演奏

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TEXT:八神灰児 PHOTO:K

 
2014年1月11日「大阪 難波 ROCKETS」にて『DAITA THE GUITAR EMISSION 10th Anniversary Tour 2014』ツアー大阪公演が行われた。DAITAのソロデビュー10周年をコンセプトに、年明けも間もなくに駆け抜ける東名阪横断ツアー。ロック好きを自負する筆者だが、実はボーカル不在のライブイベントを観るのは、今回が初めての経験。
 
DAITAといえば、SIAM SHADEのギタリストとしてデビュー後、日本トップランクのギタリストとして大活躍している。その実力は言わずもがな、Breaking Arrowsでの全米デビューの例からも、世界へ轟いているのではないだろうか。いざ会場へと入ると、会場には人・人・人の人だかり!こんなにも「大阪 難波 ROCKETS」が狭く感じられたのは、本当に久しぶり!男女問わず、20代からアラフォーまで、様々な世代のオーディエンスが、あるいはギターキッズ達が会場狭しと溢れかえる状況だ。
 
今回のツアーメンバーは、メインアーティストDAITA(Guitar)を筆頭にYASUO SANO(Drums)・TOMOHIKO OKANDA(Bass) ・SHUNICHI OSHIMA(Keyboard & Saxophone)・TESSEY NAKANO(Sequence Programmer)という知る人ぞ知る総々たるメンバーだ。

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兎にも角にも、日本を代表するテクニシャンのギタリストのDAITA。自身が執筆する記事としては、初のボーカル不在のライブレポということで、今回は少し趣向を変えて、一曲一曲を使用ギターと共に紐解いてみようと思う。またそれぞれの曲が収録されている作品についても、補足しながら進めたいと思う。
 
Ski Jump Pairsの公式オープニング・テーマ曲の完全版である「Volplane」 (G-Life DSG Life-Extreme)でショーはスタート。続いて、韓国の映画『火山高』のサウンドトラックのオープニング1曲目に収録された「Volcano High」(TOM ANDERSON Classic 01-01-99A)。アメリカ滞在時の影響が出ているように感じる、軽快なロックナンバー「Rock’n Roll Driver」(G-Life DSG Life-Extreme)へと繋がる。
 
4曲目は、タイトル通りのワイルド、DAITA独特の色気がでたプレイ「WILD BLOOD」(G-Life DSG Life-Extreme)。DAITAの楽曲の中で筆者のBEST3に入るナンバー、「システムの覚醒 ~AWAKENING OF THE SYSTEM~」(G-Life DSG Life-Extreme)。フレーズのカッコよさ、チョーキングの美しさ、きめ細かい演奏にピックタップ(指ではなくピックでタッピングする技)の均一なトリルが芸術品!!
 
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6曲目は、ゼマティス・シェル・トップで演奏、歯切れの良い休符を入れたフレーズがかっこいい「Blue Passion」(ZEMAITIS S-22 st W&B EDGE)。その次はバラード。嫌でも聞き入ってしまう優しいメロディ、DAITAの丁寧なチョーキングにビブラートを堪能できる「South Wind」(G-Life DSG Life-Alder)。そして未音源、2013.6.15 Shibuy O-EastでのソロライヴTGE UNIVERSAL TONEで初披露した「Red Wings」(G-Life DSG Life-Extreme) 。
 
9曲目は、OSHIMAのサックスがかっこいい、ソロ回しも各パート凄い!の一言。「Be No.1」 (G-Life DSG Life-Alder)。アドヴェンチャー・ゲームの略、リズミカルな中にDAITAらしいメロディが乗ってる「AVG」(G-Life DSG Life-Alder)から、2012年『Ski Jump Pairs 2公式テーマ・ソングであり、曲中はほぼDAITAの代名詞であるタッピングで演奏されている「FREE」(G-Life Snow Life)へ。
 
12曲目は、まさに題名の通り、勝利して凱旋した時のイメージが伝わる壮大な「Triumphal Return」(G-Life Snow Life)。そして、サビともとれる象徴的なフレーズでのハモり、遅延してくるディレイの心地良さ、激しさの中に計算されつくした秀逸な曲、特にソロが圧巻!の「真実と闘争」(G-Life DSG Life-Extreme)を披露。
 
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14曲目は、ワウペダルの効果を最大限に引き出したメロディ・フレーズが聞き所の「Hybrid Gear」(G-Life DSG Life-Extreme)。氷室京介の『BOOWY vs HIMURO』や『SOUL STANDING BY』の時に演奏された「Emphatic Line」(G-Life DSG Life-Extreme)。SIAM SHADE時代からソロタイムで演奏されていた曲を、解散後に音源化してライヴの定番曲となった、ダンサブルなバックに全編タッピングによるDAITAならではの「Handroid」(G-Life DSG Life-Alder)。
 
17曲目は『SIAM SHADE VI』に収録されているインストナンバーであり、ソロライヴでも度々、若干アレンジを変えて演奏されている「Triptych」(TOM ANDERSON Classic 7-18-96A)。2013年のSIAM SHADEツアー でも演奏された。本ステージではSIAM SHADE時代に使用していたTom Andersonで演奏。解散ライブのDVD『V8』でも見る事が出来る。ライヴの最後は、最後にふさわしいノリの良いシャッフルの「19 Boogie」(G-Life DSG Life-Extreme)。DAITAのリズム感の良さを痛感した曲、ベースのスラップ、サックスソロも実にかっこいい。
 
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まさにDAITAワールドとも言うべき特有の世界観と、トップランクのギタリストで居続けるということの実力を、余すところなくステージにて披露してくれたDAITA。男女も問わず、世代も問わず、ファンがひとつになって彼のキターソングライティングに酔い、彼らのライブサウンドに全身を揺らし、拳を掲げている様子は、とても印象的だ。
 
DAITAのソロライブは、時に鳥肌が立ち、心が奮うほど衝撃的。俗に言う歌モノと呼ばれるサウンドばかりを追っかけて来た筆者にだったが、DAITAテイストを存分に含ませたロックインストゥルメンタルに、一気に開眼させられた。もしも筆者と同じく歌モノを中心にロックを聴いている人がいれば、DAITAワールドの扉を開けてみてほしい。彼のサウンドを一度でも体験したなら、その魅力に吸い込まれてしまうことは間違いなし!次は取材ではなく、一人のファンとして、声と拳を振り上げに観に行こうと思う素晴らしきライブだった。
 
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◆SETLIST
M01. Volplane
M02. Volcano High
M03. Rock’n Roll Driver
M04. WILD BLOOD
M05. システムの覚醒(AWAKENING OF THE SYSTEM)
M06. Blue Passion
M07. South Wind
M08. Red Wings
M09. Be No.1
M10. AVG
M11. FREE
M12. Triumphal Return
M13. 真実と闘争(TRUTH AND STRUGGLE)
M14. Hybrid Gear
M15. Emphatic Line
M16. Handroid (encore)
M17. Triptych (encore)
M18. 19 Boogie (encore)
 
◆DAITA Tour Member
DAITA (Guitar)
YASUO SANO(Drums)
TOMOHIKO OKANDA(Bass)
SHUNICHI OSHIMA(Keyboard & Saxophone)
TESSEY NAKANO(Sequence Programmer)
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