演奏

TEXT & PHOTO:N-yukano

2012年2月19日、今日は、本誌にコラムを寄せてくれている永川トシオ率いるGERARD(ジェラルド)のワンマンライヴ。会場である沼袋SANCTUARYに到着し驚いたのは、その客層の幅広さ。プログレって、すごいな!いや、GERARDがすごいのか。若い女性から、往年のファンまでが、GERARDを心待ちにし会場に集っている。その光景に、今宵のライヴへの期待感も高まる。

 


まずは、オープニングアクト「ギャップ萌え」の登場。といっても、部屋着スタイルのGERARDメンバーによる、普段のきらびやかなスタイルとのギャップ萌えが楽しめるバンドだ。上下青ジャージの佐々井康雄(Vocal)を筆頭に、Tシャツ姿の永川トシオ(Keyboards)、そして長谷川淳(Bass)、藤本健一(Drums)の4名が登場すると、黄色い悲鳴が!「オリジナルがないのでGERARDっていうバンドの曲をやります!緊張したフリしてる?演技に見えますか?」とチャーミングな永川トシオのトークに会場が暖まる。

 


 


とは言え、「ギャップ萌え」のコンセプトは「70年代、80年代のハードロック、プログレッシブロックのコピーを中心に活動しているバンド」とのこと。今宵は70年代イギリスのプログレ・ロック界に金字塔を打ち立てたUriah Heepのカバーを3曲披露。1曲目「Easy Livin」から、永川トシオのキーボードの旋律に身震いする!そして「July Morning」「Look At Yourself」と続く。もう、なんというか初っぱなからすごい!これはすごい!と、半ばレポートも忘れ、ただただ素晴らしいステージに圧倒されてしまった。しかしテクニカル鑑賞会というわけではなく、曲中に手拍子等もあり、オーディエンスとの一体感等もあるライヴ!転換中、若い女性が、「ジャージでもカッコいいよね〜きゃー」とファン仲間の友人とはしゃいでいたのが、確かにカッコいいのだが、衝撃的だった!プログレのパワーを感じずにはいられない。

 


 
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そしていよいよお待ちかね、いつものようにパリッとカッコいい大人なファッションで決めたGERARDの登場だ。スモークがモクモクと立つなか、幻想的に「Visionary Dream」が始まり、会場は夢幻の世界に引き込まれる。MCを挟まず、続いても「Don’t Leave Me Now」と、ニューアルバム『Visionary Dream』の収録順に進む。切なく強く歌い上げる佐々井康雄のボーカルももちろんのこと、永川トシオのドラマチックなキーボードソロにくらくらだ。「今日はがっつり『Visionary Dream』の曲をやります。それでは、Irony Of Fateという曲を聴いてください」と優しいギターの調べからのインスト曲。この後もアルバム順通りに「Hopeless Blue Star」へと演奏は続く。「今日はニューアルバムを聴いてもらう企画ということで、とっても緊張してます。」と永川トシオ。「こんばんはー皆さん、ドキドキしてます。」と佐々井康雄も挨拶。「次は、佐々井さんの歌をフューチャーした曲です」と佐々井康雄の歌声から、「My Heart To The Past」「Prelude」が始まる。しっとりとした曲、そして優しく語りかけるような歌声、しみ入るような力強い歌声、様々な表情を見せる佐々井康雄の歌声が詰まった曲に、会場中が魅せられ、拍手が起こった。

 


 


「バンドサウンドをピアノ、歌にしてみました。しんみり聴いてくれたけど、緊張しました。まちがうんちゃうかーって」と笑いを取る永川トシオ。「がんばってるのよ〜聞いてくれる?お正月、約束しました新曲、年(が明ける)前には出来てたんだけどね、1月の半ばから、昨日、一昨日、血の出るような特訓しました。新曲、聴いてください。」キーボードからドラム、ベースと始まる新曲を演奏。これもとても心にしみる曲!CD化が楽しみだ。そして「The Panic Part2」。長谷川淳の重厚感あるベース、藤本健一の躍動感あるドラムが絡み合い、スリリングで大胆、かつ繊細なグルーヴを生み出していた。「白熱したね〜良かった。多分私たちが電球ならきれてます(笑)では、電球〜佐々井康雄さんです!」「どうも〜」と佐々井康雄が爽やかな表情でステージへ戻る。「最後に、『Visionary Dream』の長い曲でお別れしましょう」と、惜しまれつつ「Wall」の演奏でステージは幕を下ろす。情感溢れる演奏に、なぜだかほろり。

 


 
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暗転後もアンコールの手拍子は鳴りやまない。再び、メンバーがステージへ。キーボード、ベース、ドラムによる演奏の「CHAOS」が始まる。息をつく暇もなくわーっと演奏が駆け抜けていく。続けて「Long Long Way To Your Soul」を全員で演奏。「ありがとうございました〜GERARDでした」…これで締めかと思いきや、なんとメンバー全員がサングラスをかけて再登場!「こんばんはーKing Crimsonです」というMCに、どっと笑いが起きる。曲は、King Crimsonの名曲「21st Century Schizoid Man」!最後にもうひと盛り上がりし、ドラマティック&スリリングな夜は締めくくられた。

 


 

 ◆GERARD 公式サイト
 http://sound.jp/gerard/

 

 
 

◆セットリスト
オープニングアクト
~ギャップ萌え~
M01. Easy Livin
M02. July Morning
M03. Look At Yourself
メインアクト「GERARD」
M01. Visionary Dream
M02. Don’t Leave Me Now
M03. Irony Of Fate
M04. Hopeless Blue Star
M05. My Heart To The Past
M06. Prelude
M07. (新曲)
M08. The Panic Part2
M09. Wall
-encore-
M10. CHAOS
M11. Long Long Way To Your Soul
-encore-
M12. 21st Century Schizoid Man

◆インフォメーション
~70’s & 80’s Rock Cover Band ワンマンライブ~
2012年08月12日(日)【沼袋】SANCTUARY
出演:ギャップ萌え (ゲスト:GERARD)
 
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応募の詳細については近日中にビーストインフォメーションにて公開します。
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