らの音とライブを楽しんだ笑顔とエネルギーが、ちゃんと復興支援につながっていってほしい。風化することなく考え続けるきっかけとして、自分の活動とドラムがあるんだ」と。

「堅苦しい話はここまでにして、聴いてくれよ」と軽くはにかみながらドラムセットへと再び戻った高橋まことは、ファン必涎のドラムソロを届けてみせる。そして「一人じゃ俺やっぱ寂しいからさぁ」と、今宵共にステージに立ったメンバーをステージに呼び戻し、アンコールスタート!出演ボーカル全員による「ONLY YOU」。高橋まこともコーラスに加わり、サプライズなアレンジを関西に届ける。「夢を見てるやつらに贈るぜ!!」のMCから繰り出される「Dreamin’」。夢を見続けたことを誇りに思えたこの大阪の夜。高橋まことと共に、一人ひとりが福島への思いと絆を再認識しあい、高めあうことができたのではないか。

Photo Photo
 
Photo Photo

「We are BOΦWY…まだまだ伝説になんかならねーぞ!」。高橋まことの福島復興支援への歩みは、まだまだ伝説なんて過去の記録・記憶になるはずはない。引き続き、本誌・BEEASTは高橋まことの「がんばっぺ!福島。」プロジェクトを追い続けていく。その手に握られているスティックとともに、彼は「日本一心」という支援の連音符と8ビートをこれからも全国へ響かせ続けてくれるに違いない。

◆BOΦWY-respect-BAND セットリスト
M01. B・BLUE
M02. FUNNY-BOY
M03. Blue Vacation
M04. IMAGE DOWN
M05. BABY ACTION
M06. DRAMATIC! DRASTIC!
M07. BEAT SWEET
M08. 季節が君だけを変える
M09. MARIONETTE
M10. PLASTIC BOMB
M11. NO! NEW YORK
M12. ON MY BEAT
-encore-
M13. ONLY YOU
M14. Dreamin’

◆速報◆
高橋まこと福島復興支援チャリティーライブ 第2回大阪公演が
10月21日に開催決定!!!

http://boowy-takahashi0421.jimdo.com/

photo
がんばっペ!福島。 公式ページ
http://takahashimakoto.com/fukushima/

photo
大阪・江坂 MUSE
http://www.arm-live.com/muse/esaka/


 
 
  コラムニスト
戦国★コンプレックス
戦国★コンプレックス
2022年10月30日更新
第8回「鎌倉見仏記」
The HIGH
さかもとえいぞう
2019年5月30日更新
人生の宿題その4(最終回)
mondo
中村 “MR.MONDO” 匠
2019年11月23日更新
第十三回「一問一答 Part.2」
PINK SAPPHIRE
PINK SAPPHIRE
2019年4月3日更新
第20回「AYA」
永川敏郎
永川敏郎(Toshio Egawa)
2019年5月29日更新
Progressive Man 第42話