連載

【39LIVE】 第4回~AMPM~
TEXT&PHOTO:桂伸也

東日本大震災の発生から一年。「一年経った」ということで、改めて当時のことを思い返し、自分自身の人生を見つめ直したという人も多いのではないでしょうか。

人と人、心と心をつなぐ「絆」を深めるために、BEEASTにできることは何か……そう考え続け、たどり着いた答えの一つとして、「ロックと生きる…ライフスタイル応援マガジン」を掲げるBEEASTは、ミュージシャンと音楽ファンの絆を深める「39LIVE(サンキューライヴ)」を定期開催します。BEEASTを支えてくださる読者の皆様、ミュージシャンの皆様への「Thank you」を込めて、事前抽選による30名限定のプレミアムライブ!

第4回目の開催となる今回は永井ルイ率いるAMPMが登場!

日本が世界に誇るメロディ・メーカー、永井ルイといえば、BEEASTでの今年初頭に行った彼の所属するバンド、FOLKROCKSのライブレポートも記憶に新しいところ。その彼が主体となり、同じくミュージシャンを集め2011年に結成されたバンド、AMPM。その面々も作曲、プロデュース、演奏共に卓越したセンスとテクニックを持ったスペシャリスト集団だけに、そのステージには相当の期待ができるといもの!まだその活動を始めたばかりという彼らのプレミアムなステージということで、この日集まった観衆も、その表情からはスタート前からワクワクした様子が窺えました。
 
◆AMPM is:
永井ルイ(以下、永井:Guitar,Bass & Vocal)、ACKO(Bass,Guitar & Vocal)、TAKAHIROID(Guitar & Vocal)、小畑ポンプ(以下、小畑:Drums & Vocal)、葛岡みち(以下、葛岡:Keyboard & Vocal)、Maruse(Violin & Vocal)


39LIVE 第4回~AMPM~ ダイジェスト映像

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拍手に迎えられ、ステージに登場するメンバー達。セッティングに入り最初の一音を出すまでの間、静寂の緊張感が会場に立ち込めましたが、百戦錬磨のプロ集団はそれを察して気軽なトークでほどよいリラックス感を作り出していきます。そしてスタート。ロックなビートとギターが響く中、妖しいMaruseのバイオリンが流れると、「AM☆PM」でステージは幕を開けました。イントロに聴かれたキメは、Led Zeppelinの「Good times,Bad times」をほうふつさせるようなサウンド。その粋なアレンジに一気に観衆のワクワク感が増していきます。続く「Come on!Come on!Come on!」は、さらにグルーヴィーでブルージーな雰囲気を醸し出し、一気に観衆をAMPMの世界に引き込んでしまいました。「これからどんなサウンドを聴かせてくれるのか?」スタート前に観衆の胸の内にあった思いは、さらに倍増していきます。
 
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名刺代わりの2曲をプレイし終えて、永井が語ります。「こんばんは、AMPMです!今日はこんな近い距離で、よろしく御願いおねがいします!」そのプレイで見せた抜群のグルーヴ感とは裏腹に、とても気楽な雰囲気を見せるAMPMの面々。いきなりジャンケン大会で会場をさらに和ませ、このステージ自体に対する興味を大きくしていきます。そして続いた曲は、アニメ「ケロロ軍曹」のために作られたクリスマスの曲「Ding Dong」。ポップで優しいメロディを聴かせる中、永井のギターがロックの土台をしっかりと築き上げ、とても安心して聴ける雰囲気を作り出します。荒々しいロックな雰囲気だけでなく、何か優しい気持ちになるのもAMPMの持ち味。アニメソング、ポップソングに大きな実績を持つ面々だけに、何か心に残るものが沢山見られるのも特筆すべきポイント。アニメ『ちょびっツ』の主題歌「Raison D’etre」では、思い切りレイドバックしたシャッフルに、要所に織り込まれたゴージャスなコーラス、さらに甘いギターの音色が、玄人肌のファンに猛烈にアピールする、心地良いサウンドを演出していきます。一転して、曲間のMCではまたジャンケン大会を開催と、また楽しい雰囲気が会場を暖めていきます。ジャンケンに興じる永井の表情は、ロックを歌っているよりロック魂爆発!?
 
