連載

【39LIVE】 第5回~JUNGAPOP~
TEXT & PHOTO:鈴木亮介

クリスマスが近づき、イルミネーションできらめく街。「今年の流行語は…」「2012年を表す漢字一文字は…」なんて話題がのぼるようになりました。東日本大震災の発生から一年半以上が経過し、良くも悪くも震災の悲しみが人々の意識から薄れつつあるのは事実です。それでも、一年間を振り返ることが多いこの年末は、改めて「今生きていること」「日々生活していること」への感謝をせずにはいられません。

人と人、心と心をつなぐ「絆」を深めるために、BEEASTにできることは何か……そう考え続け、たどり着いた答えの一つとして、「ロックと生きる…ライフスタイル応援マガジン」を掲げるBEEASTは、ミュージシャンと音楽ファンの絆を深める「39LIVE(サンキューライヴ)」を定期開催します。BEEASTを支えてくださる読者の皆様、ミュージシャンの皆様への「Thank you」を込めて、事前抽選による30名限定のプレミアムライブです!

第5回目の開催となる今回はJUNGAPOP(ジャンガポッポ)が登場!当日はあいにくの台風17号直撃で、首都圏の交通網に大きな影響が出ることが懸念。そんな中でも、JUNGAPOPのステージを間近で楽しめるとあって、都内近郊はもちろんのこと、関西方面からもご参加いただき、ライブは予定通り開催することができました。
 
◆JUNGAPOP メンバー:
尾上一平(Vocal & Guitar)、是永巧一(Guitar & Vocal)、高橋”Jr”知治(Bass & Vocal)、RYOJI(Drums)、金子隆博(keyboard)


JUNGAPOPは1995年、米米CLUBのドラマー坂口良治とギタリスト得能律郎、作曲家の尾上一平の3人で結成。2枚のマキシシングルを発表するも、1999年得能律郎の脱退により活動を休止。その後、4年の歳月を経て2002年にスーパーギタリスト是永巧一を迎え、また以前はサポートメンバーであった高橋Jr.知治HOUND DOGハウンドドッグ)の蓑輪単志を正式メンバーに加え活動を再開します。
 
2003年、各メンバーが米米CLUBRebeccaHOUND DOGウルフルズの中で培った経験、体験、現状をすべて注ぎ込んだミニアルバム「Land of the Rising Sun」を発表。2006年3月、日本初のTHE ROLLING STONESトリビュートアルバムに「GIMME SHELTER」を収録!2009年、ライブ盤「BOOTLEG 1」を発表。現在は「日本エロス化計画」をコンセプトに、エロスを促進する「愛の伝道師」となり、東京都内を中心にライブ活動を行っています。現在蓑輪単志は活動休止中のため、この日のステージはサポートに金子隆博(keyboard/米米CLUB)を招き、5人体制での出演となりました。
 
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午後7時半、5人が個々の音を確かめるように、少しずつ音出しをしながら、ゆっくりと1曲目「US」がスタート。雨模様の空にぴったりな、ジャジーな大人のナンバー。是永巧一のギターと高橋”Jr”知治のベースがしっかりとリードしつつ、その隙間を埋めるようにRYOJIのドラム、金子隆博のキーボードが優しく奏でます。「Gimick」「0.03mm」と続き、尾上一平のエモ?エロ?扇情的なボーカルが渋谷の夜を包み込みます。
 
最初のMCから「熱いぜ!」と高橋”Jr”知治が叫ぶほど、冒頭から乗りに乗る5人と、オーディエンス。「(台風で)帰れなくなったら、朝までやりましょう!」「よろしいでしょうか?お店の方…この人たち朝まで残って。僕らは帰りますけど(笑)」と尾上一平も続き、鬱蒼とした台風の湿気を吹き飛ばす5人の爽快なステージは、各メンバーのソロボーカル曲へと移ります。
 
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4曲目、尾上一平が歌う、「さぼてん」。スローテンポで、キーボードとドラムがポツポツ降る雨のように拍を刻む、優しい曲。「真夜中3時過ぎ~」穏やかな低音も、歌詞と同様に”夜”が似合う大人なボーカル。続いてBob Marleyの名曲に日本語詞を乗せた「One Love」は高橋”Jr”知治がリードボーカルを務め、尾上一平との心地良いハーモニーで酔わせます。
 
6曲目は金子隆博がボーカル。「JUNGAPOPは何となくBob Dylanなイメージがある」とのことで、Bob Dylanのブルースロックナンバー「Watching the River Flow」を力強いボーカルで披露。間奏では是永巧一尾上一平のパワフルなギターサウンド、そして豪快に奏でるピアノソロが心地良い!さらに7曲目は「この流れで来たら次はシャッフルブルースをやりたい」と、是永巧一が歌うRobben Fordの「Talk to your Daughter」!軽やかに、華やかに、オーディエンスを踊らせます!
 
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叙情的なピアノのイントロから、8曲目はJUNGAPOPの代表曲の1つ、「Baby Baby Baby」。雨模様にぴったりな、スローテンポの楽曲に、尾上一平の力強いボーカル。しんみりバラードナンバーに聞き入っていると、「血液型、何型?」「なで型!」「僕もなで肩」「超なで肩」「是永巧一はなで肩コウイチ」「全部なで肩やな」…と、MCはなぜか「なで肩トーク」に。うっとり酔わせつつ、笑いも取りつつ、そのテクニックで数々の女性をオトしてきたであろう百戦錬磨の男たちのステージに、グイグイ引き込まれていきます!
 
