演奏

TEXT:まことZ PHOTO:鈴木亮介

去年50歳になり、今年デビュー20周年を迎えたシンガーソングライター・尾上01平。「ここからオレの青春第二章が始まる」との意味を込めての記念ライブが、6月28日に高円寺Show Boatにて行われた。奇しくもShow Boatも今年19周年を迎え、同じような長さの歴史を刻んできた両者は、お互いにふさわしい貫禄と哀愁とを持ち合わせているとは言えまいか。

尾上01平は1992年に「E NIGHT」というバンドでメジャーデビュー、94年には「Voice of Japan」、96年には「JUNGAPOP」という各バンドを経て音楽活動を一時休止、2000年頃には映像監督、そしてクリエイター、プロデューサーとして活躍後、2010年からソロで音楽活動を再開、2012年の今年が20周年だ。

20年の間に様々な経験をし最終的にでき上がった現在進行形の尾上01平は、20年前と変わらぬ音楽への思い、そして20年前とは違う世界観を、このステージにぶつける。

会場に詰めかけた観客は、女性が7割といったところ。大人が多く、会場は落ち着いた雰囲気だ。この日、前半はアコースティックギターを抱えての弾き語り、後半はバンド形式での演奏という構成。まず弾き語り部分は、音源伴奏と同期させた映像をステージ上に設置したスクリーン映すという、変わった趣向のステージングだ。

 


 


 


時間になりいよいよ開演、と思いきや、ラジオ番組風に恋愛相談に応えるDJの声だけが聴こえてきた。最初から笑いをとる、楽しい内容。その後、本人登場、音源伴奏と同期した映像をバックに「青春謳歌」を歌う。映し出された映像はプロモーションビデオ風で、なかなかかっこいい。続いて、長調だった「青春謳歌」とは対照的に、短調の「僕の詩」。長調から短調へのコントラストが、非常に印象に残った。

 


 


 


2曲を歌ったところで、自身の音楽歴、この日のコンサートの趣旨説明を、スライドショーを使って説明。この人のMCは非常に面白く、会場は笑いが絶えない。続いて、尾上01平の20年前のデビュー曲である「明日の面影」を、アコギ1本の伴奏で弾き語り。20年を経た本来バンド編成だった曲は、この日この形で表現された。尾上01平の20年間をしみ込ませたこの曲は、この日のメイン曲の一つと言えよう。続く「眉月」は、曲調とマッチした映像で、幻想的な世界を表現。

 


 


 


「眉月」の演奏のままステージ上のスクリーンが撤去され、バンドメンバーRYOJI(Drums、米米CLUBJUNGAPOP)、道上いづみ(Bass)、田中志門(Guitar)、細川直人(keyboard)、五十嵐一欽(Percussion)が入場、そして切れ目なく「未踏の光景」が演奏された。この流れるような転換が、とても面白かった。「未踏の光景」では、逆光気味の証明効果で、これまた幻想的な世界を表現していた。この幻想的な曲調は、尾上01平が得意とする音楽の世界の1つだ。続く「秘密と疑惑」では、尾上01平はアコギをエレキに持ち替えて熱唱。そして、続けざまに「蜂」。バンド形式になってから3曲が、流れるように演奏された。

 


 


 


続いてMCにてメンバー紹介後、織田裕二に提供した「君に逢いたい」、George Harrisonの名曲「Isn’t it a pity」と、2曲続けてバラードを歌う。続くレゲエ調の「君のピーチ」、そしてカントリー調の「フランスパンにマーマレード」の2曲は、尾上01平の得意とする音楽の世界のもう一つである、陽気な曲調だ。「君のピーチ」では尾上01平が観客に掛け合いを指導、会場全部が一つとなって、非常に楽しい時間を作り出した。ファンの笑いを引き出す、これが尾上01平からのファンサービスの重要な部分であろう、これを楽しみに尾上01平のライブに足を運ぶファンも多いと思われる。

 


 


 


続いてPaul McCartneyの名曲「LIVE & LET DIE」では尾上01平田中志門細川直人の3人で ソロまわしを披露、フレージングからそれぞれの個性を感じられ、筆者はこういうのが好きだ。そして「花咲く東京夢見る青年」、「正義のロックンロールスター」で、予定演目を終了。「正義のロックンロールスター」は前半は静かな感じだが、後半で曲調ががらりと変わってギターサウンドが歪み、全体的にグルーヴが出て盛り上がった感じで終われるので、丁度いい配曲だ。そしてアンコールに「Sweet on you」。まさに、今の尾上01平、現在進行形の尾上01平の曲だ。「明日の面影」と並んで、この日のメイン曲の1つと言えよう。柔らかい曲調、これが20年という時を経た、答え、なのかも知れない。

 


 


 


「青春の第二章」を迎える01平がどんな音楽を生み出していくのか、その答えが「Sweet on you」の中にあるのだろう。より優しい曲調になりつつも常に愛をテーマにしている、「明日の面影」から「Sweet on you」までの系譜が、「Sweet on you」からの20年後を暗示しているのではないだろうか。その証人になるべく筆者はこの場にいる、そう思うとこの日のライブを観ることができてとてもよかったと思う。20年後の尾上01平のライブはどんなだろうか、相変わらず愛を歌い続けているだろうか、どんな曲調になっているだろうか、そしてやっぱり笑いに満ちているのだろうか。
 

◆セットリスト
-弾き語り-
M01. 青春謳歌
M02. 僕の詩
M03. 明日の面影
M04. 眉月

-バンド演奏-
M05. 未踏の光景
M06. 秘密と疑惑
M07. 蜂
M08. 君に逢いたい
M09. Isn’t it a pity
M10. フランスパンにマーマレード
M11. 君のピーチ
M12. LIVE & LET DIE
M13. 花咲く東京夢見る青年
M14. 正義のロックンロールスター

-アンコール-
M15. Sweet on you

 
◆尾上01平 公式サイト
http://www.manomana.com/ippei/index.html

 

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