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曲は一転し、「いいかな!?やっちゃっていいかな!?」というTAKAHIROIDの叫び声と共に、TAKAHIROID作の「空ニラクガキ」。何かガツンと来るギターサウンドがサウンドの中枢にありながら、明るくポップなカラーの中で、明るい雰囲気を醸し出していきます。そこで例えばメインヴォーカルがTAKAHIROIDになっても、違うカラーで同じ雰囲気を醸し出しているところにAMPMがしっかりと持っているポリシーを感じ取ることができます。まるで童謡のようなキャッチーなメロディやハーモニーの中で、要所の巧みなアレンジも抜群!続いて永井の代表曲の一つともいえる、アニメ『美少女戦士セーラームーンR』のエンディング・テーマ、「乙女のポリシー」。頭に強く残るメロディと、サビのキラキラ輝くようなハーモニーは、永井の真骨頂ともいえるポイント、その見事な音を目の前で、生演奏という形で贅沢に堪能した観衆は、その一曲一曲に大満足し、曲をプレイするたびに大きな拍手をステージに投げかけていきます。気持ちがほっこりしてくるような「僕は魔法使い」、ACKO作の、思わず元気が出てきそうな、アクティヴな「星屑涙」、聴いていると気持ちがワクワクしてくるような「Lucky☆Star」、冷え切った気持ちを暖めてくれるようなバラード「Shine,Daylight」と、楽しさを目一杯に詰め込んだナンバーが、楽しさを会場いっぱいに振り撒いていきます。
 
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一曲ごとにアットホームなジョークを差し込んだ永井のトークを中心に要所でMCを挟み、ときにプレゼントのジャンケン大会と、最初から最後まで押しまくりのロックライブとは違った楽しいライブ。そして永井にとって運命的な楽曲である「BIG-O!(Show Must Go On)」へ。ここでしか語れないという逸話を永井が切々と語りました。あえてここでは説明を割愛しますが、気になる方は是非AMPMのライブへ!それまでの穏やかな雰囲気とはまた違う、長いのルーツともいうべきハードなロックを展開。そのサウンドは、ロック・ファンとしてここは外せない聴きどころ、観衆の表情も興奮を示していきます!
 
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続いたナンバーは、ストーリー仕立ての新曲「Tonight Goodnight」。煌びやかなハーモニーからしっとりと入り、最初のメロディはACKO、そこから小畑、TAKAHIROID、葛岡、Maruseと皆が一口ずつ歌っていき、コーラスは全員で歌うというゴージャスなヴォーカル・パート。「皆が歌うことを意識して作った」と語るだけに、ヴォーカルパートの凝りようは相当のもの。聴いているだけでその熱が伝わり、気分が高揚して来ること間違い無しです!最後のブリッジ部に作られたワルツ、そしてテンポダウンと展開の作り方など非常に凝りに凝った作り方も面白く、聴いた当のキャッチーな印象だけでは感じられない部分に強い魅力が満載。そして「聴き足りないと思った方は、あの…“拍手するやつ”をおねがいします」という微笑ましいアンコールの催促と共に硬質なシンセ音から、ラスト・ナンバー「Magic Rhapsody」へ。思わずその声にも力を込める永井のヴォーカルに血湧き肉躍る様子が窺えました。エンディングはこの強力なロック・ナンバーで一度ステージを締めました。
 
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もうこうなれば観衆もアンコールをせがまずにはいられない。楽屋に引く間もなくステージで礼を述べるバンド。そしてこのライブのテーマにもある被災地への思いを込めて、葛岡のシンプルなピアノバッキングから、ACKOのソロ曲「to you」をじっくりと聴かせます。ACKOのメロディをさらに人々の心に伝えるように、Maruseのバイオリンの音色が絡み、印象をより強くしていきます。そしてラストは、永井の原点を曲に込めたともいえる渾身の曲へ。ロックオペラをほうふつさせる美しいハーモニーから、ドラマチックなイントロ、そしてロックならではの衝動感をたたえたその曲は、聴くものの胸を熱くしました。これほどまでにいろんな楽しみ方、気持ちを与えてくれるバンドが他にあるでしょうか?観衆揃って大満足、拍手の洪水の中、ステージは幕を閉じました。
 