「外は台風だってのに何やってるのよ」「早くやろう!はい、せーの!」とRYOJIがダジャレトークを制して、後半戦スタート。9曲目はRYOJIのカホンと高橋”Jr”知治のハープが冴えわたる「La La La」。カントリー調のイントロから、軽快なテンポのリズムに「ララ、ララ、ララ」とこれまた軽快に口ずさむ尾上一平のボーカル。JUNGAPOPの引き出しの多さ、個々のメンバーの多才さを実感します。
 
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「外は嵐!」というセリフが気に入った様子の高橋”Jr”知治。MCも絶好調です。「さっきも(リハ終了後)喫茶店に行って、メンバーみんな、無言でfacebookやってるの」と衝撃の暴露もあったところで、「どれだけ無駄口叩くのよ」「はい、サクサク行きましょう!」と再びRYOJIが制し、10曲目はThe Bandの「I Shall be Released」に日本語詞を乗せてしっとりとカバー。
 
再び、MC。「エロにもエロエロ(色々)ありますが…」と切りだす高橋”Jr”知治。終盤ここにきて、「日本エロス化計画」をコンセプトにエロスを促進するJUNGAPOPの本領発揮!「エロも愛」で5人のオトコたちの力強いハーモニーが、ダブル、トリプル、クアドラプル(4倍)、クインティプル(5倍)!冬眠から覚めた熊のように、薄く覆う雪の幕を突き破って伸びてきた若芽のように、元気なステージ!間髪いれずに、うきうき行進するような「悪魔とKISSをする前に」、こちらも尾上一平高橋”Jr”知治のツインボーカルに是永巧一RYOJI金子隆博がコーラスで加わり、分厚い5人のハーモニーが響く!そして最後はポップで心が温まる「奇跡」で、1時間半を超える熱いステージが終了!
 
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台風17号なんて、何のその。鳴り止まぬアンコールに応えて、JUNGAPOP再登場!まずはRYOJIが一人ステージに戻り、尾上一平らも続きます。最後は「上を向いて歩こう」を全員で熱唱!JUNGAPOP5人とオーディエンスが一体となって、「台風なんか吹き飛ばせ!」とばかりに大合唱。その願いが通じたのか、外を見ると、雨がやんで地面が乾き始めているではないか!!こんな極上の雨宿りは二度とできないでしょう。とてもとても貴重な一夜でありました。
 
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◆セットリスト
M01. US
M02. Gimmick
M03. 0.03mmの夢
M04. さぼてん
M05. One Love
M06. Watching the River Flow
M07. Talk to your Daughter
M08. Baby Baby Baby
M09. La La La
M10. I Shall be Released
M11. エロも愛
M12. 悪魔とKISSをする前に
M13. 奇跡
-encore-
M14. 上を向いて歩こう

◆JUNGAPOP 公式サイト
http://www.manomana.com/music/jungapop/

◆尾上01平 公式サイト
http://www.manomana.com/ippei/index.html/

 
◆インフォメーション
尾上01平・デビュー20周年記念
 第二弾ワンマンライブ完結編
「アーサー・ヤノフとの決別~ジョンの魂~」

・2012年12月8日(土)【高円寺】Show Boat
出演:尾上01平/RYOJI(米米CLUB/JUNGAPOP)/Simon Tanaka/
Naoto Hosokawa/Ika-chan/445/酒井 孝彰(32)/Griffey/まひまひ
OPEN18:30/START19:00
ADV¥3,500/DOOR¥4,000

さて、今回の第5回39LIVEでは、合計6500円を東日本大震災の復興支援として、沿岸部の被災者の命の見守り支援を行う岩手県看護短大の鈴木るり子先生、岩手医科大学の秋冨慎司先生の活動を支援するために寄付することができました。

震災発生から一年を経過した被災地で人手もお金も不足する中、両先生方は岩手県内で災害時救援情報共有のiシステムの構築に尽力しています。秋冨先生はこのほど、岩手県内の関係者で被災地の人たちが復興への足がかりを作れる環境整備のための社団法人「東日本絆コーディネーションセンター(http://www.ekcc.or.jp/index.html)」を立ち上げ、副理事に就任。行政と連携しながら、被災者支援に入る医師や介護福祉士、栄養士などが各々持つ能力を集約し、支援を必要とする人の情報を瞬時に共有することで、少人数・低予算で効率的な支援ができるネットワークを構築しようとしています。

行政や大組織に依存せず、有志が集まって本当に有意義な被災者支援に努める姿勢は、まさにロック!そんな鈴木先生、秋冨先生の活動をBEEASTは引き続き支援していきたいと考えています。

そして、ミュージシャンと音楽ファンをつなぐ39LIVE。このライブを通じて、音楽によって人と人とをつなぎ、絆を深めるべく、ここまで6回にわたって開催してまいりました。いったん、第7回の12月23日(日)の開催をもって39LIVEは幕を閉じたいと思いますが、今後も私たちBEEASTにできる震災復興支援の形、そして人と人とをつなぐイベントのあり方を、今後も追究してまいります。

BEEAST presents 39LIVE final
 
次回、12月23日(日祝)開催の第7回が最終回!
本誌コラムニストを務める
和嶋慎治人間椅子)がソロ弾き語り出演!
当日参加者限定のプレゼントもアリ!
ただ今参加者募集中
(事前抽選制、申し込みは12月1日締切)
 
詳細はこちらのページへ↓
http://www.beeast69.com/news/beeastinfo/43107


 
◆関連記事
【連載】39LIVE バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/39live
【レポート】尾上01平Debut 20th Anniversary「嗚呼青春〜第二章の始まり〜」
http://www.beeast69.com/report/32677