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ステージ後は永井による乾杯の音頭と共に打ち上げ、そしてサプライズも待っていました。この日はACKOの誕生日も近いということで、打ち上げ中盤に突然、Maruseのバイオリンの音と共に彼女を祝うバースデーケーキが登場し、ACKO大感激。仲間内で彼女を祝う姿がとても微笑ましくもありました。音楽を作るプロ集団という厳しい面とはまた違った、仲間の繋がりを大事にする彼らの一面が垣間見られた瞬間でもあります。
この日披露された楽曲群で、彼らの主体とする活躍の場であるアニメ・ソングというジャンルは、生粋のロック・ファンからするとどうしても“ロックではないもの”と認識してしまう人もいるかもしれませんが、その点で彼らのサウンドにあえて触れてみる価値は十分にあります。彼らの持ち味であるキャッチー、ポップであることの良さ、魅力は、特にライブでは骨太なロックの表情を残しつつ、多彩で魅力的な時間を与えてくれます。それは、細かいアレンジを味わうような玄人肌の方でも、熱い魂を感じるのが好きな方でも、また、気軽な音楽を楽しみたい方等と、様々なロック、音楽を楽しみたいという要望に応えてくれます。是非一度はライブで、チェックしてみてください!

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◆セットリスト
M01.AM☆PM
M02.Come on!Come on!Come on!
M03.Raison D’etre
M04.Ding Dong
M05.空ニラクガキ
M06.乙女のポリシー
M07.僕は魔法使い
M08.星屑涙
M09.Lucky☆Star
M10.Shine,Daylight
M11.BIG-O!(Show Must Go On)
M12.Tonight Goodnight
M13.Magic Rhapsody
-encore-
E01.to you
E02.(無題)

◆永井ルイ 公式サイト
http://ruinagai.com/top/profile.html/

◆ACKO 公式サイト
http://acko.org.uk/

◆Maruse 公式サイト
http://www007.upp.so-net.ne.jp/marusemania/

◆葛岡みち 公式ブログ
http://michikuzuoka.cocolog-nifty.com/

◆TAKAHIROID 公式サイト
http://www.takahiroid.com/

◆小畑ポンプ 公式サイト
http://obatapump.com/


◆インフォメーション
GARDEN 1st Anniversary presents『夕方のヒットスタジオR&N!?』
2012/10/07 下北沢GARDEN
出演ROCKROLLY(ROLLY(guitar &Vocal)、永井ルイ(Bass &Chorus)、小畑ポンプ(Drums))
  、人間椅子
詳細は永井ルイHPへ

さて、今回の第4回39LIVEでは、合計8,600円を東日本大震災の復興支援として、沿岸部の被災者の命の見守り支援を行う岩手県看護短大の鈴木るり子先生、岩手医科大学の秋冨慎司先生の活動を支援するために寄付することができました。

震災発生から一年を経過した被災地で人手もお金も不足する中、両先生方は岩手県内で災害時救援情報共有のiシステムの構築に尽力しています。秋冨先生はこのほど、岩手県内の関係者で被災地の人たちが復興への足がかりを作れる環境整備のための社団法人「東日本絆コーディネーションセンター(http://www.ekcc.or.jp/index.html)」を立ち上げ、副理事に就任。行政と連携しながら、被災者支援に入る医師や介護福祉士、栄養士などが各々持つ能力を集約し、支援を必要とする人の情報を瞬時に共有することで、少人数・低予算で効率的な支援ができるネットワークを構築しようとしています。

行政や大組織に依存せず、有志が集まって本当に有意義な被災者支援に努める姿勢は、まさにロック!そんな鈴木先生、秋冨先生の活動をBEEASTは支援していきたいと考えています。
そして、ミュージシャンと音楽ファンをつなぐ39LIVE。このライブを通じて、音楽によって人と人とをつなぎ、絆を深めることができればと思います。引き続き、10月以降も定期的に開催しますので、読者の皆様も是非ご参加ください!

BEEAST presents 39LIVE
 
次回は…
SM倶楽部DX(SM倶楽部+山本征史)を迎え10月14日(日)夜に開催決定!
ただ今参加者募集中
(先着順で定員に達し次第募集を終了いたします。)
 
詳細はこちらのページへ↓
http://www.beeast69.com/news/beeastinfo/38378